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                            かけはし2007.8.27号

「美しい国」の「美しい死者」はいらない

天皇主義右翼の挑発はねのけ「靖国はいらない」のアピール

アドバルーンを
掲げてデモ行進

 八月十五日、天皇制と侵略戦争を賛美する政府主催の「戦没者追悼式」に反対し、改憲とグローバル派兵大国化をめざす安部政権に抗議するデモと集会が行われた。今年も8・15実行委は、「『美しい国』の『美しい死者』はいらない 国家による『慰霊・追悼』に反対する」というスローガンを掲げ、天皇主義右翼と国家権力が一体となった闘争破壊をはねのけ、断固として靖国神社に対する怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 前半の闘いは、靖国神社への抗議行動のために西神田公園に百五十人の仲間たちが駆け付け、炎天下を吹き飛ばす集会だ。開催にあたって実行委の仲間は、安倍政権を支える与党の参院選惨敗と民主党躍進に触れながら「安倍は五月に靖国神社の春季例大祭に真榊を奉納し、七月の『みたままつり』に初穂料一万円の『ちょうちん』を奉納した。同列に民主党代表小沢一郎の『ちょうちん』が奉納されている。民主党も改憲勢力であり、テロ特措法問題なども含めて流動化する政治状況に直面する。しかし、こういったプロセスに巻き込まれない天皇制という形で押し出てくる危険性がある。国家による慰霊・追悼による戦争賛美儀式と靖国神社に対して抗議していこう」と強調した。
 参加団体の発言として、天皇ヒロヒトの戦争・戦後の犯罪を讃える立川昭和記念館に抗議する昭和記念館廃館準備委員会、マスコミによる皇室賛美報道を批判している女性と天皇制研究会、安倍政権批判とテロ特措法延長反対・沖縄反基地闘争連帯を訴える新しい反安保実から決意表明が行われた。
 集会終了後、デモに出発。アドバルーン「靖国いらない」と書かれた約10メートル幕がフロントだ。また、国家権力による不当なデモ規制と天皇主義右翼の挑発を許さない山下幸夫弁護士(日弁連共謀罪対策委員会)が監視につく。
 参加者全体は、「国家による慰霊・追悼に反対!天皇制の戦争責任を許さないぞ!靖国神社はいらない!」とシュプレヒコールを繰りかえす。反天皇制などのプラカード、横断幕、ピース旗をはじめとした色とりどりの旗を掲げ、パフォーマンス・デモを作り上げていった。
 武装機動隊によるサンドイッチ規制をはねかえしながら神田神保町に到着。公安と制服警官に守られていた大日本愛国党の突撃隊がデモに襲いかかってきた。右翼らは、差別・排外主義の野次を吐きながら挑発をしてくるが、デモ隊の断固たる原則的対応によって自己確認するのみだ。
 九段下前に到着。靖国神社、日本武道館前の接近をめざしつつ、アドバルーン「靖国はいらない!」大横断幕が掲げられる。デモ隊も元気一杯の抗議のシュプレヒコール。炎天下の猛暑を吹き飛ばしていった。挑発するために待ち構えていた右翼らは、この光景に驚き、あわて、空回りするだけであった。解散地点においても、デモ隊に圧倒され、意気消沈した右翼が、権力に守られながら突撃を試みたが、瞬時にしてはねかえされてしまった。実行委は、権力の不当弾圧、右翼の挑発を許さず、整然たる抗議闘争を貫徹したのである。
 この日、安倍政権閣僚の高市大臣以外は国内外の批判を気にして靖国神社を参拝しなかった。だが四十数人の国会議員が参拝。さらに英霊にこたえる会と日本会議の主催で靖国神社で戦没者追悼中央国民集会を強行し、天皇制と侵略戦争賛美を再確認した。実行委は、天皇制の戦争責任・戦後責任を追及し続け、国家による慰霊・追悼儀式に反対し、日本会議をはじめとした天皇主義右翼潮流の策動を跳ね返していくことをあらためて打ち固めていった。

