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全国活動家組織の発足によせて             かけはし2007.5.28号

新自由主義の攻勢と対決し労働者・民衆の新たな進路を

 発足前夜

 「創立宣言」草案も完成したから、いよいよ発足大会資料集の編集作業の最後の手入れをしなくては……。傍らではI同志、H同志が発足大会への参加督励電話をするのに余念がない。H同志の電話の声は相変わらず大きい。Y同志は蔚山にオルグに出かけ、J同志は忠南活動家討論会に向かうので慌ただしい。
 頭の中ではひっきりなしに様々な思いが飛び交い、資料集編集の速度に追いつかない。まだ決定されていない組織名称のゆえに何かと気が休まらない。看板は重要なのだが、何かよい名前はないもだろうか? 知恵者にでも聞いてみたい。「労働者の力」のような、そんな良い名称を付けなければならないところだが……。多くの活動家たちが名称にこだわり苦悩しているというから、同志たちを信じて行く所まで行ってみよう。

 3年前

 2004年3月、大田に主に金属大工場の現場組織の主要活動家らが集まった。全国現場組織代表者会議の発展的解消についての論議が行われた。10年前の1998年2月6日、雪が降る中、儒林会館で開かれた民主労総代議員大会場には代議員よりも現場活動家たちのほうが、より多かった。民主労総執行部の労使政委員会・整理解雇暫定合意に怒った全国の活動家たちが結集した。
 労働組合執行部が、労働者の首を切る整理解雇に合意した悲劇的な事件の中でも労働者たち、特に活動家たちがなお生きていることを確認した。だがそれ以降、新自由主義阻止闘争では個別資本に対しても総資本に対しても、労働者闘争の威力を示すことができなかった。
 2002年の大宇自動車整理解雇阻止闘争後、事実上、活動は中断された。04年3月の論議は、このような状況については認識を共にしたものの、その後の活動の方向については対策を立てられなかった。発展的解消に反対する一部の意見が強く提出され、今後どうこうしようという論議まではできなかったのだ。

 2年前

 05年4月、金属、公共、全教組、地域、非正規などの活動家らが集まって左派の現場活動家たちの民主的疎通と全国的連帯について論議した。論議は続けられ9月には90余人の活動家たちが集まり討論会を開催した。その後、論議は一時中断された。活動家たちの組織的連帯を共に論議し始めた、いわゆる「セフルム(新しい流れ)」グループが論議から脱けるとともに、弾みは弱まり、非正規改悪阻止や民主労総の腐敗・不正事件に立ち向かう闘争や革新運動、そして民主労総の選挙の渦中にあって組織論議は留保された。

 1年前

 06年4月から全国活動家組織建設のための本格的な事業が推進された。全国巡回懇談会を経て6月10日に準備会、9月2日に準備委員会の発足へと進展した。この1年間、4度の全国巡回懇談会(討論会)を通して各地域の同志たちと全国活動家組織の位置づけ、運動の方向、事業計画などを論議した。本組織の発足を前にした現在、500余人の同志たちが準備委員会に参加し、発足大会に参加する同志たちまで勘案すれば、約6〜700人の同志たちが全国活動家組織に参加するものと見られる。

