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憲法を守ろう 近畿の集い               かけはし2005.12.5号

9条改憲を止めるための大連合を作り出そう

 【大阪】十一月十八日、「憲法行脚の会・近畿」主催の集いが、エルおおさかホールに満場の聴衆を集めて開かれ、辻元清美さん(社民党衆議院議員)のコーディネートで、土井たか子さん(元社民党党首)と佐高信さん(評論家)の対談があった。主催者を代表して澄田社民党府会議員があいさつした。
 まずコーディネーターの辻元さんが、総選挙後につくられた衆議院憲法調査特別委員会の報告をした。
 この特別委員会の構成は総数五十人、その中で共産党が一人、社民党が一人で、毎週木曜日に朝から夕方まで開かれ、与党議員は欠席したり発言後は退席したりしているとのこと。憲法調査会は、憲法がどのように活かされているか調査するのが目的だが、実際に改憲に向けて動いてきた。いまは、特別委員会は改憲のための手続き法をつくろうとしている。一方、参議院では特別委員会はできていないが、調査会ができている。衆議院は最近、憲法についてのヨーロッパ(オーストリア、スイス、スロバキア、スペイン、フランス)の実情を調査する視察団を派遣し、辻元さんはその一員として参加した。
 報告によると、スイスは憲法も含め年四回ぐらい国民投票で変えているが、その中には、遺伝子組み換えを認めるかどうか、商店を日曜日も開くかどうかなども含まれている。オーストリアはヒトラー時代に国民投票でドイツと統一した苦い経験があり、スペインはフランコ独裁時代の経験があるので、改憲には慎重のうえにも慎重を期している。
 フランスも然りで、国家の有り様の根幹に関わることについては慎重に対処している。スペインでは、三分の二の多数で改憲を決めて議会が解散しても、さらに新しい議会で三分の二以上の賛成がないと改憲できない。民意の支持がないときの改憲は失敗するというのはどこの国でも共通した意見だった。

佐高信さんと土井
たか子さんの発言

 二番手は佐高さん。
 同郷の藤沢周平は織田信長が嫌いだった。小泉のように信長を改革者と見る人が多い中で、藤沢は信長を改革者とは見ないで、ヒトラーやポルポトと並べている。
 殺される側に立ってみるとよくわかることだが、このことは小泉を見るときに重要だ。小泉は平和憲法に背く人だというところから出発することが必要だ。松下政経塾出身者はすーっと殺す側に入っていく人たちだ。なかにし礼さんは満州引き揚げ者だが、軍隊は私たちを守らなかったと言っている。敗戦後の琉球新報も同じことを書いている。
 9条は空論ではなく、非常に現実的な内容だ。北朝鮮が攻めるから……という人がいるが、石油がなければ戦争はできない(石油なしで戦争した国が約一つあった)。政治家は平気で人をだます。小泉は理性が通じない、奥行きがゼロの人物だ。われわれは彼らに対するに少し上品過ぎるのではないだろうか。会社も憲法番外地だ、三菱自動車を見てみなさい。彼らは憲法をも守らないでおいて憲法は古いという。しかし憲法は古くない。特権を制限するものが憲法だ。
 次に土井さん。
 遠心分離器にかけられてとばされないように、しっかり核心をとらえなければいけない、主権者は国民だ。自民党草案は新憲法草案とある。しかし、現憲法には新憲法制定の規定はない。96条にもないし、前文にも「これ(現憲法の原理)に反する一切の憲法、法令を排除する」とある。だから草案自身が憲法違反だ。革命や独立あるいは戦争などの場合にするのが新憲法制定だ。
 現憲法の前文はだらだらと長く、格調が低く翻訳調だと改憲派は言うが、自民党草案は非常に格調が低い。9条1項はそのままにし、絶対平和主義は変わらないと言いながら2項を変えようとしているが、2項は1項を前提にしている。憲法は改正でなくてはならない、改悪であってはならない。

