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気候変動についての決議                 かけはし2006.5.29号

新自由主義的利潤追求が地球温暖化の主要な要因

第四インターナショナル国際委員会


 二〇〇五年二月、地球温暖化の防止を目的とした京都議定書が発効してから一年が経過した。しかし二酸化炭素などの温室効果ガスを主要な要因とした地球温暖化の破壊的影響は、昨年八月にアメリカ東南部を襲ったハリケーン・カトリーナがもたらした惨劇に見られるように、人類の生存にとって大きな脅威となっていることは、ますます明らかになっている。利潤の獲得のための新自由主義的資本主義の論理がこの危機を促進しているのである。以下の決議は、今年二月にヨーロッパで開催された第四インターナショナル国際委員会の決議である。(本紙編集部)

b地球温暖化は、多くの場合、土地経営(森林破壊、集約農業、貧困な土壌処理など)のあり方によるものであるとともに、おもに化石燃料の燃焼がもたらす温室効果ガスの排出によるものであることは、広く認められている。
bIPCCによれば、計りがたいほどの結果をもたらす気候の大変動を阻止するためには、今から二〇五〇年までの間に、温室効果ガスの排出を少なくとも六〇%減らすことが必要である。
b大気中の二酸化炭素ならびに二酸化炭素換算物の濃度に関する最近のデータは、われわれはすでに、大気中のこれらのガスの濃度の急速な増加を伴う危険な分岐点の初期段階(二酸化炭素換算で四五〇〜五五〇ppmv)に入っていることを示している。
b気候変動は、すでにとりわけ被支配諸国の労働者と貧しい大衆にとって、その影響を感じさせている。
b次の五十年から百年のうちに、こうした変動は幾億人もの人類を、海面の上昇、特定の病気の蔓延、多くの地域での農業生産性の低下、生物多様性の減少、水資源の不足といった苦難(意識的な気象政策がなければ、二一〇〇年には三十億人の犠牲をもたらす)に陥らせる脅威となる。
bこのような変動に直面する中で、気候がもたらす災害と脅威(とりわけニューオーリンズを襲ったカトリーナ、太平洋諸島やその他の地域での海面上昇の脅威)に対する資本主義的対処は、帝国主義はかつてない規模でのバーバリズムという特徴を持ったマルサス主義的・軍事主義的政策に依拠するだろうという恐怖に、根拠を与えるものとなっている。
b京都議定書の目標は、この危険に対処するには全く不十分であり、その目標は米国の拒否、ならびに発展に対する民衆の権利と生物多様性の双方に否定的に副次的影響をもたらす柔軟化メカニズムによってよりいっそう切り縮められたものになっている。
b帝国主義ブロック間の経済競争と戦略的対抗関係は、気候変動を救済するための闘い(「自発的関与」、無関与、期限の無設定)、発展への民衆の権利、あるいはエコロジー全般(核エネルギー)の観点から見て、京都議定書よりもさらにひどい妥協へと導く危険となっている。京都議定書は、アメリカとオーストラリアが批准を拒否したことにより、署名国が完全に履行した場合でも、先進諸国全体で一・七%の排出削減をもたらすだけである(EEA報告 2005年第8号、9ページ)。
b技術的に可能な再生エネルギー(直接・間接の太陽エネルギー、地熱エネルギー)は、現在の世界中のエネルギー消費量の六〜七倍に匹敵する。それは人類の需要を満たし、環境を保護しながら、大きな気候災害を回避することを完全に可能にさせている。
bわれわれは対案としての原子力エネルギーを拒否する。それは高価でかつきわめて危険性が高い。また炭素排出を緩和しない。
b気候の安定化には、とりわけ@余分にかかるコストに関わりなく、再生可能エネルギーへの移行A先進諸国における基本エネルギー需要の大規模な削減B開発途上諸国への「気候にやさしい」テクノロジーの移転、と結びつけた大規模なエネルギー革命が必要である。
bこの問題は全体として、一連の新しい課題と大きな綱領的・戦略的挑戦を伴って、労働者運動一般、とりわけ革命的マルクス主義者に突きつけられている。

