第7回反空港連絡会・関西大会
安全性・経済性・環境無視の航空行政に批判が高まる |
軍事疑獄の構造
的解明が必要だ
第七回反空港全国連絡会・関西大会が、十一月二十三・二十四日の日程で大阪・釜ヶ崎の会場及び関西・伊丹・神戸空港視察というプログラムで開催された。
関西大会には、三里塚、羽田、静岡、福岡、白保、神戸、関西の各空港とのさまざまな闘いや活動を続けている人々、四十人ほどが参加して、各地区の報告を行い、真剣な討論を交わした。司会は「関西共同行動」の三橋秀子さん、開会のあいさつは神戸の恩田怜さん。講演は、全日空パイロットの森徹次さん(元航空安全推進連絡会議議長)が、「パイロットから見た空の安全」というテーマで行い(別掲)、また各地区の活動家からの質問にもていねいに答えてくれた。
成田から白保
まで各地の報告
今回の反空港連絡会の大会宣言にあるように「全国の空港状況を垣間見ると、三里塚では暫定滑走路の正規化の動き、羽田の平行滑走路の供用、静岡空港の有無を言わせぬ建設強行攻撃、中部空港の前島を含めた採算性、伊丹空港の地元負担を強いる二種空港への格下げ、関西空港の二期供用開始の強行、神戸空港の採算性、新北九州空港が開港したにもかかわらず、新福岡空港建設を推し進める行政、新石垣空港建設強行を迫る土地強制収用攻撃等々、自然や地域の生活破壊を踏み台にした土建行政による資本の利潤追求を容認・推進する自民党政権の暴政・圧政。市場原理から言っても採算性が取れず、四苦八苦している空港が本当に必要なのか? 空の安全性は? 環境問題は? 軍事利用は? これらの是非を問うていかなければなりません」という概要にそって、各地区から報告がされた。
三里塚は「三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会」の山崎宏さん、羽田は「羽田空港を監視する会」の大道寺毅さん、静岡は「静岡空港に反対する県民の会」の桜井建男さんと本来地権者の大井寿生さん、福岡は「新福岡空港ストップ連絡会」の牧忠孝さん(岡田博国さんも参加)、神戸は「神戸市民☆投票力」の恩田さん、関空は「泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」の根本博さん、白保は「八重山・白保の海を守る守る会」の生島融さんがそれぞれ報告を行った。
特に今回は、開催地を白保にとも考えたほどに、強制収用が迫っていることもあり、生島さんの報告はSPGを使用した詳細な報告がなされ、また共有者を募る訴えがなされた。
討論の中で、一坪運動が闘争の長期化(三里塚)によって相続などの問題を抱える中で、どう権利を守っていくのか、あるいは現在も続いているシビアな地権者の闘い(静岡)にきちんとコミットしていく必要性、収用攻撃(白保)の前にできるだけ拡大していく必要性などが語られた。最後に大会宣言が討論を踏まえて採択された。
釜日労のバスで
空港現地の視察
翌二十四日、地元の釜ヶ崎の視察でスタート。案内は釜日労の山内義弘さんと関西連帯する会の渡邉充春さん。JR新今宮駅の近く、南海本線と阪堺電軌阪堺線に挟まれた「あいりん地区」、福祉マンション、西成署、三角公園、職安、社会医療センター付属病院などを案内され、道端に古着や雑貨を売る露天の店をみながら、野宿者が週一回、五千七百円の仕事を、月三回もらえて何とか飢えをしのぐ生活の一端を垣間見た。これも厳しい座り込みなどの闘いの成果なのだが、国はすでに撤退し、大阪府と市が期限付きで続けているものだ。
三里塚闘争や関空との闘いに長年参加してきた釜日労の勝利号で、関空、伊丹、神戸の各空港めぐりが行われた。
関空では、今年八月に供用されたばかりの二期滑走路に着陸する航空機を見ながら、一期の空港施設の地盤沈下による建物のゆがみやこの補修工事の話を、住民連絡会の若野正太郎さんからうかがう。
伊丹では豊中市側の乾燥路南端から、頭上のすぐ近くまで降りて着陸する飛行機を体感した。いまは関空に大・中型航空機を路線変更させる行政指導によって小型機中心となった伊丹は、騒音被害はかなり減少した。これは長年にわたる大阪空港訴訟を軸に闘ってきた住民運動の成果である。
神戸空港は恩田怜さんに案内してもらいながら、こじんまりした空港施設を見学する。連休のかき入れ時というのに、羽田行きのスカイマークは、空席が埋まらない。にぎやかなのは、市内の家族連れの観光客である。新神戸駅からの新幹線の混み具合とは対照的で、やはり関西・東京間の移動は列車が安心で便利という実感を新たにした。二日間の中身の濃い反空港連絡会の行動だった。準備された関西の皆さんに心から感謝したい。
(高橋千代司)
森徹次さん講演から
過密空域の中の神戸空港は作るべきではなかった!
