| 憲法改悪と連動した人権・民主主義の破壊にNO! かけはし2006.5.22号 |
教育基本法改悪案閣議決定と審議入りに抗議の行動を
強行成立を策動
する政府・与党
四月二十八日、小泉政権は、「戦争ができる国家づくり」のために教育基本法改悪法案を閣議決定し、国会に提出した。与党文教委員と文科省官僚と密室で改悪法案の協議を重ね、平和と人権教育を柱とする教基法の理念を投げ捨ててしまった。われわれは、小泉政権と与党を断固糾弾する。
多くの反対の声を無視できず、与党は、五月九日の衆院本会議で超スピード審議のための「教育基本法に関する特別委員会」の設置決議をとりあえず見送らざるをえなかった。だが、自民党武部幹事長は、「堂々巡りで前に進まない場合は、適切に採決によって処理していくことが国会のルールだ」と述べ、強引な審議を押し進めていくことを表明した。文科省は、なにがなんでも法案を成立させるために小坂憲次文科相を本部長とする教育基本法改正推進本部を設置した。そのうえで政府・与党は、強引に審議に入り、成立をめざすことで最終的な意志一致を終了した。
政府・与党は、五月十一日に衆院本会議で特別委員会の設置決議を強行した。特別委員会の設置によって、強引に審議を押し進め、六月十八日の国会会期末までの成立をねらっている。
このような暴挙に対して「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、ただちに国会行動を取り組むと同時に、全国の仲間に対して反対運動の強化、国会行動への結集を呼びかけている。二〇〇三年の「教育基本法改悪反対!12・23全国集会」の成果をばねに、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」(〇四年四月)をスタートさせ、呼びかけ人である大内裕和さん、小森陽一さん、高橋哲哉さん、三宅晶子さんを先頭に全国草の根で教基法改悪反対戦線を構築してきた。全国連とともに教基法改悪法案を廃案に追い込んでいこう。
愛国心の強制と
教育の中央集権化
全国連は、四月二十八日、小泉政権による改悪法案の閣議決定と国会提出に抗議して、国会前抗議行動を取り組んだ。社民党、共産党の国会議員、各市民運動団体など二百五十人が集まった)。この日は、共謀罪の強行採決の危険性があり、院内集会を開いていた仲間たちも合流した(共謀罪新設法案の衆院法務委員会採決は、五月九日以降に見送られた)。さらに十一日に、衆院本会議での法案趣旨説明と特別委員会設置決議強行に抗議行動を取り組んだ。
すでに連絡会呼びかけ人は、「与党教育基本法改正に関する協議会『最終報告』の問題点」(四月二十六日)と題する声明を明らかにしている。声明は、主な問題点について次のように批判した。
「@『愛国心』の法定化。個人の価値を基盤としていた現行法を、国家(国益)中心のものへと変えています。個人の権利や内心の自由を守るのではなく、『伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する……態度』が国家によって評価・強制されることとなり、思想・良心、宗教、国籍・民族による差別を助長します。
A教育行政による中央集権的支配の完成。現行法の『教育は、不当な支配に服することなく』という文言は残りましたが、その後の『国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである』という部分は削除され、国・地方自治体による施策の策定、実施、さらには政府が定める教育振興基本計画が明記されました。これは、主権者のための教育から、地方が従属する中央集権的支配への転換を意味します。
B家庭・地域・生涯教育等、国民生活のあらゆる場面への介入
C教育の機会均等の空文化。能力主義による選別強化、経済格差・地域格差による機会不均等、男女平等の後退は、既に進行しつつある格差社会を教育の場から拡大させます。
D平和憲法とのつながりの切断。前文の『われらは、さきに、日本国憲法を確定し』、『この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである』という部分が削除され、平和憲法との一体性が切断されています」。
さらに、「 今の学校現場にとって最も必要なことは、教職員と子どもに『愛国心』や『公共の精神』を上から押しつけることではなく、教育基本法第10条にある『諸条件の整備』によってもたらされる真の意味での『自由と平等』であり、子どもの意見表明権・参加権、少数者の権利の実現ではないでしょうか」と提起している。
全国連は、六月二日(金)に「通すな改悪法案! 教育基本法の改悪をとめよう!6・2全国集会&国会デモ」(日比谷野音/午後六時〜)を呼びかけている。国会行動へ! (Y)
市民と表現者の集い実行委が院内集会
民主党修正案も問題あり共謀罪は廃案しかない!
