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「日の丸」強制、野宿者排除、臨戦態勢強める自衛隊  かけはし2002.6.24号より

ワールドカップに異議あり!

国家主義と排外主義を問う

 六月七日、横浜・神奈川県民サポートセンターにおいて横浜で「ワールドカップを問う。考える」6・7集会が開催された。主催は「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会と天皇制を問い続けるかながわ連絡会議で、約五十人が参加した。

スポーツの政治利用とW杯

 講師の崎山政毅さん(ラテンアメリカ研究)は、自身が海外などで見聞きした豊富な経験を紹介しながら、ワールドカップ大会の持つ政治的な欺まんについて問題を投げかけた。まず、一九三七年にウルグアイ代表選手を乗せた飛行機が墜落して、生還した選手を政府が英雄化した事例、六八年メキシコオリンピックの時にスラム排除に抗議する民衆に対して弾圧が行われた事件などをあげながら、南米などでは特に、軍事独裁制権の犯罪を隠蔽し、民衆を政府批判からそらさせる道具としてワールドカップを初めとするスポーツ大会が利用されてきたと述べた。
 そして、「オリンピックなどと比べて、サッカーは観衆を高揚させる競技であるという点で特殊であり、ムッソリーニが第二回大会で定着させた動員推進と大衆操作の効果を今なお、軽視することはできない」と語った。
 また、治安強化の口実として散々用いられた「フーリガン」についても、「ヨーロッパでフーリガンの衝突を見たことがあるが、今回彼らは入国できていない」とした上で、今回の大会開催を通じてますます警察国家の肯定が進み、テロリストと「市民」の境目を国家が恣意的に規定する状況が進むだろうと警告。失業などによる不平、不満を抱える「フーリガン」が、サッカーの試合というきっかけによって残酷な暴力行為にかりたてられる様子を語りながら、フーリガンが罵倒しあう言葉から超男権主義と人種差別、植民地主義と、サッカーとの関係をも語った。
 そして「世界中で多くの人をとりこにするワールドカップが、ボールなどを作る児童労働によって支えられ、外国人労働者を含む都市流入貧困層の排除を即している。一方で高額のチケットが販売され、腐敗したFIFAの商売をメディアが増幅している。このグローバルなビジネスの場に天皇アキヒトの登場が結びついている」と指摘し、ナショナリズムという名の、国家以外の地域性を排除しようという動きに流されない、ワールドカップのあり方を問う必要がある」と訴えた。

横浜市議会「日の丸」掲揚問題

 ワールドカップに関連して神奈川県内で起きていることについて、三つのアピールがあった。
 まず、横浜市議会議員の与那原ひろこさんが、横浜市議会で五月二十九日の本会議で強行された、議場での「日の丸」掲揚の動きと、二人の議員が掲揚の白紙撤回に向けた話し合いを要求する過程での議場で市職員によって行われた暴力的排除の模様、議会を「混乱」に陥れたという理由での二人の議員除名が懲罰委員会で検討されているという現状を、当事者の立場から報告。執務室に「日の丸」を飾り、有事法の導入に積極的な中田横浜市長も含め、ワールドカップ開催地として「日の丸」掲揚を強制しようという与党三党と市議会の暴挙に対し、抗議の意思を集中するよう訴えた。

神奈川での野宿者排除の実態

 次に、明らかにワールドカップ開催に合わせて行われている野宿生活者の排除について、寿日雇労働者組合の近藤昇さんが報告。
 会場となっている国際競技場の周辺の車の中で生活する人や、試合中継(パブリックビューイング)の会場である関内・文化体育館、キャンプに使用される平塚競技場などで、行政がなりふりかまわない排除(狩り込み)に乗り出していると説明。五十人以上が野宿する横浜駅東西地下通路の封鎖に対しては、横浜水曜パトロールの会が横浜市都市計画局との交渉する中で、なんとか全面封鎖をまぬかれているということだ。
 近藤さんは「支援団体が接触できない場所で、知らないうちにワールドカップ開催にかこつけた排除が行われていると思われる。ボールギャングの利権や観客の楽しみのために、人が寝場所を追われていいものか」と述べ、野宿の仲間をめぐる問題にともに関わっていこうと呼びかけた。

「テロ対策」と自衛隊の出動

 そして木元茂夫さんから自衛隊の動きとして、大会期間中のテロ対策としての派遣要請や、隊員の展示飛行、君が代演奏に関する資料が配られ、横浜港での護衛艦出動や、市内上空での哨戒機の飛行を確認したとの報告があった。木元さんは「テロ対策をアピールした動きが活発だが、実際にテロが起きた場合の役に立つとは思えない。逆に横須賀を母港とする自衛隊駆逐艦『うみぎり』内での隊員の放火事件があり、体内のいじめが原因だと言われている。繰り返される自衛隊艦のインド洋出港によって国内待機組があおりを食っている」と述べ、9・11以降の「反テロ」戦争参戦による過重な負担によって広がる隊内の矛盾にも関心を向けながら、有事法制に関する公開質問などの行動を展開するとアピール。
 最後にW杯・天皇訪欧を問い天皇制の戦争責任を追及する共同行動の仲間から6・2討論集会の報告と6・30集会デモのアピールがあり、「小学生が手書きで作った『日の丸』をサポーターが振りかざして応援、などという状況がどこまで進むのか監視しながら行動していきたい」という決意が述べられた。 (海田)


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