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予想をくつがえし、ハマスが評議会選挙で圧勝        かけはし2006.2.6号

パレスチナ 真の民族統一政府実現のための第一歩を

「交渉パートナーとなりうる勢力を破壊し続けた結果だ

                           ミシェル・ワルシャウスキー

交渉は妥協を
強制する障害

 一月二十五日に行われたパレスチナ評議会選挙で、対イスラエル強硬派として一連の武装闘争を展開してきたハマスが、事前の予想をくつがえし過半数の得票と議席を獲得して勝利した。脳卒中によって政治生命を奪われたシャロンを引き継いだイスラエルのオルメルト首相代行は「武装テロ組織のメンバーを含む政府とはいかなる交渉も行わない」との声明を発表した。ブッシュ米大統領も一月二十七日に、ハマスが武装放棄やイスラエル承認に応じなければパレスチナへの支援を停止する、と恫喝した。三月に予定されているイスラエルの総選挙をふくめて新たな情勢の転換も予想される。それはイラクやイランをふくむ中東・ペルシャ湾地域の情勢にとっても影響を及ぼすことになるだろう。前号に掲載したシャロンの病気退陣によるイスラエル情勢の分析に続いて、イスラエルの反シオニスト左翼として積極的な活動を続けている「オルタナティブ情報センター」(AIC)のミシェル・ワルシャウスキー(つげ書房新社刊『イスラエル―パレスチナ 民族共生国家への挑戦』の著者)の評価を掲載する。(本紙編集部)
 パレスチナの被占領地域で行われた疑う余地なく民主主義的な選挙でのハマスの決定的勝利は、多くの諸要因がもたらしたものである。しかしそれは何よりも、アリエル・シャロンの政策の「大きな勝利」である。
 数十年間にもわたるPLOへの破壊攻撃は、イスラエルの前首相(シャロン)にとっての戦略的目標であった。そしてそれは彼の最初の企てではなかった。一九八二年のレパノンでのシャロンの血塗られた冒険は、この目標を達成するための大きな闘いであった。イスラエルの軍事的実力と無慈悲な残虐さ――それはサブラとシャティーラでの虐殺における役割で例証されている――にもかかわらず、レバノン侵攻は失敗した。
 二〇〇一年に権力の座に戻ったアリエル・シャロンは、二十年前の敗北を取り返して成功に導こうと決意した。テロに対する永続的・予防的戦争という外観の下で、シャロンはパレスチナ民族運動の指導者、活動家、諸機関に対する血まみれの攻撃を開始した。その目的は、この戦略が成功したならば、別の指導部を登場させるかもしれないことを十分に知りながら、パレスチナ民族運動を破壊することであった。
 「イスラエルはパレスチナ人のパートナーを持たない」という主張は、この広範な軍事的攻勢と被占領地域を破壊するイスラエルの政策の口実ではなかった。それは目的だった。イスラエルの前首相にとって、単独行動主義はシオニスト的目標を達成する唯一の道であったし、交渉は受け入れがたい妥協を強制する障害として認識されていた。したがって将来、交渉のパートナーとなりうるあらゆる勢力を破壊することが必要だったのである。

ハマスへの投票
は抗議の意思表示


 ヤセル・アラファトを無力化させた後、イスラエル政府は「穏健派」のアブ・マゼンを不安定化させ、パレスチナのインフラと地域的つながりを破壊するという現在も続く攻撃を継続した。この政策が期待する結果とは混乱であり、そして都合よくなされるテロ攻撃であった。それは、パレスチナ側のパートナーは依然として存在しないことを立証させるものだった。
 イスラエルは、パレスチナ指導部が経済的レベルでも政治的レベルでもなにごとかを明らかにすることを意図的に妨げた。それは予期されていたように、パレスチナ指導部への民衆的支持の喪失とイスラム主義的反対派の強化を促進した。事実、ハマスはより有能と認識されているだけではなく、パレスチナ自治政府の欠陥を取り除くものとして認識されている。ハマスへの投票はイデオロギー的なものというよりは、抗議の票である。それは「君たちは失敗した。われわれはもはや君たちを信じない。われわれは何か新しいものに挑戦したい」と訴える投票なのである。
 アリエル・シャロンはハマスの勝利を望んだ。「われわれは平和へのパートナーを持たない」とより説得力を持って主張するためにである。今回の選挙結果は、幾つかの軍事的再配置や運営不可能な孤立した入植地の撤去を含めて、イスラエル政府が単独行動主義的植民地化のステップを継続することを可能にさせるだろう。

イスラエルの
成功は一時的


 しばらくの間、この政策は成功するかもしれない。そして国際社会とメディアは、パレスチナ人追放の脅威におののきながら、イスラエル指導部の計画に沿って確実に動くだろう。別の言い方をすれば、短期的にはパレスチナ民衆は厳しい状況に直面することになるだろう。
 しかしすべてのバレスチナ人は、それを知っている。だがどれだけ事態は厳しくなるのだろうか。
 イスラエルは平和プロセスを停止するだろうだって? しかしそもそも平和プロセスなどなかった。 イスラエルはさらに暗殺に狙いを定めるだろうだって? しかし彼らが暗殺をやめたことなどなかった。イスラエルはもっと多くの家屋を破壊し、木を引き抜くだろうだって? しかしこの五年間でなされた以上の打撃を加えることなどほとんど不可能だ。イスラエルは活動家を逮捕し続けるだろうだって? しかしこの政策は決して止まらなかった。国際社会は経済的支援を削減するだろうだって? しかしすでにそれは最小限にまで削減されている。

