かけはし重要記事

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                           かけはし2002.7.1号より

「イスラエル国内で市民を標的にした攻撃の停止を」

自爆についてパレスチナ知識人らが意見広告


シャロン政権の侵略戦争と自爆攻撃

 イスラエル・シャロン政権によるパレスチナ自治区への侵略戦争はパレスチナ人に多くの死傷者を出している。これに対するパレスチナ人の抵抗闘争、自爆攻撃も激しく、イスラエル側の死者は、六月に入り四件で計四十四人に上り、先月の計二十二人の二倍となった。
 こうした状況の中、六月二十日、パレスチナを代表する学者、人権活動家、ジャーナリストら五十八人は、パレスチナ紙アルクドスに「イスラエル国内で市民を標的にした攻撃の停止」を呼びかける一面をつぶした意見広告を出した(別掲)。
 意見広告は「イスラエルの市民たちを標的とした自爆は、パレスチナ人たちとイスラエル人たちの間の憎しみを深め、隔たりを大きくするもので」、「こうした自爆は、自由と独立を求めるパレスチナ人の民族的な目的の達成には寄与しない」と「自爆攻撃」を批判している。
 かけはし(6月17日号)で紹介したように、パレスチナの平和活動家ラミさんとイスラエルの徴兵拒否者ケレンさんが手をたずさえて、イスラエルの占領地からの撤退を要求する平和活動が広がっている。今回の五十八人の声明はシャロン政権のパレスチナへの戦争をやめさせる上で、イスラエル内でシャロンの戦争に反対している人々と手を結ぶ可能性、あるいは全世界の人びとと手を結びパレスチナへのイスラエルの戦争をやめさせる一歩につながるだろう。
 こうした、重要なアピールが出されているにもかかわらず、イスラエル政府は再度のパレスチナ自治区への再占領を開始した。われわれは絶対にこうしたイスラエルの侵略=再占領を許してはならない。以下、イスラエル政府の不法で不当な攻撃を明らかにし糾弾する。ただちに、イスラエル政府は戦争をやめろ! パレスチナ自治区から軍を撤退させろ!

パレスチナ自治区の再占領を許すな

 六月十九日未明、イスラエル政府は十九人の市民が殺害された「パレスチナ自爆テロ」への報復として、パレスチナ自治区の一部を制圧し、テロが続く限り再占領する新方針を宣言した。これに先立ちイスラエル軍は十八日夜、ヨルダン川西岸の自治区ジェニンに侵攻。十九日未明にはナブルスにも多数の戦車を進め、本格的な「テロ掃討作戦」を開始した。
 イスラエル政府の報復策は従来の方針から転換し、自治政府管轄地区を制圧。新たなテロが起きれば、さらに制圧地区を増やすとしている。
 イスラエル軍は戦車を含む四十台以上の車両を自治区に進め、武装ヘリが抵抗派の拠点とみられる難民キャンプの一角を攻撃した。ジェニンは三月末から五月にかけての大規模軍事作戦「守りの壁」でも攻撃対象となっていた。
 イスラエル政府は二十一日、緊急治安閣議を開催、「テロと戦うため」パレスチナ自治区各都市に再侵攻し「必要な限りとどまる」ことを軍に命じる決定を下した。十八日夜の閣議決定を再確認したもの。すでにイスラエル軍はヨルダン川西岸のナブルス、ジェニンなど主要五都市に作戦地域を拡大しており、自治区の占領長期化は確実だ。

ジェニンでは二千人が拘束された

 イスラエル軍は二十日もヨルダン川西岸のパレスチナ自治区で「テロ掃討作戦」を続行した。軍部隊はジェニン一帯で約二千人のパレスチナ人を拘束、うち半数を釈放したが、残る約千人は引き続き拘束中という。同軍はまた、侵攻地区を西岸のジェニン、カルキリヤなどのほか、トゥルカルム、ナブルスにも拡大。

