| 公共部門の新自由主義的合理化 かけはし2007.11.12号 |
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私有化・民営化はサービスの低下と労働者の権利を奪う |
1、はじめに
ノ・ムヒョン政権は昨年、2つの法を国会で通過させた。非正規職法と労使関係法だ。非正規法は労働の柔軟化を拡大・強化することを、労使関係法は労働組合の抵抗を弱めることを目標としている。こうして労使政間の長い論争と闘争の末に、政権と資本は新自由主義貫徹のための主要な法的装置を準備した。
ノ・ムヒョン政権は新自由主義の伝道師であることを自任しつつ、労働者を資本家の全一的な管理と統制下に置き搾取していくとの一念によって法と制度、慣行を資本家の代理として、ことごとく作り直している。
これによって非正規職は日に日に拡大し900万人を目前にしており、別途の職群新設や賃金体系、そして下位職級の編入などによって差別を固定化しており、経営や事業上の理由であれば、いつでも解雇が可能となり、日常的な雇用不安を引き起こしている。また政権は公共部門の市場化や構造調整政策についての公共部門労働者たちの抵抗を完全に封鎖するために、必須維持業務制度、代替勤労の許容、緊急調整権などによって必須公益事業場の労働組合の労働基本権さえ、ことごとく奪い去っている。
2 、公共部門労働者の諸課題
非正規総合対策
がはらむ危険性
公共部門には150万人の労働者たちがいる。これらのうち30万人が非正規職の労働者たちだ。政府は非正規総合対策において、約7万人を正規職化すると発表した。だが厳密に見れば正規職ではなく、その大部分は無期契約職へと転換される。別途の職群新設や下位職群への編入によって賃金差別を維持し、予算も人件費ではなく事業費として策定しており、経営や事業場の理由によっていつでも解雇が可能だ。残る23万人は公共部門の構造調整政策によって業務が外注・下請け化されるとともに間接雇用労働者へと転落するか、契約が解除されたりもする。
このように政府の非正規総合対策は非正規対策ではなく、非正規管理対策にすぎない。公共部門の現場では7月1日付で施行された非正規職法のために解雇するほかはない、との自己告白が使用者たちの口から公々然と出てきている。
人員削減を含む
日常的構造調整
政府は今年4月1日、公共機関運営法を制定し、施行した。これまで民営化法、政府投資機関管理基本法、政府傘下機関管理基本法によって管理されてきていた公企業や政府傘下機関に対する管理と統制を公共機関運営法に一元化し、企画予算処がその中心に立っている。このために政府は企画予算処の傘下にある公共革新本部の人力や財政を大幅拡大した。この機構は今後、公共部門の市場化や構造調整についての企画と執行を専担する予定だ。
以前にも政府は予算指針によって公共部門の自律的労使交渉を事実上、無力化してきた。これによって公共部門の労働者たちは毎年の物価上昇率にも及ばない賃金ガイドラインに縛られ、実質賃金の下落を甘受しなければならなかった。だが今や公共部門に対する予算や経営まで包括する部分についての管理や統制権を企画予算処に集中させることによって、政府は労働組合の抵抗を総体的に管理しつつ、公共部門の市場化や構造調整などを効果的に主導できるようにした。
これは公共部門の労働者たちの賃金や労働条件を牛耳り、思いのままに仕切れば、人員削減を含む構造調整も可能だ。また経営指針を通じて機関別、部署別、個人別の評価を賃金と連動させるなど、公共部門の構造調整・私有化、商業化の基盤を助成できる。
私有化と商業化
の本格的な推進
政府は7月30日、公企業である韓国地方暖房公社、韓電KPS、キウンキャピタルの株式を上場することを決定した。こうすることによって直接売却を迂回した持分売却方式の公企業私有化を本格化した。
以後も発電会社、電力技術、道路公社、航空会社など公企業の株式を段階的に上場する予定だ。このように政府は公共部門私有化のための試図を手放してはいない。その上、韓米FTAが締結されれば国内外の資本家たちによる私有化の要求は一層、高まるものと見通される。
