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グローバル化と抵抗の広がり              かけはし2007.10.22号

中国の急成長と労働者の現実

香港「全球化監察」の仲間が報告
「私たち」への問いかけに応え労働者連帯の針路を模索しよう


 十月七日、東京都文京区のアカデミー音羽で学習会「このままでいいのか――中国とグローバリゼーションと日本にすむ私たち」が開催された。脱WTO/FTA草の根キャンペーン、アジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)日本委員会、ATTACジャパン(首都圏)の共催。講師は来日中の香港「グローバリゼーションモニター(全球化監察)」編集委員・区龍宇さんがつとめた。
 「グローバリゼーションモニター」は、中国の労働者たちが置かれている労働者を調査し、中国・恵州にある香港資本の電池工場で発生したカドミウム汚染の被害者とともに被害の正当な補償を要求するなどの活動を展開してきた。また二〇〇五年十二月に香港で行われたWTO閣僚会議に対する対抗アクションを組織した香港市民連合(HKPA)の一員として重要な役割を果たした。
 区龍宇さんは「『中国の台頭』――そのツケは誰が払うのか? そして労働者の抵抗はどこに向かうのか?」と題して、以下に要旨掲載する報告を行った。また今年一月、中国・無錫にある松下電池(松下電器産業の関連会社)の工場で、カドミウム被害に抗議して一千人の労働者がストライキに立ち上がり、真相究明を求めたにもかかわらず、会社側が一切誠実な対応をしないことについてAPWSL日本委員会が九月十日に大阪府守口市にある松下電池本社に向けて行った申し入れ行動のビデオ報告も行われた。(K)

区龍宇さんの報告から
何が犠牲にされたのか?
展望をどう見出すのか?

20年間におよぶ
高度成長の結果

 今日、話したいことは中国の急速な高度成長の中で、何が犠牲にされたのかということだ。そして労働者の抵抗が困難な状況にあるのはなぜかということと、今後の展望についてもふれたい。
 中国は二十年の長期にわたって平均一〇%以上の成長を続け、経済規模は世界で第四位、貿易額は世界第三位、外貨保有額は第一位となった。外資にとっても最大の直接投資受け入れ国である。世界の電池、カメラの生産の半分、おもちゃ生産の七〇〜八〇%は中国で行われている。
 しかし一人あたりGDPで見ると世界で百位以下だ。確かに高度成長の中で絶対的貧困は減少した。かつては内陸部ではボロ切れを身にまとった人も多かったが、そうした人は見られなくなった。しかし相対的貧困の状況に置かれている人びとは多い。政府の発表したデータによれば、格差の指標であるジニ係数は〇・五となっており、貧富の格差は拡大している。
 中国経済の成長・発展は環境や労働者・農民の生活を犠牲にしたものであり、その発展モデルは国家主義と新自由主義が一体となった矛盾を抱えたものだと言える。中国の人びとの間で広がっている俗諺の中に次のようなものがある。「一九五〇年代、私たちは互いに助け合いました。一九六〇年代、私たちは互いにけなし合いました。一九七〇年代、私たちは互いに腹の中を探り合いました。一九八〇年代、私たちは互いに騙し合いました。一九九〇年代、私たちは互いに相手を喰い物にしました」。

