| 政府・防衛庁の押しつけを糾弾する かけはし2006.4.24号 |
大規模統合軍事拠点の建設だ
沖縄の人びとは「合意」を拒否
なりふり構わぬ「合意」の強制
四月七日、辺野古崎島袋吉和・名護市長と額賀福志郎防衛庁長官が会見の末、滑走路二本をV字に建設する案で合意した。防衛庁の官僚によれば「工期は八年、埋め立てを軸に進める」とのことだが、島袋市長は四月八日の記者会見では「公約違反ではない。おおむね海上案のバリエーション」と言ってのけた。
島袋市長は米軍機が集落の上を飛行するため騒音を懸念して「『沿岸案』に反対」を市長選の公約に掲げ、防衛庁長官との会談も難航していたと報道されたが、滑走路二本で騒音も危険性も倍増する「V字滑走路案」を提示されて「政府は配慮してくれてありがたい」というコメントを残すまでにいたった。建設容認派の議員などからも、合意発表の当初、「二本とはどういうことか」「訳がわからない』などと怒りと、戸惑いの意見が表明されていたが、「海上案のバリエーション」という「説明」を受けて、自民党県連、地元商工業者など「V字滑走路案」推進へ急速に傾きつつある。
稲嶺沖縄県知事は「県は(沿岸案反対の)スタンスを堅持」と言っているが、やがてV字滑走路案に賛成しそうな気配を漂わせている。SACO合意以降、辺野古沖で基地建設工事をまったく推進できなかった事態を繰り返したくない日本政府は、なりふりかまわず、どう喝を進めていると考えるしかないだろう。
「住宅地上空を飛ばない」はウソだ
防衛庁官僚は、辺野古沿岸域で北からの風が多いことを理由として、新たな海上側滑走路で南側から離着陸するので、米軍機は集落の上を飛ばないという説明をしている。だが、民間空港でも横風用滑走路があり、滑走路のどの方向からでも離着陸できるようになっている。まして軍事訓練のためとなれば、あえて交戦状態を想定した離着陸の方法を訓練に持ち込むのは当然のことだ。
米軍は沖縄国際大のヘリ墜落事故からほどなく、住宅地域上空を低空飛行し、過去には名護市内でも協定に大幅に反する飛行経路をとっては住民の抗議を受けてきたのである。建設を許したとき、配備されるといわれるMV22オスプレイ機は垂直離発着機なので滑走路の向きが騒音被害に関係するという論法はますます通らなくなる。訓練空域、水域の一大拠点が完成してしまえば、大浦湾の水深を利用した軍港建設などによって久志、二見の住民は騒音、排気、汚水にまみれた生活を押し付けられるしかないではないか。
「振興策」は生活難を拡大する
島袋市長は沖縄証券の出身だが、この会社は二〇〇三年、大宝証券などと統合し、香港を拠点にする日本アジア証券グループの傘下に入った。このグループは、岸本・前名護市長が基地を受け入れると同時に、金融特区となった名護市に、中間持ち株会社琉球ホールディングスを設立した。二〇〇四年には沖縄銀行代表取締役だった人物が会長に就任している。だが、これらの会社はあわせて二百人以上の雇用を実現していない。稲嶺知事の下で副知事を勤める牧野浩隆氏も琉球銀行OBだ。
日米同盟の機能強化を許さないことは、沖縄においてこれらの「水先案内人」を利用した産業のグローバル化の横暴を許さないということでもある。金融・IT分野を軸に、すべての民衆の所得増のためのはずの「振興策」が、かえって生活難に拍車をかけるという悪循環が、いまだにむちゃくちゃな基地建設計画を繰り返す根拠となっている。
日米政府、あるいは日本政府と沖縄の一部の首長との間で繰り広げられたキャーンペーンにもかかわらず、琉球新報社などが四月十一日から行った沖縄県民世論調査によれば、「V字滑走路案」について「どちらかといえば容認できない」「絶対容認できない」と答えた人の合計が全体の七〇・八パーセントとなった。去年に引き続いて沖縄の民衆は辺野古での建設NO!を突きつけている。米軍機能の問題を沖縄の問題にすりかえようとする日本政府に圧力をかけ、基地の問題は沖縄の問題としか受け取っていない「本土」の世論に、建設阻止行動への参加を訴えていこう。(海田昇)
辺野古実が防衛庁抗議行動
住民無視のペてん的な「受け入れ」につのる怒り
