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鉄建公団訴訟・難波判決の矛盾を問う          かけはし2005.12.12号

国家的不当労働行為を許すな

控訴審勝利へシンポジウム

不当労働行為を認めた以上、解雇撤回は当然だ!

鉄道運輸機構訴訟
弁護団からも報告

 十一月二十六日、エデュカス東京で、「鉄建公団訴訟・難波判決の矛盾を問うシンポジウム」が鉄建公団訴訟原告団・国鉄闘争共闘会議の主催で行われた。
 共闘会議の星野副議長が「殴った方(国労中央)が誤るのが常識だ。十一月十六日の宮里弁護士による呼びかけのシンポジウムは評論家的なものだった。今後は、@不当労働行為は許さないA大衆闘争で闘うB新自由主義の流れとの闘いC一〇四七人が闘いの主役だ。9・15判決をテコ・武器として、控訴審と後続する裁判を密着させて闘いを切り開いていく。未参加の闘争団に裁判に参加するように促したい」と主催者あいさつを行った。
 第一部、 鉄道運輸機構への包囲網を広げよう。鉄道運輸機構訴訟裁判の報告が行われた。
 萱野一樹主任弁護士は「昨年の十一月三十日に提訴し、七回の口頭弁論を行った。原告は二十三人だが、追加の原告を求めていて三十人ぐらいになりそうだ。今後もぜひ、追加参加してほしい。訴訟の中味は第一次と同じだ。難波判決批判の書面を出した。裁判長も難波判決を意識している。地裁段階で難波判決の限界を打ち破る判決を勝ち取りたい」と報告した。
 川端一男原告代表は「時効の問題がある。原告を増やして地裁で勝利し、控訴審と一体となり、政治を動かして解決に向かいたい」と決意を述べた。

会社方針に反対す
る人は排除の風潮

 第二部、 難波判決の矛盾を問うシンポジウムが行われた。
 最初に、北海道大学大学院法学研究科教授・法学博士の道幸哲也さんが報告をした。
 「不当労働行為事件に対する救済は、労働委員会による行政救済と裁判所による司法救済がある。労組法は、本来前者を構想しているが、判例法上後者も認められている。JR採用差別事件についても、最高裁で取消判決が確定したが労働委員会命令の立場が適切であったと思われる。司法救済レベルも労働委員会が提起した視点を尊重すべきだ」と道幸さんは提起した。
 さらに、「不法行為による損害賠償では、個人の損害と組合独自の損害があるとして、今回の裁判で国労という組合が当事者になっていないことに違和感がある。国鉄分割・民営化以後、会社の方針に反対する人は排除していいという風潮ができてしまった。労働法の役割は労働者の生活をどう守るかにある。国鉄の不当労働行為について、ちゃんと解決できないような国では困る。労働法学がちゃんと議論しなくなった。議論をきちんとやってほしい」と道幸さんは指摘した。

戦後の労働法制
を否定する内容

 鉄建公団訴訟主任弁護人の加藤晋介さんは「9・15判決の矛盾点」を明らかにした。争点は四つあった。@雇用A不当労働行為B消滅するかC賠償の範囲である―この四点について、詳しく説明し批判した。
 この後、加藤さんは次のように提起した。
 「旧国鉄は採用差別をし、名簿にのせて清算事業団に送りこんだ。この人たちは国労にいるかぎり、就職あっせんをされずに、三年後には必ず首が切られるということは折り込みずみのはずだった。民法四一六条の解釈から言っても、因果関係が認められないというのはおかしなはずである。この因果関係を認めるか認めないかというのは、司法がまともな感覚を持っているかどうかの試金石になる。これをもう一歩踏み込んで控訴審で認めさせ得るかどうかだ」。
 「その上で、不当労働行為を前提とする謝罪をさせ、少なくともJRへのあっせん要請をさせる。労働組合がつぶされ、闘争団の人たちの人生が二十年近くつぶされた。それを単におカネを払えば済むというものではない。労働契約法制のなかで、解雇は無効だけど、使用者が申し出れば解決できるのと同じ状態が不当労働行為で作られる可能性がある。そういう意味で、われわれはこの難波判決の持っている矛盾、戦後の労働法制を根底からひっくりかえしかねない要素を凌駕せねばいけない」。

