| 改憲でどうなる天皇家のヒトビト―― かけはし2005.10.24号 |
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午後6時 文京区民センター3C(地下鉄春日駅下車) |
天野恵一(反天皇制運動連絡会)
女性天皇―有識
者会議の結論は
今年一月からスタートした「皇室典範に関する有識者会議」(小泉首相の私的諮問機関)は、月一回以上のペースで会議がもたれ、こういう結論におちついてきたようだ。
「有識者会議が最も重視したのは『皇位継承の安定性』だった。現行の継承資格者は『男系男子』のみ。秋篠宮さま以後、天皇制が維持できなくなる可能性がある。6月には皇室典範を改正して、継承者を増やす必要があるという認識で一致した」(『朝日新聞』10月6日)。
この結論は、「有識者会議」が始まる前から予測されたものであった。あらかじめ出ている結論へ向かって、論議が展開されたことは、まちがいあるまい。〈「女性天皇」を!〉の声は、あらかたのマスコミの論調である。政府・マスコミのできレースだ。
そうした状況の中で、女性天皇反対の神道(伝統)主義右翼の声をバックアップし続けたメディア『産経新聞』(10月7日)は「主張」でこう論じている。
「だが、女系天皇を認めることは、百二十五代にわたり男系という『唯一の原則』で皇位が継承されてきた伝統を覆すことになる。この伝統の基に天皇を国民統合の象徴としてきた国民の崇敬の念も揺るがないとはいえない。政治や行政の仕組を変えるといったこととは次元が違い、この国のかたちや文化にかかわる問題なのである。/その意味で明らかに結論を急ぎすぎている。男系維持のための方策について、いくらでも検討の余地はある。それなのに『まず女性天皇ありき』で否定しているように思える」(「皇室典範会議」 結論を急ぎすぎていないか」)。
「女性天皇」となり「万世一系」の神話の前提が公然と破壊されてしまうことにおびえる彼らは、右翼知識人を動員して、「反対声明」をも発したようだ。女性天皇を認めるかたちでの皇位の継承となっても、その順序については、男女を問わず第一子優先、兄弟姉妹の中で男子優先、男子優先、男系男子優先という四つのケースが考えられていた。先にふれた『朝日新聞』の記事は、「今後は『第1子』優先と『兄弟姉妹の中での男子優先』の2案を軸に最終調整が進む見通しだ」とレポートしている。「直系優先」の原則でいこうというわけだ。
今後、神道主義右翼の動きは、「第1子優先」ではなく「兄弟姉妹の中の男子優先」にせよというプレッシャー運動として機能していくことになるのだろう。
天皇制を延命さ
せることが前提
また『朝日新聞』のこの記事には、以下のようなレポートがある。
「『(皇室典範)改正案は通常国会に提出する。与党との調整の場は設けないし、政治家に介入させない』。政府高官は、こう言い切る。/『政治不介入』を掲げるのは、与党内に現行制度の維持に加え、男系男子や男子の優先を求める意見があり、議論の場を広げると意見集約が難航しかねないからだ。/有識者会議の吉川弘之座長も5日の記者会見で『私たちは国民の代表という意識で議論してきたし、中間報告も公表した。改めて国民の意見を聴くことは考えていない』と語った」。
フザけた話である。たかだか首相の私的諮問機関の論議で、この問題の最終決定を出す権限などあるわけががあるまい。『朝日新聞』のこの記事も、「国民への説得」という課題が残っていると語るだけで、こういう小泉首相らの「独裁」的政治手法に対する批判はゼロである。「説得」などされるわけがない。私たちは神道主義右翼とは真反対の立場から「女性天皇」論議を批判し続けてきた。それは、「女性天皇」論議自体が、男系男子世襲制のままだと、次の天皇がいなくなり、皇室制度が崩壊してしまうという危機に対処し、なんとか皇室制度(天皇制)を延命させなければという立場から開始されたのであり、〈なくせばよいではないか〉という意見の存在を、まったく無視するかたちで展開されてきたからである。私たちは、あのような特権的身分差別制度はない方がよいと考えているのだ。
