| 「格差社会」をくつがえす労働者の闘いへ かけはし2007.4.2号 |
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もうこれ以上ガマンできない!生活できる賃金と時間をよこせ |
けんり春闘全国実が一日行動
ストライキを背景にした結集で経団連へ抗議行動 |
労働ビッグバン・
憲法改悪に反対
三月二十三日、「格差社会」反対!07春闘一日行動が07けんり春闘全国実行委員会に参加する労組によって行われた。電通労組などの統一スト、全国一般全国協東京労組によるストと争議組合への支援を午前中に行い、午後から日本経団連、奥谷社長のザ・アールへ要請・抗議行動を行い、午後三時半、社会文化会館で中央決起集会・デモを行った。
日本経団連へ、@偽装請負、違法派遣を直ちにやめるよう参加団体に強力な指導を行うこと。会長企業が率先してこれを実行することA法人税実効税率一〇%引き下げとそれに見合う消費税二%引き上げの主張を撤回することB過労死を促進する日本版ホワイトカラーエグゼンプション導入や解雇の金銭解決方式、就業規則万能化を図る労働契約法新設、偽装請負を合法化する労働者派遣法改悪など、「労働ビッグバン」と称するさらなる労働分野の規制緩和・撤廃を行わないことC「愛国心、日の丸・君が代」の押しつけを行わないこと。九条改憲、集団的自衛権の承認、自衛隊海外派兵恒常化を目指す憲法改悪を行わないこと――を要請した。郵政公社の社外取締役についている奥谷社長のザ・アール(麹町)に対して、二〇〇三年から今年二月までに、郵政公社から七億円もの事業契約がなされていることの追及と一連の反労働者発言の撤回を申し入れた。
国鉄、郵政、電通
などが決意表明
全体で、三時半から社会文化会館で、中央総決起集会を行った。全労協・藤崎議長が主催者あいさつを行った(別掲)。東京労組、電通労組、全石油昭和シェル労組、国労闘争団、郵政4・28全国ネットワークがそれぞれ決意表明をした。
東京労組。「四百人がストを打って参加した。私たちは就業規則を改悪させないように交渉している。経営側は成果主義賃金を導入し、賃下げをしようとしているが、五年かけて撤回させた例もある。新労働契約法は就業規則で労働条件の改悪を行ってしまい、闘う力を奪うものだ。これを許してはならない。わたしたちは新しい組合を作ってがんばっている」。
電通労組はストで闘った報告、全石油昭和シェル労組は差別賃金と女性差別待遇と闘っていることの報告、国労闘争団は解決のテーブルをめざして闘っていること、3・30集会への参加の要請を行い、郵政4・28全国ネットワークの名古屋さんは4・28解雇撤回のもつ重要な意義を語った。
次に、集会アピールの採択と、外国籍の働く仲間・同僚を切り捨て、労使対等原則を壊す雇用対策法改正反対!外国人労働者の個人データ届出義務の削除を求める特別決議を行った。集会後、国会に向けてデモを行った。 (M)
全労協藤崎議
長のあいさつ
07春闘は、三月十四日に民間大手の集中回答があった。自動車・電気関係で千円の賃上げという低額回答があった。景気回復期に入った二〇〇二年から〇六年の五年間で、企業役員の給与・報酬は一・九倍に、株主配当は二・七倍にも増えている。しかし、労働者の賃金は、八年連続低下している。企業は「従業員重視」から、「株主重視・従業員冷遇」へと大きく変化させ、額に汗して働く者が報われない経営・社会になってきている。
行革・規制緩和、リストラ攻勢の結果として、非正規労働が拡大し、雇用者の三三・四%、千七百万人台にもなっている。非正規労働は「低賃金・低処遇」に置かれ、偽装請負やスポット派遣なども横行し、年収二百万円以下の「ワーキングプア」と呼ばれる層を増大させた。また、正社員も「人員減と仕事量の増」のなかで「長時間労働とサービス残業」を強いられ、「賃下げと成果主義」、「健康障害」、「過労死・過労自殺」、「労災事故」の多発という状況のなかで働かせている。
政府は今国会に「労働契約法」の制定をはじめとする労働法制六法案が提出している。政府は「労働ビッグバン」を進め、「酷使と収奪」を強めようとしている。労働者を「生かさず、殺さず」使い捨てにする「機械」として扱う経営者・政府の姿が見えている。このような労働法制の改悪を許すな。さらに、戦争できる国にしようとする憲法の改悪に反対しよう。(発言要旨、文責編集部)
