| 掃海母艦「ぶんご」投入糾弾! かけはし2007.6.25号 |
|
辺野古に米軍新基地を作るな 自衛隊の住民威嚇を許すな |
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
私たちはかならず勝てる! 山内徳信さんの熱弁に共感 |
この日も調査
強行した施設局
六月九日、東京池袋のコア池袋で「沖縄の海も山もクニ(日本)のものかッ! 辺野古新基地建設に反対する緊急集会」が開催された。主催は沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック。辺野古での新基地建設のための「事前調査」で五月十八日、掃海母艦「ぶんご」が投入されるという緊急事態もあって、会場の椅子席が満員となり、通路や演壇に座り込む人も出るほどの三百人が集まった。この日の集会はまた、社民党から参院選比例区で立候補する山内徳信さん(基地の県内移設に反対する県民会議共同代表、元読谷村長)を支援する意味も込めて行われたものでる。
当日は沖縄から平良夏芽さん(沖縄平和市民連絡会共同代表)と安次富浩さん(ヘリ基地反対協代表委員)も山内さんとともに参加する予定だったが、早朝から辺野古現地では、那覇防衛施設局が二十隻にものぼる船を繰り出して調査を強行してきたため、平良さんも安次富さんも抗議行動の現場を離れることはできず集会への参加が不可能になった。
集会では最初に五月十八日の海上阻止行動のビデオが上映された後、平良さんと安次富さんから携帯電話でメッセージが送られてきた。平良さんは「今日は海の作業をほとんど止めることができた。明日もまた作業が行われることになりそうだ。われわれは闘いを続ける」と語る。安次富さんは「今日も海上保安庁の巡視船四隻が出動している。五月十八日、海上自衛隊はウチナンチューに砲口を向けた。これは二十一世紀の琉球処分だ。しかしわれわれはこの厳しい現実の中から次の展望を切り開く」と毅然たる口調で訴えた。
次に、東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対する住民たちの運動を那覇で支援する「なはブロッコリー」の本永貴子さんが発言した。本永さんは、日常的に米兵の訓練の標的となる中での高江区の暮らしを語り、さらに読谷飛行場の返還を実現した山内さんをなんとしても国会へ送ろうと呼びかけた。
大事なことは
闘いの国際化
次に満場の拍手を受けてこの日のメインスピーカーである山内徳信さんが登壇した。山内さんは次のように語った。
「辺野古のボーリング調査を阻止する座り込み闘争は二〇〇四年の四月十九日から始まったが、それ以前に地元のオジー、オバーたちは十年近くも座り込みを続けていた。オジー、オバーたちは『戦争のために辺野古の海に基地は作らせない』と話してくれた。沖縄戦の時に那覇近郊の人たちが逃げてきて餓死者も出たときに、命をつないだのが辺野古のイノー(サンゴ礁に囲まれた内海)だった。『辺野古の海は命の海である』というのが戦争を知っているオジーやオバーの確信なのだ」。
「座り込みに入ってから、施設局の職員がやって来たときに私たちは小さなテントを作り、そこで私たちが交渉要員となって施設局の職員に講義を行った。暑い日ざしの中で職員たちに麦茶を出し、ムギワラ帽子を貸して、何時間も大学では聞けないような講義をし、政府にはジュゴンやサンゴを守る責任があるのだ、と説得した。職員たちは黙って聞いていた」。
「施設局が大きな船を出してやって来たとき、今度は私たちはカヌーに乗って現場に向かった。ボーリング調査のための足場を作ったが、ついに海上基地建設は阻止した。私たちは必ず勝てる。二十一世紀は環境の世紀だ。個人に許されない環境破壊が政府に許されてはならない。島ぐるみの闘いから国民ぐるみの闘いへ、そして国際ぐるみになった時に私たちは勝利する。国際問題化させることが必要だ」。
「読谷村で米軍基地を返還させた経験から、私たちは民衆が憲法の三本柱を実現した時に事態は動くことを確信した。日米安保も地位協定も人間が作ったものだ。人びとが真剣に立ち上がれば人間が作った仕組みを変えられる。いま米国と日本の政府が辺野古に作ろうとしている基地にはオスプレイが配備され、大浦湾には原子力潜水艦や空母も使える桟橋が築かれようとしている。辺野古はアジア最強の戦争の発進基地になろうとしている。いまこそ憲法一揆が必要だ。私は民衆のために、平和のために人生を捧げてきた。これからも風のごとく水のごとく闘おう」。
山内さんの話は、沖縄・辺野古現地の闘いと会場の人びとの心を一つにつなぐ熱意にあふれていた。最後に辺野古実の木村さん、WWFジャパンの花輪さん、東京全労協事務局長の諸隈さんの発言を受け、集会アピール「沖縄・辺野古への新基地建設のための事前調査の強行・自衛隊投入をこのまま許さない」を採択した。 (K)
辺野古実が防衛省抗議
自衛隊は沖縄の人々に銃を突きつけるな!