医療法改悪と
福祉の商業化
政府は7月3日、年金の所得代替率を60%から40%に削減して小遣い化し、基礎老齢年金は交通手当まで廃止しつつ下位60%に対しては8万ウォンを支給する式の、メンツを立てるだけの恩着せがましい年金法改正案を国会で通過させた。
さらに、5月に保健福祉部(厚生省)が国会に提出した、医療サービスの両極化を深める米国式の医療産業化政策をまねた医療法改正案が9月国会で取り扱われる予定だ。医療産業が市場化される場合、病院労働者たちに対する構造調整とあいまって庶民の病院費負担は大幅に増えるだろうし、医療サービスの質は下落するだろう。結局、国民の健康さえも資本家の利潤追求の対象へと転落させる。
また社会保険の死角地帯解消や所得把握についての具体的な対案の提示なしに統合だけを目標とする社会保険徴収公団統合法は、社会保険の公共性拡張というよりは該当機関の人為的な構造調整に、より重さを置いている。このように労働者民衆の福祉を商業化し、後退させる各法律が休むことなく国会の通過を待っている形勢だ。
労働基本権と
特殊雇用労働者
労働者でありながら労働者として認定を受けられない特殊雇用労働者たちがいる。事故が起きても労災保険が適用されず、その被害をそっくり個人が負担しなければならない。
1万人余の貨物連帯の同志たちが、そのケースだ。標準料率制を通じて運送料の最低基準を設け、手数料の上限制によって多段階斡旋を通じた中間ピンハネを減らし、労働者として認定し労働権を保障せよ、と要求しているものの、今なお政府は、これからだ、そのうちに、と時間を引き延ばしている。もはやこれ以上、待っていたり放置しておくのは困難な状況に立ち至っている。
ストを無力化
する労働法改悪
改悪された労働法によれば、必須維持業務制度を新設し、50〜80%に該当する組合員らのスト参加を事前に遮断し、そもそもストをしたとしても参加者の50%内で代替勤労を合法化してストを無力化したり、ストが持続したとしても緊張調整権を発動してストを終了させることができるようにした。こうすることによって事実上、労働組合の争議権を奪った。これはストの威力が大きい公共部門の労働組合の手足を縛っておき、公共部門のの構造調整と市場化を貫徹させていく、ということだ。
3、労働基本権と闘争
公共部門の労働基本権がはく奪されるということは、公共部門の労働者が自らの生存と生活のための正当な要求を貫徹させることができる手段がなくなる、ということだ。資本主義社会において個別化された労働者がやることのできることというのは、資本家の奴隷となる道以外にはない。新自由主義の構造調整の攻勢が一層強化される状況において、労働基本権のはく奪は公共部門の労働者たちの生存権はく奪へと連ならざるをえない。
したがって資本や政権の新自由主義の市場化や構造調整に対決して闘おうとすれば、争奪権の確保は欠かせない。闘争の手段を確保できなければ闘争は、あらかじめ結末が見えたも同然だ。われわれは公共部門の市場化や構造調整阻止闘争を展開しつつ、労働基本権がなぜ重要なのかを身をもって体験していくことになるだろう。
共同闘争を担う
闘争主体の形成
公共部門には公共機関運営法の改正、必須公益事業場の労働基本権争取、公企業の私営化阻止、医療法の改悪および社会保険徴収公団統合法阻止、特殊雇用労働者の労働者性の認定、公共部門の非正規対策の確保、構造調整の中断など、多くの課題がある。
このような諸課題を達成するための方法は、該当の各主体を闘争へと組織し、これをひとつにまとめあげながら対政府戦線を形成し、大衆的圧迫を加え、彼らが多数のための政策立案と執行、公共性の維持と強化を行えるようにすることだ。したがって課題別に闘争の主体をうち立てることが何よりも重要だ。このような闘争の主体の形成とあいまって、今後の公共部門の闘争の強度や水位が決定されるだろう。
まず、地上の物流を担当している鉄道と貨物が共同闘争を準備している。3千人の構造調整計画、ERP、民資駅舎、無人駅舎、赤字路線廃止など、とんでもない構造調整に苦しめられている鉄道は、これ以上、耐える方法や余裕はない。貨物労働者もまた、生存のために運送料金が現実化されなければならない。また荷主と運送企業との間で自分たちの権利を合法的に要求・主張できるようでなければならない。それがまさに労働者として認定せよ、との要求だ。