 運動の方向

 全国活動家組織、87年の労働者大闘争後の「民主労組運動」の限界を克服し、「社会変革的労働運動」へと踏み出すことを大きな方向性のひとつと考える。政治組織ではない全国活動家組織が社会変革的労働運動を目指すということは、具体的には何なのか? 民族主義、社民主義、議会主義に急激に傾倒している大衆運動が階級性・変革性を志向するようにする、ということだ。社会的合意主義の社会連帯戦略を廃棄し、労働組合の大衆闘争を議会での交渉のお供・添え物へと転落させる諸傾向を一掃するための大衆運動を拡大・強化することだ。
 崩壊した闘争戦線を強化することが全国活動家組織の運動の方向だ。
 非妥協的闘争を主張してきた左派陣営は、闘争戦線をぶち壊す「左右共滅の構図」の一方の軸だ。闘争を主張するが、「闘争の準備はできているのか」という機会主義勢力の質問に自信をもって答えられずにいる。闘争戦線をどう構築していくのか? 闘争戦線が壊れている最大要因のひとつは、勝利に対する展望の不在だ。闘争の必要性については否定しないが「団結すれば勝てる」という展望を示せずにいる。現場闘争のひとつひとつを勝利へと導きぬかなければならない。力量を集中した一点突破闘争によって勝利する連帯闘争の典型を作り出さなければならない。
 民主労組運動の革新が全国活動家組織の運動方向だ。
 官僚型組織へと転落する危機にある産別労組を階級的産別労組へと発展させることは重要な問題だ。非正規の労働者たちを主体として形成させていく問題もまた民主労組運動革新の主要な部分だ。
 労働組合民主主義を拡大強化しなければ、量的成長に伴った労働組合の官僚的専横を阻むことはできない。このような民主労組運動の革新は、これまで上層で何度も繰り返し推進され、そしてすべて失敗した。下から大衆的革新運動を作り出すことができないならば、またもや失敗するだろう。
 4月21日、現場活動についての討論会があった。同じような問題意識から現場活動の討論会を推進してきた同志たちの中から、民主労組運動の革新を運動方向とすることについての問題提起があった。
 革新運動が上層中心、または執行部の交替に局限されてはならない、との主張について全面的に同意する。そして活動家たちの運動が労働組合の秩序を跳び越える現場権力の拡大強化へと踏み出さなければならない、ということにも全面的に同意する。
 だが労働組合自体の強化は、副次的な問題ではないことも明らかだ。仮にも、労働組合の体制維持的性格にのみ注目し、「どのみち労働組合の執行部は変質せざるをえない」と言うのならば一層、問題だ。過去に現場派たちが輩出した労組執行部の失敗の原因を労働組合の属性に帰すのであれば、極めて無責任なことだ。

 発足後

 全国活動家組織は地域を軸とし、現場と全国を連結する組織だ。活動家個人の主体的参加も組織される。地域的日常活動によって産業や業種の壁を乗り越えようとする組織だ。4月29日の発足によって、まさにそのような枠組みが作られる。
 問題は実践だ。
 左派運動に対する否定的批判のひとつは、声はデカいが実践は弱い、というものだ。本組織の発足以後、全国活動家組織は放置されている非正規闘争を一点突破闘争として展開するだろう。KTX(韓国高速鉄道)乗務支部の闘争や蔚山科技大闘争など集中点を宣伝し、活動家たちが先頭に立った闘争を展開するだろう。このような闘争の成果は勝利についての展望を高め、連帯闘争そして活動家がリードする闘争の必要性を確認させるだろう。その力によって地域、産業、全国的レベルのゼネスト闘争戦線を現実化させぬくことができるだろう。
 労働運動の主要事案についての討論会、現場広報事業を力強く展開するだろう。87年の労働者大闘争から20周年の今年、7、8月には労働解放先鋒隊を構成し、87年の闘争精神を現場に広げる運動を繰り広げるだろう。
 全国活動家組織は、現場活動家たちが動員の対象へと転落してきたこれまでの連帯方式を克服しようというものだ。情報の独占、討論の不在、民主的決定なしに、当たり前と言わんばかりの動員体制へと転落してはならない。
 全国活動家組織は階級的・変革的労働運動陣営の公的活動家組織を目指す。各政治組織間の分裂や違いはあるが、闘争、革新、労働解放という共同の志向によって組織的連帯を行っていこうというものだ。発足時点である今日、この志向は今なお充分に現実化しているとは言えない。実践過程において、この目指すところがいささかでも軽視されないようにしなければならないだろう。

 10年の展望!

 今後3年は韓国労働運動が極めて苦しいながらも多くの変化が予想される時期だ。06年までの敗北を改めて踏みしめ、立ちあがることができるのかについての展望は明るいとは言えない。民主労総など、労働組合の上層を見れば明らかに、そうだ。
 3年計画の1次的課題は新たな運動の主体を形成することだ。全国活動家組織は活動家たちの惰性を打ち壊し、新たな運動方向や実践の力量へと生まれ変わるようにしなければならない。非正規闘争の現場の至る所で非正規労働者たちが新たな運動の主体として踏み出せるようにしなければならないだろう。
 これからの3年を前後して韓国労働運動は地形の変化を味わう可能性が高い。第3労総などがうごめき、87年労働運動体制の再編がもたらされることもあり得る。これは民主労組運動の危機でもある。だが危機は一方では民主労組運動に位置を占めている民族主義―腐敗連合の構図に亀裂を作り出す機会をも、もたらすだろう。これは民主労組運動を一大革新する契機となるだろう。その先頭に全国活動家組織が立つだろう。
 今後の10年は、これまでの10年間、かたくななまでに突っ張ってきた新自由主義の世界化攻勢を完全に封鎖し、労働者・民衆の新たなオルタナティブを実験していく時期とならなければならない。
 世界資本主義を研究している学者らは、全地球的レベルの新自由主義の世界化攻勢を主導している米国は双子の赤字をこれ以上、支えきれず、2013〜15年ごろには限界点に到達するだろうと見通してもいる。その時期を正確に予測するにはさまざまな変数があるけれども、ただ明らかなことは世界資本主義の一大変化が今後10年内に来る可能性が極めて高いということだ。
 この期間、韓国の政治地形で見ると、今回の大統領選挙後、5年後、および10年後にまた大統領選挙がある。10年後の大統領選では労働者・民衆が新自由主義に代わる新たなオルタナティブを実質的に実験できる政治的、組織的、闘争的力量を整えなければならない。全国活動家組織は最小限、その土台を強化する役割を果たすであろう。(「労働者の力」第124・125合併号、07年4月27日付、キム・テヨン/全国活動家組織準備委員会執行委員長)

