| NTT反リストラ裁判原告最終陳述 かけはし2007.2.26号 |
二月十四日、NTT反リストラ裁判の原告側最終意見陳述が東京地裁で行われた。この裁判に先立って電通労組の組合員と支援の仲間は、冷たい雨の中朝八時から九時まで新宿にあるNTT東日本本社に対して、訴えの受け入れ要請行動を展開した。
朝八時、電通労組首都圏支部の横沢原告団長がマイクを握るとガードマンが電通労組の仲間を敷地内に入れないために、道路工事などに使う赤いコーンをはりめぐらせた。だがこのコーンがNTTに入っていく人を一列にさせ、かえってチラシを渡し易い状況と受け入れ要請行動を目立たせる役割を果たした。
先日札幌地裁は「NTTが行った退職・再雇用を拒否した労働者にかけられた『広域・異職種配転』攻撃は人事権の濫用であり、業務上必要ではなく違法である」という闘う側の全面勝利判決を出した。この勝利判決を受けての行動であったので、行動は大きく盛り上がった。
裁判では電通労組の二人が最終意見陳述を行った。最初は二〇〇三年四月に宮城から東京・千住の光IP販売に強制配転された古舘義男さん。「私は三十六年間勤めてきた電報職場から出されました。……電報の受付に半生を捧げてきた私にとって、ほかのことをやれと言われても、それは会社が考えている程簡単なことではありません」「私はこの裁判の判決を待たず、来る三月三十一日で定年となります。私は裁判の判決により地元に帰ることを願って止まなかったのですが、大変残念です」とNTTの「見せしめの強制配転」を批判した。
次に同じように二〇〇三年四月に宮城から東京・金町の技術部システム体系化PTに強制配転された成田徹さんが意見陳述した。「『退職・再雇用』に同意しなかった労働者……『報復』と言わずになんと言うのでしょうか」と発言したあと、義父が突然の病で倒れ闘病生活を余儀なくされたため、毎週末に帰郷せざるを得なかったこと、経済的にも大変な負担になるため夜行バスにしたことにより腰痛を患い、一カ月も休んだ経過をこみ上げてくる怒りを抑えながら淡々と訴えた。
三年間、十三回にわたった公判で電通労組の仲間はNTT「退職・再雇用」に応じなかった労働者に対し、いかに「非人間的」な扱いをしたのか、全く必要のない「みせしめ配転」でしかないことを全面的に暴露した。判決公判は七月二十五日に決定した。その日は札幌地裁に続く勝利となるであろう。
裁判が修了した後、原告団と裁判を傍聴した支援の仲間は東京地裁・民事第十一部に「公正判決を求める要請書」(別掲)を提出した。その後の総括会議で郵政ユニオンの仲間から、「昨日、最高裁で4・28解雇問題で最終勝利」が確定したことが報告され、七月にむけ再度闘いを押し進めていくことを確認した。(D)
NTT東日本会社の異職種・遠隔地配転の無効裁判の公正判決を求める要請書
東京地方裁判所・民事第11部 裁判長佐村浩之殿
NTTは「NTT構造改革(11万人リストラ)」のなかで各都道府県に100%出資の地域子会社を新設し基本業務を外注化することによって、50歳以上の中高年社員の仕事を取り上げ「退職・再雇用」制度導入によって、51歳以上の労働者を本人選択を隠れ蓑に地域子会社に半ば強制的に選択させ移行させました。同時に「退職・再雇用」を選択しなかった社員に対しては本人の状況や家庭状況を全く無視して異職種・広域配転を強行しました。
NTTの「50歳退職・再雇用」制度は、改正「高年齢者雇用安定法」の精神や「60歳定年」を定めた法に反する違法なものです。同時に「退職・再雇用」に応じなかった社員に対する一方的な異職種・広域配転は、会社のいいなりにならない社員に対する報復・見せしめ人事です。いま、労働者の家庭生活と職業生活の両立が社会的流れとしてあるなかで、業務上の必要性など全く存在せず、また本人の健康、育児・介護などの家族的状況を無視したNTTの姿勢は社会正義を踏みにじる行為であり断じて許されるものではありません。
このようなNTTの違法・脱法のリストラ計画による「異職種・広域配転」を直ちに止めるよう、下記のとおり要請しますので公正な判断を行われることをお願いするものです。
【要請事項】
1、不当な動機・目的でなされた配転は違法であり、社会的大きな流れとなっている労働者の家庭生活と職業生活の両立の観点から「同意なき配転は無効」の判断をして下さい。
2、異職種・広域配転された原告らの甚大なる精神的、肉体的苦痛に対し、NTTを断罪し、NTTがこの補償を行うよう公正に判断してください。
3、11万人リストラの社会的責任を明らかにして、「50歳退職・再雇用」は高年齢者雇用安定法の精神に違反し、違法であることを明らかにして下さい。
以上
上記要請書について別紙の団体及び個人から多数の賛同署名をいただきましたので、あわせて提出いたします。団体及び個人の署名数は以下のとおりです。
団体署名 全国労働組合連絡協議会他 420団体
個人署名 10875筆
裁判長の公正なご判断を重ねてお願いいたします。
07年2月14日
原告団長 横澤 仁志
連絡先:神奈川県横浜市磯子区滝頭卜5―49 電通労組首都圏支部 電話045―520―1737
5.3憲法集会実行委員会
改憲手続き法案廃案を訴え衆議院で議面集会
二月八日、07年5・3憲法集会実行委員会は、安倍内閣が今国会の最重点法案としている「改憲手続き法案」に反対して、衆院議員面会所で十二時十五分から昼休み集会を行った。集会には七十人が参加した。
