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「第二次アーミテージ報告」を読む(下)         かけはし2007.4.30号

「アジアを正しく方向づける」
戦略と日本に求められる役割



日米FTA
締結の要求

 第二次アーミテージ報告は、「アジアを正しく方向づける」上で、日本とアメリカが二国間FTA(自由貿易協定)を結ぶことが重要であることを強調している。
 「米国と日本は、アジアにおける経済繁栄と安定のカギを握っている。われわれ二カ国は、アジアが主要な牽引車となっている国際経済システムに対して指導力と賢明な管理者役を行使するという第一義的な責任を持っている」。「国際貿易交渉のドーハ・ラウンドが混乱しているなかで、われわれにとっては、単に経済だけでなく国家戦略にもしっかりと目を向けながら、経済パートナーシップの緊密さと深さを広げる方法を考えることがますます重要である。米国と日本は、二国間の自由貿易合意に向けた交渉を立ち上げることで、自由貿易の促進と経済統合の力の促進と確保に向けてすばやく行動することを必要としている。これはアジアで出現しているFTAのネットワークの焦点になるだろうし、世界経済全体にエネルギーを提供するだろう」。
 この日米FTAに向けて、米国は日本に対してさらなる圧力を行使しようとしている。「日本の製造業は効率性のためのグローバルスタンダードを設定し続けているが、彼らの強さはサービスと金融部門における低い生産性によって相殺されている。生産性を全体的に向上させるためには、業界に革新のための自由裁量をより多く与え、長期にわたって発展が遅れているサービス部門を拡大できるように、規制緩和を持続することが必要である」。

グローバル
スタンダード

 金融・サービス産業での日本の労働生産性の低さの指摘は、この部門での米国の側からの「規制緩和」の圧力を物語るものであり、報告は次のように追い打ちをかけている。
 「日本の規制制度を政府が約束しているグローバルスタンダードに一致するようにし、その代わりに外国人と日本人企業家にとっての市場アクセスを高めるようにするには、多くの予備作業がまだなされなければならない」「金融サービスといった顕著な進展が見られる分野でさえも問題はまだ残っている。とりわけ日本郵政システムの民営化が進むなかで、そのシステムを通じて商品を売買し、最終的には資産を購入するための外国人のアクセスに関しては、問題が残っている」。
 さる四月二日の米韓FTAの原則合意を受けて、日米FTA交渉の本格化への圧力は加速するだろう。ターゲットはしっかりそこに絞られている。
 「米国と日本は、包括的な自由貿易交渉をできるだけ早く始める意図を宣言すべきである」「ドーハの義務と両立するFTAは、日本の市場における外国人と新規参入者のための顕著に促進しながら、条件を公平化し、全体的に透明性を高めるだろう。また、正しく行われるFTAは、間違いなく日本での米国の投資へより広く門戸を開放するだろうし、そのかわり、高齢化する社会に直面しているなかでさえも構造調整の課題を日本が達成することを支援するだろう」。
 こうして第二次アーミテージ報告は、米国の超国籍資本が制圧する軍事と経済の両面での「日本のグローバルスタンダード化」への露骨な圧力となっているのである。
 新自由主義的グローバル化がもたらす社会的矛盾の深まり、米国の戦略に組み入れられた形での改憲・戦争国家化はこうした構造を持っている。日本の支配階級は、新自由主義的グローバル化の中での国民統合のためには天皇制に象徴される伝統主義的なナショナリズムに訴えざるをえないし、かつそれを「対米依存」と将来の生命線としての「東アジア共同体」市場と「調和」させなければならない。この解きがたいジレンマの中で、安倍極右派政権の混迷はさらに深まっていく。