あらゆる儀式の
欺瞞性を批判

 後半は、東京原宿の千駄ヶ谷区民会館で集会が行われ、百五十人が参加した。集会は、実行委による基調提起で始まった。
 講師の彦坂諦さん(作家)は、国家による儀式をはじめ、あらゆる儀式は民衆の心の操作に利用されていく危険をもっていると、きっぱりと批判した。さらに、自身の著書である『人はどのようにして兵となるのか―ある無能兵士の軌跡』(柘植書房新社)を紹介しながら、国家によって作られた「美しい死者」像と「現実の戦死」との乖離、欺瞞性を暴きだした。
 東琢磨さん(音楽批評)は、軍都広島の過去・現在の全貌を把握するところからの批判視座の重要性を提起した。また、「平和学を取り組む人たちの中には、憲法を変えて自衛隊を軍隊として明記し、平和貢献させればいいという主張もある。軍事強制の脈絡によって平和はつくれるのか。広島の平和運動は、被爆者の当事者運動としてあったものが、やがて平和行政へと変質し、新たな国家政策として巻き込まれてしまっている」と問題提起した。
 参加団体のアピール。靖国解体企画は、政府主催の「戦没者追悼式」に抗議して武道館前登場をめざしながら抗議のシュプレヒコールを貫徹したことを力強く報告し、戦争加担のための儀式を認めることはできないと発言した。さらに反原発運動を取り組んでいるたんぽぽ舎、不当解雇撤回闘争を取り組みながら駆けつけたフリーターユニオン福岡、大阪世界陸上競技開催による野宿者排除攻撃を許さないと訴える釜ケ崎パトロールの会、9・1東京都防災訓練に反対する米軍・自衛隊・横田基地のための防災訓練反対実から発言が行われた。最後に本日の闘いの成果を確認し、今後の反天皇制運動をともに前進させていくことを誓い合った。     (Y)


臨時国会召集日に院内集会
安倍政権の居座り許さず改憲暴走にストップを

「憲法審査会」
設置断念させた

 参院選で自民党・公明党の与党が大敗北し、参議院で与野党逆転となってから初めての臨時国会が、八月七日に召集された。この日、午後二時から衆院第1議員会館で、「5・3憲法集会実行委員会」が「改憲暴走安倍内閣は退陣を 緊急院内集会」を行い、百人以上が集まった。この日の集会は、参院選で安倍政権への「不信任」がこの上ないほど明瞭になったにもかかわらず政権の座に居すわる首相の即時退陣を求めるとともに、安倍内閣が押し進めようとする「集団的自衛権」の行使や「テロ対策特別措置法」の延長に反対する運動を広げていくために緊急に呼びかけられたものである。
 先の第166通常国会で、改憲手続き法が成立し、同法に基づいてその直近の臨時国会で「憲法審査会」が設置されることになっていたにもかかわらず、今回の臨時国会では「審査会」は設置されなかった。ここでも改憲をメインの政治目標にした安倍政権の危機の深さが浮き彫りになっている。
 最初に各政党の代表があいさつ。社民党の福島みずほ党首は「今回の選挙は安倍政権不信任選挙だったが、安倍首相は私の基本政策は信任されている、などと主張している。八月末からの次の臨時国会では憲法審査会を動かさせないことに重点を置きたい。向こう三十年間は改憲など言わせない状況を作ろう。社民党は議席を減らしたが参院で野党が過半数を得るためのキャスティングボートを握っている。今まで以上に役割は大きい」と述べた。
 共産党の志位和夫委員長は「共産党は残念ながら議席を伸ばすことはできなかったが、今回の選挙結果は、全体としては非常に良いものだった。『マニフェスト』のトップに改憲を掲げていた自民党の基本路線が否定されたのだ。次の臨時国会ではテロ特措法延長反対を重点課題に掲げたい。いわゆるアフガニスタンへの『報復戦争』がもたらしたものは、タリバンやアルカイダの復活だった。インド洋に派遣された海上自衛隊の補給艦は、イラク戦争に参加した空母キティーホークにも給油している。アフガンでの戦争とイラク戦争はつながっている。イラク、インド洋から自衛隊を撤兵させる攻めの闘いを」と訴えた。

9条改悪反対の
新しい署名運動

 社民党から比例区で初当選した山内徳信参院議員が、沖縄の反基地闘争をアピールした後、九カ月ぶりに参議院に戻ってきた沖縄選挙区選出の糸数慶子さん(無所属)は、「平和憲法を守ること、辺野古、高江に新しい米軍基地を作らせないことを訴えて勝利した。沖縄県議会では二度にわたって日本軍による集団自決の強制記述の教科書からの検定削除に抗議する決議を全会一致で挙げたが、文部省も安倍首相も受け付けようとしていない。皆さんとともに闘いたい」と語った。
 続いてこの緊急集会に参加した共産党、社民党の国会議員が一人一人発言し、集会参加者とエール交換した。5・3憲法集会実行委員会を構成する各団体からは、平和を実現するキリスト者ネット、憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)、「憲法」を愛する女性ネット、平和憲法21世紀の会、女性の憲法年連絡会、憲法を生かす会、許すな!憲法改悪・市民連絡会が発言した。
 「5・3」憲法集会実行委員会は、次の臨時国会が招集される予定日にも院内集会を開催するとともに、「憲法九条改悪」に反対する新しい署名を広げる活動を呼びかけている。さらに許すな!憲法改悪・市民連絡会は他の市民運動団体とともに、テロ特措法延長に反対する団体共同声明や、国会に向けた行動を呼びかけている。
 「テロ特措法延長」を阻止し、集団的自衛権の行使を「合憲化」するあらゆる目論見をストップしよう。参院選でノーを突きつけられ、混乱を深めている安倍政権と与党を追撃する秋の闘いに全力で取り組もう。 (K)


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