全国活動家組織創立宣言

きょう、われらは
変革的・階級的労働運動という大原則の下、全国活動家組織へと結集した。
今や活動家たちの民主的疎通と連帯とを通した
組織的・主体的実践のみが、われらの前にある。

過ぐる10年の敗北を踏まえ
労働者による大反撃の10年を開くために
惰性をかなぐり捨て、
誤謬を克服し、
過誤を反省する姿勢をもって
力強く進軍するであろう。

現場を組織し、
活動家たちが先頭に立って
ひとつひとつの現場闘争を勝利へと導いて行くであろう。
崩壊した労働者のゼネスト戦線を
地域、産業、全国から構築する、その先頭に立つであろう。
かくして労働者・民衆を無限の搾取と収奪へと追い立てている
新慈雨主義・世界化の攻勢に大きな風穴を開けなければならないのだ。

危機に陥った民主労働運動の
階級性、自主性、民主性を強化するために
下からの大衆的な
民主労組革新運動を繰り広げて行くであろう。

闘争! 革新! 労働解放!
1人で夢見るのは難しい。
1つの単位事業場で実践するのは困難だ。
1地域、1産業だけで勝利するのは容易ではない。
現場に実践の足場をしっかりと踏み固め
総資本に立ち向かう全国的連帯を実現しぬこう。

87年の労働者大闘争以降、労働者たちが
夢見てきた「労働解放、平等の世」は、どれほど実現されたのか?
活動家たちの胸の片隅に希望としてのみ存在しているのか?
今こそ労働解放、平等の世を実践の海に引き出そう!
社会変革的労働運動によって力強く踏み出そう!

 2007年4月29日
 全国活動家組織準備委員会


朝鮮半島日誌

5月17日に南北連結鉄
道試運転の実施で合意

4月13日 b「2月の合意を履行しようとする意思に変わりはなく制裁解除が証明された時、われわれも行動する」(北朝鮮外務省)。b10日から開かれていた南北赤十字会談が「離散家族の映像レター交換の今秋試行」などを盛り込んだ合意文を採択して終了、韓国人拉致被害者、朝鮮戦争時韓国軍捕虜の再会については「消息不明者の生死と住所の確認を離散家族問題に含めて協議する」ことに。bBDAが米財務省に対して「BDAが北朝鮮の不法行為を見逃してきたとする指摘は根拠を欠き政治的動機によるものだ」として金融制裁取り消しを申し立てる。
4月17日 b中国共産党の対外連絡部副部長ら6人の代表団が訪朝(新華社通信)。 
4月18日 bピョンヤンで南北経済協力推進委員会が始まる。bBDAに対して米金融機関に代理口座を持つことを禁じる米財務省の制裁が発動される。
4月20日 b「マカオの銀行BDAに凍結された資金が実際に解除されたことを確認し次第、IAEA実務代表団を招き寧辺核施設の稼働停止と検証監視手続き問題を討議する準備ができている」(北朝鮮原子力総局がIAEAに対して書簡で伝える)。
4月22日 b南北経済協力推進委員会が韓国による対北コメ40万トンの支援を再開、南北連結鉄道試運転の5月17日実施などで合意し終了。
4月24日 b「BDA問題が解決すればすぐに国際原子力機関(IAEA)と停止・封印に向けた協議に入る」(NYで行われた米朝協議の場で北朝鮮国連代表部の金明吉公使が明らかに)。
4月25日 b在日朝鮮人の激しい抗議の中、警視庁公安部が33年も前の「2児拉致容疑」で朝鮮総連傘下団体、在日朝鮮人個人宅などの家宅捜索を強行。


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