だが政府は、いかなる対案をも提示できず、労働者性も認定せずにいる。鉄道と貨物は指導部の研修会、公共集会、共同闘争基金を準備するとともに、対政府闘争勝利のための基盤をうち固めている。連盟は公共部門の闘争の砲門を開く鉄道―貨物共同闘争を実質的に援護し連帯し、勝利するようにすることが現段階で最も重要な課題だ。
必須公益事業場の労働基本権闘争も可視化している。組合幹部と組合員の教育が進められており、組合幹部の研修会と組合員の第1次決起大会も終えた。迫り来る大選で大衆的宣伝と闘争を本格化するとともに、来年の政権交代期を前後した共同闘争を展望している。カギは組合員大衆をこの闘争の主体として踏みださせることだ。
まず組合員教育とその組織のために現場の教育講師団を構成した。第1次教育を通じて労働基本権の講師教育をすでに実施するとともに、それ以降は労働基本権ばかりではなく、必須公益事業場などが抱えている公企業の私有化、公共機関運営法、医療法などの諸課題も消化し、組合員を教育を通じて組織化するようにするだろう。10月は内部教育と組合幹部闘争を主として実施しつつ、11月からは本格的な大選に焦点を合わせた、組合員が参加する大衆宣伝と闘争を併行していく予定だ。
これを通じて、これまでのノ・ムヒョン政権の反労働者性と新自由主義の本質を暴露し、同時に公共部門が抱えている核心的諸課題に対して抜かりないようにするのが、われわれの目標だ。それ以降は新しい政権が公共部門の政策を決めるに際して、これまでの新自由主義一辺倒の政策を大衆の力を通じて変えていくようにけん制するとともに、必要であれば組織された力を大衆的に行使することを考慮しなければならないだろう。今後、約4カ月の準備期間、組織期間を経て公共部門の共同闘争が実現するように、一切の力量を注ぎ込まなければならない。
ノ・ムヒョン政権の資本家的本質を現場の状況と結びつけ暴露しぬきつつ、公共部門の労働者が自らが直面している状況を正しく認識し、行動に乗り出せるように組織しなければならない。残りの諸課題もできる限り速やかに合流するようにするだろう。出発は各自の要求とするが、闘争は集中するようにすることが公共部門の闘争の核心だ
攻防の環では
大々的反撃を
この社会を根こそぎ資本の懐に委ね渡そうとするノ・ムヒョン政権の新自由主義政策は、やむことなく一層、拡大している。これによって860万の非正規労働者たちの苦痛は一層深まり、正規職の労働者たちもまた日常的構造調整によって心安らぐ日はない。このように社会を苦痛と混乱へと駆り立てているノ・ムヒョン資本家政権に対する大々的な反撃なしには1500万の労働者たちとその家族の生存権や生活は保障されないだろう。
したがって網から放たれた新自由主義の構造調整に対する致命的な打撃を加えなければ、このような暗鬱な状況をいささかも克服できないだろう。労政間の激烈な衝突だけが、彼らの政策を変えさせることができる。衝突による国民的傷みを心配すべき側はわれわれではなく、これまで悪行を重ねてきたノ・ムヒョン政権だ。
労働者たちの闘争が資本と政権の攻勢に比べて弱かったのは明らかだ。けれどもささやかな闘争を通じてでも指導力と管掌力を確保していけば遠からず政権と対等の力を組織できるだろう。目先の成果よりは、いかに闘争したのかが重要だ。現在の闘争は、明日のさらに大きな闘争のための重要な基盤になったならば、それは成功なのだ。現在の鉄道・貨物の共同闘争がその実験台となるだろう。(「労働者の力」第134号、07年9月21日付、キム・ドンソン/全国公共運輸労働組合連盟・首席副委員長)
【訂正】本紙前号(11月5日号)6面最下段右から2行目の「ポリトスコフスカヤ」を「ポリトコフスカヤ」に、7面上段のフランスゼネストのリード部分の「T・Aさん」を「K・Yさん」に訂正します。
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