| ブラジルについての討論(2) かけはし2007.7.2号 |
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「新しい国際主義」と左派政権・政党が果たしうる役割とは何か |
DS(社会主義的民主主義)の同志による文書(本紙前号掲載)とこの回答は、ともに数カ月前、ブラジルの大統領選挙と情勢のその後のさらなる展開の以前に書かれたものである。われわれは、DSの同志たちがこの討論を前進させるために次回の国際委員会に出席することを望んでいる。この回答は、そうした討論を準備するための最初の検討文書である。
DSとの討論にあたって
(1)DSの文書は、DS全国調整委員会の同志が第四インターナショナル国際委員会を欠席して二年たってから、初めてのものである。そしてこの期間、彼らとの討論はほとんどなされなかった。したがってわれわれはこの文書が、われわれが多くの歴史を共にしてきたDSの同志たちとの率直でオープンな討論の再開を画するものであることを心から望んでいる。そこでわれわれはこの文書が、現在のわれわれの相互関係の凍結状況を正当化するために使われないことを願っている。
われわれはDSの文書が二つの軸を持っていると理解している。主軸となるものは、二十一世紀の新たな状況における国際主義の性格と位置についての討論の呼びかけである。われわれは、この主題はきわめて重要であり、この討論への招待はきわめて時宜にかなっていると考える。われわれは、この問題に関してDS文書に書かれているほとんどのことは、第四インターナショナルの活動家のほとんどがそれぞれの国において共有する捉え直しであると考える。
またこの主題の諸側面において、文書の中での取り扱い方が不十分あるいは正しくないものがあると、われわれは考える。とりわけ、今日のラテンアメリカの幾つかの諸国の政権が、新しい国際主義に関して果たしている役割についてである。それには、第四インターナショナルとその指導部の行動に対する一連の性格づけと非難が含まれている。それらは間違った、あるいは誤って解釈された情報に基づいており、明快で正確な回答が必要とされる。それらを取り上げてみよう。
ブラジルにおける経験
(2)目にとまる主題の多くの点で、われわれがDSに同意するのはおそらく驚くべきことではない。われわれが同意する多くの点とは、新しい世界情勢と新自由主義の正統性の危機、社会運動の重要な役割、諸社会フォーラムとグローバル・ジャスティスのための運動の構築、前世紀において労働者・民衆運動に刻印された古いイデオロギー的分割の少なくとも部分的な消滅などである。それらは約十五年間にわたって、われわれが共に第四インターナショナルの分析と実践の中心部分として築き上げてきたものであり、このプロセスにおいてDSの同志たちは不可欠の役割を果たしてきたのだった。
したがって第十五回世界大会の中心的決議は、この一連の捉え返しを体系化しようとしている。われわれが理解するかぎり、この決議はDSの同志たちの間で討議され、他の諸国の大多数の代議員たちと共に、出席していたDSの代議員すべてが賛成投票したのである。それらは文書「資本主義的グローバリゼーションへの抵抗 新しい国際主義にとっての機会」(訳注:『社会主義へ、新しい挑戦』第四インターナショナル第15回世界大会決定報告集P66〜96)の本質的内容と、文書「第四インターナショナルの役割と任務」(訳注:同決定報告集P97〜120)の幾つかの主要部分である。
同様の概念は、個々の討論、文書、そしてわれわれの運動の出版物、たとえばミシェル・レヴィ、ダニエル・ベンサイド、ピエール・ルッセなどの同志の著作で詳細に論じられてきた。さらにDS文書の中で表明されている、ラテンアメリカ的(そしてアジア的、アフリカ的などなど)アイデンティティーを獲得し、強化するために革命的マルクス主義を民族的・地域的ルーツに根づかせる必要性が急務であるという主張も、われわれは共有している。たとえばラテンアメリカのケースを取ってみれば、われわれは長年にわたってマリアテギのインド―アメリカン・マルクス主義についての言及を自らのものとしてきたのである。
DSの同志たちは、「内発的」マルクス主義の必要性とPTにおける彼ら自身の歴史を結びつけている。賛成だ。実際、この問題に関して一九八〇年代初頭にDSによって詳しく論じられたことは、第四インターナショナルの他の同志たちとの密接な協力によって具体化されたことである。その一例は最初期の文書「PTと革命党」であり、そこでは革命家のPTへの参加は「加入戦術」という形態を取りえないことを説明しようとしている。