大事故の背景には
小さなミスがある
一九四八年生まれ、七一年に全日空に入社し、当初はYS11に乗り、八一年からジャンボに乗り、成田に勤務している。
一九六六年に三つの大きな航空機事故がおこった。二月四日の全日空ボーイング727、羽田空港に進入降下中、東京湾に墜落、百三十三人全員死亡、原因不明。三月四日、カナダパシフィック航空DC8、羽田空港への着陸に失敗、防波堤に激突炎上、六十四人死亡、八人重軽傷。三月五日、BOACボーイング707、富士山上空で乱気流のため空中分解、百二十四人全員死亡。こういう呪われた日本の空という問題を契機に、全日空のパイロット、搭乗スタッフ、地上整備スタッフ、管制官、天候情報のスタッフによる航空安全推進連絡会議が作られ、主に航空局と交渉を重ねている。
空の安全ではないが、石見空港のような一日二便しか運行していない地方空港があり、それでも管制官や天候情報を一定時間ごとにチェックするスタッフが常勤しているという問題がある。これは経済的にみていかがなものかと考えることがある。
関西では、大阪湾を中心に、伊丹、関空、神戸の三つの空港が錯綜していて、大変に窮屈な空域となっている。伊丹の北側には六甲山が壁となっており、神戸空港から離陸した先には明石橋がある。こういう地理的な制約を考えるなら、神戸空港は作るべきではなかったし、市長にもわれわれの意見は伝えている。
関東では、羽田便が六割を占めている。焼津沖でニアミスが発生した。907便と908便のこのニアミスは衝突しなかったのが不思議なほどの事故だった。これは、その空域の過密さからくると管制業務の困難さが根本要因といえる。
事故原因を考えると、大きな事故には、それにいたるたくさんの小さなミスや事故が背景にある。それらを問題にし、解決していくことが必要だ。
住民追い出しの
成田暫定滑走路
ジャンボ機は離陸時には四百トンを超える重量があり、仮にこの重量でドスンと着陸するとすれば主脚が果してその衝撃に耐えられるか。ただし着陸時は燃料が消費されて二百数十トンになるので、ドスンと着陸しても大丈夫なわけだが、非常に緊張する瞬間ではある。また、会社は燃料をなるべく消費しないために、一万メートル以上の上空を飛べと盛んに言っている。
しかし、飛行機の中は二千メートル程度上空の気圧を維持しているので、外の気圧が低くなると機体には気圧差のために膨張する大きな力が加わる。一日四往復では八回も機体が膨張する力にさらされるということは、金属疲労の問題もあるし、何かの事故で機体に穴が開いたりすると、一挙に気圧が低下するという危険もある。そういうわけで、私はいつも三千メートルくらいの低いところを飛ぶことにしている。
静岡空港の空域の問題では、羽田を中心とする空域や近くの自衛隊基地の空域との問題があるそうだが、航空局と防衛省との調整というのは、実に難しい。
成田の暫定滑走路では、航空局は実にふざけている。明らかに騒音で住民を追い出そうとしていることは明白で、国民を軽視している。ジャンボ機に乗っている私は、暫定滑走路は飛ばないが、中・小型機の現場パイロットはとても苦労していると思う。
関空の二期が供用を開始しているが、二期の四千メートル滑走路は、着陸用に使われているのは不思議だ。離陸こそ長い滑走路が必要ではないか。(発言要旨、文責編集部)
一坪反戦地主会関東ブロックが集会
辺野古・高江の闘い支え「米軍再編」ストップを
十一月二十八日、東京・水道橋の全水道会館で「今こそ沖縄の基地強化をとめよう! 11・28集会」が沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で開かれた。
最初に、高江の人たちの闘いのビデオ(22分)が上映された。日本政府は米軍のジャングル戦闘用北部訓練場がある高江地区(住民150人)に新型機MV22オスプレイ(大型垂直離発着攻撃ヘリ)の離発着地を六つ作ろうとしている。
巨大軍事ヘリが兵員を吊り下げて運ぶ戦場さながらの様子が映し出された。そして工事のための資材搬入に抗議する地元の人々の闘い。防衛省職員や工事関係者に粘り強く説得し、スクラムで阻止する闘いが繰り広げられる。闘いの姿に胸が打たれた。
連日行われる
環境事前調査
次に沖縄からの報告が行われた。
安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会・代表委員)が辺野古の闘いについて報告した。
