| ノーモア尼崎事故キャンペーン かけはし2006.5.22号 |
民営化NO!国際シンポ
英仏韓日の鉄道労働者が闘いの教訓交流 |
あの悲劇を繰り
返してはならぬ
百七人の生命を奪ったJR福知山線・尼崎事故から一年後の四月二十五日、東京・九段会館ホールで「ノーモア尼崎事故キャンペーン 民営化NO!国際シンポジウム」が四百三十人の結集で開催された。
航空労組連絡会の元副議長・村中哲也さんの総合司会で行われた集会では、実行委員会を代表した二瓶正勝さんのあいさつ、ルポライターの鎌田慧さんによる民営化と規制緩和の新自由主義政策を批判する問題提起の後、この日のシンポジウムに参加したイギリス、フランス、韓国、日本の鉄道労働者の民営化反対・再公営化をめざす生き生きとした闘いを紹介するビデオが上映された。
この日のメインの国際シンポジウムでは、ジャーナリストの安田浩一さんをコーディネーターに、イギリスRMT(鉄道海運労組)のピーター・スケリーさん、フランスSUD―RAIL(鉄道部門の連帯・統一・民主労組)のミシェル・デマルさん、韓国鉄道労組のチョ・サンスさん、そして日本から唐澤武臣さん(国労高崎地本)と倉澤保男さん(国労中央支部)がパネリストとなった。
反CPE闘争が
切り開いた地平
最初に、尼崎事故の現場を訪れた感想を問われた海外からの三人の参加者は、一様に「生命よりも効率性を重視する資本の論理にあらためて怒りを感じた」と語った。
各国からの報告では以下のような報告がなされた。
「新自由主義はサッチャーの名前と結び付けられているが、その後の政権すべてがサッチャーの政策を踏襲している。すでに六十以上の公営企業が民間に売却された」(スケリーさん)。「CPE(新規採用計画)は、従来試用期間とされていた三カ月を二年間に拡大し、二十六歳未満の新規雇用者を自由に解雇し、雇用を流動化・不安定化する攻撃だが、それは青年の失業改善措置として打ち出された。しかしいま失業によって最も打撃を受けている人びと、とりわけ青年・学生が異議申し立てを行い、労組と結びついた。この闘いの勝利によって新しい希望が広がっている」(デマルさん)。
日本では進歩派と見なされている韓国のノ・ムヒョン政権に対してなぜ労働者たちは闘っているのか、という質問に対して、チョ・サンスさんは次のように答えた。
「ノ・ムヒョン政権は日本で民主党が政権を取ったらどうなるのかを示す例となる。この三年間でノ・ムヒョンの限界は明らかになった。彼は人権派弁護士とされているが、司法改革も進んでおらず、新自由主義政策が加速化している。いま韓国では労働者の六〇%が非正規職で、貧困層は人口の二五%に達している。今年下半期から年金改革が行われ、韓米FTA締結の流れも速まっている」。
「われわれは非正規職労働者の正規化、社会の両極化に反対し無償の医療と教育を求める運動、さらにWTO―FTA反対の闘いを作りだそうとしている。その中で労働者・民衆の政治勢力化によって新自由主義と闘う勢力を組織しようとしている」。
再国有化を求め
る英国の人びと
各国の鉄道民営化の現状や事故の危険については次のように紹介された。
「イギリスでは一九九三年に民営化されて二十五の民間会社が設立された。三つの会社が車両や施設を所有してそれを運転会社にリースしている。信号などを管理する企業も別にある。一九九三年には国鉄に対して十五億ポンドの補助が出ていた。それによる国家財政への圧迫が、民営化の口実とされた。しかし現在、分割・民営化された鉄道関連企業への国家補助は百九十億ポンドにまではね上がった」。
「ハットフィールド事故ではレール破断によって四人の鉄道労働者が死亡したが、うち二人は私たちの組合員だった。いまイギリスでは民営化の失敗が大きな世論となっており、世論調査では七〇%が再国有化を支持している」(スケリーさん)。
「フランスでは国鉄と競合した貨物や地方快速列車の民間企業がある。二〇〇七年から、インフラ部門、経営部門が分離され、民間の経営基準が導入される。その中でコストダウンと人員削減が強制される。保守・点検の間隔も延長される。不採算部門は切り捨てられ、トラックやバスに代替される」。「左派政権になったとしても新自由主義政策が推進される。われわれは政党に頼らず、自分たちの力で闘わなければならない」。