DSによるこの緻密化と実践は、特殊にブラジル的特徴を帯びた。しかし第四インターナショナルにとって、それはより広範な共鳴をもたらした。それは国際労働者運動が大衆政党を建設する中で先行した経験との再結合を作りだした。そしてそれは、他の諸国の他の同志たちがさまざまに異なった環境の中で、広範な反資本主義的大衆政党を建設する挑戦の再構成を開始するための出発点となった。それでは同志ジョアキムが彼の文書を第四インターナショナル指導部への以下の挑戦でしめくくることを可能にさせるような、DSの国際主義の説明において「新しい」ものとは何か。
「第四インターナショナルをふくむ革命的左翼は、この挑戦に回答するよう呼びかけられている。それはDSの戦闘性が献身の対象としている課題である。(しかし注意せよ!腐食した「悪しき国際主義」を繰り返すことは、過去の誤りに固執する人びとをただちにこの道から逸らせることになる。)」
われわれはここで、先に述べたようなあいまいで不十分な領域に入り込む。なぜならジョアキムのテキストに示される現在のDSの文書は、「新しい主体の確定」と「過去の失敗」について語っているからである。しかし彼らは、自分たちが言及している事柄について正確に語ってはいない。
いっそうの明確さを追求するために、われわれは第四インターナショナルについての以前の討論ですでに提起された図式に立ち返り、それをDSの「新しい」説明と比較しよう。第四インターナショナルの中で、われわれはしばしば新しい国際主義の可能性が作用する三つのレベルについて語った。単純化した形で言えば、それは(a)その多くが世界社会フォーラム(WSF)に結集している社会運動、市民運動。(b)新しい政党、広範で政治的な、反資本主義的ないし反帝国主義的スペース。(c)革命的社会主義者の再編成。
新しい「国際主義」について
第十五回世界大会の「役割と任務」文書第八章は、それを以下のように総合している。
「8 新しい革命的・大衆的インターナショナルへ向けて
1 ……『新しい国際主義』は、シアトル以来大きくその姿を現してきた。……
2 ……われわれは、こうした新しい勢力からの重要な貢献ぬきに新しいインターナショナルの創造に向かう質的なステップを想像することはできない。このような重要だが多様な指向を持った勢力は、現段階において新しい国際的政治組織へと形成されえない。しかしそれは、経験と明確化を通じて、そして革命的勢力、とりわけ第四インターナショナルのこうした討論への関与によって政治的に強化されうる。
3 ……複数主義的な左翼、反資本主義的/反帝国主義的組織再編統合は、依然として弱く……。支配階級とプロレタリアートの激突だけが……力関係を揺り動かし、社会的基盤に根ざした新しいインターナショナルを建設する展望の中で各国レベルでの新しい政治勢力――反資本主義的で国際主義的でフェミニスト的な――を建設することができる活動家を輩出しうる。
4 ……第三に、『トロツキズム』から出発し、あるいは自らを『トロツキズム』と見なしている幾つかの潮流の中での大きな発展が見られる。……それは旧『毛沢東派』組織についてもいっそうあてはまる。……マルクス主義と社会主義革命にアイデンティティーを持つ諸組織間の和解は、闘争、現実の運動、現在と将来の任務との関係においてのみ意味あるものとなりうる。
われわれは、三つの国際主義的な政治的・組織的発展が相互に隣り合って存在していることに留意する。それは@グローバリゼーションに反対する『現実の運動』とその社会・政治的潮流A反資本主義的で複数主義的な政治潮流の統一B革命的左翼の諸潮流、である。この状況は全期間を通じて継続しうる。しかし、合意と和解が可能なところではわれわれは真剣な組織再編・統合に向けて前進するための統一的なイニシアティブを取るだろう」(訳注:『第十五回世界大会報告決定集』P113
〜P115 )。
それではこの決議を、DSが現在掲げている「二十一世紀の国際主義」のアウトラインとどのように比較するのか。
第一のレベルでは、われわれがすでに述べたように大きな相違はないように見える。DSの文書では、彼らはこのレベルを特別に強調している。ラテンアメリカと世界の社会運動間の協力、こうした結集の中でDSの活動家たちが果たしている重要な役割を彼らは示唆している。これが生まれつつある「新しい」国際主義の最も明確な側面であることは間違いない。第四インターナショナルは、全体としてこのプロセスに参加していると感じている。
