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非正規労働者のユニオンと国会議員が院内集会      かけはし2007.12.10号

今こそ派遣法改正を実現しよう

格差是正を実現し希望のもてる働き方を


 十一月二十日、衆院第一議員会館で「今こそ派遣法改正を実現しよう!格差是正と希望のもてる働き方を!院内集会」が開かれた。十月四日に引き続く第二弾である。
 今回の院内集会は、民主党の「次の内閣」厚労相の山田正彦さんが、来年の通常国会で派遣法の改正案を提出することを明言したこと、さらに、今回初めて参加した公明党・遠山清彦さん(雇用格差対策本部長、参院議員)ら二人の国会議員が参加し、現行法の中で是正に向けてやれることは何でもやりたいと決意を語ったことが特徴であった。

見直しではなく
抜本的改正を

 鴨桃代さん(全国ユニオン会長)が、「日雇い派遣がピンハネ、ワーキングプアの温床になっている。派遣法の見直しではなく抜本的改正を求めていく」と主催者あいさつを行った。
 緊迫する国会情勢の中かけつけた国会議員が次々とあいさつした。
 民主党から枝野幸男(衆院)、山田正彦(衆院)、佐々木隆博(衆院)、郡和子(衆院)、大島九州男(参院)、相原久美子(参院)。社民党から福島みずほ党首、辻元清美(衆院)、菅野哲雄(衆院)、近藤正道(参院)、保坂展人(衆院)。国民新党から亀井亜紀子(参院)。共産党から小池晃(参院)。公明党から遠山清彦(参院)、谷合正明(参院)。無所属から松浦大悟(秋田、参院)。
 民主党・山田さんが「次の通常国会に派遣法改正案を出す準備をしている」と言いきった。福島社民党党首は「スポット派遣にも日雇い保険の適用を認めたり、タクシーの規制強化を政府は打ち出した。流れが変わってきている。登録型派遣を禁止すればスポット派遣はなくなる」と語った。
 共産党の小池さんも「偽装請負が問題となっている現在、大手企業は是正するとしているが、偽装直接雇用になっている。これは裏マニアルがあるとしかおもえない。派遣労働者保護法にしていかなければならない」と述べた。
 国民新党・亀井さんは「KDDI国際オペレーターのひどい現状を聞いて驚いている。私がかつて通訳をしていた一九九二年頃、最低でも時給千六百円、通訳だと三千円を切ることはなかった。その当時は専門性と雇用が不安定ということで正社員よりも賃金が高かった。今はひどすぎる是正にむけてがんばりたい」と語った。
 公明党・遠山さんは「太田代表が十一月十日、日雇い派遣について、見直しから規制強化の方針を打ち出した。そこで、ネットの関根さんからヒアリングを受けた。与党の一角にいるので、現行法内でもできることをまとめて福田総理や厚労大臣に直接手渡したい。ネットカフェ『難民』に東京都は緊急総合三カ年計画を立て、百億円の予算を組んだ。就労準備金として五十万円、給与の補助として十万円を六カ月貸し付ける制度だ。国の来年度予算編成の中に対策費を盛り込ませたい」と訴えた。
 秋田選出の松浦さんも「NHKでワーキングプアについて放送した。事例の三分の二は秋田県の話だ。最賃も六百十八円で全国最低だ。若者の就職先が自衛隊しかないという現状は異常だ。これを変えていかなければならない」と語った。

グッドウィルが
驚くべき居直り

 次に、関根秀一郎さん(派遣ユニオン書記長)、池田一慶さん(ガテン系連帯共同代表)、KDDIエボルバユニオンから、現場報告が行われた。
 関根さん。「派遣最大手のグッドウィルに対して、データ装備費としてピンハネされていた二百円の返還を求めて、二百六十一人が原告となり総額四百五十万円の賠償請求を起こした。これに対してグッドウィルは『データ装備費については、その負担を求める理由・動機は存在しても、特定の使途というものはない。……原告らが被告会社の〈データ装備費〉制度を不当と考えるのであれば、被告会社と契約せずとも同業他社を含むあらゆる企業と契約して就業する完全な自由を原告らは持っているのである』という驚くべき反論を出してきた」。「また、エル・クルーという派遣会社は派遣元から一人当たり一万二千三百八十円受け取っているのに、派遣社員には七千二百円しか支払っていない。ピンハネ率は実に四二%にもなる。こうした働かせ方をぜひ変えていかなければならない」。
 池田さん。「派遣は最低三年で、それ以上雇用し続ける場合は、派遣先はこの労働者に直接雇用を申し入れる義務がある。ところが、この直接雇用は必ずしも正社員と決められておらず、実際には契約社員などとして直接雇用され、派遣先の都合でいつでも使い捨てできる範囲でしか雇用されないのが現実だ。b期間の定めのない雇用b正社員との均等待遇――直接雇用の基本とし、直接雇用みなし規制を設けることで派遣先企業の雇用責任を明確にする必要がある」。
 KDDIエボルバユニオン委員長。「二十四時間体制でKDDIの国際電話センターで働いている派遣、パート、契約社員の労働組合。組合結成のきっかけは、@契約期間の細切れ化。一年契約更新を三カ月または六カ月に変更A深夜・早朝・土日手当てなど諸手当のカットまたは廃止B通勤手当の廃止C四十時間超の労働に対する割増賃金及び五分前周知に対する賃金の不払いなどの改悪がされたからだ。時給が千三百五十円で月収十六万二千円にしかならない。一方KDDIは昨年二百八十八億円を売り上げている。春闘で時給十円のアップの要求をしたがゼロ回答だ。新入社員がこんなことを知ったらだれも入社したがらないだろう。ユニオンがあるから誇りをもって闘っていきたい」。
 この後、浜村彰さん(法政大法学部教授)が研究者からみたわが国の派遣法について講演を行った。そして、中野麻美さん(弁護士、派遣労働ネットワーク代表)が派遣法改正の要点について提起した(別掲)。最後に、安部誠さん(全国ユニオン事務局長)が「労働者が命を守り、働きやすい派遣法の抜本的改正を必ず実現しよう」とまとめを行った。     (M)