まず「天皇制ありき」では、女性天皇推進派と反対派も同じ立場なのである。私たちは、この前提を共有しないのだ。
十一月十五日は、「紀宮」の、帝国ホテルでの結婚式なのだという。マスコミは、できるだけ「質素」なものにしたいと希望していると「紀宮」をたたえている。しかし彼女が皇室から離れるにあたって手にする金は一億五二五〇万円である。どこが「質素」ダ! 女性天皇制は、こうした国民の税金を湯水のごとく使う「宮家」を増大していくシステムでもあるのだ。
「皇室スキャンダ
ル」と改憲攻撃
自民党改憲案の発表は十月二十八日と決められた。「有識者会議」の最終報告のまとめは十一月中である。この間、「人格否定されたマサコ」をめぐる「皇室スキャンダル」の流れが、改憲(象徴天皇制の再定義)論議の内実を持って展開された。ついにその一大政治的集約の局面が目の前である(女性天皇論議は改憲論議と重ねられ、提出されることになる)。
私たちはこの間の経過を整理し、これに「皇室制度」を拡大する天皇制をトータルに批判する立場から批判の声をあげる集会の準備に向かっている。この権力の「改憲=新憲法」づくりに対峙する、第一波の集まりに参加を! (投稿)
共謀罪に反対する緊急市民集会
思想を処罰する共謀罪に日弁連は断固反対する
十月十三日、東京・弁護士会館で日本弁護士連合会主催の「共謀罪に反対する・緊急市民集会」が行われ、二百人が参加した。
小泉政権は、十月四日、組織的犯罪処罰法などの改正案(共謀罪・サイバー取り締まり法案)を閣議決定し、衆議院に提出した。法務省と与党は、この悪法を特別国会期間中、強引な審議によって強行成立をねらっている。十四日から衆院法務委員会で審議入りするという国会情勢を前にして、法案に反対する国会議員と連帯しながら国会外での反対運動を広げていくために集会が行われた。
山下幸夫弁護士の司会で集会が始まった。開会の挨拶を日弁連副会長の中村順英弁護士が行い、「思想を処罰する共謀罪に日弁連は反対する。日弁連は、共謀罪等立法対策ワーキンググループでさまざまな反対運動を展開してきた。そもそも近代刑法は、犯罪意思だけでは処罰せず、それが具体的な結果・損害として現れて初めて処罰対象になる。共謀罪は、『行為』がなくても、悪いやつははじめから処罰するとして、思想処罰に限りなく近づこうとしている。明日、審議入りという事態に対して、この悪法を許さない世論を作り出していこう」と力強くアピールした。
マスコミ関係者も
反対の取り組みを
続いて、民主党、日本共産党、社民党の国会議員が共謀罪をめぐる国会情勢の報告と反対の決意表明を行った。
海渡雄一弁護士は、あらためて共謀罪法案の問題点を指摘し、とりわけ「法案は証人買収罪の新設を規定している。刑事訴訟法の当事者主義の原則に照らせば、訴訟の一方当事者である検察官が、自らの意に添わない弁護側の証人への働きかけを虚偽証言の依頼、証拠の隠滅と評価してこれに刑事罰を加えるのは行き過ぎだ。さらに、実行前に自首すれば刑を減免などと規定しているが、これはスパイを送り込み、犯罪化させていくこともできる内容だ」と厳しく批判した。
さらに発言は、新聞労連、出版労連、日本消費者連盟などから共謀罪反対の取り組み報告と闘う決意表明が次々と行われた。マスコミ関係者は、「ジャーナリストとしてこの法案の危険性をもっと訴えていかなければならないと思っている。マスコミは、まだまだこの法案の危険性を知らない状況がある。自分たちの首を占める、とんでもない法案なんだと訴えていきたい」と強調した。
最後に、明日からの審議入りに抗議するとともに、院内集会、宣伝などあらゆる取り組みを協力して広げていくことを確認した。(Y)
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