かけはし重要記事

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「私たちはパレスチナ民衆を殺さない!」       かけはし2002.5.27号より

兵役を拒否するイスラエル予備役兵運動の証言を聞く

「拒否宣言」に千人以上が署名

 五月十九日、東京築地本願寺・蓮華殿で、イエシュ・グブウル(占領地での兵役を拒否する予備役兵の団体)による「イスラエル人の証言―私たちはなぜ、シャロンの戦争に反対するのか?」講演会がパレスチナ子どものキャンペーン主催、アーユス=仏教国際協力ネットワークの共催で開催され、会場を埋めつくす二百余人が参加した。
 十八歳以上の成人に兵役の義務があるイスラエルでは、軍隊の実戦に多くの予備役兵が参加している。兵役年齢に達したイスラエル青年千人が戦争行為に参加しないことを宣言し、このうち、四百人は占領地での兵役を拒否し、さらに六百人がこの種の軍務につかないという書状に署名した。この結果、二〇〇〇年の第二次インティファーダ開始以後、五十人が拒否の程度に応じた懲役に処せられている。予備役兵や将校の占領政策への反対意見はイスラエル国内の世論形成に大きな影響を持つもので、昨年秋には、徴兵年齢にかかる十八歳の青年たちの首相への手紙が大反響を呼んだ。
 今回来日した「イエシュ・グブウル」のスポークスマン、イヤル・ハレウベニさん(40歳)は一九八七年の第一次インティファーダの時から、イエシュ・グブウルに参加し兵役を拒否したために、投獄された経験も持っている。イヤルさんは徴兵拒否運動を詳しく報告し、「イスラエルは占領地、入植地から撤退すべきだ。パレスチナ人、イスラエル人は平和に共存することができる」と訴えた(別掲)。
 パレスチナ子どものキャンペーンやピースボートは、パレスチナやイスラエルの平和運動活動家を次々に日本に招請して全国各地で報告会を開き、イスラエル軍の占領地からの撤退を求め、パレスチナへの攻撃をやめさせるキャンペーンを行っている。ぜひ、参加を!        (滝)
パレスチナ子どものキャンペーン 東京都豊島区目白 3-4-5 アビタメジロ 304号 TEL 03-3953-1393 http://plaza17.mbn.or.jp/-CCP
ピースボート 東京都新宿区高田馬場3-14-3 2階 TEL:03-3363-7561 http://peaceboat.org/



イヤル・ハレウベニさんの講演

「私たちは政府の戦争犯罪には加担しない」


 イスラエルは三十五年間、三百五十万のパレスチナ人を支配してきた。たいへん非人道的で冷酷なものだ。パレスチナ人が通勤するには何カ所もの検問所を通っていかなければならないし、何時間もかかってしまう。その検問所で、イスラエル軍によって屈辱的・侮辱的な扱いを受ける。例えば、出産をひかえた女性が病院に行く時でも、同じ扱いを受け流産した例も多い。耕されたパレスチナ人の土地を没収し入植地としている。その広さは西岸やガサの半分の土地になっている。入植地は点々とあり、安全を確保するためとして入植地を結ぶ道路をパレスチナの土地を奪って建設している。
 水の問題もある。入植地ではスイミングプールがあるのに、隣のパレスチナ人ところに水の設備がない。何千軒もの家屋が破壊されている。難民キャンプには食糧・医薬品の搬入をストップした。二〇〇〇年秋以降のインティファーダで犠牲になった四分の一は子どもたちだ。
 私たちはこうした占領に加担することを拒否している。「良心的人間は子どもを殺したくない。食糧・医薬品の搬入を阻止しないで」というパンフレットを配り訴えている。
 日本では想像できないかもしれないが、イスラエルにおける軍隊の重みはたいへんなものだ。男性で十八〜二十一歳の三年間、女性で十八〜二十歳の二年間の兵役義務がある。三年間以上軍隊に残る若者も多い。

イスラエルは国防省の中にある

 軍隊の中で知り合った人同士が生涯の友だちになったり、日常会話で軍隊用語が使われたりする。政治家はほとんどが上級将校経験者だ。シャロンは五〇年代に特殊部隊を作りキビア村の虐殺事件を起こしている。バラク前首相はモサドの長官、ペレスは国防省の次官、ラビン元首相も総参謀長をしていた。国防部の中にイスラエルがあるようだ。二〇〇〇年秋以降、日常的に戦争犯罪を犯している。
 「イエシュ・グブウル」は「領土的限界がある」という意味だ。この運動は一九八二年のレバノン戦争から始まった。レバノン戦争は国を守る戦争ではなかったからだ。メンバーの多くは絶対的平和主義者ではない。兵役のすべてを拒否しているわけではない。

七百人以上が拘留されている

 毎年四十五日間、四十五歳まで予備役としての兵役義務がある。八二年に、百六十八人が兵役拒否し監獄に収監された。そして、それを支持する運動が起こった。八七年のインティファーダから九三年にかけて、二百人が拒否し収監された。二〇〇〇年秋からすでに百二十人が収監された。拒否の宣言文に署名した兵士は一千人を超えている。「勇気をもって拒否しよう」という別の団体にもたくさんの人が参加している。
 三月の占領に対して、同時期に四十四人が収監された。これはたいへんな数だ。この数は増えている。二十年前に父親が拒否し、その息子が今回拒否するというように、第二世代が拒否を始めている。拒否者はパイロット、医者、将軍などの上流階級の子どもたちもいる。各地の大学の教授や研究者にも拒否者が増えている。
 私は八八年、占領地でのパレスチナ人の刑務所への配属命令を拒否した。イスラエル国内には行政拘留という処置がある。これは、何が罪状なのかわからないままに、裁判にかけることもなく、五年間にわたって拘留するものだ。情報提供を拒否しただけで、拘留されている人もいた。その当時、拘留されている人は百人くらい、現在では七百人以上いる。
 兵役拒否で投獄された人に対して、@投獄経験のある人の話を聞いてもらうA上官との受け答えを教えるなどを二十四時間のホットラインで対応している。予備役は招集に二カ月間あるので時間がある。拒否者の五分の一くらいは投獄されていない。五百人くらいの相談があった。第一次インティファーダの時に、パンフレットを一万部作ったが、いまは第二版を作っている。拒否者への罰は二十八日間の投獄とその期間の年金がもらえないことだ。こうした経済的不利益に対して、七百ドルを支給する援助を行っている。拒否者は獄中でひどい扱いを受けていない。刑務所の中で、受刑者が講演会をすることもできる。

刑務所の前で週1回の激励デモ

 われわれは週に一回刑務所の外でデモをして激励行動をしている。新聞に「占領地での暗殺や生活破壊は戦争犯罪だ」と広告を出している。イスラエルにはたくさんの平和運動がある。毎日、首相官邸前で座りこみがあり、毎週土曜日(休日)に大きなデモがある。政治的影響はある。共存という意味の「ターコーシュ」という団体はイスラエルに住むユダヤ人とパレスチナ人が半々で構成されている。最近、「ピースナウ」は占領地からの撤退を要求して六万人の集会を開いた。パレスチナ人、イスラエル人が平和に共存することができる。そのためには、イスラエルは占領地と入植地から撤退しなければならない。(講演要旨、文責編集部)


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