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静岡空港を作るな                    かけはし2006.12.4号

やめろ! 強制収用

大井さんの土地・共有地を奪うな
「公正中立」とは名ばかり収用委員会に相次ぐ批判


 【静岡】十一月十六日、静岡県収用委員会は、静岡空港本体部の西側制限表面部にある反対派の大井寿生さんの土地や共有地を強奪するために第二回審理を行った。
 県収用委員会は、去る十月二十日に本体部の畑部分、十一月八日に山林部分の収用裁決を下した。この裁決にあたってはたった一回の「検討」で結論を出したことが十一月十日の抗議行動の中で明らかになったが(本紙11月20日号既報)「公正・中立」な「第三者機関」は名ばかりで、起業者である静岡県の「二〇〇九年開港」への意向を忠実に体現する機関にすぎないことが明確に示されることとなった。
 第二回公開審理では、冒頭、代理人の塩沢弁護士による審理進行についての陳述が行われ、引き継いだ県民の会の桜井事務局長は、この間の本体部審理とその後の収用・明け渡し裁決に至る収用委員会の運営・審理指揮を厳しく断罪した。そもそも、今回の公開審理にあたり、権利者は、「公正中立」な審理を望み、そのための「事前協議」を申し入れてきたが、収用委員会増田会長は、本体部第1回審理での権利者側との約束を反故にし、過密スケジュールでの開催を強行、起業者静岡県の開港スケジュールに合わせた運営を行い、また権利者が起業者(県)に求めた釈明要求に対し、これをことごとく退ける判断を下してきたのだ。
 損失補償以外の陳述では、本来地権者の大井寿生さんは、空港設置計画時からの設置によって想定されるリスク(大気汚染・騒音・落下物などの住環境破壊、優良農地喪失等々)を無視した、根拠のないバラ色空港構想と地上げ屋まがいの同意強要、空港推進のために地域や家族・友人関係をも平然と破壊するような手口の数々を具体的に明らかにした。
 県民の会共同代表である島野房巳さんは、西側制限表面が収用対象となっている件について、主要対象地の範囲設定について陳述した中村さんは、十月二十日の本体部畑部分採決に関連して、裁決書が本人宛に届いてもいない、代理人にも個人情報保護を盾に裁決書が明示されないのに当日の地元紙の夕刊記事(記事の締め切りは12時頃か?)には手元に裁決書があるかのような「裁決書にはこのようにある」と記述されている不可解について問いただした。
 三度の旅客需要数の下方修正を余儀なくされてもなお過大な旅客需要を「費用便益分析」の手法で誤りを指摘した島田市議の津田さん等が陳述を行った。次回審理は12月15日。 (M)


反動法案の駆け込み成立阻止
正念場でみんなの力を出し切ろう
とめよう改憲!おおさかネットワークを結成


 【大阪】十一月十八日、憲法9条の会・関西、護憲・大阪の会、憲法を生かす会・大阪、関西共同行動が呼びかけ、四十団体(11月16日現在)が結集したとめよう改憲!おおさかネットワークの結成集会がおおさか住まい情報センターで開かれ、百二十人が参加した。
 結成総会でははじめに、松岡さん(活かそう憲法!北摂市民ネットワーク)が経過報告をした。
 二〇〇五年五月三日に憲法集会を開いた実行委員会を解消せず、改憲反対運動のうねりを巻き起こしていくために、ゆるやかなネットワークをつくることになった。各参加団体の代表からなる全体会議で基本方針を決めていくこと、代表者の下に運営会議を置き活動を推進していくこと、意見の違いを暴力で解決する団体は参加できないこと、などの申し合わせ事項を確認し、呼びかけ四団体の代表四人(憲法9条の会・関西:澤野義一さん、護憲・大阪の会:井上二郎さん、憲法を生かす会・大阪:村上高行さん、関西共同行動:中北龍太郎さん)を共同代表とすること、などが承認された。
 活動予定としては、@節々で集会・講演会・学習会をもつことA改憲反対の世論づくりとして「意見広告」にとりくむこと、すでに行われている9の日行動に連携した街頭宣伝を行うことB憲法改悪、改憲手続き法の廃案をめざして大衆行動を展開すること、などが確認された。
 ネットワークを代表して澤野さんが、「安倍政権は白黒をはっきりさせないソフトなファシズムだ。ごまかして統合していくという手法だ。投票法案は単なる手続き法ではない。通れば憲法審査会がつくられる。このような状況の中では反改憲ネットの活動が大切だ」とあいさつをした。
 続いて記念講演に移った。はじめに井上さんが、自民党の新憲法草案9条、20条などを批判した後、「ネットワークは、鉄の団結と上からの指令によって活動するのではない。それぞれの団体のいまの活動が強化されながら、違いは各団体の話し合いによってのりこえていこう」とあいさつをした。記念講演では、渡辺治さん(一橋大学教授)が「安倍政権は、なぜ改憲を急ぐのか」と題した講演を行った(別掲)。
 最後に、十一月二十二日の「悪法三法を廃案へ!緊急行動」への参加要請アピールがあり、中北さんが「安倍政権は身と心の両方から戦争をする国づくりをめざしている。ネットワークをしっかりつくり、知恵を出して正念場で力を出そう」とまとめた。(T・T)


