WPNが防衛省「人間の壁」アクション
空自イラク派兵延長をやめろ! 全占領軍撤退を |
五月十五日、航空自衛隊のイラク派兵を二年間延長する自衛隊イラク派兵特措法改悪案が衆院本会議で可決し、参議院に送られた。米軍を圧倒的主軸とするイラク占領の継続と、約三万人の米軍増派による「武装勢力掃討作戦」なるものが、イラク国内での絶望的な対立と殺りくの波をいっそうエスカレートさせていることは明白であるにもかかわらず、安倍政権は、小泉政権の「イラク侵略戦争」支持政策を継承し、航空自衛隊のイラク派兵を継続し、ブッシュの戦争犯罪にあくまで追従しようとしているのだ。
安倍政権は、航空自衛隊はイラクで「国連要員の輸送や人道的復興支援のための物資輸送に従事している」と言い張ってきた。しかし実際のところ、空自のC130輸送機がイラク各地に運んでいる人員や物資は、米軍兵士や軍事目的のためのものであって、航空自衛隊は米軍の戦争に直接支援をしていることが明白となった。
昨年の自衛隊法改悪によって自衛隊の海外での活動が「本務」となり、また防衛庁は「省」へと格上げされた。今年一月にNATO司令部を訪問した安倍は「自衛隊の海外派兵をためらわない」と公言し、さらに五月十八日には「集団的自衛権」の行使を可能にする「有識者懇談会」の第一回会合を行い、今年秋にも答申を出させて、海外での自衛隊の武力行使を「合憲」とする道を切り開こうとしている。イラク特措法の二年延長は、ブッシュとの約束に基づいて、米軍のグローバル「対テロ」戦争に自衛隊を動員していくための布石でもある。
イラクの惨状を
もたらしたもの
五月十九日、WORLD PEACE NOWは、午後一時から東京・市ヶ谷の防衛省前で「目をそむけないでイラクのいま 防衛省『人間の壁』行動」を行った。防衛省の正門から「イラクの現実」を映し出したショッキングな写真などを貼ったバナーやプラカードを持った参加者が高い壁に沿ってならび、全国各地から参加した人びとをふくめて百人以上が参加した。なおこの日の行動は、前日に行われた海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を派遣した沖縄・辺野古への「事前調査」強行への抗議の意味も込めて、参加者がアピールを行い、防衛省担当者に抗議の申し入れ文を提出した。
WORLD PEACE NOWの行動に続いて、午後二時半から市ヶ谷駅近くの外濠公園で新しい反安保行動をつくる実行委員会が「イラク特措法延長反対! 空自は即時撤退せよ! 次の戦争を準備する米軍再編も許さない! 防衛省抗議行動」が行われ、WPNの行動への参加者もふくめて八十人がデモ行進を行った。
防衛省前では、広島、大阪、愛知、浜松の仲間も独自の申し入れ文を読み上げて防衛省に提出した。警察は執拗に妨害を試みたが、それをはねのけて防衛省への申し入れ行動が毅然として展開された。
この日の行動は、WPNと同様に、辺野古の新基地建設反対運動に対する自衛隊の出動と威嚇に抗議する緊急の行動としての内容も込めて行われ、四谷・三栄公園までのデモの中で、自衛隊のイラク・インド洋からの撤退、米軍再編反対、辺野古への自衛艦派遣反対の訴えを響かせた。 (K)
教育関連4法案衆院可決糾弾
競争・序列化原理と国家主義を全面化する新法案の廃案を
11項目付帯決議の意味
自民党・公明党は、五月十七日、グローバル派兵大国建設を担い、資本大競争を勝ち抜く人材育成にむけた改悪教育基本法を教育現場に貫徹していくために学校教育法、教員免許法、教育公務員特例法、地方教育行政法(教育関連四法案)の改悪法を衆院教育再生特別委員会で強行採決し、翌日の衆院本会議で採択を強行し、可決した。
安倍政権は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を前面に掲げ、参院選前に反動諸法案をすべて成立させるという政治スケジュールにもとづき、その一つとして与党は改憲手続き法成立(5月14日)を強行した。同様の手法で四法案を連日審議することができる特別委員会を設置し、「突貫審議」を繰り返した。
公聴会では多くの反対、疑念などが取り上げられていた。しかし、与党は、アリバイ的に公聴会を設定したにすぎず、六十時間の審議という既成事実を作り出すために強引に押し進めたのである。
改憲手続き法の欠陥、問題点を覆い隠すために十八の付帯決議とセットで可決させたように、四法案の問題点を先送りするために、十一項目の付帯決議を採択している。その一つには、「教員定数と教育予算の一層の拡充に努めること」が入っているが、教育費を削減し、新自由主義的教育路線にもとづく競争主義・学校の序列化・差別選別システムの導入、国家に忠実な教職員の育成という方針を押し進めているにもかかわらず、法的拘束力がない付帯決議によって取り繕っているにすぎない。伊吹文科相は、採決後の記者会見で付帯決議に関し、「関連の法改正があって難しいと思う」などと、さっそく本音を吐き、「教職員の定員増のために努力する」とウソ発言をするありさまだ。
