| 反対を抑えて強行される「韓国進歩連帯」加入問題 かけはし2007.9.17号 |
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現場左派はこの案件の上程や通過を見ていていいのか? |
民主労総大会にも上程
05年から始まった、単一戦線体または常設連帯体という名の下に提起された民衆運動秩序再編論争は、全国民衆連帯所属諸団体の反対にもかかわらず、いわゆる「自民統」陣営の主導下で遂に07年1月、韓国進歩連帯(準)の発足へと帰結した。彼らは9月16日に本組織の発足を宣言した。
これを待っていたかのように8月19日、民主労働党中央委では民主労働党の「韓国進歩連帯への加入の件」が上程された。同案件は在席委員229人中、賛成146人(63・7%)で通過したが、関連して反対意見が相当提起されたことが確認されている。
民主労働党に続き民主労総もまた9月の代議員大会で、これを案件として上程する予定だという。ところで民主労働党中央委において多数派である「自民統」陣営の数的優位下でこの案件が通過したように、民主労総の大会でも同じ状況が再演される可能性が極めて高い。これをめぐって左派の一部では「どっちみち多数派の『自民統』陣営の横暴を阻めないのに、論難したところで何の意味があるのか」式の反応もあるようだ。だがいったい現場左派を自認している活動家たちが民主労総の代議員大会でこの案件の上程や通過を手をこまねいて見ていてもよいのだろうか?
何が問題なのか
まず、韓国進歩連帯は民衆運動陣営全体の代表体ではなく、「自民統」陣営の組織にすぎない。それは7月19日に行われた韓国進歩連帯(準)の研修会資料集に掲載された綱領および規約草案を見ればハッキリと現れている。綱領の前文には「自民統」陣営の情勢認識観がそっくり表現されている。前文では現情勢を以下のように診断している。
「この地、韓(朝鮮)半島でも戦争と平和、自主と隷属、分断と統一を分かつ激しい角逐が展開されている。韓米同盟を侵略的に再編し、分断を永続化し、韓半島に対する支配と覇権を維持・強化しようとする米国の侵略主義・覇権主義のとばりを振り払って平和を実現し、隷属と分断を取り除き、自主統一を実現しようとする民衆の巨大な力が真っ向から対決している。(中略)6・15共同宣言履行の旗じるしの下、自主的平和統一に向けた連帯闘争の歩みを促してきた」。
ひとことで言えば「諸悪の根源は米国であり、統一だけが対案」という「自民統」陣営の情勢観を、そのままに投影している、というわけだ。
これは闘争綱領にもそのまま表現されているが、闘争綱領の1番目を反米自主権闘争として配置しており、6・15共同宣言の履行を9番目の別途の闘争綱領として昇格させた。これは、かつての全国民衆連帯のレベルでは不可能だった「自民統」陣営の路線を、いわゆる民衆運動陣営全体の常設連帯体という組織綱領に、そのまま挿入させているのだ。
このような諸問題のゆえに当然にも左派陣営は韓国進歩連帯の建設過程に参加していないのであり、韓国進歩連帯には労、農、貧民、学生などの基層大衆諸組織が大挙、参加しているとは言うものの、その実相は上層の連帯、それも「自民統」の傾向の活動家たちが大挙、結集した形だ。結局、韓国進歩連帯が民衆連帯と統一連帯の統合にすぎないとする左派陣営の批判でのように、これは中央の幹部たちの人的構成においても一部確認できる。
形骸化した全国民衆連帯
次に、韓国進歩連帯の建設過程だが、決して順調に進んだわけではない。周知のように韓国進歩連帯の結成について、既に06年下半期の全国民衆連帯の代表者会議で激論を繰り広げ、票決をしてはならないとする左派陣営の反対にもかかわらず、「自民統」陣営などは票決を強行した。
さらに問題は、民衆連帯に属する36の諸組織が、この案件について充分な内部討論や合意を経たものではなかった。当時、民主労総はこの案件を代議員大会で論議さえできないまま、中執が推進している事業の水準だったのであり、民主労働党も中央委レベルの論議にすぎなかった。それなのに常設連帯体建設は、まるで各組織の公式的結論でもあるかのように取り扱ったのだ。
問題は、ここにとどまらず、全国民衆連帯もまたちぐはぐになった。つまり全国民衆連帯を解消したのでもなく、また解消手続きへの同意を求めもしないまま全国民衆連帯所属の幹部たちは韓国進歩連帯(準)として活動を開始したのであり、その結果、全国民衆連帯は形骸化された。
このように韓国進歩連帯は民衆運動陣営の反新自由主義の共同闘争体だった全国民衆連帯を仮死状態に仕立ててしまった。もちろん、ここには左派陣営にも一定の責任がある。だが既に跛行を繰り返していた全国民衆連帯を再生させるには力不足だったのであり、宗派主義というウィルスへの治癒策は発見できなかった。
加入論議のやり直しを
民主労総は9月の代議員大会で韓国進歩連帯への加入の件を予定しているが、冷静に見るならば、この問題についての大衆的な討論と合意の程度が脆弱なのは事実だ。そのため充分な討論なしに他の諸案件に押されてはめこまれ抱き合わせで売られる品物のようにして通過する可能性も排除できない。
だが民主労総という大衆組織が、民衆運動陣営全体に大きな影響を及ぼしかねないこの事案にアプローチし処理するということにおいては、より慎重な討論と民主的な意思の集約過程を経なければならないだろう。
なぜならば、民主労総は、よしんば現在の執行部が「自民統」系列に分類されうるかも知れないとしても、民主労総の全体、つまり活動家や組合員大衆全体が「自民統」の路線に同意してはいないという冷厳な現実があるからだ。これは、既にこれまでの民主労総役員選挙でも常設連帯体に関する候補間の立場の違いが存在したし、韓国進歩連帯式の連帯体建設に反対した候補陣営が少なからぬ得票を獲得していたことを見ても自明のことだ。
韓国社会の労働者民衆運動陣営内には「自民統」陣営だけが存在しているのではない。さらには労働者民衆の政治勢力化の場合も同様だ。民主労働党は、あたかも労働者民衆運動陣営全体の代表体であるかのように振る舞うけれども、それこそは過剰包装されたものにすぎない。民主労働党に同意しない政治勢力や活動家たちが厳に存在しているのが現実ではないのか?
