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第四回ヨーロッパ反資本主義左翼会議         かけはし2002.7.29号より

社会主義めざす戦闘的左翼に大きな闘いの舞台が開かれた


 六月十八日と十九日にスペインのマドリードで、第四回ヨーロッパ反資本主義左翼会議が開催されたが、闘争の発展が新しい任務と新しい計画を考察させることになっている。
 この会議に出席したのは、デンマークの「赤と緑の連合」、スコットランド社会主義党、イギリスの社会主義連盟とSWP(社会主義労働者党)、フランスのLCR(革命的共産主義者同盟)、ルクセンブルクの「ラ・ゴーシュ」、ドイツのDKP、ジュネーブの「連帯」、イタリアの共産主義再建党、トルコのODP(自由・連帯党)、ポルトガルの左翼ブロック、バスクのZutikと「左翼」グループ、スペイン共産党の「赤い」潮流、スペインのオルタナティブ・スペース・グループであった。
 この第四回会議は、とりわけイタリア共産主義再建党、スペイン共産党とスペイン共産主義運動の諸潮流が参加することによって、急進的な反資本主義左翼のためのイニシアティブが前面に出ることになった。
 会議は、左翼政権や中道左派政権の経験と自由主義路線に対する社会の抵抗の発展に引き続く右翼の政権復帰というヨーロッパ情勢の転換を受けて開催された。
 リスボン、レイケン、バルセロナの欧州首脳会議以来、支配階級とEU傘下の各国政府は、自由主義的路線に基づく再編を加速させた。規制緩和、民営化、公共サービスの解体、年金制度への攻撃、より厳しい移民政策の実施といった対抗改革が猛スピードで拡大している。
 要するに、各国政府は「ヨーロッパ社会モデル」の解体を加速化したいと願っているのであり、同時に社会秩序の混乱が起こらないようにするためにありとあらゆる抑圧的な政策と法規を強化している。否認してはいるものの、EUの支配階級が建設しようと試みているのはまさに、要塞ヨーロッパである。
 だが、情勢はまた、社会的、政治的分極化という特徴を示している。こうした分極化のもとでは、新自由主義路線の攻勢に直面して、一連の社会闘争と大衆動員が湧き起こっている。イタリアではここ数カ月は、ベルルスコーニ政府とイタリアの労働組合や左翼のゼネストとの対決が支配的になっていた。この会議の翌日にも、スペインの全労働組合運動が参加するゼネストが行われた。
 労働界のこれらの大衆動員は、EUにおける社会的気分の変化を示している。変化はまた、資本主義的グローバリゼーションに反対する青年の急進化の新しい波の中にも表現されている。イタリアのジェノバでのG8のサミットに反対する大衆動員に続いて、バルセロナでは青年と労働運動の全部門とが合流するかつてないデモが行われた。セビリアのデモは各国政府に対して新たな訓戒の一撃を与えた。
 そして、この秋におけるイタリアでのヨーロッパ社会フォーラムの準備は、資本主義的グローバリゼーションに反対する運動にとって新しい段階をなすものとなろう。
 この運動は実際、中心的役割を果たしている。なぜなら、反資本主義の急進的左翼は、その多様性を超えて、マドリードの会議に参加してきたすべての組織を結集したからである。これは、フランスのLCR、イタリアの共産主義再建党、イギリスのSWP、ポルトガルの左翼ブロック、スコットランドの社会主義党と異なる諸組織も、行動と討論の共同の場を見出すことができる運動なのである。
 自由主義路線に対する社会の抵抗、社会民主主義の社会自由主義への進化、共産党の歴史的な衰退の結果として、急進的な左翼の組織や潮流にとって一つの場が開かれている。
 この運動を追求していくには二つの条件が必要である。まず第一に、社会運動を建設してその自立を尊重するという点を配慮した、非セクト主義的な統一的路線を発展させなければならない。次に、社会自由主義的路線の左翼の計画に対するオルタナティブにおいて以上すべての点の一致をかちとることが必要である。反資本主義的な急進的左翼は、自由主義路線につき従うか受け入れるかしている政府に対する支持や参加といういっさいの定式を拒否する。この一致は、反資本主義的な急進的左翼の誕生に参加しているすべての勢力の指針になるに違いない。
 今回の会議は、討論から共同行動へと移行し、共同キャンペーンの可能性を検討した。ヨーロッパ社会フォーラムの準備がその最初の期日となる。
 会議での討論はまたEU各国政府の移民政策に反対する共同キャンペーンを取り上げた。だが、この会議は同時に、ヨーロッパの政治的再編、資本主義システムとの決別の計画、諸機関や国家との関係、政治勢力の建設と社会運動との関係といった中心的問題をめぐって、前進が成し遂げられるような基本的な討論の枠組みともなり得る。どのようなタイプの民主的な社会主義か? その論争は、反資本主義的なこの新しい勢力の土台を建設するに違いない。