ラマラには戦車など百三十両が侵攻

 イスラエル軍は二十四日未明、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラに再侵攻し、アラファト・パレスチナ自治政府議長がいる議長府の建物を戦車などで包囲した。同軍は今月十日にもラマラに侵攻し、議長府を包囲した後、十二日に撤退していた。ラマラ市内にはヘリコプターの支援を受けた戦車など約百三十台が侵攻した。    (M)



緊急アピール--

自爆はパレスチナ解放に寄与しない

 以下に署名した私たちは、パレスチナの民衆を包み込んでいる危険な状況ゆえに、このアピールを出すことが私たちの民族的な責任だと痛感しています。
 私たちは、イスラエルの市民たちを標的とした軍事作戦の背後に存在する諸勢力に対して、その方針を考え直し、パレスチナ人の若者たちをこうした作戦に駆り立てることを止めるように、と呼びかけます。自爆は、パレスチナ人たちとイスラエル人たちの間の憎しみを深め、隔たりを大きくするものです。さらに自爆は、パレスチナ人とイスラエル人が二つの隣り合った国家〔states〕で平和共存するという可能性をも破壊します。
 私たちは、こうした自爆は、自由と独立を求めるパレスチナ人の民族的な目的の達成には寄与しない、と考えます。逆に、こうした自爆は、イスラエル側における平和への敵対者たちに力を与え、そしてシャロンの下にあるイスラエルの攻撃的な政府に対して、パレスチナの民衆に対する苛烈な戦争を継続するための言い訳を与えるものです。この戦争は、私たちの子どもたち、老人たち、町や村、そして私たちの民族的な希求と成果をも標的としているのです。
 軍事行動というものは、全体的な脈絡や状況から離れて、それ自体で肯定的か、あるいは否定的かを判断すべきではありません。それは、政治的な結果を実現するかどうかをベースにして判断されるものです。それゆえにこそ、この場所を、聖なる地に生きている二つの民族の間での生存をかけた戦争に向けて押しやることは、この地域全体の破壊を導くだろうということを熟考しながら、これらの行動について再評価する必要があるのです。私たちは、この結末について、論理的に、また人道的、政治的にも正当化することはできません。
署名:サリ・ヌセイベ、ハナン・アシュラウィ、サレー・ラファト、サラー・ズヘイケ、マムドゥ・ナウファル、ハンナ・シニオラ、モハメド・イシュタヤ、イブラヒム・カンダレフ、イヤド・サライ、ムサ・ブデイリ、フダ・エルイマム、マルワン・アブズルフ、サマン・コウリ、サイード・ジダニ、ウマイア・カマシュ、ヤド・イシュハク、マナウェル・ハサシアン、サラー・アブドルシャフィ、シャヘル・サード、モハメド・ダヤイ、イマド・アワド、ファデル・タブーブ、マジェド・キスワニ、タイシル・ズブリ、アーメド・マイダラニ、タレブ・アワド、カデル・シュケイラ、ザヒ・コウリ、マジェド・アブカバ、イハブ・ブルス、イサム・ナッサル、サリム・タマリ、スアド・エルアミリ、アダム・アブシャラー、リマ・ハマミ、スブヒ・ズベイディ、ムンデル・ダジャニ、ウサマ・ダヘル、シモン・コウバ、ギナ・アブズルフ、ユセフ・ダヘル、ジャマル・ザコウ、サレー・アブドルジャワド、ナズミ・ジュベー、ジャミル・ヒラル、アラファト・エルヒドゥミ、ライラ・ファイディ、ザカリヤ・エルカク、アムネー・バドラン、アリ・クレイボ、マルワン・タルジ、ラジャイ・ダジャニ、イッサ・カッサシエ、ハニ・エルマスリ、ジュマナ・オデ、ルーシー・ヌセイベ、アブドルカデル・フセイニ、ザフラ・エルカリディ


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