 国際委員会は以下のように決定する。
 気候変動から地球を守るための統一した動員、とりわけロンドン社会フォーラムのアピール以後、拡大している動員に参加する。われわれは、カラカスで開催された世界社会フォーラムが呼びかけている、二〇〇六年十一月に開催予定の気候変動に関する世界規模でのデモに動員を行う。
 この目的のために、われわれは二〇〇六年三月四日にフランクフルトで行われる欧州社会フォーラム組織委員会で設置される、このデモのための組織委員会に参加する。
 インターナショナルと各支部の出版物で、気候に関する課題と気候の政治学についてより多くの注意を払う。
 これらの問題についての綱領的方針と政治路線を仕上げていくために、世界大会決定ににもとづき、気候変動とその意味を分析する「エコロジー・セミナー」を開催する。
 国際委員会はこの目的のために、「エネルギー革命と社会変革」の課題に関する作業文書を作成し、この問題を討議する会議を一年後に開催するよう、関連するさまざまな科学的知識を持った同志たちの国際ネットワークの形成を呼びかける。
二〇〇六年二月   


  欧州社会フォーラムプレスリリース
四日間、アテネが欧州の抵抗運動の首都、十万人が参加


 第4回欧州社会フォーラム(ESF、五月四日〜七日、アテネ)の成功は、最も楽観的な期待をも超えるものだった。集会に十万人が参加し、セミナーやワークショップには三万五千人以上が参加したフォーラムは、ギリシャの運動の潜在力とオルター・グローバル化運動の力をともに立証するものだった。四日間、アテネは欧州の抵抗運動の首都となった。四日間、幾万人もの人びとが「もう一つの世界は可能だ」というメッセージを送った。
 私たちは、大衆的結集以外にも、第4回ESFの幾つかの質的特徴にも言及すべきである。
1 東欧とトルコからの活動家の参加が以前よりも多かった(二千人以上)ことは、フォーラムが西欧だけではなく大陸全体を包摂していることを示している。
2 セミナーやワークショップに大衆的な参加が見られた。人びとはあちこちに顔を出すだけではなく、発言に聞き入り討論するためにやってきた。
3 欧州社会フォーラムでは初めてのこととして、労働組合が組織委員会の一員として顕著な役割を果たした。
4 芸術・文化がフォーラムで中心的な位置を担い、百二十以上の文化イベントが行われ、幾百人ものアーティストたちが参加した。

 ギリシャ社会フォーラムは最も暖かく参加者を歓迎した。
*ギリシャ全国と外国の何万人もの市民は、警察による催涙ガスの発射にもかかわらず、アテネの街頭を埋めつくし、断固としてデモ行進した。
*ギリシャ社会フォーラムの幾百人ものボランティアたちは、欧州社会フォーラムの組織化のために最善をつくした。イベントの成功は彼らのおかげである。
*ギリシャ社会フォーラムの防衛チームは、組織委員会の計画どおりに集会を成功裏に完了させることに貢献した。

 デモ参加者を警察と自分たちとの間の楯として利用した集団は、自らの行動によってフォーラムとその参加者を敵と見なしていることを示した。土曜日の集会での彼らの行為は、極端に権威主義的な政治的行動の一例である。
 第4回ESFの閉会にあたって、私たちは来たるべきギリシャの闘争とともにオルターグローバル化運動の可能性に対してきわめて楽観的である。第4回ESFで行われたイベントに参加した私たちすべては、来たるべき春の息吹を感じたのである。