日を追って拡大
する反対の訴え
五月十一日、共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い実行委員会(連絡先・日本消費者連盟、『創』編集部)は、衆議院第一議員会館で共謀罪反対院内集会を行い、百二十五人以上が参加者した。
衆院法務委員会で与党は、共謀罪新設法案を四月二十八日に採決を行うと通告してきた。ところが四月中旬から反対運動の高まりと連動して、新聞・マスコミが次々と法案の危険性を取り上げたことによって、全国各地から抗議の声が与党に集中した。結局、与党は、「国会運営全体の影響や世論の反発を考慮し、二十八日の採決を断念する。連休明けに採決を追求する」と表明せざるをえなかったのである。反対運動は、採決断念に追い込んだことを確認し、若干の時間的猶予期間を最大限利用し、さらに闘いを拡大していくことを意志一致した。
ところがこの間、民主党は、与党修正案に対抗すると称して修正案を提出した。修正案の問題点は、第一に、組織的犯罪集団を限定しているが、その判断・認定は、捜査権力が行い、手前勝手に、やりたい放題の弾圧が可能なものになってしまう内容のままだ。
第二は、対象となる犯罪を「五年超の懲役・禁固に当たる罪」としたが、それでも対象となる「犯罪」は三百以上になる。また、「国際的な犯罪」と限定して明記しているが、グローバル化の中で国際連帯や活動を取り組む市民運動団体は、無条件に、弾圧対象となってしまうのである。
第三は、予備行為を要件にしているが、既遂の処罰を原則とした刑法を根本的に変えてしまう性格を引き継いでいる。つまり、思想、話し合いを弾圧する共謀罪の性格は維持されたままである。民主党修正案は、国会内外にわたって反対運動に取り組んできたスクラムを乱すものだ。何度も確認してきたように、共謀罪新設法案は、廃案しかない。
法務委員会は、五月九日に参考人質問を行った。そして、民主党は修正案提出、与党との修正協議に応じることによって、とりあえず採決強行が先送りの状態に入った。会場は、共謀罪の廃案をめざし、強行採決を絶対に許さないと駆け付けた仲間たちであふれた。
メディアも大きく
取り上げはじめた
集会は、篠田博之さん(『創』編集長、日本ペンクラブ)の司会で始まった。
保坂展人衆院議員(社民党)は、「共謀罪は、後半国会の一大争点となっている。与党が、なんとか通したい法案が医療改革法案だ。また、教基法改悪法案の趣旨説明にも入りたがっていた。この前に共謀罪法案を強行採決すると審議日程がうまくいかなくなるので、まず先に十七日に医療改革法案を採決し、その後に採決を追求してくるだろう。この一週間が一つのヤマ場だ。全力で廃案に向けて頑張っていこう」と訴えた。
仁比聡平参院議員(共産党)は、「四月二十八日の強行採決を阻止したのは、反対運動の成果だ。メディアの取り上げ方も大きく変化してきた。表現者の方々も社内で努力をされている。共謀罪の問題点が、ますます浮き彫りになってきている。廃案しかない。断固廃案の共同行動を強めていこう」と強調した。
続いて高山智司衆院議員(民主党)、福島みずほ参院議員(社民党)、佐々木憲昭衆院議員(共産党)が発言した。
美浦克教・新聞労連委員長・マスコミ文化情報労組会議議長、吉岡忍さん(作家、日本ペンクラブ理事)から、反対運動の取り組みの報告、共謀罪廃案のアピール。
さらに吉田司さん(作家)、野中章弘さん(アジアプレス・インターナショナル)、森達也さん(映画監督)、魚住昭さん(ジャーナリスト)、市民運動団体が発言し、参加者全体で共謀罪廃案にむけて誓い合った。 (Y)
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