電通労組、N関労が統一スト
11万人リストラをやめろ育児・介護休業法を守れ
三月二十三日、電通労組とN関労は春闘要求を掲げて統一ストライキを闘った。電通労組は、青森、宮城、福島県で、N関労は茨城、千葉、神奈川県でもストライキに入った。
NTT東日本
本社に申し入れ
NTTは二〇〇二年に始まる五十歳退職、賃下げ再雇用を今日まで続け、退職に応じなかった労働者への「見せしめ配転」もいまだに続けている(11万人リストラ)。さらに企業年金を改悪し、年金受給者への受給減額を画策し、厚労省に「企業は優良で利益を上げており、支配能力がある」と不承認されるや、それを不服として行政訴訟を提訴している。加えて、電話不採算地域を財政的に支える「ユニバーサル基金」を一電話番号当たり七円の利用者負担を強制しようとしている。
こうしたNTTに対して、電通労組は以下のような要求でストに入った。
@これまでの賃下げを撤回し、大幅賃上げを実施することA十一万人リストラ=五十歳退職・賃下げ再雇用を中止することB「見せしめ配転」を撤回し、労働者を地元に帰すことC企業年金の減額をやめ、行政訴訟を取り下げることD料金部門の業務委託をやめ、不当配転を行わないことE成果主義賃金制度を撤廃することF五十歳退職・再雇用者の賃金カット(15〜30%)を止め、NTT社員と同じ賃金にすること。
N関労は電通労組と同様の要求とともに、N関労組合員にかけられている不当な攻撃の中止を求めて、次のような要求を掲げている。
育児、介護休業法を遵守し以下の組合員を配転させること。@難病の妻を抱える組合員(神奈川法人営業)を品川ツインズビルへ配転させることA高血圧で三時間以上の通勤を強いられている組合員(コンシューマ東京センター多摩ビル)を千葉センター鎌ヶ谷へ配転させることB病気の妻と幼少の子どもを抱える組合員(コンシューマ埼玉センター志木ビル)を千葉センター鎌ヶ谷へ配転させること。北海道から見せしめ配転の組合員(コンシューマ埼玉センター志木ビル)を岩見沢へ配転させること。
電通労組は午前八時半から、NTT東日本本社(京王新線初台駅下車)に、NTT反リストラ裁判団体署名提出、リストラの中止、「見せしめ配転」の撤回をせまった。N関労は午前八時から、NTT神奈川支店(地下鉄みなとみらい駅下車)に、難病の妻の介護、育児をしなければならないが遠隔地に配転された組合員の自宅近くの品川ビルに配転を要求した。
NTT東日本本社に電通労組員と支援の仲間が集まると、NTTはガードマンを配置し、いつもだれでも通行が可能な敷地内にポールを並べて、敷地内に入れないようにスト行動に妨害をした。広域配転された組合員が首都圏の各県・各地から集まり、元気よくスト突入集会を開催した。
電通労組大内委員長は「NTTの横暴を許さず断固闘う」と決意を述べた。青森からスト行動に参加した電通労組員は「東京はこんなに暖かいのに、青森はきのう雪だった。当たり前の要求をしているのに、退職・リストラをかけてくるNTTはあまりにもひどい。闘います。最後までがんばります」と語った。
N関労江尻委員長は「茨城、千葉、神奈川で電通労組とともに統一ストを打っている。一九八〇年に、労組が労働者を守らないのに反対して、電通労組を結成した。一九八五年に通信労組が結成された。二〇〇一年、われわれは五十歳退職リストラ問題が起きて、N関労を結成した。NTTはウソとゴマカシによって、労働者の生活と権利を奪っている。これは絶対に許せない。死ぬまで闘う」と連帯のあいさつを送った。
次に、3・15にストを打った通信労組と統一行動を行っている大阪電通合同労組、四国電通合同労組から連帯メッセージが紹介された。かけつけた神奈川労働組合共闘会議の竹内議長、郵政ユニオン、ATTAC首都圏の仲間が連帯のあいさつを行った。郵政ユニオンの仲間は「4・28被解雇者が二十八年ぶりに職場復帰を勝ちとり働き始めたことを喜びあいたい。郵政公社は十月に民営化されるがゆうメイトはいったん解雇される。優秀なゆうメイトを集めろと画策されているとも言われているが、もし雇い止めされるようなことがあれば裁判で闘う。民営化でわれわれはスト権を得ることができる。来年の春は、雇用と公共サービスとを守るためにストを闘う」と明るく語った。