われわれはその闘いを共に担ってきたし、世界女性行進のような特別の運動の構築、そして諸君が特定しているキャンペーン、たとえば債務、トービン税に関連した事項のキャンペーンを共に担い続けることができるように望んでおり、さらにラテンアメリカだけではなく欧州でもアフリカでもアジアでも(例えば、カラチのWSFでの模範的な活動は、第四インターナショナル国際委員会の常任オブザーバーであるパキスタンのLPP〔パキスタン労働党〕の同志たちによってなされた)、WSFのような広範なスペースを強化している。
第二のレベルについてDSの文書はほとんど語っていないが、ここでも詳細に関しては異なった評価が存在しうるにしても、合意があるように思える。たとえば、サンパウロ・フォーラムが、どの程度まで反資本主義的で反帝国主義的な広範な政治勢力の明確化に資することができるか、あるいはできないかについて討論することは必要である。メキシコPRD(民主革命党)やウルグアイの「広範な戦線」のような組織が、二十一世紀の国際主義の「新しい主体」としてどの程度まで認められるかについての討論は必要である。しかし広範な政治的空間というDSの基本的なアイデアが、第四インターナショナルが多くの場で以前から詳しく述べてきた立場に適合することは明らかである。
新自由主義をどうみるか
(3)しかし第三のレベルでは、重要な相違が存在するように思われる。むしろ、DSの現在の文書の中には、第三のレベルは存在していない。第四インターナショナルの討論には、一国的そして国際的なマルクス主義的・革命的な組織勢力の参加が、最初の二つのレベルにおける新しい国際主義の成功的発展において不可欠な構成要素(第四インターナショナル、あるいは「トロツキズム」だけの排他的あり方ではなく)として、つねに顕著なものとなってきた。
今や、DSが国際的レベルの革命組織のおかげだとしている新しい説明がもしあったとしても、それがどれだけ重要なものであるかは明らかではない。同志たちが、この点を明確化することが非常に重要である。第四インターナショナルの存在そのものが――つまり、社会主義的民主主義のビジョンとそれを達成するための闘争を共有する国際的レベルのマルクス主義革命組織の必要性――今や同志たちにとって、「過去の誤り」のもう一つの現れになったのを知ることは重要である。
DSの同志たちが、PTと「広範な戦線」(ウルグアイ)、MVRなどとのインフォーマルで事情に通じた関係が、組織された革命家たちの良く練り上げられた、決定、行動の民主的スペースに代替するものだと考えないことを望もう。この第三のレベルには、討論に値するもう一つの側面が存在する。われわれが述べたように、現在のDSの文書にはこの点が欠落している。しかし昨年(二〇〇五年)四月のDS臨時総会の政治決議の最初の部分――そこから現在の文書の定式の多くが導かれている――には、そしてカラカスWSFでのDS指導者の発言の一部にも、第三のレベルのもう一つのタイプが存在するように見える。それは新しい左翼政権が、少なくともラテンアメリカのそれが、二十一世紀の国際主義の中でもう一つのつながりを形成している、という考え方である。
この定式はきわめて明確というわけではない。新しい国際主義は、新政権と「ともに作用する」と語られている。メルコスル(南米南部共同市場)の強化、WTOの境界内でのG20などのブロックの形成が、新自由主義に対する抵抗の表現として言及されている。われわれはそうした現象の重要性を否定しないし、革命家たちが新しい国際主義を促進する課題にとって、そうした「関係」を組み込んでいく必要性を否定しない。しかしどのようなタイプの関係なのか、あるいはどの政府との関係なのか。この問題はわれわれを事態の核心に導くものである。
なぜなら、そこには、ブラジル政府の国際政策がWTOの中で矛盾を深め、ますます保守的になっている事態も存在するからである。たとえばブラジル政府は二〇〇五年末に香港で、とりわけ綿花貿易協定について調印したが、それは幾百万人ものアフリカの綿花生産者の利益を害するものであった。われわれはまた、ブラジルがハイチへの派兵に参加したことを忘れるべきではない。
ルラ・チャベス政権の評価
したがって二十一世紀の国際主義に関するDS文書の新たな定式の背後には、その政策がグローバルな社会自由主義であるルラ政権に、DS指導部のほとんどが参加しているという問題が横たわっているのである。それらの同志たちは、同じ文書の中で完全な明確さをもってこの問題を示唆している。「われわれはこうした時期において、プラグマティズムの危険、改良可能とされる資本主義に適合するユートピア的展望の形成という危険、そして解放勢力をブルジョア国家と市場の秩序に統合することで彼らを無益なものにさせていく危険と闘わなければならない。こうした危険は、PTのように自国の政府に参加することになった社会主義政党にとって重大なものである」(訳注:本紙前号参照)。しかしIC(第四インターナショナル国際委員会)が以前に表明した危惧は、まさにそうしたものであった。PT第十三回全国会議の諸結果は、この予見を確証することになった。
