住民の生存権・環境権を破壊するな
新誘導路工事をただちに中止せよ! |
「東峰の森」破壊の
工事着工糾弾する
二月二十六日、成田空港会社は、暫定滑走路の2500メートル化北側延伸にともなう新誘導路建設のために「東峰の森」破壊の工事着工を強行した。この日の工事は、工事部分を囲い込む工事用さくの設置場所を確定するロープ張りや、作業用道路の舗装などであったが、今後は周囲約二・三キロにわたって工事用フェンスを設置し、三月下旬から森林伐採をおこなうことを通告してきている。
新誘導路新設は、平行滑走路南端から東峰の農地を東側に大きく迂回し、「東峰の森」から東峰十字路へ、東峰神社と開拓道路の間を通過し、
暫定滑走路南端につなげる計画だ。東峰地区は、すでに北側に暫定滑走路、南側に平行滑走路南端、西側に使用中の誘導路がある。その東側に「東峰の森」を破壊して新誘導路を建設することによって東峰地区の四方を完全に包囲することになる。頭上四十メートルにジェット機を朝から夜にかけて飛ばし、平均九十五ホンの轟音、振動、排気ガスをまき散らし続け、あげくのはてに東峰地区の四方を空港によって囲むことによって住民を叩き出していくことをねらっている。
「東峰の森」は、東峰住民の大事な生活・営農林であり、入会地として育んできた森だ。東峰住民は、「東峰の森」破壊の中止を求めて仮処分申請を千葉地裁に提訴したが、不当にも却下決定した(1・23)。東京高裁に即時抗告し、新たな闘いに入った(2・2)。
東峰住民の断固たる抗議を突きつけられた黒野空港会社社長は、報道に「誠意ある話し合いを続ける。東峰地区住民の納得がなければ、地域も負け、空港も負ける。納得していただければ地域も勝ち、空港も勝てる。空港問題を広い視野から理解し、協力していただけるよう全力を尽す」(毎日2・6)などと恫喝し、平行滑走路完全完成ができない責任を東峰住民に押しつけるという強圧的な姿勢に転換した。この延長が「東峰の森」破壊阻止をめぐる裁判係争中であるにもかかわらず、「住民側の仮処分申請が出されたので自主的に工事を控えていたが、千葉地裁で申請却下の決定が出たので工事を始める。高裁で覆されない限り、工事は進めていく」と居直り会見を行い(2・22)、工事着工強行の暴挙に踏み出したのである。
仮処分申請を却下
した千葉地裁決定
新誘導路建設のための「東峰の森」破壊工事計画を後押ししたのが、1・23千葉地裁の仮処分申請却下決定であった。二〇〇九年度中の平行滑走路供用に向けた政府・空港会社・司法権力が一体となった攻撃である。地裁は、政府・空港会社のウソとペテンを全面的に認め、東峰住民の追い出しに加担する反動判決だ。
東峰住民は、@「東峰の森」に東峰部落の入会権を有しているA東峰部落と空港会社(旧公団時から)の間に森林保全の契約が存在しているB工事は、環境、営農、人格権の侵害だC森の保全の必要性│の四点を争点にして地裁に提訴した。
地裁は、以下のような階級的憎悪丸出しで許しがたい判決を出したのである。
第一は、入会権の否定だ。原告は、「東峰の森」を戦後、部落の管理のもとに森林を集団的利用してきた。民法二九四条の「共有の性質を有しない入会権」を有しており、「各地方の慣習に従う」との規定からしても成立しているのだと主張した。
判決は、会社の「入会権を認めることはできない」「入会権を行使して本件土地を利用した事実はない」などのウソの主張を取り入れ、県有林時の採草作業を部落として継続して行ってきたことを、「県による管理、統制の下で、一定程度認められたにすぎないものというべきであり……容認されていたというにすぎない」とばっさり切り捨て、「入会権の成立を認め得るような慣習が存在していということはできない」と否定した。また、空港会社の「緑化整備調査作業(東峰地区)について」(一九九六)の中で「近在の農家に入会地として利用された植林と思われる」と認定しているにもかかわらず「実態を記載したにとどまるもの」でしかないとして排除する。