六月四日、辺野古への新基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)は、午後六時半から防衛省への抗議申し入れ行動を行った。毎月の第一月曜日は辺野古実の定例行動日であるが、今回は新基地建設のための「事前調査」支援を名目に掃海母艦「ぶんご」が出動し、機器の設置などを行ったという前代未聞の暴挙を行ったため、広く結集を呼びかけることになった。この日の行動には、いつもの倍近い百四十人が集まった。
防衛省は自衛隊出動の法的根拠を明らかにしていない。社民党の辻元衆院議員の質問に対して防衛省の山崎運用企画局長は「法的根拠については答えられない」と述べ、久間防衛相は「札幌の雪まつりの応援や災害救援出動のようなもの」と放言する始末である。しかし言うまでもなく「雪まつり」にしても「災害救援」にしても自治体首長の要請が前提である。もちろん今回は、自治体の出動要請などない。それどころか仲井真・沖縄県知事も「不快感」を表明しているのだ。
司会の仲間がこの間の状況を説明し、五月十九日に亡くなった「命をまもる会」代表の金城祐治さんに黙祷した後、現場に駆けつけた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員があいさつした。
赤嶺さんは防衛省設置法に基づいて自衛隊を動かすためには自衛隊法によらなければならないと述べ、今回の自衛隊出動が違法であると厳しく指摘した。赤嶺さんは防衛省が「妨害行動を排除するのは当然」と語ったことを批判し、「辺野古に基地を作らせないための運動は住民として当然だ。防衛施設局のやっていることは『環境調査』ではなく『環境破壊調査』だ。海上阻止行動は県民の七、八割が支持している。普天間基地のある宜野湾市の伊波市長も、辺野古への移転に反対し、基地はアメリカ本国に持って帰れと主張している」と訴えた。
東京全労協の押田議長、一カ月間、辺野古現地に駆けつけて行動に参加してきた仲間からの発言の後、現地から沖縄・平和市民連絡会の当山栄さんの携帯電話を通したアピールを受けた。当山さんは、機器の設置によってサンゴが破壊されている現実への住民の怒りや、六月五日に那覇で自衛隊出動に反対する集会が開催されることを報告した。
許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さん、日本バプテスト連盟の発言の後、新しい反安保行動をつくる実行委員会、うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会からの申し入れが行われ、参加者たちは辺野古現地の闘いとともに闘う決意を新たにした。(K)
「情報保全隊」は解散を
自衛隊の「軍事警察」活動は違法だ
大規模な監視と
情報収集活動
六月六日、日本共産党の志位和夫委員長は国会内の記者会見で、自衛隊の「情報保全隊」が自衛隊のイラク派兵反対運動などを対象に、大規模な監視・情報収集活動を行っていたことを、入手した自衛隊の内部文書をもとに発表した。同文書は、陸自情報保全隊が二〇〇三年十二月から二〇〇四年三月の間に、すなわち最初のイラク派兵が準備・実施されていた時期に、大小あらゆる政党・労組・市民の活動を詳細に監視していたことを示すもので、二種類・計十一部、総計A4版百六十六ページとなる。
第一のものは、陸自東北方面情報保全隊の作成になる「情報資料について(通知)」と題するもので計五部、第二のものは陸自情報保全隊本部が作成した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」と題する計六部の文書である。いずれも、自衛隊イラク派兵に反対する政党、労組、市民、個人などの行動や言動を調査し、分析を加えたものであるが、その中には「年金改悪反対」や消費税増税反対運動、春闘などについても含まれており、総じてイラク反戦を中心に政府に反対する運動全体をカバーするものとなっている。
第二の「国内勢力の反対動向」の監視対象となっている団体・個人は全国四十一都道府県にまたがり、二百八十九団体・個人に及んでいる。
例えば民主党の増子輝彦衆院議員(当時)が、自衛隊OBの集まりである隊友会の会議で「自衛隊のイラク派兵に反対」と述べたことが「自衛隊を誹謗する発言」とされ、朝日新聞の記者が青森駐屯地前で隊員に感想を求めた取材記事が「反自衛隊活動」とされている。また「インサイダー」誌の高野孟氏が連合系の集会で講演した内容も記載され、映画監督の山田洋次氏が自衛隊派兵を「応援」する「黄色いハンカチ」運動について述べた批判的見解も「市民レベルでの自衛隊応援、支持の動きを、有名人の名声を利用して封じ込めようとする企図」と断じられている。