民衆の側からの
オルタナティブ

 第二次アーミテージ報告は、「中国の国益」は「一定の分野で米国と日本の国益と合致」しつつあるが、「同一でない」ことに注意を払いつつ「中国に対する同盟の組織的対応をつくりあげるため、積極的に協議」することを強調している。
 朝鮮半島に対しては、「短期的には」米日が「安全保障分野での協力を進める」べきだが、「問題の解決には多国間協力の方が適しているかもしれない機能的課題」を「識別」することが大事だと主張している。つまりは事実上、朝鮮半島、もっと具体的には北朝鮮については、日本の保守支配層が期待しているような「日米中軸」の安保問題としての対処ではなく、中国、韓国、ロシアとの協力が必要だということであり、ここでは日米双方の思惑はズレを見せている。
 そしてこの取り組みを通じて、「北東アジアの枠組みは、より大きな地域機構の準地域的〔下部〕構成要素に発展することができる」という微妙な表現で書かれている。これはいわゆる「東アジア共同体」への米中日の綱引きの中で、ASEANの動向にも配慮しながら、朝鮮半島については米日が二国的「突出」を避けることによって、中国の影響力の拡大を牽制するという複雑な対処が必要だ、ということを意味しているのではないだろうか。
 「米国と日本は今、東アジア首脳会議のようなアジア地域の協議機構と既存の環太平洋の協力機構(とりわけAPECおよびASEAN地域フォーラム)との間の補完的関係の形成について協力すべきである。米国と日本は相互に、また価値観を共有する諸国との間で定期的な会合を持ち、民主主義と法の支配を支持する課題を促進する地域機構を奨励すべきである」。
 アジアにおいて不可避的な中国の影響力の拡大をさまざまな方向から規制しようとする「米日同盟」のこのような戦略的舵取りにとって、「朝鮮半島問題」への二国中心の対処はつまずきの石になりかねない、という危惧がここから読み取れる。
 憲法改悪・米軍再編に対する闘いは、こうした複雑な状況、日米の支配階級が直面する矛盾に満ちた構想に対峙し、それを打ち破る民衆的オルタナティブを、新自由主義的グローバリゼーションに対する国際的闘いと結合した形で展望していかなければならない。それは今や支配階級の側からも、市民サイドからも内容的には対立を含みながら共通の言葉をもって語られる「東アジア共同体」構想を検証し、新自由主義的な枠組みに対抗する労働者・民衆運動の連帯と共同闘争の立場から、それを根本から組み換えていく戦略をわれわれに提起するだろう。(平井純一)


練馬駐屯地祭反対行動
「対テロ」戦争に向けて強化される日米の軍事的一体化

 【東京北部】四月十五日、東京都練馬区北町にある陸上自衛隊練馬駐屯地で、今年も「第1師団創立45周年 練馬駐屯地創立56周年記念行事」が行われ、有事立法・治 安弾圧を許すな!北部実行委の仲間を中心に首都圏の労働者市民が反対の取り組みを行った。
 駐屯地祭では部隊や車両航空機などのパレードや、模擬戦、装備品の展示などの他、焼きそばなどの模擬店なども行われた。
 午前十時から行われた記念式典では第1師団の司令と共に石原東京都知事もジープに乗って登場し部隊を閲兵した。
 第1師団指令は防衛庁が庁から省へと昇格したこと、海外での活動が本来任務となったこと、イラクでの活動などについて発言した後、災害出動についてもふれ、 住民の皆さんと共に災害遭遇戦に備えましょう。と結んだ。
 続いて「めでたく三選を果たされた」石原都知事が登壇した。石原は「世界は大きく変化している」として、核保有国が増えるなど「アメリカの力が相対的に後退している」、そして「中東を舞台に行われている戦争」など 「文明の衝突」の様相を呈しており、「白人による世界支配がようやく終わりつつある」と独特の世界観を披露したあと、アジアでは軍拡を行う国などがあり領 土を守ることが重要だとして「尖閣諸島に、あるグループが立派な灯台をつくってくれましたが、日本政府は最近まで認めなかった」と政府を批判した。
 さらに「就任以来、三軍に要請して」行ってきた防災訓練などについても言及した。
 自衛隊の最高指揮官は言うまでもなく内閣総理大臣である。都知事はあくまで「来賓」にすぎない。式典では石原都知事以外にも七都県の知事もしくは代理な どを始め多くの来賓が出席していることが紹介されたが、なぜ石原だけがジープに乗って登場するのか、毎年発言するのかについて合理的な説明がなされたことは一 度もない。が、今年も石原は嬉々として登場し、言いたい放題言って帰っていったのだった。

