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鉄建公団訴訟9・15判決と今後             かけはし2005.10.31号

全国の力を結集し控訴審で解雇撤回闘争の完全勝利を

全面解決へ総決起集会

国鉄の不当労働行為は認定された!不退転の闘いを

控訴審は後戻り
できない決戦だ

 十月十四日、三宅坂の社会文化会館で、「国鉄の不当労働行為認定!『9・15判決』控訴審で全面解決を目指す10・14総決起集会」が鉄建公団訴訟原告団・国鉄闘争共闘会議主催で開かれ、九百六十二人が参加した。
 最初に、国鉄闘争共闘会議議長・二瓶久勝さんが主催者あいさつをした。
 「判決については極めて不満であるが、闘いの成果の上に判決があったことは確認したい。その上で、今後の闘いについて、@控訴審の闘いは、相手側が翌日に控訴した。五百万円は和解の条件にはならず、すぐに和解にはならない。解雇は有効だと判決しているので、賃金の後払いや年金などがないA約三百人で裁判をしているが、提訴をしていない部分への働きかけをしたい。しかし、『私たちの戦線に来なさい。参加すれば五百万円が保証される』というものではない。国労が拠出していた生活援助金の一億七千万円が未払いだ。こうしたことが整理されないといっしょに闘えないB解雇された一〇四七人の統一戦線の問題だ。全動労、千葉動労、第二次訴訟団といっしょになって7・15集会を大成功させた。突破口は開かれた。全国的に運動を拡大していく」。
 加藤晋介主任弁護人は9・15判決を厳しく批判し、今後の展望についても次のように述べた。
 「勝利はあたり前だったはずが、力関係の結果の判決だった。不当労働行為を認めたのは最低限のものだ。裁判官たちは国や国鉄にどう償わせるのかという立場がない。労働者を救ってやろうという気持ちはこれっぽちもない。最高裁判決を見て、しかたなく不当労働行為を認めた。国家の不当労働行為にフタをした。八百八十六万円(延滞金を加算した金額)で和解に持ち込ませようとしている。カネですむものではない。原状回復が原則だ。二度と不当労働行為をやらせないために、この判決を認めるわけにはいかない」。
 「国交省の局長は、『しゅくしゅくと最高裁まで争う。分割・民営化に問題があったとするようなことはできない。この点について一点のくもりもあってはならない』と発言している。控訴審は政治解決も和解もない、後戻りできない熾烈な闘いになる。これからこそがせん滅戦を闘う覚悟を決めてください。最後まで闘って勝利を勝ち取ろう」。

被解雇者と家族の
19年間を取り戻す

 この後、「9・15判決ドキュメント」(ビデオプレス制作)が上映された。芹澤壽良さん(高知短大名誉教授)が判決へのコメントの発言をした。
 「7・15全国集会の学者など二十一名の呼びかけ人を解消して、六人で懇談会を作った。8・25国労大会の前に、十六人連名で二十二人の統制処分の解除を求める申し入れを行い、大会で解除になった。判決の評価は一致している。運動の意義、新しい到達点に達したことを確認している。@国労大会で統制処分を解除し、一〇四七人の総団結を押し出したA建交労大会で委員長が7・15集会を高く評価し、今後闘いの発展をめざすと発言したB判決を五十一の全国の新聞が取りあげたC労働法の学者や組合の幹部が評価する発言が相次いだD職場での激励が広がり、古い幹部活動家などからより大きな解決にむけたアドバイス・提言が出されているE国労弁護団が判決について共同で研究しようと提案してきている。このように、たいへん有利な状況が生まれている」。
 鉄建公団訴訟の酒井直昭原告団長は「不充分な判決であるが今後の闘いの一定の足がかりをつくった。控訴審は、解雇された当事者と家族の苦悩の十九年間を取り戻す闘いだ。一日も早い納得いく解決を目指すためにがんばりたい」と訴えた。内田泰博事務局長が「十月二十三日から十二月二十二日まで、土日以外毎日、鉄建公団前で連続座り込みを行う。激励にかけつけてほしい」と行動提起をした。
 最後に全動労訴訟原告団、千葉動労訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団が決意表明し、星野良明共闘会議副議長の集会のまとめと団結ガンバローで集会を終えた。(M)


講座「入り会い再考・再生」第5回
地域通貨を切り口にした「地域自立」の可能性とは


全世界に拡大する
地域通貨の実験

 十月十二日、地球的課題の実験村と脱WTO草の根キャンペーン実は、東京・総評会館で第五回・連続講座「入り会い 再考・再生=脱グローバリゼーション試論」を行った。
 新自由主義的グローバリゼーションの進行によって地域経済・コミュニティーが破壊され続けている。地域再生は、この講座の大きな論点の一つだ。今回はその実験としてある地域通貨の取り組みに焦点をあてた。
 地域通貨は、すでに日本で二百三十以上の地区で使われ、世界全体では二千以上も存在している。いずれも特定の地域のみ有効で、住民同士、NPO、商店会、地方政府などが発行する交換手段となっている。講師は、地域通貨について研究している泉留維さん(専修大教員)。テーマは「『地域自立』は可能か 地域通貨の思想と仕組みから読み解く」。
 開催あいさつを大野和興(農業研究)さんが行い、「地域通貨を切り口にしながら、地域問題を考えていきたい。通貨とは国家のものであるが、それを民衆の共有財産にしていく試みを材料にしながら地域の問題を探っていきたい」と述べた。