 中国経済の成長は国営企業の大リストラによって達成された。国営企業の労働者総数は一九九五年の一億千二百万人から、二〇〇三年には六千九百万人にまで減少した。集団所有制企業の労働者総数は一九九五年の三千五百五十万人から、二〇〇三年には九百五十万人に減少した。最初に解雇されたのは女性であり、その数は解雇者の七〇%に上る。
 その一方、三大国営石油企業は香港、ニューヨークの株式市場に上場し、世界各地で企業買収を進めているが、二〇〇〇年から二〇〇五年までの間に六十万人がリストラされた。
 遼陽(東北部)の国営企業労働者の闘いがきわめて重要であった。遼陽では四つのそれぞれ違う工場の労働者が連携して「失業者に食べ物をよこせ」と訴えて街頭で闘った。この闘いは厳しく弾圧され、争議を担った労働者の指導部はいまだ獄中にある。
 一方で農村からの出稼ぎ労働者が急増し、新しい労働者階級が誕生している。資本にとっては安くて従順な労働者が必要なのだ。一億五千万人の農村からの出稼ぎ労働者が職を求めて国内を移動しており、その七〇%が女性である。こうした新しい労働者は、最低賃金制も適用されず、ひどい場合には最低賃金の半分しか得られず、とても生活できない状態だ。出稼ぎ労働者が未払い賃金を求め、クレーンの上から「飛び降りも辞さない」と抗議したが、警察は「早く飛び下りろ」とヤジり、政府系の新聞は「飛び下りる気もない、たんなるパフォーマンスだ」と揶揄した。
 工業団地にある診療所への調査結果では、薬のほとんどが不良品(偽物)だったという。工場の食堂で提供される食事にはカビの生えたごはんが出される。その意味では最もむきだしの資本主義だと言える。
 一つの挿話を紹介しよう。ある農民が多額の借金をして化学肥料を購入した。しかし肥料をまいて一週間で作物がすべて枯れてしまった。偽物の肥料だったからだ。農民は絶望して農薬を飲んで自殺をはかった。しかし死ななかった。その農薬も偽物だったからだ。気を取り直してお祝いの酒を飲んだが、その酒が偽物だったため腹をこわした。そこで病院に駆け込んだが、病院から先に金を払わないと診療しないと断られて、彼は死んでしまった。こんな笑えないジョークが流行っている。

新旧二つの労働者
の相互関係とは

 中国の労働者階級は大きく二つに分けられる、第一は国営企業と集団所有制企業の労働者で、第二は農村からの出稼ぎを中心とした新しい労働者階級だ。二つの労働者の間の溝は大きい。国営企業労働者は、第二の範疇の労働者を一時的に都市に来ている農民だと見下しており、出稼ぎ労働者も自分たちを労働者階級とを見なさず、国営企業労働者は特権的だと考え、リストラされた労働者を怠けているから解雇されたんだろうと思っている。この労働者の二つのグループの連帯は困難だ。
 そうした中で、毎年四万人以上が機械で指や四肢を切断する労災に遭っている。石炭採掘では二〇〇三年に中国は世界の三五%を生産しているが、世界の炭鉱事故の死者の八〇%が中国で出ている。
 二〇〇五年七月に、ここ数年で中国で暴動の数が三〇%増加したという報道がされた。一九九三年には一万件、参加者七十万人とされていた暴動は、二〇〇三年には六万件、参加者三百万人に拡大した。集団的経験はなくても自然発生的なストライキやデモが起きており、その多くは勝利し、資本家に譲歩を強制している。しかし個別の場面での闘争が全体を変えるまでには至っていない。
 出稼ぎ労働者の組織化が困難である要因は、中国が完全な警察国家であることである。たとえば深 だけで二十万の監視カメラが設置されている。
 二〇〇七年一月に無錫市の松下電池工場で約百人の労働者が汚染被害にあい、市政府に訴えた。しかし会社は警察を使ってこの労働者の要求を弾圧した。企業が労働者に汚染被害をもたらす電池生産を中国に移転したことに対して立ち上がった労働者はバラバラに分散したままでは勝てないことは明らかである。
 しかし闘いを続けた労働者が経験を積んできたことは明らかだ。「行動すればするほど獲得するものは大きい」という確信が広がっている。一時的に働きに来ている労働者も七年から十年もたてば経験を蓄積するようになる。一つの工場でストライキを行い賃金が上がれば、他の工場でも賃上げが認められるようになる。中国政府の完璧な暴力支配が今後も永遠に続くことはない。