第4回欧州社会フォーラム社会運動集会の宣言
移民の合法化と平等の権利を
                     アテネ 2006年5月7日


 私たち、全欧州の社会運動の男性と女性は、戦争、新自由主義、あらゆる形をとった帝国主義、植民地主義、レイシズム、差別、搾取に対する闘い、そしてエコロジー的破局に対する闘いの、幾年にもわたる共通の経験を持って、アテネにやって来た。
 今年は、多くの社会的闘争とキャンペーンが、欧州憲法条約の提案、EU港湾指令、そしてフランスのCPEなどの新自由主義プロジェクトを阻止する闘いに成功したという点に大きな特徴があった。
 新自由主義への反対運動が拡大しており、諸国家と欧州連合の新自由主義政策に対決するとともに、超国籍企業、G8、そしてWTO、IMF、世界銀行などの諸組織の権力と衝突している。
 重要な政治的変化がラテンアメリカで現実のものになっており、新自由主義の攻撃を揺さぶり、一部では民衆運動の動員が民営化プロセスを逆転させた。
 現在の情勢は多くの機会に満ちているが、劇的な危険も存在する。イラクへの戦争と占領に対する反対と抵抗は、英国と米国の戦略が失敗に終わったことを明らかにした。世界はイランでの新たな戦争という悪夢に直面している。パレスチナ国民政府への資金をカットするというEUの専横な決定は受け入れがたいものであり、全情勢を一層悪化させている。クルド民族への弾圧はいまだに終わっていない。
 北と南の保守勢力は、抑圧された民衆を分裂させることを狙って「文明の衝突」を促進しており、それはひるがえって受け入れがたい暴力、バーバリズム(文明破壊)、移民と少数派の権利と尊厳へのさらなる攻撃を生み出す。
 EUは世界で最も豊かな地域の一つであるが、大量失業と労働力の非正規化という双方の理由で、幾千万人もの人びとは貧困生活を送っている。欧州内外での競争の拡大にもとづいたEUの政策は、雇用、労働と福祉の権利、公共サービス、教育、医療システムなどへの攻撃を作りだしている。EUは、労働者の賃金と雇用関連支給の削減とともに非正規化の全般化を計画している。
 私たちは、この新自由主義の欧州と、拒否された憲法条約を再出発させようとするあらゆる試みを拒否する。私たちはもう一つの欧州、すなわちフェミニスト的で、エコロジー的で、開かれた欧州、平和で、社会的に公正で、持続的な生活を可能にし、食糧主権と連帯という価値を貫き、少数派の権利と諸民族の自決権を尊重する欧州のために闘う。
 私たちは、東西欧州におけるオルターグローバル化運動やその他の進歩的運動への魔女狩りと犯罪視を非難する。
 私たちはアテネのESFで、平和、職、そして安全な生存のために闘う共通の決意をもって、東西の運動のよりよい調整に踏み出した。私たちは、ESFネットワークで発展した共通の政綱の主要課題に関して、欧州規模のキャンペーンと動員という私たちの任務を前進させるだろう。
 私たちは、次の時期の効果的戦略を定義し、私たちの運動を強化し拡大するために、私たちの活動を調整する必要がある。
 私たちは、ESFプロセスの枠組みの中で次の数カ月のうちに、共通のステップをともに決定するために大規模な討論を開始するよう、欧州のすべての運動に呼びかける。

 幾つかの重要なイベントが、すでに日程に上っている。
*私たちは、イラクとアフガニスタンからの軍隊の完全撤退のために、そしてイランでの新たな戦争の脅威、パレスチナの占領に反対し、非核化を求め、欧州における軍事基地の解体のために動員を行う。私たちは、二〇〇六年九月二十三日から三十日までの一週間行動を呼びかける。
*私たちは、全欧州的にすべての移民の無条件の合法化と平等な権利を求め、欧州にある拘留センターの閉鎖、問題の外部責任化の中止、追放の中止を求め、不安定雇用に反対し、居住許可と労働契約との関係の切り離しを求め、住民としての基本的権利を求めて、欧州とアフリカで二〇〇六年十月七日を行動の動員の日とすることを訴える。
*私たちは、ここ数カ月の間、全欧州における私たちの闘いを調整し、非正規化と公共サービスの解体に反対し、社会的諸権利を求めて動員を行うだろう。

 二〇〇七年一月、世界社会フォーラム(WSF)はナイロビで会合を行う。アフリカの社会運動の成長は、世界にとって決定的な意味を持つ。WSFにむけたその構築は、欧州の搾取と新植民地主義に対して闘う機会となるだろう。
 二〇〇七年六月、欧州評議会の会合とG8がドイツのロストックで開催される。G8の今年の会合は七月にサンクト・ペテルスブルクで行われる。私たちはこの機会をつかんで、私たちの闘争を全体的に集中させていくだろう。                 

【訂正】本紙1923号(4月10日付)6面ラテンアメリカ情勢に関する覚書1段12行目「コロンビアは、……唯一の大国である」を「コロンビアは、反動的右翼が民間の非軍事的勢力の支援を受けながら今後も統治を続けることになる可能性がきわめて高い主要国である」に訂正します。


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