DSのどれだけ多くの同志たちが、PT決議の中に、経済モデルの変革の必要性、参加型民主主義の拡大に関してより進歩的な立場を組み込もうと闘ったとしても、ルラは第二期政権において政治的・経済的基礎を変えようとしないことを、きわめてはっきりさせている。
ベネズエラ政府、そして現在までのところボリビア政府も、国際的レベルにおいて他のラテンアメリカ諸国政府とは異なった性格を持っていることは、われわれにとって明らかである。彼らが、闘争と社会運動の利害に依拠している(そしてさまざまな程度において、彼らはそうした闘争に政治的リーダーシップを発揮している)点で、彼らは二十一世紀の国際主義の登場の中で「新しい主体」として認識されうる。ウーゴ・チャベスが世界的レベルで民衆勢力と左翼にとってますます「聖像」化していることは、この意味で明確である。また、一部のラテンアメリカ諸国政府を、限定した目標で厳密かつ限定的な同盟者と見なすことはわれわれにとっても正当化され、かつある時には必要である。しかしそのことは、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルの政権が新しい国際主義の構築に向けた戦略的同盟者となりうるということを意味しない。
二〇〇六年五月の出来事は、こうした諸国政権がベネズエラやボリビアの安全な同盟者ではなく、新しい国際主義の主体ではないことをはっきりと示したように思える。ボリビア民衆に敵対するペトロバス投資を擁護したり、WTOにおいてブラジルの農産物輸出業者を支持したり、アルゼンチンの環境保護活動家に敵対するウルグアイ国家による紙加工・文房具の合弁企業を支持することによって、新しい国際主義を構築することはできない。
われわれは、ルラ政権がボリバール革命の戦略的同盟者だとするDSの主張に同意しない。ブラジルがベネズエラへの直接侵略に反対し、FTAA交渉の再開阻止に関してベネズエラの側に加わっているという点では、ブラジルを支持することが必要である。しかし、ワシントンの最も賢明な指導者の巧妙な提案――リチャード・ルーガー上院議員、トム・シャノン、そしてコンドリーザ・ライス国務長官の提案を見よ――が、ベネズエラ的プロセスのラディカリズムを封じ込めるためにルラ政権を最善のオプションと見なしていることも明らかなのである。(チャベス政権の閣僚の一部がルラに幻想を抱いているのは事実だとしても、彼の限界についてきわめてはっきりとした見解を持っている者もいる)。
各地域・各国での対応の違い
(4)より簡潔に、DS文書の二つ目の軸に移ろう。これは、DS全国調整委員会と第四インターナショナル国際委員会との間に起きた諸問題は、第四インターナショナル国際委員会の側が一九八〇年代のオープンで複数主義的な立場――社会主義的民主主義についての文書、PT建設への支持など――から「過去の誤りを再生産」するドグマ的で狭隘な綱領主義へと後退したことに求められる、という理解に導くものである。
すでにわれわれは、新しい国際主義の表現に関する一般的方向性を示してきた。したがってわれわれは「IEC(ママ。第四インターナショナル第十五回大会の新規約によって従来のIEC〔国際執行委員会〕はIC〔国際委員会〕となった)のほとんどが、ラテンアメリカ左翼の中で進行している再編成のプロセスから距離を置き、われわれの大陸で生き残っている小さな『トロツキスト』グループとの対話と共同行動を優先させることを選んだ」と書いているのを見て、同志たちが言及していることを理解するのは困難である。
彼らは、メキシコPRT(労働者革命党)やLUS(社会主義統一同盟)の同志たちがサパティスタの「別のキャンペーン」や社会主義左翼戦線に参加していることについて語ることができない。彼らは、エクアドルでは「パチャクティク」に参加し、プエルトリコでは社会主義戦線に参加し、コロンビアでは「オルタナティブ民主主義の極」やカルロス・ガビリアの大統領選挙キャンペーンで中心的役割を果たしていることについても言及することができない。
そしてわれわれが上述したように、ラテンアメリカでのこうした狭隘でセクト的なアプローチがもし存在するのだとしても(実際にはそのようなことは存在しない)、他のほとんどすべての第四インターナショナルの支部や支持者が、さまざまに異なる国民的・地域的条件の中で広範な反資本主義的諸組織の再編を築き上げるために行っている努力を見れば、それはほとんど意味を持たない。
