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「申請却下を実現する会」が訴え            かけはし2006.10.30号

土地収用裁決に抗議する

審理は尽くされていないすみやかな再開を求める

「土地収用裁決申請却下を実現する会」代表 松谷清 桜井健男 中村英一
権利者代理人  阿部浩基 塩沢忠和 中野直樹 藤澤智実
静岡市葵区鷹匠2―12―10 「市民ひろば」内

1、 抗議
 土地収用委員会が、平成17年度第4号、8号、15号、16号の4事件について、収用の裁決を行なったことについて、怒りをもって抗議するものである。今回の審理において、極めて不適切な審理運営が行なわれたことと、審理が十分に尽くされていないことは明らかであり、その理由は以下のようなものである。

2、審理の公開の必要性について

土地収用法第62条は「収用委員会の審理は、公開しなければならない。」と定めている。そして、「その趣旨は、審理を衆人環視の下に置くことにより、不公正な審理が行われないようにすることにある」と解説されている(「逐条解説 土地収用法 上巻P767」)。これは、収用制度が権利者の意思を無視して強制的に私有財産を公共の利益のために用いる制度であるため、収用委員会の審理は厳正公正な運営が求められること。また、収用による利益を享受する国民全体が、厳正公正な審理が行われているか否かを厳しく監視する義務があること、この2点から定められているものである。
 従って、収用委員会の審理は広く一般公衆に公開されるべきものであり、収用法第62条でも、「収用委員会は、審理の公正が害される虞があるときその他公益上認めるときは、公開しないことができる」と審理を非公開にする条件を、極めて限定的に定めているのである。よって、権利者の意見の申し立てはあくまでも公開審理の場でなされるべきものであり、意見書の提出によって代行されるべきものでないことは明らかなのである。
 こうした点からすると、第3回審理において増田会長が、「御意見のある方は結審まで意見書の提出はできますので、提出をしてください。」として、権利者側からの意見書5に記載した却下事由に関する意見陳述を打ち切ったことは、極めて不適切な審理運営であると言わざるを得ない。

3、損失補償に係わる審理の不尽について

 第5回収用委員会審理の場において、その冒頭に増田会長は、「本日の審理は、(略)収用対象地である茶畑及びミカン畑に係る損失補償に関することについて行います。損失補償に関することの主な項目は、土地の区域に関すること、それから補償対象物件に関すること、補償額に関すること、また、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関することなどです。」と審理対象を設定した。
 しかし実際には、権利者村田利広の意見陳述に対して「起業者側でのこの土地について具体的な算定をしています補償額の、それについてのご意見はありませんか。」「今日は補償についての権利者の額をお聞きするんです」と補償額に関することのみに限定した質問を行なった。さらに、権利者檜林耕作の意見陳述に対しては「具体的には何かご意見はありますか、金額について」、権利者松本吉彦の意見陳述に対しても「松本さんにつきましても、前回の審理のときに補償についての具体的な金額というか、ご意見があったらお願いしたいと申し上げたんですが、特にございませんか」と質問を行なったのである。
 つまり増田会長は、自ら設定した「土地の区域に関すること、補償対象物件に関すること、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関すること」については一切質問を行なわずに、補償額に関することのみに限定した質問を繰り返したのである。そしてその上で、午後3時過ぎに休憩を入れた後、審理を再開した際に突然、「概ね必要な御意見はお伺いできたと思います」として審理の結審を宣言したのである。
 権利者側は、増田会長が審理対象として設定した「土地の区域に関すること、補償対象物件に関すること、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関すること」という4項目に関する意見陳述も行う予定だったものであり、意見陳述の機会を一方的に奪われたことにはおおいに異議がある。仮に、「補償額についての権利者の意見は聞いたので十分である」と収用委員会が主張するのであるならば、なぜゆえに補償額以外の4項目を審理対象として明言して審理に臨んでいたのか、はなはだ理解に苦しむところである。
 従って、収用委員会自らが審理対象であると設定し、説明していた項目について、意見陳述を一切行わせぬままに審理を一方的に終結させたことは、不適切な審理運営であると言わざるを得ない。

4、審理再開の必要について

 以上の点から、第4号、8号、15号、16号という、いわゆる畑に係わる審理においては、審理が十分に尽くされていないというのが事実である。審理の不尽については、「審理が何度行われなければならないかについては、法令上何らの定めもないが、双方の主張が十分尽くされるまで、行われなければならないことはいうまでもな」く、特に「損失の補償に関する事項については、当事者主義が採用されていることからも、審理が十分尽くされなければならない」と解説されている(「逐条解説 土地収用法 上巻P769」)。
 然るに、収用委員会としては速やかに審理を再開すべきであり、このことは、「本法には民訴法153条(弁論の再開)に相当する規定はないが、いったん審理を終結した後において、重要な意見の申し立てがある場合には、必要に応じて審理を再開して差し支えないし、また、再開することが望ましい」と解説もされている(「逐条解説 土地収用法 上巻P774」)。今回の事例が「再開することが望ましい」ことは言うまでもない。従って、権利者側が意見陳述を予定していた、複数の裁決申請却下事由と、特に収用委員会自らが設定していた損失補償に係わる4項目についての権利者からの意見を聴取するために、収用委員会が審理を再開することを求めるものである。
 以上、適切な審理を経ずして下された今回の裁決は、審理過程の手続きにおいて瑕疵がある違法な行為となる可能性が極めて大きいものである。なお、この件に関しては本日付で意見書15として収用委員会に提出済みである。