さらに、「東峰地区における諸問題について」(二〇〇五年)で「東峰の森や東峰区内の未利用農地の入り会い的利用」の項目を取り上げながら、この事実を真正面から取り上げるのではなく、「県有林に立ち入って採草等を行い得るという意味で表現したにとどまり、入会権を法的に意味する表現であったとは解されない」と論理のすり替えを行い、「その後に作成された書面においては、その記載をもって、債務者において入会権の存在を確認するなどした趣旨とは到底解することができない」とだめ押しで強調するありさまだ。
第二は、森林保全の契約の歴史の抹殺だ。空港公団は、東峰地区全域を含む貨物基地構想(二〇〇三年)によって、東峰地区を集団移転で追い出そうと企んだが、住民の断固たる抗議によって、「一方的に計画を策定し進めていくことはありません」(〇三年二月二〇日、)という回答書を出さざるをえなかった。判決は、公団の「話し合い」ポーズの事実を取り上げながら、しかし「森林に改変を加えないという意思を表示したものとまで解することができないというべきである」などと認定した。この前提となる認識は、「債務者(会社)が空港建設を続行することを前提として、近隣住民の生活との調整を図るため、債権者(住民)らの意向を最大限尊重しようとする趣旨からされたものであると解される」などと破格に持ち上げながら住民の意志に敵対するのだ。
騒音被害を否定し
空港会社を擁護
第三は、生存権、人格権、環境権の完全否定だ。判決は言う。
「人の生命の安全・身体の健康が受忍すべき限度を超えて侵害される蓋然性が高い場合には、本件仮処分のような人格権に差止(禁止)請求が認められる」などと民主的ポーズをとりながら、森林破壊による「被害の発生のおそれは、いずれも危惧感の域を出ないものであり、本件森林の樹木等の伐採と因果関係のある被害の生じるおそれが具体的に疎明されるとは言い難い」「森林の樹木等の伐採が本件森林の約半分にすぎない計画であることをも併せて考慮すれば、人の生命・身体に対して間接的な影響を及ぼすにとどまるものである」などという全くふざけきった内容だ。要するに人の生命・身体の被害が出ていないではないか、予想の被害主張は認められないという門前払いなのだ。被害が発生してからでは遅いのだ。地裁は、このような人権感覚でしかないことを再び披露し、居直るという態度なのである。
さらに許しがたいのは、森林破壊による騒音被害の否定だ。地裁は、空港会社の「成田国際空港平行滑走路北伸整備事業に伴う環境とりまとめ」を全面的に採用し、「受忍限度を超える騒音被害をもたらすとまで認めることができないというべきであり、他に受忍限度を超える騒音被害をもたらすおそれがあることを疎明するに足りる資料は存在しない」と空港会社べったりの立場から手前勝手に決めつけて判断しているにすぎない。
地裁は、東峰の地に来て判断しているのか。暫定滑走路の離発着は年間六万便、一日当たり百四十便だ。現在の暫定滑走路の誘導路を行き来する飛行機の騒音と振動、平均九五ホンを超す轟音、離陸機の発進時および着陸機の停止前のエンジン噴射による被害が発生している。空港推進の会社資料にもとづいて、「森林破壊は半分だから、間接的な影響でしかない」と規定しているが、その実体的根拠、第三者の客観的測定資料を検証した形跡さえも示すことができないではないか。
こういったプロセスを飛び越えて、「本件森林の樹木等の伐採が、債権者らの農業生産や生活に何らかの影響を及ぼす可能性はあるとしても、債権者らの生命・身体の健康が受忍限度を超えて侵害される蓋然性があると認められない」と決めつけ、「森の保全の必要性」はないと東峰住民の生存権・人格権・環境権、営農を破壊するための結論をまとめあげたのである。1・23地裁判決を徹底的に批判していかなければならない。東峰住民の高裁闘争に連帯していこう。
