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                           かけはし2007.6.18号

非正規労働者に人権と正義を

NPO派遣労働ネットワークが集会
労働市場規制緩和政策との決別へ
安心して働ける雇用を保障せよ!


 六月四日、全労済東京会館で「みんな集まれ! 非正規労働者に人権と正義を」非正規労働者集会がNPO派遣労働ネットワーク主催で開催された。
 主催者を代表して中野麻美弁護士が「労働者の三三・七%が非正規雇用であり、とりわけ女性は二人に一人が非正規雇用に追いやられている。社会のグローバル化の流れの中で、資本は自由に労働者を買いたたいている。偽装雇用が頻発し、その結果ワーキングプアなど貧富の格差が拡大し大きな社会問題になっている。これとどう闘い、どのように社会を変えていくのか。この課題に取り組もう」と訴えた。
 続いて現場からの報告が行われた。

余りにもひどい!
現場からの告発

 @日雇い派遣の権利要求(グッドウィル)。三月九日に、派遣ユニオン・グッドウィルユニオンを立ち上げた。五月十日の団交で、データ装備費二百円を返還するといったのに、その後返還しないとしてきている。数十万円の請求ができる人もいる。全国から問い合わせが相次いでいる。集合時間から作業時間までの拘束時間の賃金の要求、最低時給を千二百円とすることなどの要求をしている。制服を買わされる、男女で賃金格差があるなど問題が多い。六月七日に東京と大阪で抗議行動を起こす。
 A派遣業フルキャスト。昨年十月に組合を立ち上げた。スポット派遣の大手だ。仕事を習熟しても賃金が上がらない。派遣スタッフを使い捨てにしている。内勤社員に対しても、派遣社員を確保するために深夜二時から三時まで登録スタッフに電話かけをして働かされた。闘いによって、集合時間を強制しない、業務管理費の取り立てを廃止、各種社会保険への加入などを勝ちとった。春闘では、派遣スタッフなど非正規の労働条件の改善のためにのみ要求を掲げて闘っている。
 B誇大広告との闘い(フルキャストセンラルユニオン)。誇大広告によって地方から騙されて若者が集められている。例えば、月収三十二万円以上可などと表記し、例示された勤務時間に、その派遣先での時給を乗じても、まるでその金額に届かない内容のものがあった。また、作業着を倍近い値段で売りつけられたり、○○プランなどと称して、派遣労働者が得するような表記をし、実際には働ければ働くほど派遣会社がもうけるようなシステムに入れられたりしている。五月十八日の団交で、会社は謝罪し是正を約束した。成せば成る!
 Cパート・契約社員の闘い(KDDIエボルバユニオン)。KDDIで二十四時間、三百六十五日お客様対応の仕事をしている。二〇〇六年六月から新制度が導入された。契約が六カ月もしくは一年を三〜六カ月へ、交通費の全額カット、賞与の廃止――年収にして百万円、三五%の低下になる。昨年十一月二十三日に組合を十二人で結成し、現在百三十人のうち三十四人が組合に加入している。交渉は平行線だったが四月二日、諸手当のカットをしないなどで締結にいたった。
 D「偽装雇用」是正の取り組み(蛇の目ミシン)。三百人の委託販売員は実際は労働者であるにもかかわず「業務委託契約」を結ばされ、個人事業主として扱われる、いわゆる「偽装雇用」状態。ミシンが売れなければ賃金の保障は一切なく、どんなに残業しても残業手当もない。有給休暇も雇用保険もなく、ガソリン代や通信品も自分持ち。職安に雇用保険被保険者資格確認請求を行い、飯田橋職安からは資格が認められるとの回答が寄せられた。このことは労働者としての雇用があることの証拠なので闘っていきたい。個人の問題ではなく、業界大手がこんなひどい扱いをしていることを社会に広く知ってもらい、なんとしても是正させたい――と報告した。
 Eシングルマザーの場合。シングルマザーはますます増える傾向にある。格差拡大がすすみ、シングルマザーの中でも二極分化が起こっている。生活保護を受けている場合は四月から母子加算が削減になった。日本の母子家庭は八五%が働いているが、低賃金、契約の短い非正規雇用だ。いつ失業するかわからない不安定雇用の中から抜け出すことができない状況にある。子育てには何より努力が報われる環境と落ちついて働ける職場が必要だ。政府の言う就労支援より失業阻止の施策、世帯主労働者への雇い止めを禁ずる施策を緊急に講じてもらいたい。

