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ノ・ムヒョン政権も裏取引の道具として利用       かけはし2005.10.10号

歴史的な政経ゆ着を暴露し、情報機関を解体せよ


 97年の大統領選挙の時期に安企部の盗聴チーム「ミリム」によって不法盗聴が行われ、その内容は政・財・言論・官のゆ着を赤裸々にさらけ出している。
 Xファイルに結びつけられた政・財界の人々は、「南韓(韓国を指す)を爆発させるほどに重要な問題」が実際の内容だ、との発言をためらうことなく行った。
 暗々裡に汚ない裏取り引きがあっただろうことを知らない人は、いないハズだ! ブルジョア政治諸勢力は、これをめぐって連日、攻防を繰り返している。
 最初はサムスンとハンナラ党イ・フェチャンの大統領選挙資金の支援関係に焦点が合わされていたが、最近ではキム・デジュン政府時代の不法盗聴問題にまでXファイルの内容が広がった。
 事態がキム・デジュン政府や現在の青瓦台(大統領府)、与党・開かれたウリ党の対立へと広がり、ノ・ムヒョン大統領が乗り出してキム・デジュンと、その強力な支持基盤である湖南(光州を含む韓国南西部)の民心を執り成している状況だ。だが事態がどのように広がるにせよ、Xファイルは、ただただ政権ゆ着の裏取り引きの中のひとつが水面上に表れた、ということにすぎない。
 1945年の解放以後、すべての執権勢力は不法査察や監視を担当する情報諸機関を設置・運営してきた。そして、この情報機関を通じて労働者大衆の闘争を弾圧し、幾多の組織事件などを、実にタイミングよく爆発させることによって、体制の維持と管理を行ってきた。また政敵を除去することにも有効に活用してきた。
 CCTV(犯罪防止などを名目として設置される街頭カメラ)、隠しカメラ、盗聴などが社会的問題として台頭している現実にあって、「Xファイル」に対する憤りは簡単には収まりそうにもない。国家機関による個人の査察や監視に対する不当性ばかりではなく、持てる者たちの権力分配に大衆は激しく怒っており、政治に対する幻滅を感じている。
 これについてノ・ムヒョン政権は守旧保守勢力に対する政治的打撃を加え、相対的に差別性をもった改革的イメージを一層、高めようとする政治的計算をしている。現執権勢力は執権当初から「過去史の清算」を提起しつつ、改革勢力の基盤を構築してきた延長線上でXファイルを扱っている。
 DJ(キム・デジュン)政権が光州民衆抗争を完全に自身の政治的成果としてとりまとめたように、ノ・ムヒョン政権は過去史の清算を通じて対北関係の改善、民主化闘争、不正・腐敗勢力とは異なった勢力として自らを目立たせている。また連政(連合政府。与野党連合政府)を受け入れることを強要する道具として活用する側面もある、と見られる。
 
 けれども、ありとあらゆる改革的言辞で自らを包装したとしても、04年の鉄道や保健医療労組の闘争に対する職権仲裁、LGカルテックスの労働者に対する弾圧、05年のアシアナ航空労組に対する緊急調整権の発動などを見ただけでも、彼らは反労働者政権であり、資本家政権だ。それは彼らのサムスンへの援助において、そっくりそのまま表れている。
 これは開かれたウリ党の、Xファイル事件が伝えられて以降、事態の徹底した真相究明を求めたにもかかわらず、「盗聴は犯罪行為であるだけに真相は明らかにされなければならないが、過去の暗い時代のことだから、国民が不況で苦しんでいるこの状況で、これに再点火するのは望ましくない」とのキム・ムソン事務総長の発言に、よく表わされている。
 また「経済が困難な時点に企業人たちを圧迫してはならない」との憂慮の声としても表現されている。ホン・ソッキョン駐米大使の去就問題についても、6者会談を持ち出して慎重論を提示したり、政治資金法の公訴時効が3年であることを根拠に、処罰はできないなどの意見を提出していたことは、彼らの本質を実によく示している。
 民主労働党が行った「サムソン不法政治資金特別対策討論会」において資料として提出されているように、サムスンは04年の世界工業産業にあって純益10兆ウォン達成によって業界では世界1位であり、輸出の20・7%、株式市場の時価総額の22・4%、税収の8%を占めている。財政経済部(省)、金融監督機構、国税庁の経済関連政策の立案、監督業務を遂行する核心的部署出身の人々によって成り立った官僚ネットワークや、前・元長官、同大検(最高検察庁)の中枢部長ら核心的要職を経験した人々による法曹ネットワークをも作っている。ノ・ムヒョン政権がサムスン共和国との摩擦より共同の利害を図ることは、権力の維持に力となることが明白なためである。
 無労組神話を基盤として、サムスンSDIの労働者たちに対する携帯電話の盗聴や労組破壊の策動、監禁・暴行を行い、あらん限りの脱法、脱税をほしいままにしているにもかかわらず、彼らが権力の実務として1ミリの揺らぎもないのは、いったい何なのか!
 すでにサムスンは超国籍資本として国内外的に自身の位置を強固にした。どんな政権が執権したとしても、それに対する掌握と統制力を持った実質的支配勢力としての基盤をうち固めてから、すでに久しい。サムスンが創造した「無労組神話」はサムスン労働者ばかりではなく、下請け系列社の労働者たちの搾取の結果だということは、だれもが知っている。
 そして南韓の労働運動は、もはやこのような現実を迂回してはならない時点に来ている。2大労総の統合や社会的交渉に集中するのではなく、実質的な南韓の支配勢力として活躍しているサムスンとの闘いに総力を集中しなければならない。国内で彼に対する統制や制御ができないならば、彼らは、かの悪名高い「無労組の神話」を世界の市場に輸出する段階に来ている。