主催者を代表して、実行委員会の高田健さんは「自民党からは五月三日の憲法施行六十周年の日までに改憲手続き法案を成立させたいとの声が上がっている。今まで、衆議院とは違い憲法調査特別委員会がなかった参議院でも今国会冒頭に同特別委員会が設置された。しかし委員会はまだ一度も開催されていない。状況は予断を許さないが、成立を阻止するためにがんばろう」と呼びかけた。
国会議員からは、共産党の赤嶺政賢衆院議員と社民党の保坂展人衆院議員があいさつ。赤嶺さんは、米軍がイラク戦争をモデルにした日米共同軍事演習を全国で行っていることを批判した。保坂さんは、改憲手続き法案とともに共謀罪法案やゲートキーパー法案(弁護士密告強要法案)との闘いを訴えた。
さらに実行委員会を構成する団体から、女性の憲法年連絡会、憲法を生かす会、平和憲法21世紀の会、憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会、宗教者ネットが発言した。その中では「柳沢発言」などに対する怒りが次々に発せられた。
「柳沢発言は安倍首相の『美しい国』の実態を示すものだ」。「与党と民主党の手続き法案は、改憲発議後の国民投票運動期間中に、賛成・反対双方に公平に条件を提供すると言っているが、たとえばTV広告の放映料は実際には八百億円から千億円かかると言われている。カネのない改憲反対の側にとってはまったく不利だ」など。また昨年末の教育基本法改悪反対闘争の国会前行動の「教訓」から、警察が国会前での行動に対して厳しい弾圧を強めていることに対する警戒が呼びかけられた。
5・3憲法集会実行委員会は、改憲手続き法案の廃案をめざして当面二月二十二日に二回目の衆院議員面会所での集会(12時15分)を行うとともに三月二日には日比谷野外音楽堂での「STOP!改憲手続き法案大集会」(午後6時半開会)を開催し、国会デモも行う。また五月三日には日比谷公会堂での集会とならんで1万人の銀座デモ実現を大きく打ち出そうとしている。全力を上げて改憲手続き法案を廃案へ。(K)
コラム
ねつ造とゆ着
「発掘!あるある大事典U」のデータねつ造問題で、関西テレビが総務省に提出した調査報告を読むと実におもしろいことに気づく。ねつ造の手口は結構単純である。シナリオ・台本の内容を権威付けのために登場させる学者や専門家に、台本通りの言葉で「言わせる」。日本人の学者の場合には、都合のいい言葉だけをつなぐ方式で、外国人の場合には日本語訳の字幕と吹き替えの段階で都合よく修正する形で。あとは実験の数値を偽り、適当に並べるだけである。
「味噌汁ダイエット」では米国の学者の発言が次のように字幕で流された。「味噌は大豆製品の中で最も高いダイエット効果が期待できる」「朝食に味噌汁を摂ることはダイエットには非常に効果的」と。だが報告書をみると学者の実際の発言は、「発酵した食べ物を、朝、食べる方が消化がより良いと思います」「なぜなら、胃はなんでも消化する準備が整っているからです」となっている。
この文章の「味噌」を「納豆」に置き換えると「納豆ダイエット」バージョンになる。「あるある」は、この方式でココア、みかん、りんご、バナナ、チョコレート、レタスなどをダイエット・健康志向関連商品として取り上げ、次々と番組を制作したのである。
「あるある」の調査報告は、ダイエットデータのねつ造問題に限定されている。「モラル」で済まそうという魂胆がみえみえである。問題の核心は番組で取り上げる「商品」をめぐる制作側とメーカーなどの業界側の「ゆ着」である。テレビ番組で取り上げる商品にはかならず「タイアップ」が存在すると公然といわれている。今流行(はやり)の「旅番組」では旅館・ホテルにとどまらず地元の観光協会、さらにはツアーを企画する旅行会社まで絡んでいると言われている。
納豆メーカーのほとんどは「あるある」が放映する直前に原油高を理由に一斉に値上げしている。値上げはメーカーによってさまざまで、大豆の量を一〇%減らしたり、大豆を国産から中国産やアメリカ産に切り換える形で。マスメディアによると「納豆のダイエット効果が番組で放送される二週間前、大手スーパーには『あるあるで納豆特集が組まれる』という文書が出回り、放送日に合わせてスーパーなどは大量に納豆を仕入れていた」という。だが「あるある」のねつ造が明らかになると、ひともうけしたメーカーやスーパーは一斉に「被害者」にまわり、すべての責任を関西テレビに押しつけ、沈黙している。そして関西テレビは一切の責任を下請け会社に押しつける調査報告を総務省に出したのである。
原油高をガソリンでみると納豆を値上げした時期、一リットルが百四十三円であったが今では百三十円を割っている。だがどのメーカーも当時の水準には戻していないばかりか、「値上げ」問題には触れない。「値上げ」が注目されるのを避けるために「あるある」の「やらせ」があったと思うのは、私だけではないだろう。
「納豆ダイエット」が放送された翌日、全国のスーパーや商店では売り切れの現象が起こっている。メーカーが大量に生産し、スーパーが大量に仕入れて並べたにもかかわらずである。
「あるある」が悪質であることは明白だが、「ダイエット」という言葉の魔力には恐れ入る。腐敗の構造は、制作者、業者、スポンサー一体であり、NHKのように下請け会社にリベートを要求する形まである。さらに放送法を盾に政治家が群がる。この利権構造こそ核心である。 (武)
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