最低賃金では
生活できない

 次に、特別報告―最低賃金で生活できるか―についてのレポートを二人の女性が行った。派遣で働く女性(27歳)で、六畳一部屋で一人住まい。五月の一カ月家計簿をつけてみた。最低賃金のフルタイムでひと月働いて約十四万円の給料。最低限かかる生活費を使ってしまうと自由に使えるおカネが手元に残らない。支出が不可能になる項目は、第一に貯金ができない。次に病気やケガで働けなくなり、失業した時、先行きが見えない。次に、新聞などの購読ができなくなった。交際費などを出せないために友人と会えなくなり自然と行動範囲も狭くなってしまう。不安な気持ちで毎日を送ることになり、これが長期に続くと心身ともにきつくなってくる。人は余裕がないと生きていけない――と報告した。 
 続いて、非正規雇用(派遣)に関する国会議員アンケート第一次集約発表。五月二十五日現在で四十二人の議員からの回答があった。多くは「日雇い派遣」の登場・格差拡大に大きな懸念。低賃金化・不安定雇用の是正に全議員が賛意。今後も働きかけをしていきたい。
 ホットラインを次のように行うことが報告された。派遣トラブルホットライン(6月16日から17日)。正社員との格差はますます拡大している。三分の一の給与で正社員以上の仕事をさせられるという派遣労働者からの不満の声が多く寄せられている。求人トラブルホットライン(6月30日〜7月1日)、電話03―5371―5202。実際よりも高い労働条件で募集する求人トラブルが急増中。
 最後に、非正規労働者の権利宣言(別掲)を採択して終了した。   (M)

資料
非正規労働者の権利宣言


1、働いても働いても自立して生きられない、明日の生活も見通せない、いのちの危険にさらされる―そんな働き方があらゆる分野に広がっている。低賃金だから死ぬほど長時間働かなければならない。短期の細切れ雇用だから、住まいを借りることもできない。ローンも組めず、借り入れは小口でも高利の負担を強いられる。時にその労働は、安全への配慮もなく、まさに使い捨てだ。
 非正規労働者の生活は、「人たるに値する」「健康で文化的な最低限の生活」水準とは程遠く、働いて生きる自由などまったく実感できない。
2、景気が回復するなかでも、非正規雇用は顕著に増え続けている。非正規労働者を犠牲にした低コスト化が、景気の拡大を「下支え」してきた。こうして私たちに犠牲を強い、差別と貧困をもたらすこの「雇用の構造」こそが問題だ。
 パート労働は、「家計補助的労働」として、働きに応じて公正に報われる均等待遇保障から見放されてきた。
 有期雇用は、契約の節目ごとに、使用者が一方的に雇用と労働条件を不利益に変更でき労働の買い叩きを可能にしている。
 派遣や請負などの「間接雇用」では、ユーザーが労働を買い叩く完全な自由を手にしている。
3、このような働かせ方は、原則禁止されるべきなのに、使用者を代表する日本経団連や政府の規制改革会義は、「規制緩和による公正な競争の結果としての経済格差は当然」「差別を禁止すればかえって採用が手控えられる」「労働者の権利を保障したり、買い叩を規制したりすれば、かえって働き手の権利と生活を破壊する」などと主張し、一層の規制緩和を進めようとしている。
 しかし、これは全くの「机上の空論」であり、ためにする暴論だ。私たちは、どんなに不利な条件でも、その日その日を生きるために働かなければならない。このまま規制緩和が進めば、さらに低賃金労働が拡大していくのは確実だ。
 規制緩和論者は、それも働き手の「自己責任」とみなすのだろう。しかし、働いても働いても自立して生きられない労働が生み出され、そうした雇用しかチャンスがないのは、社会的差別と規制緩和政策がもたらした結果である。
4、私たちは、政府に対し、規制緩和政策と決別して、あらゆる差別と貧困を撲滅すること、すべての人々に安心して働ける仕事=人権が保障された雇用を保障すること、そのために必要な社会的サービスを提供するシステムを確立するよう求める。
 とくに緊急の課題として、以下の権利の実現を求める。
(1)雇用は直接・無期限であることが原則である。間接雇用や有期雇用は原則禁止し、まして日雇い型や登録型はごく例外としてしか認めない制度を確立すること。
(2)偽装請負その他あらゆる違法に対して、ユーザー=使用者の雇用責任を明確にし、その履行を確保すること。
(3)派遭契約や請負契約など、商取引であっても労働を対象とするものは、競争原理を抑制し、働き手の人権を保障すること。
(4)あらゆる差別を禁止し、均等待遇を保障すること。
(5)どんな働き方であろうと、一人の人間としての必要を充足するための同一の権利を確保できる社会的サービスを保障すること。
5、非正規と正規という雇用形態の格差に加え、性や年齢など何重にもわたって身分のように固定された格差=差別のなかに置かれたとき、あまりの困難さゆえに黙らざるをえないという絶望に追いやられている仲間が少なくない。また、既得権の上に胡坐〈あぐら)をかいている」と罵られながら長時間労働と競争の渦の中で身動きできなくなっている正規雇用労働者もたくさんいる。
 いま、取り組むべき政策の焦点は、非正規雇用労働者の待遇の改善と権利保障であるはずなのに、法改正のターゲットは、ホワイトカラーエグゼンプションなど正規雇用の労働条件引き下げに向けられている。
 正規雇用に、非正規雇用並みの使い勝手の良さを求める逆均等待遇攻撃は、私たちのよって立つ社会のものを破壊する。労働者が雇用形態の別なく、ともに労働ビッグバン構想に反対して人間らしい生活を確立する闘いに取り組むよう呼びかける。
 2007年6月4日
 「みんな集まれ! 非正規労働者に人権と正義を」集会




