| 「超管理社会」にNOを! かけはし2002.7.29号より |
「ウシは10ケタ、ヒトは11ケタ」。八月五日から実施される「住基ネット」に反対する集会とデモが行われた。七月二十日、会場である東京・八丁堀の東京スクエアホールには、五百五十人の市民が集まった。
「住基ネット」とは、住民基本台帳に記載された日本「国民」全員に十一桁の番号(住民票コード)を付け、各市町村の端末から都道府県、全国センター、そして国の行政機関をオンラインで結ぶもの。今年八月五日から実施される。住所・氏名をはじめとする本人確認六情報が全国津々浦々まで飛び交い、どこでも瞬時に照会できる。
旧自治省は当初、この制度の目的を「住民票の広域交付」や「転出入事務の簡素化」などと説明していたが、数百億円の経費を投入した電子社会のシステムが、この程度の「目的」で終わるはずがない。「利便性」という口説き文句のウラで、「国民総背番号制」による超管理社会をつくる計画が進行している。
まず実行委の白石孝さんが、この間の経過を報告して開会。ジャーナリストの有田芳生さんは、偶然乗ったタクシーの運転手とのエピソードを披露。「有田さんでしょう。知っていますよ。今ラジオで『住基ネット』のことやってたけど、なんだか気味が悪い話ですね」。共産党の矢島つねお議員があいさつ。
パロディストのマッド・アマノさんの発言は痛烈だ。「今この会場に、総務庁の役人が、二十人ほど忍び込んでおられる。悪いが今すぐ出ていってもらいたい」「プライバシーの侵害とは、なにも隣の人にのぞかれることではない。国家によって監視され管理されることを言うのだ」。和服姿で登壇した三橋順子さんはトランスジェンダー。「私たちは、自身が望んだ性別でひっそりと暮らしている。しかし住基カードには戸籍上の性別が記載される。これは私たちがもっとも知られたくない部分で、この提示によって平穏な生活が脅かされるのです」。
板垣竜太さん、山根信二さんと発言が続き、歌手の生田卍さんがギターを抱えて登場した。生田さんは、「君が代」に対抗する日本の国歌を「ひょっこりひょうたん島、お富さん、ヨイトマケの唄」の三曲から、会場の拍手で選んだ。ユーモアあふれるジョークを交えて、「ヨイトマケの唄」を熱唱、会場は大きな拍手に包まれた。
戸籍研究家の佐藤文明さん、日弁連と自治労からの発言、各地での運動の報告を受け集会宣言を採択して閉会した。限られた時間のなかで、実に多彩な発言者と、終始ユーモラスな雰囲気で、痛烈に「国民総背番号制」を批判した集会だった。
参加者はこの後、デモに出発。先頭では「BSE対策」で十桁の識別番号が付けられたウシ君が横断幕を掲げ、おそろいのバーコードTシャツを着て、シールを頬や額に貼った参加者が続いた。思い思いのアイデアのコスチュームは、実に的確でわかりやすく、迫りくる暗黒の管理監視社会を表現している。炎天下の銀座をにぎやかに練り歩くパレードは、沿道の人々の注目を集めた。
住基ネット八月五日実施を許さない! 「国民総背番号制」はいらない! 「超管理社会」にNOを!(S) |