空港会社は、二〇〇九年度中の平行滑走路供用に向けて絶対に必要条件である新誘導路完成のための暴力性、ウソとペテンに貫かれた本性をますます前面に押し出してきている。東峰住民の追い出しが実現したあかつきには南側に延長し4000メートル級の滑走路をめざしていることも公言している。
東峰住民の生存権・環境権を破壊しつくす、工事強行を糾弾し、新誘導路工事を中止に追い込んでいかなければならない。「東峰の森」破壊を許さない!暫定滑走路北伸阻止!3・25三里塚・東峰現地行動に結集しよう! (遠山裕樹)
共謀罪新設のための悪あがき
日弁連集会で「テロ等謀議罪」の意図を批判
たとえ修正しても
共謀罪は不必要だ
三月八日、日本弁護士連合会の主催で、「テロ対策、組織犯罪対策と人権・自由との両立は可能か」市民集会が行われ、百十人が参加した。
自民党は、共謀罪新設法案を制定するために必死の悪あがきを繰り返している。二月二十七日、共謀罪の名称を「テロ等謀議罪」に変え、対象犯罪を@テロ犯罪A薬物犯罪B銃器等犯罪C密入国・人身取引等犯罪Dその他、資金犯罪など暴力団等の犯罪組織によって職業的又は反復的に実行されるおそれの高い犯罪と分け、その数が六百十九だったものを百二十三〜百五十五程度に削減するとういう内容だ。しかし、「話し合っただけで罪となる」という未遂であるにもかかわらず罰することができる本質は全く変更はない。
とりわけ労働組合、市民運動に対する弾圧を広げることが可能な傷害、逮捕監禁、建造物等損壊、資金の提供、資金収集、有価証券偽造等を対象犯罪に入れている。例えば、逮捕監禁罪だ。資本当局と組合の団体交渉にむけた組合会議を逮捕監禁の事前謀議を行ったと認定して弾圧することが可能となってしまうのだ。さらに、「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」の中に資金の提供・資金収集をテロ犯罪の一つだとした。市民運動団体のカンパ運動をテロ犯罪だと規定し罰しようとしている。
自民党のこんな滅茶苦茶な「テロ等謀議罪」法案を絶対に許してはならない。日弁連は、「たとえ修正したとしても共謀罪そのものは必要ない」と厳しく批判している。政府・与党の共謀罪修正法案制定の策動を監視し、批判し、廃案に追い込んでいかなければならない。
政府は、依頼者密告制度=「犯罪による収益の移転防止に関する法律」案を国会に提出した。法案は、弁護士、公認会計士、司法書士などの業種を除いたが、不動産業者、宝石、貴金属商などを加え、顧客の本人確認と取引記録の保存、職務で知り得たマネーロンダリングの疑いのある取引を届けさせるというものだ。将来的には、弁護士などの業種も加えた法改悪をねらっていることは間違いない。
日弁連は、共謀罪と依頼者密告制度=「犯罪による収益の移転防止に関する法律」案をめぐる国会状況、廃案運動の継続を堅持していくために市民集会を開催した。
挨拶と報告を吉岡桂輔日弁連副会長が行い、「国連越境組織犯罪防止条約を批准し、新たな共謀罪立法を行ったことが確認された国は、ノルウェーなどごくわずかだ。米国は、アラスカ州など三州法では極めて限定されたものでしかなく、新たな立法の必要がないようにするために条約の留保を行っている。共謀罪の新設をすることなく、条約の批准をすることは可能であり、共謀罪新設はすべきではない」と強調した。
保坂展人衆院議員(社民党)は、「民主党、社民党、共産党、国民新党で共謀罪対策チームを発足した。与党は、共謀罪という名称をテロ等謀議罪に変えて成立させることをねらっている。改憲手続き法案を単独で強行成立させよとしている姿勢の延長には、この修正案の国会提出、審議入り強行もじさない構えだ。気をぬくことなく厳しく注目していこう」と発言した。
パネルディスカッションでは、斉藤貴男さん(ジャーナリスト)が「共謀罪をはじめとする監視社会化の現段階」、村岡啓一さん(一橋大教授)が「法曹倫理と犯罪対策」、清水雅彦さん(明治大学講師)が「安全・安心のための治安政策は何をもたらすか」という各テーマから問題提起した。
