| ILO第158号条約を批准せよ かけはし2002.7.22号より |
七月十二日、東京・霞が関で、厚生労働省と財界がめざす「首切り自由ルール」を許さず、勝手な首切りを制限したILO第158号条約の批准と解雇制限法の制定を求める昼デモが行われた。
この行動は、厚生労働省労働政策審議会の二つの文書(「現行の契約労働法制について」「今後の労働条件に係わる制度の在り方に係わる検討の視点」)がねらう「首切り自由」の法制化を阻止するために、国労闘争団、全動労争議団、関西航業争議団、東洋印刷争議団、明治書院労組、東京争議団、けんり総行動の各団体が集まって結成した「首切り自由」ルールを許すな!昼でも実行委員会が呼びかけたもの。
炎天下の日比谷公園に集まり、「首切り自由ルールを許すな!」「ILO158号条約を批准せよ!」と元気にシュプレヒコールを上げながら、何十本もの労働組合や争議団の旗を林立させて厚生労働省周辺をデモ行進した。 (I)
解説
「首切り自由」の法制化ねらう小泉政権とILO第158号条約
企業が労働者を勝手に解雇することはできないということは、戦後の労働運動がかちとってきた成果である。いくつもの争議で裁判所の判例を積み重ねてきた整理解雇の法理(整理解雇四要件@人員削減の必要性が本当にあるのかA解雇回避努力をしたかB解雇される人間の選定基準は合理的かC解雇の手続きは合理的か)が、勝手放題な解雇を規制する役割を果たしてきた。
しかし、新自由主義的な資本のグローバリゼーションが進行するなかで、多国籍資本と財界はこのような解雇規制の解体と「首切り自由」の法制化をねらった攻撃を強めてきた。在日米国商工会議所、東京商工会議所、総合規制改革会議などが、異口同音に「解雇規制が企業の活力の低下を招いている」と主張し、東京地裁では「本来解雇は自由」などという、これまでの確立した判例を覆すとんでもない判決が出されはじめている。
そして厚生労働省でも総合規制改革会議の答申を受け、労働政策審議会労働条件分科会で「解雇ルール」の検討が始まった。そこで今年二月に出されたのが、「現行の労働契約法制について」と「今後の労働条件に係わる制度の在り方に係わる検討の視点」である。
この文書で特徴的なことは、整理解雇四要件に示される「解雇権濫用の法理」「整理解雇の法理」が果たしてきた役割についての評価が全くなく、「解雇をめぐって現場が混乱しているから」ということで、新たな首切りルールを法制化しようとしていることである。しかも「金銭による解決」の検討も提起している。すなわち、ある程度のカネさえだせば首切り自由ということになる。
ILO第158号条約「使用者の発意による雇用の終了に関する条約」は@妥当な理由がなければ解雇してはならないA労働者に自己弁護の機会を与えなければならないB使用者には解雇が必要だという理由を立証する責任があるC解雇の回避、最小化措置、影響の軽減措置に関する協議の場を労働者代表に与える必要がある\\と定め、一方的な首切りを禁じている。
日本政府は「国内法が整理されていない」という口実で、このILO第158号条約を批准していない。国内法が整理されていないなら、全労協などが提起している「解雇制限法」を制定して、これまでの判例で確立してきた「解雇権濫用の法理」「整理解雇の法理」を法制化すべきなのだ。しかし小泉政権と財界は、全く逆に「首切り自由の法制化」をねらっているのである。政府はILO第158号条約を批准せよ! 解雇制限法の制定を! (I)
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