秘密の差別的内
部基準は不当だ

 整理解雇について。清水弁護士、「道幸先生は『解雇は無効と言える』との説明があり、われわれとしても控訴審で闘えると思う。難波判決は解雇の問題については、最高裁判決よりも後退している。最高裁は国鉄職員から事業団の職員に移行した者は不利益な立場におかれることは明らかであり、その責任を負うべきだと言っている。難波判決は期待権の損害と見ている。整理解雇は期限つき解雇と言える」。
 佐藤昭夫弁護士、「国鉄改革法はなんら合理的な理由がなく作られたものであった。目的は国労・全動労・千葉動労をつぶすものであった。難波判決はそれにはまったく触れなかった。道幸先生が触れられたように、三年という法律を作ったのも三年経ったら首を切り、その責任をあいまいにするという不当労働行為の意志によるものだった。もう一つは、各地の地労委で不採用となった者を採用された者として扱えという命令が出ていた。難波判決はJRには採用の義務はなかったと言う。労働委員会の命令は団結権侵害を排除するというものであり、侵害のなかった状態に回復しなければならない。労働委員会の命令は確定以前においても、使用者はこれに従う義務がある。JRには採用の義務がある」。
 五人の原告の請求棄却について。大口弁護士、「国鉄は一九八三年四月から一九九〇年までに二回以上の処分、六カ月以上の停職職分を受けたものを排除するという基準を作っていたが、それを長らく秘密にしていた。これは組合を差別するために作られたものだ。この基準自体が不当労働行為である。地労委ではこの人たちにも救済命令が出されている」。長谷川弁護士などからも個々の処分された人がいかに優秀な職員であったかが報告され、解雇の理由にあたらないと説明があった。さらに、動労千葉の九人の原告は全員停職処分受けていて、この点で重要な論点であることが指摘された。

本部を巻き込ん
だ大きな闘いへ

 まとめとして加藤晋介弁護士は「労働委員会自身も労働組合の強さと使用者側のそれに対する理解がないと機能しない。なんで国鉄労働組合がこの主体に入っていないのかと、道幸先生が指摘された。それがこの闘争の本質を言い表している。和解的中道的な難波判決、中労委のあっせん案的命令という、それ自体が今のわれわれが押し込まれている労働運動の位置を示している。道幸先生がおっしゃった連合も取り上げないし、中曽根が何を言っても、『もうそんなものか』で流されている。これをきちっと解決する場合には、法廷で一生懸命闘うこともそうだが、国鉄労働組合の本部も巻き込んで、さらに、もう一歩大きい労働運動を作って、労働委員会でもちゃんとものを言う。相手もそれに対して敬意を払わざるをえないという。このようにきちんと作り直さないとこの国はまともにならないということだ」と提起した。
 最後に、鉄建公団訴訟原告団長・酒井直昭さんが「私たちと国労本部はこれまでの経緯を含めて、整理をしなければならない課題はたくさんある。それを整理をした上で、国労本部がしっかり裁判を含めて立ち上がる闘う方針であれば、私たちは明日から国労本部といっしょになって闘えると思っている。国労本部との話し合いはがんばって続けていきたい。とりわけ、残っている闘争団が一日も早く立ち上がるべきだということを訴えて、控訴審をしっかりと闘っていきたい。ご支援をよろしくお願いします」とあいさつをしてシンポジウムを終えた。(M)


自衛隊はスグモドレ
派兵を延長するな!WPNが官邸に抗議

 十二月一日午後六時から、首相官邸前で「スグモドレ、自衛隊」連続行動の最終回を行った。最初にWORLD PEACE NOWの栗原さんが音頭をとり、首相官邸に向けて元気よく、「自衛隊帰れ」のシュプレヒコール。
 最初に司会の筑紫さんが「来週の十二月八日に、イラク自衛隊派兵の一年延長を臨時閣議を開き決定すると報道されている。われわれは正午から十三時まで、衆議院第二議員会館前で抗議行動を行う。アメリカ軍などの占領は継続しており、航空自衛隊は軍人や軍需物資の輸送で米軍支援の極めて重要な役割を負っている。自衛隊の派遣は明確に占領への荷担だ。来年二月五日、練馬自衛隊基地への抗議行動、開戦日の3・18に大きな反戦のうねりを作り上げたい」と訴えた。
 続いて、参加者が次々と発言した。日本山妙法寺のお坊さんは「宗教者は人の命を守る。殺し、殺されていけない」と訴えた。
 明大駿台文学会の仲間は「イラクでは米軍による掃討作戦がずっと続けられ、イラク人の死体が片付けられずに山積みされているという。こんな占領に荷担する自衛隊は許せない」と語った。ふぇみん婦人民主クラブの赤石さんは「自民党新憲法草案には、個人の尊重と男女平等の文言が消えた。軍事化と生活破壊が一体で進められている」と小泉構造改革を批判した。
 最後に、再度「スグカエレ、自衛隊」のシュプレヒコールを行い、連続した行動を終えた。   (M)


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