申し入れ行動と
反戦訴える宣伝

 石原の妄想はさておき、現実の自衛隊はますます米軍との一体化を強め、対テロ戦争に組み込まれていこうとしている。
 この日は午前中に朝霞駐屯地に対して「中央即応集団司令部設置反対の申し入れ」行動が行われ、@座間にも朝霞にも中央即応集団司令部を置かないことA中央即応集団創設を白紙に戻すことB海上自衛隊のインド洋での後方支援活動や航空自衛隊のイラクでの後方支援活動など米軍の「対テロ戦争」への加 担を止め、今行っているPKO派兵も見直し、今後、一切の海外派兵を行わないことC朝霞駐屯地、練馬駐屯地を強化しないこと、を骨子とする要請書を手 渡した。
 三月二十八日に発足した中央即応集団はその下に国際活動教育隊が編成され、国際任務待機部隊を対象とした派遣計画の作成や訓練を行うとされている。また 「グリーンベレー」などを参考にしたといわれる「特殊作戦群」や核・化学・生物兵器による攻撃を想定した「対特殊武器衛生隊」も中央即応集団の下に置かれ ている。
 中央即応集団の新設が海外派兵の拡大、対テロ戦争への加担をより一層押し進めることは明らかだ。
 練馬駐屯地の門前では午前十一時頃より約一時間に渡って、情宣が行われ、参加者に反戦を訴えるビラを手渡していった。最後に駐屯地に向かってシュプレヒ コールを行ってこの日の行動を終えた。    (板)


統一地方選 各地で健闘
堀よしのぶさん(三島)が初挑戦で当選かちとる

 四月八日、四月二十二日投票の統一地方選で、本紙で紹介した候補者の結果を
お知らせします。
 四月八日の新潟市議選で再選を目指し西区(定数11)から立候補した中山ひとしさん(緑にいがた)は、三千八百八十票を獲得しましたが惜しくも次点で落選しました。政令指定都市への移行に伴い、従来の全市1区の大選挙区から中選挙区に移行したため、激戦となり、最下位当選の公明党候補との差は百四十六票という僅差での敗北でした。
 同日の福島県議選で福島市選挙区から立候補した新人の佐々木恵子さんは三千三百八票を獲得しましたが、当選には及びませんでした。
 四月二十二日の後半戦の投票では、福島県郡山市議選(定数40)には「郡山の未来をつくる会」から二人の現職が立候補しました。蛇石郁子さんは三千八百九十六票を獲得し、七位で再選をかちとりました。駒崎ゆき子さんは二千二百四票を獲得しましたが、惜しくも次点でした。最下位当選者との票差は三十六票という僅差でした。
 川内村議選(定数12)に立候補した新人の西山千嘉子さんは、百十九票で最下位ながら初当選をかちとりました。なお鏡石町議選に立候補した円谷寛さんは無
投票当選でした。
 静岡県三島市議選(定数24)に立候補した新人の堀よしのぶさんは、二千二票を獲得し、十位で初当選をかちとりました。
 また本紙3月12日号で紹介した、東京都江東区議選に「市民の声・江東」から立候補した中村まさ子さん(現)と前田かおるさん(新)は、中村さん三千九百八十五票(5位)、前田さん三千八十三票(24位)で、二人ともみごと当選しました。 (本紙編集部)(詳細次号)


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