続いて市川正司さん(人権擁護大会シンポ事務局長)は、テロ対策・組織犯罪対策立法の進展と治安強化・「安全のための諸立法・施策」を分析し、安全と自由の制約の危険性を訴えた。
最後に、松坂英明・日弁連副会長が「テロ対策」と称して「犯罪収益移転防止法案=ゲートキーパー法」が国会提出されている政府の意図と今後の状況整理を行い、批判した。 (Y)
おおさかユニオンネットワーク
春闘決起集会で草の根からの労働者連帯を打ち固める
【大阪】二月二十八日、「おおさかユニオンネットワーク」が主催する07春闘決起集会が、エルおおさか南館ホールで行われた。多くの参加者が07春闘を闘う決意をうちかためた。
最初にビデオ上映があり、昨年秋、解雇倒産攻撃と闘う京ガス労働者の激しい闘いの現場が映し出された。次に「おおさかユニオンネットワーク」の代表である、加来さんの方より開会のあいさつをうけた。
加来さんは冒頭に昨年、日本郵政公社社外取締役の奥谷禮子が「労働者が過労死するのは管理の問題だ。」
「労働者を甘やかしすぎだ」などの暴言を吐いたことをきびしく糾弾し「こういう人物を私たち労働者の働き方を決める厚生労働省労働政策審議会委員に任命すること自体がゆるせない」と発言。
さらに「職場の違法な状態をなくすためではなく、違法を違法でなくすための法改悪が目論まれている。こういう事態に対して労働者はどう反撃していくのか?その事が問われる春闘だと思います。07春闘は格差社会を作り上げてきた事に対する反撃を。怒りを力に変えて闘おう」とあいさつした。
続いて「労働法制をめぐる情勢と課題」と題して、中小労組政策ネットの平賀さんから東京での労働法制改悪との闘いの報告と、この間、国会で進められている労働法改悪の状況とその内容について説明がなされた。
特別報告では全日建関生支部の武洋一さんと国労鉄建公団訴訟原告団の蓑田さんから報告を受けた。蓑田さんは「国鉄から解雇されて二十年、JR尼崎事故から二年をむかえます。二十年の節目で〇七年は解決の年にしたい。裁判、大衆闘争を全力で闘う」「一〇四人が亡くなられた尼崎事故から二年周年の四月二十二日に尼崎公民館で集会を開催します。ぜひ参加してほしい」と発言。
続いて事務局長の山原さんより今春闘の行動提起を報告。
「この間、行政闘争に力を入れて闘っている。相手は大阪市、厚生労働局などだ。大阪市の厚遇問題があるが、ここではこの大阪市で働く労働者に対する冷遇を問題にしたい。それとこの間、労働者の相談に応じるはずの労働基準監督所が労働者の相談をまともに取り合わせないということがおきている。詳細を調べ上げ大阪労働局へぶつけていきたい。三月二十三日に春闘総行動を行う。統一行動として準備し、労働争議を闘っている組合を激励しよう」と提起した。
また海外ゲストとして韓国から参加したAPWSL(アジア太平洋労働者連帯会議)共同代表の張晶元さんがアピールを行った。
「韓国と日本の労働者が力を合わせれば大きな力になります。資本が自由に世界を動き回って労働者を搾取している。草の根の労働者の連帯をめざし、もうひとつの世界をめざして闘おう」とアピールした。
最後に各労働組合から争議アピールと決意表明が行われた。
性同一性障がいを理由に自彊館(大阪市野宿生活者巡回相談事業)から雇い止め解雇された「ユニオンぼちぼち」のKさんが、雇い止めにいたるまでの経緯を報告した。Kさんは「私は自分が性同一性障がいですが恥ずかしいことではありません。自彊館もふつうの労働者として見てほしい」と語り、労働現場における性的マイノリティー差別をゆるさない、労働者の使い捨てを許さないとアピールをした。その後、各組合から決意が述べられ最後に全員で団結ガンバロー三唱をした。 (A)
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