われわれの参加した自衛隊イラク派兵反対の運動もまた「JRCL」、「インター」などの記載で監視・調査の対象となっている。
「不安・動揺」は
政府の責任だ
共産党が今回明らかにした自衛隊「情報保全隊」による調査・監視活動は、完全に違憲・違法のものである。二〇〇三年に設置された「情報保全隊」は、それまでの「調査隊」を再編・強化して陸海空三自衛隊に設置された部隊であり、隊員数は約九百人。
その目的は「陸上自衛隊情報保全に関する訓令」によれば、「情報保全隊は……部隊及び機関並びに別に定めるところにより支援する施設等機関等の情報保全業務のために必要な資料及び情報の収集整理及び配付を行うことを任務とする」とされている。つまり自衛隊の情報の内部からの流出・漏洩を防止することが「任務」であって、「情報収集」も本来はそのために必要な範囲に限られている。二〇〇二年四月に共産党の赤嶺政賢衆院議員が「民間人も情報収集の対象になるのか」と質問した際、当時の中谷元・防衛庁長官は「あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定した関係者のみに限定する」と答弁していた。
しかし今回の文書によって、情報保全隊による「情報収集」の対象が、広く労働者・市民の運動全体を対象としたものであることが明らかになった。
守屋武昌・防衛省事務次官は「イラクに派遣される隊員が不安に感じ、家族が動揺することのないようさまざまな調査を行い、文書にまとめた事実はあった。自衛隊は、任務を遂行するための調査活動は認められており、このこと自体に問題はない」と述べた。久間章生・防衛相は「自衛隊員家族に圧力がかかっていた。どんな話が持ち込まれたか、心配はいらないということで情報収集をしたのではないか」と居直った。さらに守屋事務次官は、こうした市民への監視・情報収集の法的根拠を問われ「自衛隊法に基づき、必要な調査活動を行った」としている。しかし自衛隊法のどの条項をとっても、労働者・市民の正当な運動を調査・監視する権限などはないのである。
言うまでもなく隊員や家族の「不安」や「動揺」は、米ブッシュ政権の強力な圧力によって自衛隊をイラクの戦場に送り込んだ当時の小泉政権の責任である。小泉は「自衛隊の行くところが非戦闘地域」だなどという詭弁を弄し、自衛隊員を「殺し、殺される関係」に投げ込んだ。小泉政権や自衛隊の幹部たちは、そうした自らの責任を覆い隠し、あたかも労働者・市民の反戦運動が自衛隊員の生命を危険にさらしているかのように述べて、敵視したのである。
戦争国家化と
「憲兵」機能強化
自衛隊の情報保全隊による住民の言論の自由、人権を奪う調査・監視活動が、自衛隊の海外作戦部隊化・「戦争国家」化と一体のものとして進められていることにわれわれは注目しなければならない。自衛隊のインド洋・イラク派兵は、アメリカの「対テロ」グローバル戦争への自衛隊の参戦であり、それは今日の「米軍再編」=米海外戦闘部隊への自衛隊の組み込みと一体のものである。
今回明らかになった文書が作成された時期は、立川・自衛隊監視テント村の自衛隊官舎へのビラ入れに対して「住居不法侵入」を名目に令状逮捕・起訴がなされた時期にあたっている。「情報保全隊」の市民への監視活動は、警察によるマンションへのチラシ入れに対する不当逮捕・起訴攻撃のエスカレートとも連動している。米軍再編とともに進められている「軍事情報に関する一般保全協定」(GSOMIA)締結、ミサイル防衛及び運用協力のための「包括的情報共有ロードマップ」による情報保全、海上自衛隊からの「イージス艦情報漏洩」に対する大規模捜査などに示される「軍事情報」の保全に関する態勢強化は、同時に労働者・市民への「軍」としての独自の情報活動を伴っている。
まさに自衛隊の「軍事警察」機能の強化が、「海外派兵体制」の恒常化とともに促進されていく。自民党新憲法草案による自衛軍の創設と「軍事裁判所」の設置は、こうした「軍事警察」=「憲兵」機能の強化を意味している。
辺野古新基地建設闘争への掃海母艦「ぶんご」の出動は、「治安出動」の第一段階としての意味を持っており、「治安出動」は「軍」としての独自の情報活動の強化を必然的に伴っている。安倍政権がねらう改憲=「美しい国」づくりとは、労働者・市民の自由な言論を弾圧する体制である。
われわれは訴える。防衛省は「情報保全隊」による情報収集の全容を明らかにせよ。
労働者・市民の思想・信条の自由、表現の自由を脅かす「情報保全隊」をただちに解散せよ。
すでに全国各地の市民運動、労働組合などから、自衛隊の「情報保全隊」の監視・調査活動への怒りの抗議声明などが続々と出されている。こうした活動をさらにいっそう広げ、防衛省と安倍内閣を追い詰めよう。 (純)
|