万一にも再び多数の横暴によって韓国進歩連帯への加入のごとき事案が通過するならば、それは労働者民衆運動全体の団結を根本から損なう重大な誤りとなるだろう。万一、本当に労働者民衆運動陣営の常設的連帯体が必要であるならば、それは労働者民衆運動陣営全体が合意できる内容と経路とを踏んでいくときにのみ、それは初めて可能となる。
真の団結は多数の論理ではなく、全体が共に進むことのできる、ささやかではあっても大事な一歩から始まる。それこそが巨大な力となるだろう。連帯運動において必要なのは1人の10歩ではなく、10人の1歩だ。韓国進歩連帯運動の歴史が与えているこの教訓を破壊する宗派主義的策動は、今こそ終わりとしなければならない。(「労働者の力」第132号、07年8月27日付、キム・テジョン/中央執行委員)
自主的な住民投票を実現
済州・江汀住民93・8%が海軍基地誘致に反対
マウル共同体
は崩壊の危機
400余年の歴史をもっている済州道・西帰浦市大川洞江汀マウル(村)。けれども、わずか4カ月で江汀マウルの共同体は崩壊の危機を迎えている。
つらい農作業や厳しい水仕事を一緒に手を取り合って平和に生きてきた江汀マウルの住民たちが、海軍基地の賛否をめぐって互いに背を向けあうようになったのだ。それにもかかわらず、江汀マウルを海軍基地の候補地として選定した政府や済州道は住民らの葛藤に関心さえ示していない。国益という名分を押し出して、ひたすら海軍基地の建設推進にのみ、しがみついている。
海軍の妨害にも
実質投票率70%
8月20日、江汀マウルの住民らは海軍基地問題と住民同士の葛藤を自ら解決するために何度かの苦闘の末に、海軍基地誘致について賛成・反対を問うマウル独自の自主的な住民投票を実施した。これに先立つ6月19日、海軍基地誘致の賛否を問う住民投票の投票函が奪い去られるなど、誘致賛成側の住民らによる妨害によってダメになって以来、2カ月ぶりのことだ。このわずか2カ月の間に、実にさまざまなことが繰り広げられた。
海軍基地の誘致を主導したユン・テジョン江汀マウル会長は自らの責任問題を「マウル会長解任決議の効力停止仮処分申請」を行うなど法的攻防にまで持ち込んで居座ったけれども、結局は8月10日のマウル臨時総会で住民らの圧倒的な同意によって解任された。そして新任のマウル会長には江汀海軍基地誘致反対対策委のカン・ドンギュン共同委員長が選出された。
8月20日午前6時から江汀儀礼会館で開始された住民投票は、住民らの熱い関心の中で進められた。海軍当局は8月15日、江汀マウルの住民を相手に、無差別に電話をかけ、住民投票に参加しないでくれとするなど組織的妨害工作を行った経過がある。賛成側住民によって構成された江汀海軍基地事業推進委員会が基地同意署名運動に乗り出しもした。それでも住民の圧倒的多数が、この日の投票に参加した。ただし賛成側の住民らは、この日の住民投票は無効だと主張するとともに、投票に参加しないなど、住民間の葛藤は簡単には解消されないだろうことを予告した。
夕方8時ころから始まった開票の結果は圧倒的だった。江汀マウルに住所地を置く有権者1400人余のうち、大学生や社会人など外地で暮らしている人を除いて、実際に投票に参与できる人員は千人余りだ。このうち同日の投票に参加した住民は全部で725人に達する。固く数えても70%を超える投票率を示したわけだが、「こんなに高い住民投票の参加率はマウル始まって以来のこと」だと住民らは口をそろえた。
しばらくして新任マウル会長が開票結果を発表した。基地に賛成した36人と無効9人を除いた680人(93・8%)が海軍基地誘致に反対票を投じた。江汀儀礼会館を埋め尽くした住民らは歓呼の声とともに「海軍基地決死反対」を叫びながら喜びを隠せなかった。
海軍は695人
が同意と主張
この日の住民投票の結果によって、4月26日にユン・テジョン前マウル会長の主導で、住民80人余りだけが出席して開かれたマウル臨時総会で可決された海軍基地誘致決議は事実上、意味がなくなってしまった。済州道が、江汀マウルを海軍基地の候補地と決定した根拠として提示していた「世論調査の結果、賛成率が高い」との主張も、説得力を失うところとなった。また「住民の同意にそって海軍基地を推進している」と強調してきた海軍側としても基地建設事業の推進を強行しがたくなった。
だがそれにもかかわらず海軍当局は、投票の翌日から「住民投票の結果は住民の意見のひとつにすぎない」とし、一方的に海軍基地建設事業を持続する意志を明確にした。江汀海軍基地事業推進委も「海軍基地誘致同意書に住民695人の署名が得られた」と積極的に宣伝を始めた。葛藤は依然として収まる気配が見えていない。「海軍基地決死反対」。江汀マウルの家々ごとに掲げられた赤と黄色の旗は、いつになったら下ろされるのだろうか。(「ハンギョレ21」第675号、07年9月4日付、西帰浦=キム・ヨンホン〈済民日報〉)
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