「辺野古に新基地を作らせないために、体を張って闘いをやってきた。こうした闘いをやらないと基地建設を止められないからだ。今は、辺野古と高江の闘いが焦点になっている。辺野古では毎日、環境事前調査が行われている。それを阻止するために、カヌー隊を出して闘っている。つい先日、東京東部実行委員会の仲間が応援にかけつけてきたが、こうした支援が本当にありがたい」。
「辺野古新基地に対して、米軍機の機種や作業ヤードがどのくらいになるか情報を明らかにしない。大浦湾の埋め立てを行い、埠頭を作るとしているが、こうなれば原子力潜水艦なども入港する軍港になるだろう。守屋逮捕で防衛省の闇が明らかになりつつあるが、守屋が米軍再編で何を裏でやってきたのか明らかにさせなければならない」。
「国策に抵抗する権利がわれわれにある。苦しくても厳しくても私たちの主張は間違っていない。闘いは民主主義を発展させるものでもある。これからも長い闘いになるだろう。支援のカンパで二台のゴムボートを買った。一人でも多くの人が現地にかけつけてほしい」。
続いて、山城博治さん(沖縄平和運動センター・事務局長)が米軍基地の日米共同使用について報告した。
「普天間基地には、イラクから米軍ヘリが戻ってきている。岩国からF18ホーネット三十機が移駐して訓練している。嘉手納にはPAC3が導入された。F15戦闘機が空中分解する重大事故が起きても、訓練を再開した。沖縄は戦場の街となっている」。
「さらに、全国で自衛隊基地を米軍が使う共同使用が拡大している。沖縄では逆に米軍基地を自衛隊が共同使用するようになっている。キャンプハンセンの日米共同使用問題だ。これに対して、近隣三町村が自衛隊の使用に反対していたが、基地交付金欲しさに認めてしまった。カネ欲しさに基地強化を受け入れる首長は認められない。次の選挙では必ず落とす。県民はそんなに甘くはない」。
「このほか、下地島の民間パイロット訓練飛行場を自衛隊が使おうとねらっている。また、八重山の一般港に初めて、米艦船が入港した。これは対中国作戦をねらったものだ。中国が軍事衛星を打ち落とす実験に成功した。ミサイル戦争になれば、真っ先に沖縄が戦場と化す。こんなことを許さない」。
「高江は那覇などから遠い所にあるが、いざ何かあれば沖縄県民は遠くても旗を立てて闘うことをこの間の闘いで証明した。ねばり強い闘いをしていこう」。
米軍司令部発足に
座間の住民が抗議
次に、参議院議員の山内徳信さんが国会報告を行った。山内さんの報告の後、首都圏で闘う仲間が連帯のあいさつを行った。
東京平和運動センターの関さんは、「横田、横須賀、座間、入間で進む日米の基地強化はまさしく本土の沖縄化になっている。来年の八月十九日に原子力空母が横須賀に入港する。関東の反基地の闘いは沖縄の闘いの勝利にもつながっている」と語った。
沖縄の闘いと連帯する東京東部実行委員会の仲間は十一月二十四日から四人で辺野古や高江に支援に行った報告を行った。
「高江では青年がひとりでテントで泊まりこみで監視活動をしていた。辺野古では二十四時間交替でたいへんな闘いを行っていた。東部では次に第三次派遣団を来年の一月二十六日から二十九日に行う予定だ。支援にかけつけよう」。
練馬で沖縄教科書問題を闘う仲間が「十一月十四日に八地域で『沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会・東京』を結成した。文科省のあいまいな態度を許さず検定の撤回を求める。十二月三日に九段会館の集会、十二月四日の昼に文科省前でパフォーマンスを行う。それに対して歴史教科書をつくる会の右翼が同時刻に同じ場所で行動することがわかった。ひるまず撤回を求めていきたい」と訴えた。
キャンプ座間で毎週水曜日に、基地のあるバス停留所で基地ストップ行動をしている仲間は「十二月十九日に第一軍団の前方司令部が発足する。すでに大型ジープ十四台、トラック四台が搬入された。黄色に塗られたものもあり、それは砂漠用のものだという。十二月十五日、相武台一丁目公園で午後一時半から定例デモを行う。十二月十九日発足式には一時半から三時半まで基地前で抗議の座り込みを行う。
最後に、団結ガンバローでしめくくった。なお、会場カンパは十二万余円が集まり、安次富さん、山城さんに渡された。 (M)
|