危機に直面する
「中国資本主義」

 中国は過剰生産恐慌に直面している。政府は投資をコントロールすることができていない。一九九三年から九七年にかけて新たな設備投資の稼働率は五〇〜六〇%だった。十年後の今日、同じ状況が生み出されている。中国経済が海外からの需要を必要としているのは、中国国内の労働者と農民が消費にお金をまわせないからだ。一九九六年から二〇〇四年にかけて中国の支配階級は一億一千万ムー(15ムーで1ヘクタール)の土地を収奪し、取り上げた土地を工業団地や農業施設などに変えたが、実際に利用されたのは取り上げた土地の半分に過ぎなかった。
 中央政府は地方の官僚を統制できない。資本家階級の力も強くなり、膨大な額の資本を蓄積している。中央政府は資本移動の規制緩和を進めている。こうした状況で一九九七年のようなアジア通貨危機が起これば、政府は自らを守ることができないだろう。
 危機は避けることができない。しかしこの危機によって大規模な労働者の闘いが起こるかどうかは、確実なことは言えない。
 いま中国の労働者は日本に対していい感情を持ってはいない。日本の資本が中国に入り、中国の労働者を搾取していると感じているためだ。こうした状況の中で、中国の新しい労働者の闘争の当初から日本の人びとが連帯して闘う必要性があることを強調したい。
(報告要旨、文責編集部)



第7回反空港全国連絡会
関西大会へのお誘い
関西大会実行委員会


 夏の参院選は、憲法を無視し「改憲を争点に闘う」とした安倍総理に対し、新社会党・みどりを中心に「憲法九条を候補者」として闘った「九条ネット」や、「改憲反対」を掲げて闘った「社民党」「共産党」の闘いもむなしく、争点は、「年金問題」に代表される「市民の生活」にすり替えられ、「死に票」を恐れた国民の意思表示が民主党へと流れた結果、いわゆる`ねじれ現象aが生起しました。
 しかし、人が人として生きる基本である「基本的人権」と「恒久平和」の危機が去ったわけではありません。来年にも実施される衆院総選挙並びに、2010年に実施される参院選に「主権在民」を遺憾無く発揮し、「基本的人権」と「恒久平和=軍隊を持たない憲法九条の維持・実現」を期さなければなりません。
 憲法が改悪され、名実共に軍隊が誕生すると、各地の空港は、日本軍と共に米軍の一部に組み込まれてしまうからです。
 全国の空港状況を垣間見ると、三里塚では暫定滑走路の正規化の動き、羽田の平行滑走路の供用、静岡空港の有無を言わせぬ建設強行攻撃、中部空港の前島を含めた採算性、伊丹空港の地元負担を強いる2種空港への格下げ、関西空港の2期供用開始の強行、神戸空港の採算性、新北九州空港が開港したにも係わらず、新福岡空港建設を推し進める行政、新石垣空港建設強行を迫る土地強制収用攻撃等々、自然や地域の生活破壊を踏み台にした土建行政による資本の利潤追求を容認・推進する自民党政権の暴政・圧政。市場原理から言っても採算性が取れず、四苦八苦している空港が本当に必要なのか? 空の安全性は? 環境問題は? 軍事利用は? これらの是非を問うていかなければなりません。
 私たちは、夫々(それぞれ)の地域の状況を理解・共有しつつ、こうした市場原理・富者優遇社会に異を唱え、全国の夫々の課題で闘っている人々との連帯を求めるものであります。政府や推進側の既成事実作りから表面的には孤立しているかのように見えますが、私たちは決して孤立していません! 私たちは共通の意志で繋がっているのです!
 時に、安倍総理が政権を投げ出す無責任さを露呈し、政局に混迷をもたらしました。いま、このときこそ私たち市民の意を結集し、立ち上がるときであります。
 この好機に関西において開催される、『反空港全国連絡会』に結集し、大きな声をあげようではありませんか!
 全日空現役パイロットの森徹次さん(元航空安全会議議長)に、「パイロットからみた空の安全」の講演もお願いしています。私たちとは違った視点で空港の問題点が指摘されるものと思います。
 全国で、反空港を闘っているかたがたの結集を呼びかけます。

第7回 反空港全国連絡会・日程とプログラム
1. 開催日時:11月23日(金・休日)〜24日(土)
2. 開催会場:ビジネスホテル中央新館(JR新今宮駅下車)
3. プログラム
11月23日(金・休日)午後1時30分/講演「パイロットから見た空の安全」全日空パイロット 森徹次氏(元航空安全会議議長)/各地報告(三里塚・羽田・静岡・中部 福岡・白保・神戸・関西)
11月24日(土)午前7時40分〜釜が崎〜関西↓伊丹↓神戸空港視察
b参加申込先/FAX072―461―2223若野宛送付願います。
携帯電話090-8209-9782(若野)


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