四月七日に、額賀防衛庁長官と島袋名護市長は「普天間飛行場のキャンプ・シャワブ沿岸部への移設に関し、二本の滑走路からなるV字形の修正沿岸案で合意した」ことを発表した。これに対して四月十日、辺野古実が防衛庁に対して「名護市への米軍新基地建設を撤回せよ」と抗議行動を行い六十人以上が参加した。
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの吉田さんは「火曜日(四日)から名護市長は防衛庁で協議をしていた。彼はわれわれの抗議の声を避けて、裏門から入って行った。名護市長は無理矢理押しつけられ合意させられた」と報告した。
沖縄の平良夏芽さんと電話が通じた。夏芽さんは「名護市役所前に集まっている。名護市長の新基地受け入れを北部四町村は歓迎することを明らかにしている。そんなことを許してはならない。今後責任を追及して名護市長のリコールもやっていく。合意があったからといって事態が悪化したとは思っていない。今まで辺野古沖への新基地建設に対して、体を張って闘ってきた。そのことに比べればはるかに余裕がある。稲嶺沖縄県知事は今度の合意に反対している。希望を持たなければ運動は負ける。新基地建設の白紙撤回まで闘う」と決意を語った。
続いて参加した反安保労働者講座は自衛隊の東部方面隊からの自衛隊のイラク派兵反対行動の報告をし、沖縄の人々とともに闘うことを明らかにした。NOレイプ・NOベース女たちの会は「島袋市長は選挙公約で『沿岸湾反対の立場』を明らかにしていた。それにもかかわらず新基地建設に合意した。こんなペテン的なやり方に怒りを覚える。大浦湾の埋立ては当初案よりもっと広い地域となり、安全・環境への負荷がひどくなった。名護新基地建設が合意されることと、グアムへの米軍移転セットで報道されているが、それは関係ないことだ。新基地建設を許すな」と訴えた。反安保実の仲間は「今回の合意に対する反対の声が報道されていない」ことを批判した。
沖縄北部の東村からやってきた若者三人が「米軍のヘリパットが小中学校や民家のある部落を囲むように作られようとしている。村議会がこれに対して反対の決議をあげた。村をあげて反対運動を行っている」ことを報告し支援を訴えた。
最後に、合意を撤回し新基地建設を止めるように防衛庁に申し入れを行った。闘いはこれからだ。基地撤去を! (M)
07年都知事選に向けて
4年に1度のチャンス!と討論集会
四月六日、なかのZERO小ホールで「4年に1度のチャンスをつかむ!〜さあ、2007年都知事選。つながるのは今!」が「平和と人権の都知事を!市民連絡会(準備会)の主催で開催され二百三十人が集まった。
最初に、楠のり子さんが「私たちは、『日の丸・君が代』強制などに抗議してきた。石原都知事の弱い者のことを考えない差別発言に恐れを感じる。『自由と民主主義の都』を取り戻すために来年の都知事選に取り組もう」と主催者あいさつをした。
続いて、福士敬子さん(都議会議員)、橋本久雄さん(小平市議)、新垣重雄さん(沖縄社大党前書記長)が「統一候補で勝てた経験から」と題してパネルディスカッションを行った。
福士さんは「問題発言をいっぱいしている石原都知事は前回の選挙で三百八万票とった。自治能力のある市民がいなければこれを変えられない」と提起した。橋本さんは「小平市長選があり、民主党から市民派、共産党まで民主党都議に一本化して勝利した。石原に勝つためには、政策の中身を落としても、民主党から共産党まで合意できる候補を作っていく決意が必要になる」と報告した。
新垣さんは「沖縄の場合は、選挙の主体はほとんどが政党で、社大党が接着剤になっている。一九九〇年の大田県知事選から九五年の参議院選挙(一人区なので統一候補)まで勝利した。しかし九八年から〇二年まで敗北した。〇四年の参院選で、民主・社民・共産・自由連合の統一候補として社大党の糸数慶子が立候補して勝利した。統一候補が第一の条件であり、借金も含めて選挙を担う主体が準備されなければならない」と報告した。討論の中で、「勝利した後も首長にまかせるのではなく、問題のある政策を行うのであれば、きちんと批判していくことも重要だ」と指摘があった。
次に、新垣さんらによる島唄などの沖縄の唄が披露された。
