かけはし重要記事

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戦争国家体制への強行突破許すな!           かけはし2002.6.3号より

5・24大集会に4万人余

小泉政権を追いつめる闘いのうねりを

 五月二十四日、東京の明治公園で陸海空港湾労組二十団体と、平和をつくり出す宗教者ネット、平和を実現するキリスト者ネットが呼びかけた実行委員会が主催する「STOP!有事法制 5・24大集会」が開催された。有事法制3法案の衆院通過が五月中にも政府・与党によって画策される中で、全国各地で戦時動員法としての有事法への批判が日増しに拡大している。この日の集会は、こうした各地の闘いを結集する大きなステップとなった。
 集会開始前に突然の豪雨が訪れたため、結集の気勢がそがれることが心配されたが、集会開始時刻が近づくにつれて雨もほとんどやみ、広い明治公園が労働者、市民、学生で埋めつくされていく。午後六時からジャズバンドの演奏、橋本のぶよさんの「イマジン」などの独唱で集会の気運が高まる中で、六時半の開始時刻には四万人を上回る結集で会場は立錐の余地もなくなった。
 海員組合の労働者が鳴らすドラに続いて、日本山妙法寺の木津博充上人が「文明とは人を殺さないこと、おたがいを敬いあうことだ。有事法案を廃案にし、戦争をしない日本を築こう」と開会宣言。パイロットの航空労働者と看護師の医療労働者が司会・進行をつとめ、まず各政党の国会議員からの発言。
 日本共産党の志位和夫委員長は「有事法案は、アメリカが行う介入戦争に自衛隊が参加するためのものだ。ここが踏ん張り時だ。廃案をかちとるまで最後までがんばろう」と訴える。民主党の生方幸夫衆院議員は「残念ながら党を代表する立場ではないが」と前置きしつつ、「戦前の国家総動員法は四十二にのぼる勅令によってはじめて機能するようになった。今回の3法案に続く動員体制の構築を許してはならない。在日米軍には何らものを言うことができないのが実態だ」と批判した。
 「緑の会議」代表で参院議員の中村敦夫さんは「日本はすでにアメリカに次ぐ軍事大国だ。この日本に武力攻撃を加える国家はアメリカ以外に存在しない。石油文明を基盤にした無限の軍拡の流れを止めよう」と語る。社会民主党党首の土井たか子さんは「憲法破壊法案を許すな」と熱弁をふるう。
 前日、平和フォーラムや「テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動」などの市民団体が呼びかけて日比谷野外音楽堂で「有事法制に異議あり!」集会を開催した5・23集会実行委員会、横須賀地区労からメッセージが来ていることが紹介され、女優の吉永小百合さんのメッセージが読み上げられる。
 次に各分野の有事法制反対運動からの発言。日本青年団協議会の東和文さん、小平市議の橋本久雄さん、国民大運動実行委員会から全労連副議長の熊谷金道さん、カトリック正義と平和協議会の松浦悟郎司教、許すな!憲法改悪・市民連絡会の土井登美江さん、高校生平和ゼミナールの土井ひろみさんが、それぞれの立場からの報告を行った。
 橋本久雄さんは、有事法制に反対する自治体議員アピールの運動を始め、すでに三百人の自治体議員からの賛同が寄せられていることを紹介した。自治体レベルでは三重県議会と六つの市町村議会で有事法制に反対する決議が上がっているが、さらに六月議会に向けて各自治体への有事法制3法案反対の請願を行っていこう、と呼びかけた。土井登美江さんは、五月二十三日の憲法調査会で自民党の議員から「徴兵制も憲法違反ではない」という発言が行われたことを厳しく糾弾した。
 光のウエーブで有事法制反対の意思を表現した後、航空労組連絡会の内田妙子さんが集会宣言を読み上げ、さらに運動を強めていこうと訴えた。四万人以上の人びとが、色とりどりの旗、幕、プラカードなどを掲げ、国会、新宿、代々木公園の三方向に分かれてデモに出発した。
 五月二十四日、二十七日の地方公聴会と二十七、二十八日の中央公聴会が中止されるなど、有事法制3法案の戦争法案としての本質とその矛盾が露呈するにおよんで、国会会期内の成立をもくろんでいた小泉内閣の意図は破綻しつつある。しかし、小泉内閣と与党は、会期を延長してまで有事法制3法案を成立させるために強行突破の体制を強めている。
 五月二十四日の闘いを拡大し、有事法制三法案の廃案をかちとるために、全国で反対運動をさらに強化しよう。      (K)

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