 8月17日に「サムスン不法賄賂供与事件など政・経・言論ゆ着疑惑および不法盗聴の真相究明のための市民社会団体共同対策委員会」(以下、Xファイル共対委)が発足し、参与連帯や2大労総、全国民衆連帯など110の団体が参加している。
 民主労働党はノ・フェチャン議員が国会で疑惑の検事7人の実名を公開した後、「サムスン不法政治資金および安企部不法盗聴特別対策委」を構成し、「Xファイル共対委」と共同の歩みを描いているのが実情だ。
 民主労働党は今回のXファイル問題において最大の受恵者として登場した。8月3日付の国民日報の記事が指摘したように、民主労働党を除いたブルジョア諸政党はXファイルの引き続く、これからの暴風を心配しないわけにはいかない。とは言うものの民主労働党の現実の闘争は、大財閥であるサムスンに対するケチつけやマスコミ受けねらいのイベントやキャンペーンの域を出てはいない。政党支持率が上昇していると言っても、闘争の主導権は「参与連帯」をはじめとする市民諸団体に明け渡しており、結局は司法的手段を通じて権力者たちに処罰を要求する闘争になるしかない。
 そして大衆は再び、この問題において観客へと転落させられ、巨大資本であるサムスンに対する最小限の処罰(譲歩と利害を条件としたサムスンとノ・ムヒョン政府のコネクションによる)と言う結果を見守りつつ、またもや政治に対する幻滅を味わうことになるかも知れない。
 これまでサムスンは大衆的好感度において、いつも1位の座を駆けてきた。大学生の好感度1位、信頼度1位、「超1流企業」、「サムスンマン」というイメージが、それだ。だが今回のXファイル事件や、某タレントが宣伝したサムスン携帯電話の誇大広告に対する消費者たちの批判や集団訴訟、イ・ゴンヒ会長の権力世襲、脱法、買収、横領などによって、大衆の認識においても亀裂が生じている。
 大衆の気分は、サムスンに対する好感から反感へ「消えさせるべき企業」、「イ・ゴンヒ封建王国」としてサムスンを挙げるレベルへと進んでいる。だが運動陣営のサムスンに対する闘争は、このような大衆の怒りや認識の水準をさらに一段階、引きあげられずにいる、というのが現実だ。
 したがって、労働者階級は知る権利という水準から「Xファイルの公開」を要求するのではなく、奴らの本質を暴露し、打撃を与える方向の中で政権と資本に対する闘争を展開していくのでなければならない。そして大衆の日常に対する無差別な弾圧や抑圧の道具として行動しており、体制維持のための国家装置である情報機関を解体する闘争を展開するのでなければならない。無気力な大衆ではなく、問題解決の当事者として労働者民衆が正面に立つことができるように、闘争を組織し、配置することをこそ、しなければならない。そうしてこそ初めて「階級の政治」は、さらに1歩、進展できるであろう。(「労働者の力」第86号、05年9月9日付、ソン・ジヌ/政策局長)


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