戦争で得たものは
憲法だけだった

 ここで、辻元さんが自民党案の要点を説明した。
 @自衛軍をつくり海外派兵できるようにする。A重要なことはすべて「法律で定める」となっている。これでは憲法が歯止めにもならないし、その時々の政権党によっていくらでも内容が変わってしまう。B前文の「国を守る責務」は徴兵制に道を開く。C「公共」の福祉という主権者の立場ではなく、「公益・公の秩序」という権力者の立場に変わっている。D政教分離の緩和で、靖国神社参拝と矛盾しないようにしようとしている。E予算(例えば戦費など)の国会事後承認。
 続いて、憲法の行方をきかれて佐高さんが発言した。自民党には国権派と民権派という二つの流れがあった。例えば、石橋湛山は戦後、靖国神社廃止論を述べている。しかし今、民権派は窒息している。
 城山三郎さんには行脚の会の呼びかけ人を頼んだが、彼は十七歳の時入隊した。射撃訓練では一日三発しか使ってはいけなかった、竹に着けた剣で敵機を下から突く練習をした。広島に原爆が落ちたとき、白い服を着ていれば被害は防げると上部から言われた。今の北朝鮮と同じような状況だった。戦争で得たものは憲法だけだと彼は言っている。改憲しようとしているものは、強気でやってくるのだが、われわれは小さな声でこちらの考えを伝えていくことが必要だ。

憲法を活かすた
めに何が必要か

 憲法を活かすとは、との質問に土井さんが発言。
 活かすと言っても活かす人がいないとできない。慶応の小林教授はウルトラタカ派の改憲論者だ。しかし最近、「今変えてはいけない」と言っている。法律は無視するし、安全な地域といいつつ戦闘地に自衛隊を派遣する、勝手に米国に約束するような小泉政権の時にするのは危険だといっている。
 在沖米海兵隊はグアムに移転し、厚木の艦載機を岩国へ移転する。その費用を日本が負担するという。そんな義務は日米地位協定のどこにもない。なのに三千億円の特別予算を組むという。とんでもない話だ。
 後藤田さんの追悼会で河野衆議院議長は、首相経験者を集めて靖国参拝問題で小泉に意見したとき、横にいた安部晋三が「外交権は総理に属している」と言ったが、国権の最高機関の長が現状を危惧して言うのが何が悪いと後藤田さんが言ったことに言及した。いま、主権者の代表で構成される国会より行政が優位に立っている。年間三万人にも自殺者が出る一方で、数だけがものをいう風潮がどんどん強まっている。

改憲論にくさび
を打ち込もう!

 ここで会場から三人に限り早い者勝ちで質問を受けた。
 前原代表の本音がどこにあるのか伝えていくことが大切。憲法99条(憲法の尊重と擁護義務)をもっと強調してほしい。国民保護法施行の委員会などの動きと憲法改悪がつながっていることを訴えてほしい。地方自治も憲法番外地の面がある。等が出された。
 質問に対する佐高さんの応答。自衛隊員にもどのように訴えるかを考えなければいけない。いろいろな人と手をつないでいかないといけない。小泉は以前座談会で、小選挙区制は独裁になるから反対だ、派閥は独裁になるのを阻止するために必要だと言っていた。小選挙区制を元に戻すためにも公明党とも手をつなぐ必要がある。
 土井さんの応答。自治体が中央政府に従うことは有事関連法がつくられる頃から問題になってきた。9条改悪だけは許さないという大きな連合体をつくることが大切だ。でもこれはなかなか難しい、特に議員は。自分に従わないものは許さないという人が首相だから。
 これの流れに反対している人を大切にしてほしい。どこにくさびを打つか、どういう問題にくさびを打つか、どういうくさびを打つか、知恵のだしどころだ。私たちはいかに活かすかについての工夫が足りなかった。皆さんにガンバッてほしい、私たちも付いていくというのでなければダメだ。
 最後に辻元さんがまとめをした。
 京都と長野の人たちが憲法調査特別委員会に改憲反対の署名を持ってきた。改憲法案を出しても通らないと思ったら出せないだろう。改憲反対署名をやっていくことは大切だ、国民投票の練習にもなる。相手はしぶといからそれに負けずにしぶとくガンバロー。
 この後、「平和憲法を広げる兵庫県民会議阪神」から、新聞広告・映画「日本国憲法」の上映・街頭でのリレートークなどの精力的な活動の報告があり、9条の会大阪呼びかけ人の津村明子さんら三人のメセージが紹介され、梶川虔二さん(社民党奈良県議会議員)が閉会のあいさつをした。(T・T)


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