ポルトガルの左翼ブロック、デンマークの赤と緑の同盟、ドイツのWASG(労働と社会的公正のための選挙オルタナティブ――旧東独の政権党の後身たる民主的社会主義党と統一して左翼党を結成)、スコットランドのSSP(スコットランド社会党)、英国のリスペクトなどは、いずれも議会での代表を有しており、「小さなトロツキストグループ」に切り縮められるような存在ではないことは確かである。イタリアのケースをとれば、同志たちは共産主義再建党の誕生の時から参加している。彼らは党の全般的方針がそれを可能とさせた時には多数派の一翼を担い、また現在そうであるように社会自由主義政権に向かう多数派の方針がそれを強制した時には反対派を建設してきた。
この方針の一環として、確かにわれわれは、他の革命的勢力ともに、それが可能であり、有益である場合には「たくさんあるトロツキストグループとの対話や共同行動」を行っていることに同意する。こうしたそれぞれの各国ごとのイニシアティブへのわれわれの参加については幾つかの異なった起源があり、それは欧州、アジアや、国際的かつラテンアメリカレベルでの反資本主義左翼のさまざまな会合においても同様である。確かにわれわれは、ベネズエラ、アルゼンチン、ブラジル、ラテンアメリカなど幾つかの国、地域における優先順位や情勢分析などで合意に達しているわけではない。しかしそうした交流や協力を拒否することは、われわれの見解ではセクト主義的であり、われわれが先に述べたような新しい国際主義の第三のレベルの必要性を否定することに等しい。
対立はどこに基づいているか
(5)他方、第四インターナショナルの指導部がDSに「介入」しようとしてきたという非難(ブラジル左翼にとってとりわけ否定的な非難という認識)について、われわれはそれが誤解に発するものだと考える。少なくともそれは、事実と第四インターナショナル規約(原注:新しい簡略化された規約は、第四インターナショナル第十五回大会で、ブラジル代表をふくむほぼ全会一致で採択された)の深刻なまでに誤った解釈に基づくものである。
1 国際委員会(IC)は、国際委員会で誰がDSを代表するのかを決定していない。ICメンバーは世界大会で個人ベースで選出され、世界大会のみがICの構成を変えることができることを同志たちは知らなければならない。
2 国際委員会は、誰がDSのメンバーであるかを決定していない。国際委員会はDSのメンバーであったすべての人びとを、PTの内にいるか外にいるかを問わず第四インターナショナルの活動家として認めることを決定した。それは完全にICの権限に属する手続きであり、こうした方法は残念なことであるが、DS指導部の参加についてと同様に、近年、メキシコやウルグアイのケースでも適用されてきた。
3 国際委員会は、「欧州においてDSがブラジルで何をしなければならないかを定義する」ようなことをしていない。ICが行ったことは、長期にわたる遅れや多くの討論を経て、すべての支部の関心やインターナショナルの政治的アイデンティティーにも影響を与えるブラジルにおける政策の一側面について意見を表明することであった。それは、その国の同志のみが自らの国民的現実の中で適用されるべき戦術を決定することができるという第四インターナショナルの伝統――われわれが誇りを持って守りつづけている伝統――によるものであった。DSの同志たちは、ブルジョア政府、連合政府、親資本主義的政府、新自由主義的ないし社会自由主義政府、そして民族主義者や改良主義者や社会民主主義勢力をふくむあれこれの政権に革命的マルクス主義者が参加するという問題が、国際的な労働運動、民衆運動にとって長く、きわめて論争的な歴史を持っていることを知っている。(ヨーロッパだけではなくアジアでもラテンアメリカでも)。それは戦術的問題をはるかに超えている。
4 それは、階級の独立、永続革命と同様の、われわれの運動の綱領的アイデンティティーに関わる根本的な主題である。したがってブラジル情勢が、われわれ自身の第四インターナショナルの戦列内においてだけではなく、国際左翼の他の多くの部分の間で議論と疑問の波を引き起こしたのは驚くべきことではない。したがって、われわれのインターナショナル指導部が、この情勢について討論し、集団的評価に達する絶対的義務を持っていることを理解するのは、必ずしも綱領防衛への固執によるものではない。インターナショナル指導部が行ったのはそのことである。DS指導部の同志たちが、インターナショナルの他の人びととともに、こうした討論と評価の共有へと復帰することを真摯に希望する。(「IV」電子版07年5月号)
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