コミュニケ

信頼し得る全ヨーロッパ的オルタナティブ左翼へ

第四回ヨーロッパ反資本主義左翼会議

 マドリードにおいて二〇〇二年六月十八日、十九日に、ヨーロッパ反資本主義左翼会議が開催された。今回はリスボン、パリ、ブリュッセルに続く四回目の会議である。
 参加組織は以下のとおりである。デンマークのRGA(赤と緑の連合)、スコットランドのSSP(社会主義党)、イギリスのSA(社会主義連盟)、イギリスのSWP(社会主義労働者党)、ルクセンブルクのDei Linke(ラ・ゴーシュ)、フランスのLCR(革命的共産主義者同盟)、ポルトガルのBE(左翼ブロック)、イタリアのPRC(共産主義再建党)、スイスのソリダリテ(連帯)、トルコのODP(自由・連帯党)、スペインのエスパシオ・アルテルナティヴォ(オルタナティブ・スペース)。バスクのZutik。
 さらに次の組織がオブザーバーとして出席した。スペインのコリエンテ・ロホ(赤い潮流、統一左翼内のかつての左翼綱領派)、スペインの統一左翼。ドイツのDKP(ドイツ共産党)は会議には参加しなかったが、集会には出席した。オランダのSP(社会主義党)は今回、欠席したが、同会議に関心があり今後協力を追求するとするメッセージを送ってきた。
 会議の議題は、ヨーロッパにおける左翼の情勢、EUの政策、共同政治宣言、コペンハーゲンでの対抗サミット、スペインのゼネストとセビリアの大衆動員に関する情報、であった。
 同会議は、この第四回の会議を通じて重要な前進を確認した。各国での参加組織の大部分の強化、共産主義再建党(ヨーロッパの共産党の結集体であるヨーロッパGUE=統一左翼から離れることなく)の参加、参加組織による反グローバリゼーション運動、反戦運動、パレスチナ人民との連帯への重要な参加、政治情勢の分析と反資本主義左翼の役割に関する深い一致、がそれである。
 会議は、社会自由主義路線を進む政権左翼に対置して信頼に値するオルタナティブを提示できるヨーロッパ左翼の形成に向かう過程を支持することを明らかにした。この精神にもとづいて、会議は、今年十月にオルタナティブ左翼のフォーラムの開催を目指すイタリア共産主義再建党のアピールを支援する。
 会議は、ヨーロッパ社会フォーラムの結成に貢献するだろう。このフォーラムは、大陸規模の社会運動や労働組合運動や市民運動にとって重要なイベントとなる。それは、ヨーロッパのすべての国におけるフォーラムの設立と活動とその目的を支持するだろう。
 会議は、アメリカ帝国主義とその同盟者による新しい戦争に反対する闘争、移民と連帯し「ヨーロッパ社会的権利」を主張する闘争の面でよりいっそう協力し合うことを決定した。会議はこれを機会に、ヨーロッパの反資本主義的潮流としての自らのアイデンティティーを強調するために一つの共通ロゴを持つことになろう。
 会議の組織化はデンマークが議長役を務めるEU首脳会議に対する対抗サミットの成功に貢献するだろう。会議は、二〇〇二年十二月にコペンハーゲンで第五回会議を開催することを決定した。この会議は、デンマークの「赤と緑の連合」によって主催される。(『ルージュ』02年6月27日)


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