かけはし重要記事

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二〇〇二年国際シンポジウム              かけはし2002.6.3号より

「女性国際戦犯法廷」判決の実現を

日本政府に判決に従わせ勧告を実行させるために

 五月十二日、東京・明治学院大学で「『女性国際戦犯法廷』判決を実現させよう!二〇〇二年国際シンポジウム」が開かれた。主催はVAWW―NETジャパン。「女性国際戦犯法廷」実行委員会の共催で、明治学院大学国際平和研究所の後援を得て開催された。会場は二百人以上の参加者でいっぱいになった。

画期的判決を実現のものとするため

 二〇〇〇年十二月に東京で開催された「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」は、八カ国から六十四人の性奴隷制(慰安婦制度)被害者が参加し、十カ国の法律専門家からなる検事団が各国の起訴状を読み、被害者、元兵士、専門家の証言を受けて、旧ユーゴ国際戦犯法廷のマクドナルド前所長ら国際法専門家である四人の裁判官が「日本国家に責任あり。天皇裕仁有罪」の判決を下した(詳細は本紙01年1月1日号既報)。
 翌年十二月のハーグ最終判決では、東条英機、松井石根、山下奉文ら九人の軍部・政府指導者個人の刑事責任も有罪となった。判決は、東京裁判で裁かれなかった戦時性暴力を裁くとともに、戦時性暴力に対する不処罰の文化を変えることを目的とすることをはっきりと打ち出している(02年1月1日号既報)。
 判決では日本政府に対して、被害女性への謝罪や賠償に加えて、調査のための機構設立と資料の記録・保存・公開、教科書への記述と教育の実施、責任者の処罰などを勧告し、さらに旧連合国、国連と加盟国政府には日本政府が必要な処置を講ずるよう保障することや国際裁判所の助言を求めることなどの勧告を行った。
 今回のシンポジウムは、あらためて最終判決の意義を確認するとともに、各国の運動が協力しながらこれらの勧告を実現するための具体的行動を呼びかけるものとして開かれた。翌日には、各国代表が日本政府に判決文を手渡して勧告の実施を求めるとともに、記者会見を行った。

各国からの現状報告と運動の方向性

 シンポジウムでは、最初に「ハーグ最終判決」のビデオが上映され、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW―NETジャパン)代表の松井やよりさんが基調報告を行なって、「女性国際戦犯法廷」と判決の画期的意義を再確認するとともに、政府に勧告を実施させるための国際的行動を強めようと訴えた。続いて第一部として、中国、韓国、台湾、インドネシア、タイ、日本から運動の現状報告が行われた。
 第二部は、法廷メンバーから四つのスピーチ。首席検事を務めた旧ユーゴ・ルワンダ国際戦犯法廷ジェンダー犯罪法律顧問のハトリシア・ビサー・セラーズさんは、「『女性国際戦犯法廷』は戦時性暴力の不処罰を断ち切ることにどう貢献したか」と題して報告。法律顧問助手を務めたミラ・サンさんは、「東京裁判の継続としての女性法廷の意義」と題して報告した。
 法律顧問を務めたニューヨーク市立大学教授でジェンダー正義のための女性会議のロンダ・カプロンさんは、「女性法廷と国際刑事裁判所におけるジェンダー正義」と題して報告。最後に、国際諮問委員会委員を務めた人権と民主的発展のための国際センター・カナダのアリアン・ブルネさんは、「女性運動と人権NGOは女性法廷の意義をどう生かすか」と題して報告した。
 続けて、韓国挺身隊問題対策協議会元共同代表の 尹貞玉さんが、国際会議について報告、さらに各国の運動から、今後の運動の進め方について具体的提案が行われた。
 判決を生かすためには、運動のより一層の発展が必要だ。たとえば、二十年以上にわたるインドネシア軍の残虐な植民地支配と闘って独立した東ティモールのグスマン大統領ら新政府閣僚は、日本からの復興援助を期待し、「独立後に日本の戦争責任を問うつもりはない」と述べており、被害女性たちの「正義の回復」を求める声に応えようとしていない。
 シンポジウムの最後に、アピールが全体で確認され、判決を生かして勧告を実施させ、被害女性たちと連帯してジェンダー正義の実現するまで運動をさらに国際的に広げることを全体で誓いあった。  (I)


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