希望と自信の
再生を準備する

 イスラエルは成功した。しかしそれは長くは続かない。なぜなら、今回の選挙は数百人の国際監視員の中で民主主義的に行われたものであり、ハマス指導部は一定の国際的正統性を獲得するだろうからである。PLO(オスロ・プロセス)の以前の政治的関与が民衆の期待を低めたのは、ハマスの責任ではない。真の民族統一政府の可能性がいまやきわめて現実的となり、それは今回、国際社会によって穏健化の兆候として認識されている。以前、それはパレスチナ自治政府のラディカルな路線への転換として考えられていたのである。
 地域のメディアや国際的メディアによって広められている人種差別主義的イメージとは異なり、ハマスは非合理的でファナティックな組織ではない。ハマスは賢明な政治指導部を有しており、それはレバノンでのヒズボラ党の成功の例にならうだろう。さらにハマスは喜んでPLOに加わり、その権威を受け入れるだろう。
 イスラエルが計画したハマスの勝利が、イスラエルが妨げようとしてきたこと――すなわち占領と闘い、イスラエルの平定戦争によって系統的に解体されてきた社会を再建するためのパレスチナ人の民族的統一――を実現するかもしれないと主張するのは楽観的すぎるかもしれないが、それは希望と自信の再生を準備する可能性がある。

いずれイスラエル
は政策を変更する


 「われわれはハマスとは交渉しない」「われわれがハマスと対面する場所は戦場だけだ」――われわれは一九八〇年代からのこうしたスローガンを思い出す。当時、それはもっぱらPLOに対して向けられていた。われわれは、結局のところイスラエル政府が少なくとも数年のうちにその政策の根本的変更を強制されたことを知っている。
 米国政府が、イスラム主義組織への全面戦争政策を放棄し、彼らの間に新しい同盟者を見いだそうとしはじめさえしている兆候がすでに存在している。事実、米国はイラクでそうした組織と協力しはじめており、エジプトのムスリム兄弟団と半公式的な会談を行った。遅かれ早かれ、国際社会はイスラエルにハマスとの交渉を強制するだろう。十五年前にPLOについてそうしたようにである。
 パレスチナ社会にとっては、ハマスの勝利ははっきりと二重の挑戦を意味する。第一に、パレスチナの人びとは、ハマスが脅かす可能性のある社会的・市民的成果を維持し、拡大するために内部で闘わなければならないだろう。社会的・民主主義的権利へのこうした攻撃は、たしかに国際社会を悩ますものではないが、それはパレスチナ民衆にとっての重大な関心事であり続ける。
 第二の挑戦は、世俗的な民族運動(最も重要なのはファタハである)を再建し、PLOにその指導部と権力を取り戻させることである。
 こうした二つの挑戦が成功するならば、アリエル・シャロンの最新の成果は、レバノンにおけるそれと同様のものになるだろう。すなわち「ピュロスの勝利」(見合わない犠牲を伴った勝利)である。(06年1月27日)
(「オルタナティブ情報センター」のウェブサイトより) 


イラク労働組合の共同声明           

IMFと世界銀行は石油と資源に対するイラクの主権を認めよ

資源は生活再建
のために不可避

 イラク経済は何十年にも及ぶ戦争と占領によって深刻な影響を受けてきた。イラクの労働組合とその連合組織は、イラク人民に良質の生活水準を提供するわが国の石油ならびに鉱物資源の能力を信じている。連合組織と労働組合は、戦争と占領が、イラク人、とりわけ労働者の生活・社会水準を劇的に低下させたと考えている。
 連合組織と労組は、わが国の完全な再建を保障するやり方で発展していくために、石油と天然資源に対するイラクの完全な主権が重要であると強調する。われわれはイラクにおけるIMFと世界銀行の方針に関連して、以下の諸点を強調したい。

旧体制の債務を
帳消しにせよ!

1 IFIの決定機構における透明性を増大させ、イラク人の代表権を強化すること
2 借款に構造調整条件を押しつけるのをやめること
3 公共サービスや国営企業の民営化を求めず、資金提供に合意すること
4 旧体制の政策がもたらした債務を帳消しにすること
5 社会サービス支出の削減、とりわけ政府の食料や生活物資配給制度の廃止を拒否すること
6 公営事業、とりわけ石油、教育、医療、電力、運輸、建設部門の民営化を強く拒否すること
7 イラク人民の生活水準への悪影響を考慮して、石油製品価格の上昇を拒否すること
8 労働者の権利を保証し、国際的な労働基準と人権条項に合致した新しい労働・年金・社会保障法を制定すること。世界銀行とIMFも、こうした基準を尊重しなければならない。

 この声明に署名した労働組合とその連合は、常設の調整委員会の創設を発表し、その立場をイラク政府とIFIに熟知させるだろう。またわれわれは、イラクにおける政策について、IFIが労働組合連合組織と対話、討論、交渉を行うよう要求する。
 最後にわれわれは、以上に挙げた要求に関してあらゆる可能な支援を提供するために国際的な労働組合組織の助力を求めるものである。

イラク労働者総連合(元IFTU)
バスラ石油従業員一般労組(現在、イラク石油労組連盟〔IFOU〕の創立準備中)
イラク労働者評議会・労組連合
クルディスタン労働組合総連合
クルディスタン労働者・手工業者組合連合


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