| 巨万の結集で怒りの直接行動 かけはし2005.11.28号 |
民衆の抵抗を圧殺
する支配者の宣言
十一月十二日から十六日まで韓国第二の都市・釜山(プサン)のBEXCO(国際展示場)でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の閣僚会合が、また十八、十九の両日には首脳会合が開催された。
十九日午後に採択された首脳宣言は、「WTOドーハ・ラウンドの迅速な進展への支持」、「貿易・投資の自由化に向けたボゴール目標達成のための、質の高い自由貿易協定の促進を盛り込んだ『釜山行程表』を承認」、「知的財産権の保護と取り締まりの重要性を認識し、APEC模造品・海賊版対策の三指針を確認」、「新たなテロ対策」、「鳥インフルエンザ対策の行動計画の承認」、「原油価格高騰への懸念を共有し、省エネルギーおよびエネルギー源多様化など需給両面で対応」など、閣僚会合の宣言を確認するものとなった。また「WTO交渉に関する特別声明」も発表し、二〇〇六年末までにWTO交渉を妥結させるための行程表を十二月の香港での閣僚会議で決定すること、農業交渉の関税引き下げでの行き詰まりの打破を要請することなどを打ち出した。
APEC首脳会合は、まさにWTO交渉の袋小路の中で、あらためて新自由主義的な資本のグローバリゼーションを押し進め、「テロ対策」という名のグローバルな戦争協力を確認するための、各国政府・支配者の「協調」をアピールする政治ショーであった。それは各国の利害対立を調整しつつ、新自由主義的グローバリゼーションと「対テロ」戦争による貧困の拡大、権利の侵害に対する労働者・民衆の抵抗を抑圧するための共同の利害を打ち上げる場でもあった。
成功した釜山国際
民衆フォーラム
このような新自由主義的な資本のグローバル化による格差と貧困の拡大に対決し、戦争の世界化に立ち向かうために、韓国の労働者・農民やNGOは、アジア・太平洋諸国の民衆とともに共同の闘いに立ち上がった。
十一月十六、十七日には釜山大学で、「APECに反対する韓国民衆行動」をはじめ、地元釜山の人権、環境、平和、移住労働者支援グループ、労組、女性運動団体が中心になって「戦争と貧困を拡大するAPECに反対する国際民衆フォーラム」が開催された。同フォーラムには地元韓国以外に、日本、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、アメリカからの代表をふくめ二百人以上が参加した。日本からはATTACジャパン、脱WTO草の根キャンペーン、日韓民衆連帯全国ネット、郵政労働者ユニオン、山谷争議団、釜が崎労働者支援グループなど約二十人が参加した。十六日午前の全体集会では、ATTACジャパンの秋本陽子さん、香港でWTO閣僚会議反対運動に取り組む香港民衆連合(HKPA)、米ANSWERなどが報告した。
十六日午後から十七日午前にかけての分科会では「移住労働者」、「二十一世紀の社会主義」、「女性とAPEC反対の闘い」、「反グローバリゼーション運動とメディア」、「教育の新自由主義的再組織化」、「貧しい人びとへの弾圧と国際イベントを口実にした零細露天商人の排除」、「公共サービスの民営化攻撃」、「地域における反グローバリゼーション運動」などのテーマが論議された。また十六日夜には、香港でのWTO閣僚会議に反対するアジア民衆運動の戦略会議が深夜まで行われた。
十一月十七日午前の「公共サービス民営化攻撃」分科会では、韓国民主労総公共部会、香港労働組合会議(HKCTU)、タイの電力労組の仲間とともに郵政労働者ユニオン近畿地本副委員長の下村正一さんが報告した。また「貧しい人びとへの弾圧」に関する分科会では日雇全協・山谷争議団の荒木剛さんが報告した。
十七日午後の全体会では、各分科会の討論の報告を行った後、「釜山民衆宣言」を採択した。同宣言は「釜山APEC会合は、消え去ろうとしている(WTO)ドーハ・エージェンダの火を再び燃え立たそうという試みにもかかわらず、戦争も貧困も差別もない世界に向けたわれわれの力強い前進を押し止めることはできない。われわれは全世界の民衆の連帯を強化することを通じて、利潤ではなく民衆の権利を尊重する新しい世界に向けて前進する」と力強く主張している。
警察のバリケー
ドは撤去された
十一月十七日午後七時からは、釜山最大の繁華街である西面(ソミョン)のメインストリートを占拠して、数千人が参加した文化フェスティバルが開催された、APECとブッシュに反対する歌、踊りなどのパフォーマンスが夜遅くまで続き、闘いの気運を大きく盛り上げた。
首脳会合が開かれる十一月十八日、正午すぎから労働者、農民、学生、都市貧困者など各階層に分かれた集会が各所で開かれた後、街頭を完全に埋め尽くす数万人のデモが出発。各所から出発したデモは水営(スヨン)ロータリーで合流した。警察はバスによる農民の結集を妨害・阻止し、直近の地下鉄駅を閉鎖するなどの弾圧体制を敷いたが、労働者・農民・市民はそれをはねのけ十万人の結集を勝ち取ったのである。水営地区一帯には、「ブッシュ・パンデ(反対)、アペック(APEC)・パンデ」の大コールが響きわたった。ATTACジャバンは、「抗議世貿/NO TO WTO」の大横断幕を掲げた香港民衆連合(HKPA)の仲間や、釜山の社会運動団体の友人たちと共同の隊列を組み、「%」旗や虹旗を翻しながら、ともにこのデモに参加した。
APEC首脳会合のメイン会場であるBEXCO(国際展示場)に至る水営江にかかる橋のたもとにコンテナを並べたバリケードを作り、デモ隊が近づくことを阻もうとした警察に対して、デモ隊はその突破を図って激しい直接行動を展開した。催涙弾や激しい放水でデモ隊を弾圧する警察に対して、行動隊はコンテナに綱をかけ川に引きずり落とした。
また翌十九日にも、青年・学生を中心にAPEC首脳会合会場に向けた集会・デモが行われた。こうして十一月十八日、十九日の闘いは、戦争と貧困を拡大する新自由主義的グローバリゼーションに対する韓国労働者民衆の力と、それに連帯する国際的な勢力の存在をはっきりと示すものとなった。この闘いは、十二月香港のWTO閣僚会議反対行動へと大衆的に引き継がれるだろう。
(11月20日 平井)
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