われわれは、あらためて四法案の教育破壊に貫かれた本質を暴き出し、安倍政権と与党の意図を許さず、四法案成立阻止の闘いを構築していくことを訴える。
教育労働者の団結権破壊
参議院段階での反対運動を取り組んでいくために、衆議院の審議で明らかになった法案の問題点、欠陥を確認しておかなければならない。
学校教育法の改悪では、国家的利益を優先とした教育を行っていくことを強調し、「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」ことを明記することによって、グローバル戦争と資本競争を勝ち抜くための教育指針を明確化した。この文言を根拠に教育現場において新自由主義と新保守主義を合体させた国家イデオロギー教育を注入し、その担い手となる教職員を育成し、抵抗する者を排除しようとしているのだ。
そのために上意下達指令システムの導入として、「副校長、主幹教諭及び指導教諭(「副校長等」という)の職務」を設置するとともに教職員間に成果主義による給与格差を拡大することによって個々に分断し、管理・統制の強化をねらっている。
審議の答弁で文科省は、「教員組織の役割の分担や指示系統がはっきりし運営が効率化される」などと手前勝手な自己正当化を繰りかえしたが、こんなのは建前上の理由でしかない。すでに東京都教育委員会を先頭とする「日の丸・君が代」強制を全国的に拡大させていくことであり、反対・抗議する教職員への処分乱発し、排除していくことに獲得目標かあるのだ。
文科省のねらいを暴きだし、都教委の弾圧に抗して、「日の丸・君が代」強制不服従の闘いを貫く教育労働者と連帯し、保護者・卒業生・市民がスクラムを組んだ地域共闘、処分撤回裁判・人事委員会闘争など重層的な取り組みによって包囲していくことが、ますます重要な課題として提起されている。
教員免許法改悪は、改悪教基法路線にもとづいて当局の恣意的判定による「不適格教員」認定によって教員排除を可能とする教員免許更新制の導入だ。十年ごとに三十時間の講習を義務付け免許更新するとしているが、実質的に管理職の命令に抵抗する者は排除の対象として弾圧できることが可能なシステムとして位置づけている。
教育公務員特例法の改悪は、「指導力不足教員」の「認定・研修」を盛り込んでいるが、あえてその基準を明確にせず、あくまでも改悪教基法の「教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」という観点から教育労働者に対して国家への奉仕を強制させようというのだ。都教委の「日の丸・君が代」強制に反対した教職員の思想転向を強要するための「再発防止研修」の実績にもとづいて全国的な貫徹をねらっていることは間違いない。文教官僚、管理職による不当な認定・判断による「指導力不足教員」レッテル張りを許してはならない
この攻撃のねらいは、自民党幹部らが日本教職員組合、全日本教職員組合などを公然と攻撃を繰り返しているように、それは教育労働者の団結権、組合活動の否定であり、教職員組合への解体攻撃だ。財界の労働法全面改悪攻撃の一環としても位置づけていることも暴き出しながら、労働者全体に対する攻撃として闘う任務を押し出していかなければならない。教育労働者の闘いを孤立化させてはならない。
地方教育行政法改悪は、教育委員会に対して国の関与を強化するために「指示・是正要求権」を新設した。つまり、文科省の指導・処分・統制権を明確化することにある。改悪にあたって政府は、指示・是正という実質的な国家的統制・命令の強化にあたって、学校現場における「いじめ・自殺」問題の深刻化、必修科目の未履修状態の放置と受験のための変則授業の修正を根拠に主張していた。
国家による教育委の統制
ところが衆院での審議において、野党の追及で伊吹文科相は、「日の丸・君が代」強制に抵抗する場合、全国学力調査の実施を教員および教育委員会が妨害した場合などと、改悪の本当のねらいを居直りながら明確化させた。当初の説明と審議過程で「発覚」してしまった違いとズレを徹底的に批判していかなければならない。文科省は、教育現場における社会的な背景と新自由主義的教育改革の破綻の表現であるさまざまな教育問題に対して真摯に向き合うのではなく、上からの管理・統制の強化をしていくという貧困な発想、すなわち力による制圧、沈黙、従順を生徒、教育労働者たちに強要することをねらっているにすぎないのだ。
安倍政権と与党は、五月二十一日から参院での審議入りを強行し、六月中旬にも成立をねらっている。衆院での審議によって浮き彫りとなった四法案の問題点、危険性をあらためて全国的に明らかにし、教育労働者・市民・地域がともにスクラムを強化し、国会内外にわたる闘いによって廃案に追い込んでいこう。(遠山裕樹)
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