この後、五百三十三団体の署名を持ってNTT東日本本社に申し入れを行った。午前十一時に持ち株会社がある大手町に向かった。持ち株会社で、統一ストを闘った電通労組、N関労の仲間が合流して統一スト集会を行った。さらに、全国一般全国協東京労組がストを打ち、この集会に合流した。職業病を理由に解雇されて二十七年になる木下さんが「あきらめずに、絶対にNTTに責任を取らせる」と断固たる闘う決意を述べた。さらに、鉄建公団訴訟の酒井団長が「今年中の解決に向けてがんばる。3・30日比谷野音集会への参加を」と呼びかけた。改めて、要求獲得のためにストライキで闘うことの重要性を確認できる統一行動であった。この後、経団連への抗議行動、春闘決起集会・デモへの行動が続けられた。 (M)
コラム
「静脈産業」の二極化
先日、リサイクルセンターに自転車を買いに出かけた。当日は月二回の売り出しセールとあって多くの人でにぎわっていた。だが人が集まるのは家具と衣類コーナーだけで、私の行った自転車コーナーは数えるくらいしか人がいなかった。
このリサイクルセンターは行政の委託を受けて放置自転車などを集め、修理・販売しているせいか、小さな体育館ほどの倉庫には屋根に届くほど自転車が積み上げられていた。倉庫の一隅が販売コーナーになっており、三人の老人がその横で自転車を修理していた。ここで私は比較的新しい自転車(ママチャリ)を購入した。値段は四千五百円であったが、新しい鍵が千円、登録料千円で全部で六千五百円もかかり、決して安い買い物ではなかった。帰り際に「資源は無限ではない、ゴミを出さずリサイクルを!」というチラシをもらった。
循環型社会というと「環境」と「リサイクル」という言葉は出てくるが、その基本理念は「三R」で成り立っていることは忘れがちだ。「三R」はリデュース、リユース、リサイクルである。ゴミや廃棄物の処理問題でこの関係をみると発生抑制がリデュース、再使用がリユース、再生利用がリサイクルの順番である。リサイクルは重要だが、この循環サイクルの最後に位置しているに過ぎない。
循環型社会という言葉や概念がメディアに登場し始めたのは一九九〇年代後半である。テレビ朝日の久米宏が出演していたニュース・ステーションの「埼玉県所沢のダイオキシン問題と野菜騒動」が記憶に新しい。産業廃棄物の不法投棄や焼却炉から発生するダイオキシンがクローズアップされ一挙に関心が高まった。九五年に「容器リサイクル法」が成立し、九八年に「家電リサイクル法」、二〇〇〇年には「循環社会形成推進基本法」が制定され、ゴミの区分けなどが全国的に押し進められ、他方では「循環型社会ビジネス」という分野が生まれた。政府が発表した試算によると循環型社会ビジネスが二〇〇〇年に二十九兆円、二〇一〇年には四十七兆円になると推定されている。だが、この数年市場の拡大が伸び悩んでいるという。これはゴミや廃棄物の量が縮小しているのではなく、「静脈産業」が二極化した結果だという。
通例、最初の製品の製造・配送などを行う産業を「動脈産業」と呼ぶのに対し、リサイクルや廃棄物の運輸・処理などの多岐にわたる産業を「静脈産業」と呼ぶ。この「静脈産業」のうち、利益率の高い分野は、財力にものを言わせ大資本が握り、その他の分野を中小企業に押しつける。これが二極化であり、この構造に行政が積極的に手を貸しているというのである。
このためコストが高くつくリサイクル製品は新製品によって市場からの撤退を余儀なくされ、「闇」の中で不法投棄されたり、「商品」の形を取りアジアの国々に不法投棄される。さらに最もリサイクルが進んでいる廃ペットボトルは、需要が多く事業者間で「取り合い」となり、その上に中国への輸出が拡大しているため価格が高騰し、ここでも中小企業がはじき出されている。
この結果、リサイクル市場でも二極化と格差が進み、リサイクルセンターの自転車コーナーと同様に今日再び「ボランティア」に依存する構造がつくられているのである。 (武)
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