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                          かけはし2002.5.20号より

「ジェニン難民キャンプで何が起こったのか」

広河隆一さんが現地緊急報告

 五月二日、中央大学駿河台記念館で、広河隆一「ジェニン難民キャンプで何が起こったのか」緊急報告会がパレスチナ子どものキャンペーン主催で開かれ、二百人が参加した。広河さんは一九六七年の第三次中東戦争以前からパレスチナと関わりをもってきたフォトジャーナリストだ。広河さんは自分の撮影した写真を説明しながら報告した。(M)


 イスラエルは国連調査団を認めなかった。難民キャンプの報道がなくなってきている。殺されたパレスチナ人が五百人より少なかったら虐殺はなかったというのか。イスラエルは虐殺が起こったこと自体を隠ぺいしようとしている。そして、日本のマスコミもそうしたことをキチンと批判するのではなく追随するような報道が目立つ。
 私は自爆テロと言う言葉を使いたくない。報復の連鎖とか言われるが、この言い方はなぜ起こっているかという歴史的なものがぬけてしまう。イスラエル軍がファタハの幹部を暗殺したが、イスラエル人はそれをテロと考えていない。いま、反省・批判の目が断ち切られてしまっている。だから、シャロンの軍事侵攻を支持する人が八〇%にもなっている。シャロンはイスラエル人とユダヤ民族を一体化させることによって、世界のユダヤ民族の支持をとりつけようとしている。しかし、世界では逆に反ユダヤ主義の傾向が増えている。イスラエル人とユダヤ民族を同じにし、民族間・宗教戦争のように描いてはならない。
 今回のイスラエルの軍事作戦の目的は何かということを、あるイスラエルの将校は「パレスチナの軍事抵抗が激しくなく、徹底的にせん滅できなかった」と言っている。イスラエルはイスラエル人が一人殺されたら、パレスチナ人を十人殺しても少ないという感じを持っている。今年の始めに、この比率が二対三くらいになり、シャロンの支持率も下がった。イスラエルという国がつぶれてしまうと思うようになった。彼らにはパレスチナの占領が抵抗を生み出しているという思考回路がない。
 前政権の労働党政権時代に入植地に住宅がものすごく作られた。これが一番の問題だ。シャロンは真っ直ぐ進むことしかできない。シャロンが徹底的にやるほど支持が増える。シャロンは今後、緩衝地帯を作り、立入り禁止にする。大きな壁を作り地雷を埋めようとする。まるでゲットーだ。
 いつか、反省の時がくるだろう。自浄の力が起こってくるだろう。パレスチナ側もやり返す。自爆テロに頼ろうとしている。今後これは十年、二十年重くのしかかってくるだろう。やめろとは言えない。あういうやり方しかないのかと思う。小さい子どもたちが銃のおもちゃを持っている。そんなことはやっちゃいけないと言えない。良い方向での和解が見えない。
 しかし、イスラエル人の中でもこうしたことを否定する人もいる。
 情報省の長官であったアミ・アヤロンは「パレスチナとの対立によって安全は保障されない。占領地から撤退することから始めることである」と言っている。四月十五日、ヘブロンの隣村が再占領された。その時、イスラエル軍のヘリのパイロットが住民への攻撃命令を「一般市民がいるから」と拒否した。もう一度命令を下したら、「テロリストがいないのに、なぜ撃たなければならないのか」と再度拒否したら、別のヘリが攻撃した。
 ユダヤ人のウリ・ヤブレリという人は「あれだけやられても、よくがんばっているパレスチナ人の姿を見て希望をみた」と言い、「共存、平和」を訴えている。
(発言要旨、文責編集部)

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