 2006年10月20日


NTT反リストラ裁判報告集会
公共サービス破壊に抗する全労働者の闘いをつくろう


 十月十七日、東京の文京シビックセンターで「提訴3周年!10・17NTT反リストラ裁判闘争報告集会」が会場一杯の六十人が参加して開催された。
 集会は裁判闘争の原告団長である電通労組首都圏支部の横澤さんの司会で始められた。冒頭、大内電通労組本部委員長が「NTTの合理化は小泉政権が進める新自由主義の先取り実施であり、JR西日本の福知山線での大事故と同じ安全を無視し効率化だけを追求したものである。私たちの闘いはNTTに対する反撃であるばかりではなく、全国の闘う仲間とNTT内部の闘いを結ぶ橋頭堡をめざすものである。すでに先日、札幌地裁ではNTTの合理化は違法であるという闘う側勝訴の判決が出ている。私たちもこれに続いていきたい」とあいさつをした。
 次に日野電通労組本部書記長が基調報告を行った。「裁判闘争の四つの目的のうち第一はNTT構造改革・十一万リストラの違法性・不当性を暴き出す。第二にNTTリストラ攻撃が持つ雇用破壊の意図を全労働者的に明らかにする。第三は、新自由主義政策がもたらす公共サービスの破壊との闘いであることを鮮明にする。第四は、労働者のための労働組合・労働運動を再構築していく闘いとして展開すること」と述べ、「多国籍資本の横暴と対決するために、国境を超えて闘う労働者の団結と結合を創り出そう!」と締めくくった。
 その後、電通労組の日頃の幅広い活動を物語るように多くの仲間から連帯のあいさつが続いた。藤崎全労協議長、光輪モータースの闘いを展開している全統一労組の田宮委員長、鉄建公団訴訟原告団、郵政ユニオン、ATTACジャパン、NTT関連合同労組、神奈川県共闘そして最後に韓国山本労組が発言した。
 裁判闘争経過報告は原告団で宮城からNTTの金町にある光PTに不当配転された成田徹さんが、三年間にわたる裁判闘争の争点および裁判で明らかになった問題点を淡々と報告し、最後に「私たちは2・14結審、判決という最終局面の闘いを断固として闘いぬきます」と決意を語った。
 集会の最後に成田さんと同様に宮城から金町に不当配転された古宮正道さんが原告団としての決意表明を行った。「NTT合理化が発表される前に、NTTの社長が『週刊文春』の誌上で『五十歳以上の従業員は首を切る。国がやらなければNTTがやる』と言っているのを見て、絶対に許せない。闘わなければ勝利はないと本当に思った。しかし『満了型を拒否した』ものの、五十歳を超えて初めて家族と別れ単身で東京に行くことは本当に不安であった。口では『新しい所に行っても闘う』とは言ってみたが、不安はなくならなかった。みんなも同じだったと思う。それ以上に『許せない』という気持ちが勝っていたからこれまで闘い続けられてきたと思う。勝利するまで闘う」と熱い思いを語った。
 札幌に続き東京でも勝利を勝ち取ることを確認し、団結がんばろうを三唱して集会を終えた。  (D)


共同アピールが集会を開催
私たちは言論封じのあらゆるテロを許さない

 十月十日、東京の全水道会館で全労協と東京全労協の主催で「日本型エグゼンプション反対!こんな労働契約法はいらない!解雇規制・非正規労働者のための労働法制を!10・10労働法制改悪反対!学習決起集会」が開催され、百五十人が参加した。冒頭主催者を代表して藤崎全労協議長が「厚労省はなくとしても労働基準法の改悪となる労働契約法を来年三月には上程しようと必死になっている。全労協は他の労働組合とも協力して全国で闘う決意を固めている」とあいさつをした。
 次に日本労働弁護団幹事長である鴨田哲郎弁護士が「労働法制の動向と運動の課題」というテーマで講演した(別掲)。
 その後講演に対する質疑にうつった。会場から「鴨田弁護士に先程、厚労省は解雇者の金銭解決制度などの三点をあきらめたといったがそれは間違いではないか」という意見が出され、「一時見送るだけで、今回二つの点を入れた法案を成立させるなら、それを突破口にして次に必ず持ち出してくる。来年再び派遣法の改悪を目論んでいることがその証拠といえる」と答えた。
 その後、全国一般全国協東京東部労組から労働相談での実態を数字を上げて報告した。そこで見えてくるのは、使用者側はいま出されている「労働契約法案」の中味を先取り的に実施し始めている実態である。いま求められているのは「実態の法制化」なのである。
 次に韓国山本労組の仲間が座り込み闘争の報告と支援の要請を行い、最後に全労協・中岡事務局長が十二月五日の「労働法制改悪反対!日本型エグゼンプション反対!」日比谷大集会までの行動方針の提起を行った。労働法制改悪をめぐる闘いは最大の攻防に突入している。全国で行動を起こそう。      (D)

全労協が学習決起集会
解雇規制・非正規労働者のための労働法制を


 労働法制は労政審の建議がないと法律はできない。厚労省は労政審で労使それぞれの委員の反対にあい、素案を一度は引っ込めたが、九月に中味を抽象化した「検討項目」を再提案してきた。その上、月に三回もの労政審を開き、なんとか来年三月に法案を上程しようとしている。
 厚労省の再提案してきた「検討項目」は抽象的にはなっているが、当初素案に入れられていた「解雇者の金銭解決制度」「有期雇用」「労使委員会」は引っ込められ、「日本型エグゼンプション」と「就業規則」を入れた法案をなんとしても成立させようという強い意志があることは明白である。
 だが闘う側が「日本版エグゼンプション」に反対するというレベルではだめだ。労働基準法の根源である一日八時間、週四十時間労働を守らせるという強い意志が必要である。これは労働運動の根幹であり、メーデーの歴史そのものでもある。さらにILOの第一号条約でもある。これを防衛し、EUの労働者のように一日七時間、週三十五時間をめざす闘いが求められている。(発言要旨、文責編集部)


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