渡辺治さんの講演から
内外から改憲を迫られる安倍政権との闘いへ

所信表明で改憲を
訴えた初の首相

 戦後の総理大臣二十人の中で、所信表明で自分の政権下での改憲を表明したのは安倍が最初だ。このことはタカ派論では説明できない。安倍が表明した要因は、もう言っても大丈夫だとタカをくくったこと、もう一つは内外の圧力だ。
 安倍政権は、民主党にも賛成してもらえる改憲案づくりと国民投票法案を改憲の車の両輪としている。明治以来国民投票は誰もやったことがなく、やる場合は絶対勝たねばならないものだからだ。
 二〇〇四年に自民党が「憲法改正草案大綱」をつくった過程をみると非常に興味深い。9条の論議はやっていない。やっているのは1条や20条、26条などだった。9条を変えるのは当たり前だったからだ。ところが自民党新憲法草案では、新保守主義的な規定はすっかり取り去られ、9条と96条に絞られている。国民投票法案でも、はじめに出された内容は、民主党に妥協してどんどん修正され、残っているのは国民投票運動に対する規制だけで、あらたに組織的多数人による買収・利害誘導罪が新設され、「政党による放送・新聞への意見広告のスペースは政党の議席に比例」が新たに入れられている。これでいくと、全体を一時間とすれば、ほとんどを自民・民主・公明が占め、共産党が一分、社民党は五十秒ということになる。

アメリカと財界
から強まる圧力

 安倍政権はなぜ改憲を急ぐのか。背景には冷戦の終焉とそれがもとになって生じた経済のグローバリゼーションの拡大がある。一気に世界市場が広がった。
 現在、中国に進出している日本企業は三万社もある。世界の市場秩序を維持することを戦略とするアメリカは軍事大国化をおしすすめ、日本のただ乗り論を批判し汗(血)を流せと圧力をかけている。日本企業も海外展開が拡大するについて、企業の安全のために軍事大国化を求めている。
 日本経団連は二〇〇五年、「我が国の基本問題を考える」の中で、初めて9条の改憲を掲げた。イラクに自衛隊を派兵したが、その安全を英軍が守るというのでは、アメリカからみれば「自衛隊はボーイスカウトか」(ラムズフェルド発言)ということになる。そこで安倍政権は、集団的自衛権を求めるアメリカの圧力に対して、時間のかかる明文改憲をめざす一方で、集団的自衛権解釈の部分的容認によって米軍に後方支援と応戦ができるようにするという二本立て戦略をとっている。

タカ派政権が
かかえる矛盾

 しかし、初めてのタカ派内閣である安倍政権は矛盾を抱えている。それは安倍政権の支持基盤である日本会議などの右翼集団や新保守主義のブレーンの望む政策がとれるような状況にないからだ。
 構造改革で痛めつけられた地方の期待に応えようとすれば、構造改革はやめるのかと言われる。タカ派は新憲法草案や教育基本法案の内容には大いに不満だ。タカ派の考えに応えようとすればますます民主党とは離れていく。
 いかに闘うのか。二〇〇七年七月の参議院選挙までには国会を終わらなければならない。時間がない。そのため、今臨時国会には教育基本法改正案のほか防衛庁昇格法、恒久派兵法、国民投票法などの重要法案が目白押しに出てきている。安倍政権は何を優先課題とするのだろうか。臨時国会から来年の通常国会にかけ、国民投票法案をつぶすことを最大のポイントにおこう。改憲の争点を明確にしょう。憲法改正是か否かではなく、9条改正是か否かだ。
 自衛隊合憲という人もみんな一緒に反対する。争点は、自衛隊の海外での戦争体制づくりに賛成か反対かだ。9条を改正しないとできないこと、それは先制攻撃と集団的自衛権の行使だ。国民の過半数を結集する戦いをしよう。三千五百万人の国民を獲得すること、大変なことだが彼らも経験がない。良心的保守も含めた大きな輪をつくろう。(発言要旨、文責編集部)


おおさかユニオンネットワーク
教育基本法改悪案衆院可決に抗議し自民党府連前行動

 【大阪】衆議院は十一月十六日、政府与党だけの単独で教育基本法改正案を強行採決し、可決した。おおさかユニオンネットワークは、同日夕刻から自由民主党大阪府連前で、七十五人の労働者・市民が参加して抗議集会を開いた。
 大阪教育合同労組の山下委員長は、「次々と教育問題が起き、特別委員会でもほとんど審議されていない上に、国民に理解してもらうために行うタウンミーティングが、ヤラセ質問で大きな批判を浴びているにもかかわらず、強行採決とは言語道断だ。やり方の評価は別として、強行採決をするのなら郵政民営化でやったように衆議院を解散して国民の民意を問うべきだ。法案の中味についてはさまざまな問題があるので、政権党としての考えを問いたい」とのべた。
 その後ユニオンネットワーク代表の加来さん、大阪全労協議長の石田さんと教育合同労組の山下さんの三人の代表が、ビルの十二階にある自民党府連に申し入れ書を持っていった。事前に約束が取れていたにもかかわらず、わずかの時間の遅れを理由に自民党府連の職員は不誠実な対応をした。
 事務所の中に入れず、入口のドアの前で申し入れ書の内容の説明もさせず、読み上げる時間も与えず、文書だけを受け取ろうとしたので、三人の代表は不誠実さをただそうとした。対応した職員は事務所の中に入ってしまったので、それに続いて入口から少し中に入って対応に抗議をしたら、警察を呼ぶ始末であった。結局、文書は受け取り上司に伝えるという返事で、申し入れ行動は終わった。
 全港湾、関西生コン労組、阪学労、郵政ユニオン、管理職ユニオン、関単労などからアピールが続いた。最後に教育合同労組の増田さんがアピールし、現行法の10条の「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に直接責任を負う」という部分の教育が「教育行政」に変えられ、「国民全体に」が削られ、「法律に基づいて」と変えられようとしていることを指摘した。「そのように変われば、国家権力が教育を自由にあやつることができるようになる。今がターニングポイントにならないように、どこまでも闘おう」と呼びかけた。最後に石田さんがまとめをし緊急行動を終えた。     (T・T)


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