私たちが求める労働者派遣法の抜本改正

1 私たちが求める労働者派遣法抜本改正の基本的スキーム

 第一に、雇用の原則(直接・無期限の雇用が原則であり、誰もが不当に差別されない雇用の権利をもっていること)とそれを守るための常用代替防止を法律の趣旨目的とすることを明らかにする。
 第二に、労働者派遣の許容される範囲を見直し、産業社会の要請の一つである公正な取引の実現に応えつつ、労働者の生活と雇用の安定をはかる。
 第三に、労働者派遣法に基づく労働者派遣受け入れの許容範囲を逸脱した派遣先の責任を抜本的に見直し、これまで法の欠落として指摘されていた部分をカバーすると同時に経済的制裁措置を強化する。
 第四に、派遣労働者の権利について、人間としての生存と生活の営みにおいて同一の権利が保障されるべき事項については、法律に基づく権利の完全な保障の実質的な確保を図るとともに、派遣労働者について不合理な差別を禁止して均等待遇を確保する。

2 抜本改正を求める項目

 労働者派遣法の趣旨・目的と雇用の原則の確認。労働者派遣が許容される対象業務の見直し。登録型派遣労働契約締結の制限。事前面接規定の強化。派遣を受け入れられる派遣元事業主の資格の制限。派遣先の雇用責任の強化。派遣労働者に対する差別の禁止と均等待遇の確保。派遣労働者の権利確保のための派遣先の責任強化など。




ヒューマンチェーン第3波
海自をインド洋に送るな!
利権まみれの米軍再編NO


米国の戦争を
やめさせよう

 十一月二十七日午後六時半から、参院前の路上で「いらない!インド洋派兵・給油新法 国会前ヒューマンチェーン」の第三波が行われた。翌日の十一月二十八日には参院で「新テロ特措法案」が審議に入ることになっていた。また当日・二十七日には参院外交防衛委員会でイラク特措法廃止法案が採択された。そして二十八日には、有事法制、米軍再編、防衛庁の「省」昇格など一連の「戦争国家体制」づくりの采配をとってきた守屋前防衛事務次官が妻とともに「収賄」容疑でついに逮捕された。
 こうした目まぐるしい動きの中で、「ヒューマンチェーン」には百五十人の労働者・市民が参加した。国会議員からは共産党の仁比聡平参院議員、社民党の保坂展人衆院議員、無所属の川田龍平参院議員が駆けつけ、参加者を激励し、「新テロ特措法案」の廃案を実現し、再び海上自衛隊をインド洋に送らない決意を語った。
 仁比議員は、二〇〇一年十月にアフガニスタン武力攻撃が始まった直後に、パキスタンのアフガニスタン難民キャンプを訪問した経験について述べた。「アフガニスタン難民の男の子に、いま何が必要かと聞いた。食料や衣類という答が返ってくるものと予想していたが、その子はぜひアメリカの戦争に世界中で反対してほしい、と答えた。この思いを伝えなければならない」。川田議員は「参院での与野党逆転という局面を最大限に活用し、憲法九条を生かし、平和を作りだすために今できることをやりとげよう」と訴えた。保坂議員は、「ピースデポ」が明らかにした米軍への給油量のごまかしに対して、当時の石破防衛庁長官をふくむ防衛庁全体が隠ぺいしていたことを、厳しく批判した。
 また民主党の今野東、松岡徹両参院議員の秘書の方もあいさつし、松岡議員からの「ヒューマンチェーン」への連帯メッセージが披露された。

12月10日に4
度目の国会包囲

 参加した市民からの発言が続いた。小森陽一さん(九条の会事務局、東大教員)は、「テロ特別法の期限切れと自衛隊の帰還は、民衆運動の力が軍事力に勝ったことを意味する。この点にもっと自信を持とう。守屋問題に示される二重の『やらずぼったくり』の軍事予算に反対し、ブレない世論の力を築き上げよう」と熱烈にアピール。
 出版労連、東京・教育連からの発言に続き、辺野古実からは沖縄の東村・高江に作られるヘリパッドに反対する住民の運動を支援する呼びかけが行われ、「パトリオットミサイルはいらない」習志野基地行動実行委員会は、目前に迫った弾道弾迎撃ミサイル・パトリオット習志野配備に反対する闘いを訴えた。
 「ピースボート」の野平さんは、「軍隊慰安婦」への謝罪と補償立法を実現するために、「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワークが結成されたことを報告した。
 一時間に及ぶ「ヒューマンチェーン」の中で幾度も国会に向けて「新テロ特措法案廃案! 自衛隊はイラクから撤退せよ、自衛艦を再びインド洋に送るな」のコールが発せられた。
 十二月十五日の会期末を迎え、新法案成立のメドは立っていない。しかし福田政権と自民党は、守屋・軍産疑獄を守屋個人の問題に解消して額賀、久間など「防衛族」の大物議員への追及を阻み、国会会期を来年まで延長して「衆院再議決」により新テロ特措法案を成立させることを「至上命題」(町村官房長官)としている。
 こうした動きに対して、労働者・市民の反対の声を運動として発展させることが決定的に重要だ。十二月十日(月)に四度目の「ヒューマンチェーン」が呼びかけられている。国会へ、そして地域・職場・学園から行動を!    (K)


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