地域循環型社会の
基盤づくりとして

 次に泉さんは、地域通貨の性格、定義を行いながら、「一九三〇年代、世界大恐慌からの脱却をねらい欧米の地方政府、諸地域の商工会議所などを中心に地域通貨が発行された。それは、一定期間ごとに紙幣に額面の数%のスタンプを貼る地域限定の補完通貨という性格だった。第二のブームは一九八〇年代に再開した。オーウェンの労働証書を参考にしたレッツ(カナダ)、相互扶助のネットワークを目指したタイムダラー(アメリカ)、経済循環の促進をめざしたイサカアワーズなどであった。いずれも発行主体は、NPOを中心としたものであり、コミュニティーの規模は数万人以上から数百人の規模である」と紹介した。
 続いて、日本での実践例として、「千葉市の『ピーナッツ』では、グローバルな流通のネットワークと異なる域内産物の媒介を行う『地域市場』を住民によって作り上げようとしている。その流れを促進し、扱われる財の新しい価値基準として地域通貨をとらえている。さらに埼玉県小川町の『ふうど』、佐賀県伊万里市の『ハッチー』では、飲食店や家庭の生ゴミを逆有償物として回収している。その引き替えに地域通貨を渡している。また、生ゴミは、肥料化し、有機農家に販売している」ことなどを取り上げた。
 そのうえで、「地域通貨は、地域循環型社会の構築を目的としている。主にコミュニティ内のネットワーク作りに寄与している。と同時に、生活上のさまざまな問題を取り上げ、協調していく体制作りの契機を与えている。つまり、地域通貨導入が地域循環型社会作りの基盤作りとして非常に重要な機能を果たしていることが実験成果として蓄積されつつある」と評価しつつ、「ただし、現在のところ、地域の環境保全に対しての寄与度を計量的に把握できる規模の地域通貨は、数える程しか存在しない。そのため、その有効性については、まだ可能性の域を出ていない」と課題を提起した。
 要するに、コミュニケーション・ツールの一つとしてある地域通貨が、定着するにつれて地域のコミュニケーションが豊富化され、その蓄積によって循環型社会と自治の姿が見えてくるのではないか、ということである。
 小泉政権と財界が押し進める新自由主義政策によって民衆内部で弱肉強食競争が激化し、差別排外主義が広がり、人間関係がますます深刻な貧困状態に追い込まれている。自殺者の増加、商店街はシャッター通りへと変貌し、郊外に大規模店舗が乱立している。資本主義的あり方にますますからめとられながら、日常の忙しさに埋没せざるをえない毎日。そのような流れに抗するヒントを地域通貨は、問題提起しているのではないか。今後も興味ある取り組みとして注目していきたい。
 次回は、総括討論「いま辺境が最前線に」(講師・壽賀一仁〈JVC〉/11月9日、水/午後6時30分、総評会館)  (Y)



投書
横浜事件再審を傍聴
      藤井 保


 十月十七日、横浜は朝から雨だった。続々と横浜地裁に傍聴者が集まる。午前十一時、第一法廷は満杯である。裁判長は若い検察官に最初に発言させた。声は大きかったが内容がない。
 「一九四五年十月に治安維持法は廃止になった。横浜事件はこれで終わったのだ」と言った。一方、部名護側は「事件は捏造。被告人は無実だ」と堂々と言った。
 この裁判は被告人がすべて死亡している。被告人は木村亭、小林英三郎、由田浩、高木健次郎、平館利雄の五人である。
 事件は一九四二年発生、神奈川県警特高課が編集者らを次々と治安維持法違反で逮捕していった。中央公論社、改造社、政治経済研究会、満鉄調査部等に所属する人間を特高が拷問で事件を作ったのであ。ここで使われた治安維持法は、一九二五年に成立した。戦前の日本では、この法律が吹き荒れたのだ。横浜事件は、その代表的なもの。国家権力が「あれは共産主義」と言えば、国民を自由に逮捕できたのである。
 作家小林多喜二は一九三三年、これで捕まり虐殺された。
 戦後すぐに横浜事件の元被告たちは拷問した警察官ら三十人を告訴し実刑が確定する。その後、八六年第一次再審請求する。第二次、第三次、第四次と続き〇三年四月再審開始決定と長い道のりであった。
 そして今日、「ついにこの日が」きたのである。法廷に被告人がいないのがなんとも悲しい。今日の様子はテレビで、全国、そして世界に発信された。
 第二回公判は十二月十二日、元被告らのビデオを上映し、遺族らが意見陳述すると言う。判決は来春です。
 十月十七日、毎日新聞で専修大教授刑事訴訟法の小田中聡樹さんは公開の意義は大であると言う。
 「これは重要な事件である。……共謀罪審議入りの今の状況は治安維持法下の当時と重なる」と。
 今回、私は久しぶりに横浜地裁の中に入ったが、九十二歳の森川金寿弁護団長と被告の妻たちの姿を前で見て大変感動しました。無罪を求めて六十年、本当にご苦労さまでした。


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