斎藤貴男さんが「07都知事選の歴史的意義」と題して講演を行った。
「報われない人が石原の差別発言を聞いて、気持ちいいと思うような社会が存在している。石原政治は差別を政治的に表現したものだ。そして新自由主義は石原政治を日本中に伝播している。市民が立ち上がって、これを阻止するために一大ムーブメントを起こそう」。
最後に、「『平和への結集』をめざす市民の風」の小林正弥さん(千葉大教員、地球平和公共ネットワーク)が統一候補をめざして努力しようと訴えた。 (M)
共謀罪の新設に反対する集い
NGO・NPOも共同アピール運動を開始した
四月十一日、衆議院第二議院会館で「共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い」(主催・実行委)が行われ、七十人が集まった。
この日は、共謀罪に反対する市民の集い実行委員会、移住労働者と連帯する全国ネット、日本消費者連盟などの市民運動が呼びかけた「共謀罪の新設に反対する請願署名」が十万二千百四十二筆分集まり、提出行動が取り組まれた。
集いは、松岡徹参院議員(民主党)、仁比聡平参院議員(日本共産党)、福島みずほ参院議員(社民党)から共謀罪の危険性を明らかにする発言と、衆院段階での廃案に向けた決意表明が続いた。
さらに、衆院法務委員会の委員である保坂展人衆院議員は、「現在、委員会は、拘置中の容疑者、被告や死刑確定者の処遇について定めた刑事収容施設・被収容者処遇改悪法案の審議を行っている。与党は、四月十四日に採決を強行しようとしている。二十三日に千葉県で衆議院補欠選挙が行われる。評判の悪い共謀罪の審議、採決強行をやりたくないのかなと推測している。『共謀罪』について、まだまだ危険性について知られていない。『凶暴』なヤツを捕まえる法律かと勘違いしている人もいる。『目配せ』をしただけでも、共謀が成立するとか、たまたまその場にいただけで共謀の一味として、実行行為がないのに逮捕されてしまう。こういう内容を伝えていけば、そうとうな議論が巻き起こるはずだ。国会の外で集会、デモなどを取り組み、反対運動を盛り上げていこう。教基法改悪法案、国民投票法案も大詰めだ。連休明けに悪法三法案が出てくるだろう。フランスでは三百万人のデモで勝った。私たちも街頭で反対を訴えていこう」と訴えた。
アムネスティー・インターナショナル日本とグリンピース・ジャパンの仲間は、「市民社会の自由をうばう共謀罪に『Say NO!』 『共謀罪』に反対するNGO・NPO共同アピール」運動を日本国際ボランティアセンター、反差別国際運動日本委員会、VAWW│NETジャパン、ピースボートとともにスタートさせたことを報告した。さらに、「市民団体はじめ、NGO・NPOが意見や政策提言を政府や企業に届けようとした場合、その行為そのものが、場合によっては業務妨害にあたるとされ、その協議に加わった市民団体やNGO・NPOのメンバーが共謀罪で逮捕されるという危険性は否定できない。NGO・NPOの活動の存続を危うくする共謀罪法案に反対していきます」とアピールした。
続いて篠田博之さん(日本ペンクラブ言論表現副委員長)、、移住労働者と連帯する全国ネット、日本消費者連盟、許すな!憲法改悪・市民連絡会からアピールが行われた。
最後に小倉利丸さん(ネットワーク反監視プロジェクト)は、共謀罪を補完するコンピュータ監視法案を取り上げ、「この法案は、警察が携帯電話会社などを含むプロバイダーなどに対して、メールなどの送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴(ログ)を保全要請ができる権限を与えている。これが成立すれば、ジャーナリストはもはや取材源を秘匿できなくなる。『共謀罪』のでっちあげが簡単にできる。警察による監視が強化され、常時監視する秘密警察になる」と危険性を明らかにし、「共謀罪の廃案とともにコンピュータ監視法案も、なんとかして廃案においこんでいこう」と強く訴えた。(Y)m/index.htm
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