「フランスでは大事故は起きていないが、その可能性はある。道路輸送への代替による、自然環境の破壊やエネルギー問題も重大だ。道路輸送の拡大は事故の多発に導く」。「運転士の養成期間は国鉄では一年半だが、民間ではわずか三カ月だ。民間部門と国営部門の競争は、安全を値切ることになり、脅威となる」(デマルさん)。
「韓国では労働者の闘いによって民営化を阻止した。悪い政策は労働者の闘いによって変えられることを示した。イギリス、ニュージーランドでは再国営化の運動が起きている。こうした闘いに学ぶことが必要だ。この間の民営化はキム・デジュン政権の時にイギリスをモデルに企画されたものだ。施設と運営、サービスを分離するという方式だ。韓国では人員削減による一人乗務化が進められている。駅・整備部門の外注化も始まった」(チョ・サンスさん)。
「国鉄民営化以後十九万人だった労働者が、五万人削減された。JR東日本では二万人から二万五千人が押し出された。無人化・委託化が拡大している。人を置かない駅も増えている。それに加えてスピードアップやダイヤの過密化によって労働が強化され、安全にとって深刻な問題となった。地方では公的サービスそのものが崩壊している。立体交差によって踏み切りの数が減ったため、踏み切り事故が大半だった事故の絶対数は減ったのだが、輸送障害はむしろ増えている」(唐沢さん)。
各国語で闘いの
スローガンを叫ぶ
こうしてこの日のシンポジウムは、民営化に抗して公共サービスを防衛する闘いと輸送の安全性を守る闘いが一体のものであることを明確にし、鉄道労働者の実践的な国際的連帯を確認するものとなった。
閉会のあいさつを国鉄闘争共闘会議の星野良明さんが行い、二度と尼崎事故のような悲劇を繰り返さず、1047人の差別解雇事件の勝利解決のために闘うことを訴えた。最後にパネリストが英語、仏語、ハングル、日本語でそれぞれ闘いのスローガンを叫び、全員で団結がんばろうのこぶしを突き上げた。 (K)
尼崎国際シンポ
命を守れ!鉄道は金もうけの道具ではない
【大阪】四月二十五日、兵庫県尼崎でおきた福知山線脱線事故から一周年を三日後に控えた四月二十二日、尼崎市の尼崎総合文化センターで「民営化競争社会を問うノーモアJR尼崎事故 命と安全を守れ4・22国際シンポジウム」が行われ、会場をあふれる二百人が参加した。
初めに主催者を代表して小西尼崎地区労事務局長が開会のあいさつをした。
「事故から一年がたちました。あの事故で百余人の命が犠牲になり、五十余人の人が怪我をした。JRは『もう事故を起こさない』と誓ったがその後も伯備線で死者が出る事故をおこしている。民営化で人が減らされ、いつ事故が起こってもおかしくない。競争社会の中、運動を強化したい。そういう思いで、今日、海外からゲストを呼んでいる。意見交換と討論を通じて今後の運動の力をつけていきたい」。
続いて事故で犠牲になった人への冥福をこめて全員で黙祷を行った。
最初にJR尼崎事故遺族からの訴えがあり、犠牲者の遺族で構成する4・25ネットの藤崎光子さんがJRへの怒りと疑問を訴えた。
「一番安全だと思っていた電車になぜ殺されなければいけなかったのか? 事故原因を教えてほしいのにJR西日本はなにも教えてくれません。経過報告がありましたがわたしたちが知りたい内容ではありませんでした。JRは『安全第一に生まれ変わる』と口ではいっているが、内部の人の話を聞くととてもそうは思えません。今年三月十八日、『ゆとりのあるダイヤを』といって一人十五秒の余裕をあたえたというが本当に余裕を感じるのでしょうか? JRは事故原因を説明する気がないのだと思います。自分の遺族が何両目で死んだのか、いまだにわからない人が何人もいる」。
日本と共通する
各国の闘争課題