練馬自衛隊基地撤去集会とデモ
中央即応集団設置反対 国民保護訓練をやめろ

 【東京北部】六月三日、「6・3中央即応集団設置反対!国民保護訓練反対!練馬自衛隊基地撤去」集会とデモが、約三十人の地域の労働者・市民の参加で闘われた。主催は有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会、反安保・反自衛隊・反基地闘争を闘う北部実行委員会。
 一時半より板橋区東武練馬の徳丸第二公園で行われた集会では主催者を代表して東水労の仲間が基調報告を行い、三月二十五日の板橋・イラク反戦デモ、四月十五日「中央即応集団設置反対!」朝霞基地申し入れ行動、練馬駐屯地祭抗議情宣、五月三日十条基地包囲行動など東京北部地域で闘われてきた反戦の闘いを振り返り、五月十八日に沖縄の辺野古での米軍基地建設のために海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が投入された問題や、三月三十日航空自衛隊入間基地へのPAC3(弾道ミサイル防衛のための地対空誘導弾パトリオット3)の装備品の搬入、三月二十八日の陸上自衛隊中央即応集団発足について触れた。
 「私たちはイラク派兵という戦時下―有事体制のもとでの反基地・反自衛隊闘争を闘っているのです。安倍政権は、米軍再編と自衛隊の一体化を進め、アメリカ従属で危機を乗り越え民衆に対して、改憲、共謀罪、教育三法などをとおして、抑圧・監視・管理社会で一切の抵抗・権利・主張を奪おうとしているのです」。
 「私たちは、反撃するために、中央即応集団設置反対! 国民『保護』訓練反対! 全占領軍のイラク撤退! 航空自衛隊即時撤退! 日米安保粉砕! 改憲手続き法案強行採決弾劾! 改憲阻止! をすべての仲間と共に闘う」。
 続いて地域から戦争協力をしない! させない! 練馬ネット、板橋あるこう会、連帯労働者組合、沖縄一坪反戦地主会関東ブロック、破防法・組対法に反対する共同行動、国民ホゴ条例を問う連絡会議の発言を受けデモに出発した。
 基地正門前では、陸上自衛隊練馬駐屯地を撤去すること、自衛隊はイラクから直ちに撤退すること、人殺しの道具である兵器を子どもたちに公開する駐屯地祭を来年以降中止し、朝霞にも座間にも中央即応集団司令部を置かないこと、中央即応集団創設を白紙に戻すこと、の五点を骨子とした申し入れ書を読み上げて手渡した。
 解散地では埼玉の仲間の発言などを受けてこの日の行動を終えた。  (板)


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