続いてパネラーの紹介と討論がおこなわれた。参加したパネラーはイギリスのピータースケリーさん(元RMT全国執行委員会)、フランスのミッシェル・デマルさん(SUD―RALL国際部)、韓国のチョ・サンスンさん(韓国鉄道労組政策委員長)、日本から平田尚さん(国労近畿地本)、コーディネーターに佐野修吉さん(兵庫県国労闘争団を守る会)。
それぞれの国からの報告は民営化の現状と安全問題などについてであったが日本と共通する点が多かった。
すでにイギリスと日本では鉄道は民営化されており事故が多発しているという。まだ民営化はされていない韓国とフランスでも、安全の規制緩和がすすんでいるという。共通しているのは営利優先の新自由主義政策が歪みを生み出しているということである。
シンポジウムは二時間半にも及んだが、参加者はみな最後まで真剣な表情で聞き入っていた。最後に佐野さんが「ぶっつけ本番の国際シンポがどうなるか不安だったが、やって本当によかった。新自由主義との闘いはこれからだ」と語りシンポジウムは終了し、翌日の追悼行動を確認して散会した。 (A)
郵政4・28ネットが一日行動
反マル生処分から27年勝利の展望が開かれた
一九七八│七九年反マル生闘争を年賀を飛ばして闘った全逓に対して、郵政当局は現場組合員六十一人を懲戒解雇した。全逓は右翼労戦統一へと舵を切り、免職者への犠救を打ち切り、組合員としても追い出した。免職者は自力自闘せざるをえなかった。二〇〇四年、東京高裁で、「免職処分は不当」の逆転勝利判決を勝ち取った。郵政公社が最高裁に上告し、最高裁で争われている。
四月二十八日早朝、4・28ネットは被免職者が勤めていたそれぞれの郵便局前で宣伝活動を行い、昼に郵政公社、午後に全逓本部への抗議行動を展開した。夜には、反処分27周年総決起集会を東京都しごとセンターで行った。
非常勤公務員の解
雇無効訴訟に勝利
最初に伊東弁護士が「最高裁第三小法廷の浜田裁判長は五月二十四日に定年退職する。もし、原審をひっくり返すなら弁論を開くことが予想され、今の時点までそうした通知がないところを考えると郵政公社の上告を却下することも考えられる。ただし、新しい裁判長に引き継ぐ可能性も否定できない。最高裁は具体的審理を行わないので、どのような決定が出すか予想しにくい」と語った。
国立情報学研究所で、十四年近く非常勤勤務をしていたMさんが、二〇〇三年三月に、突然雇い止めにされた。Mさんは解雇無効の裁判を起こした。三年間の闘いの後、三月に、解雇無効の画期的判決を勝ちとった。Mさんは「郵政でのゆうメイト(非常勤)の雇い止め無効裁判の闘いの積み重ねの上に判決があった。今回の私の勝利判決を使って、今後の闘いにつなげていってほしい。私は三年間の闘いだが、二十七年間も闘ってきたことは想像できない時間で、すごいと思っています。お互いがんばりましょう」と闘う連帯のあいさつを行った。
参議院議員会館で、全国のゆうメイト全国交流会が郵政公社に対して、待遇改善と雇用の安定を求めて交渉をした。この行動に参加した広島と呉のゆうメイトが「『がんばって働けば本務者を超えることができる』、『本務者とゆうメイトでは職務と責任の重さが違う』などと発言した公社管理者がいたが、これを思うと本当にゆうメイトのことを分かってくれたのか分からない」と郵政公社の対応を批判した。稲田失職裁判の稲田さんの最高裁での闘いの報告、電通労組、国労闘争団、ATTAC首都圏、全統一光輪モータース分会の連帯のあいさつが行われた。
続いて、郵政ユニオンの長崎の仲間は「若い人がユニオンに入った」と喜びの報告をした。最後に、免職者の名古屋哲一さんは「夜明けは近い。勝利判決を確定して、八王子郵便局に復帰したい。『郵政首切り物語』のビデオを活用して運動を広めて行きたい」と語った。免職者の池田実さんは「赤羽局に行って、仲間の配達する姿を見ると皆さんの勇気をもらって闘いを続けることができたと思う。いずれ結果は出るだろうが、二十七年間の闘いは決してムダではなかった。郵便局に戻ったら暖かく迎えてほしい」と勝利に向けた思いを語った。4・28闘争の勝利を。 (M)
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