もどる

アフガン占領軍支援の作戦行動はやめろ         かけはし2005.10.10号

「テロ対策特措法」の延長反対自衛隊はインド洋から撤兵を


違法な侵略戦争
を支える自衛隊

 十月四日の閣議で、「テロ対策特措法」の期限を一年間延長する法改悪案が決定されようとしている。アフガニスタンにおける米軍をはじめとする多国籍軍の活動を支援するために、インド洋とアラビア海に自衛隊が継続して派遣されることになるのだ。
 通称「テロ対策特措法」、正式名称は「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」という長い名前のこの法律は、当初の「米軍支援法」という仮称が、やはり最もふさわしい。二〇〇一年の「9・11」を契機に発動されたブッシュのグローバルな先制攻撃戦略に全面的に追随し、自衛隊をこの「反テロ」という名の侵略戦争に参戦させる法律が「テロ対策特措法」だったからである。
 しかしこの法律は、憲法に違反する「米軍支援」のための海外派兵を正当化するものとしてはあまりにもズサンなものだった。もちろんこの米軍支援は日米安保の枠組みには収まらない。アフガンへの米・多国籍軍の攻撃は「国連決議」とも無縁である。そもそもアフガニスタンの大部分を「実効支配」していたタリバン政権は、「9・11」の米本土同時テロと直接的関係はない。「テロ犯人をかくまっていた者はテロリストと同罪」との理由で強行された報復戦争が「自衛権」の行使にあたるはずはなく、国際法的になんの根拠もないことは明らかだった。
 しかし小泉首相は、安保や国連にも基礎づけられないこの法律を、短期間のうちに法案を強行成立させ、海上自衛隊のイージス護衛艦や補給艦をインド洋に派遣し、米英などの多国籍艦船への支援・補給業務を行ってきた。それはアメリカの地球規模の先制攻撃戦略に対応する自衛隊海外派兵の恒常化と、集団的自衛権行使の承認、憲法改悪の加速化に向けた決定的な踏み出しの第一歩だった。
 インド洋の「無料海上ガソリンスタンド」と評される海上自衛隊の米艦船などへの燃料補給は、五百四十一回、四十万七千キロリットル(約百六十億円相当)に達した。実は、この洋上補給はアフガニスタンでの作戦だけではなく、イラク空爆に参加した米空母キティーホークに対してもなされていることが、米軍の公開資料で明らかになっている。それは「テロ特措法」そのものにも違反することなのだが、政府は、給油の回数と量は公表しているが、給油の対象艦船については「作戦内容が明らかになる」との理由でひた隠しにした。

アフガンでも強ま
る米軍撤退の圧力


 十一月一日に二回目の期限の切れる「テロ特措法」については、総選挙前には、同法の延長はしないという観測も流れていた。「テロ対策に効果があるのか疑問」、「もう需要がない」という意見が自民党内からも出ていた。しかし、外務省や防衛庁が「対米配慮」の思惑から派兵延長を強力に主張し、小泉首相も総選挙「圧勝」の勢いで一年だけの延長方針に踏み切った。米軍と自衛隊の「対テロ戦争」における一体化という「実績」づくりのためだけの理由である。
 アフガニスタン現地では、今年九月十八日の国会選挙後、カルザイ大統領は「アフガンではこれ以上の外国軍隊の活動は必要ない」「米軍機による空爆は効果がない」「アフガン政府の許可なしに住民の家を捜索するな」と述べている。これ以上、米軍などの占領を許したのでは、ただでさえ脆弱な政権基盤が失われるという危機感の表現だろう。
 さる七月五日にカザフスタンの首都アスタナで開催された「上海協力機構」(参加国は、中国、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの六カ国)会議は「アフガニスタンの反テロ軍事作戦の積極的活動が終了したことを受け、加盟国の領土に展開する反テロ連合国の部隊の撤退および軍事施設の一時的使用の終了期限を決めることが必要だと考える」と決定した。この決定は、現在ウズベキスタンとキルギスに駐留する「アフガン作戦」を名目とした米軍はただちに撤退せよ、というものである(この問題については『世界』9月号、石郷岡健「動きだした中・印・露『戦略的三角形』」を参照)。
 この決定をも一つの要因として、米軍がウズベキスタンから撤退すると報じられている。こうしたアフガニスタンをめぐる状況の不安定さが、一年だけの延長という様子見的方針の中に表されている。
 イラク派兵に直結することになった「テロ対策特措法」に基づく自衛隊のインド洋派兵継続に反対し、即時撤退を求めよう。そして十二月十四日にふたたび期限が切れる「イラク特措法」にもとづく「イラク派兵基本計画」の再延長を許さず、自衛隊の即時撤退の世論を強めよう。(10月2日 純)                        


吉元政矩さんの講演から
アメリカの戦争と一体化する自衛隊

 【東京東部】九月二十九日、カメリアホールで「沖縄からみた東アジアと日本」講演集会が沖縄と連帯する東京東部集会実行委主催で行われた。
 最初に、この間の辺野古での新基地建設反対の実力闘争のビデオが上映された。本当に体を張った海での闘いがものすごいものであることを実感させた。
 集会の最初に、実行委を代表して東京東部労組の岸本町雄さんが「沖縄では、体を張った闘いが次の局面を作り出している。戦争に反対し、平和を勝ち取るための闘いだ。オーストラリア、イギリスが来年の六月をメドにイラクから撤兵を決めた。日本の自衛隊を十二月までに、撤退させなければならない」と訴えた。
 続いて、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの吉田さんが特別報告を行った。
 「辺野古で、単管やぐらを台風が来るという理由で撤去した。最終勝利はしていないが、闘いの成果だ。見直し案が出ている。辺野古の浅瀬案。これなら、海の中ではないから、短期間でできるということで、名護市長も賛成している。県知事は浅瀬案には反対し、キャンプシュワブの中に作るべきだとしている。これは、アメリカが拒否している。SACOの最終案や閣議決定はすでにふっとんでいる。十二月に最終報告を作ることもできなくなっている。九月四日の防衛庁を人間の鎖で囲んだ、本土における連帯した米軍基地撤去の運動が沖縄の運動の支援になっている。これからも、連帯した闘いを作り出していこう」。

「東アジア共同体」
論には問題点も

 吉元政矩さん(元沖縄県副知事)が「沖縄からみた、東アジアと日本」と題して講演を行った(別掲)。吉元さんは世界的な米軍の再編が、日本の自衛隊を一体的に組み込んでさらに強化しようとしている実態を報告した。そして、それを完全なものにするためには、憲法九条をなくし、戦争をする国にするために、憲法改悪が日程に上っていることを明らかにした。吉元さんのここまでの提起は納得できるものであったが、後半の「東アジアと日本」では、アメリカと対抗するEUやASEANの動き、自由貿易経済圏構想を無批判的に受け入れるような提起は、支配者階級のねらいと自由貿易協定に反対している各国の労働者・農民など民衆の闘いを見ようとしない内容であった。安易に使われる「東アジア共同体」賛成論については、きちんと批判していく必要があるだろう。      (M)
 尖閣列島での中国の石油掘削、台湾を独立させないという中国軍の軍事演習など、きな臭い状態が出ている。アメリカは台湾戦争法を作っており、いざという時は米軍が出ることになっている。沖縄から米軍が出兵する。そうすれば、沖縄がミサイルでねらわれる。中国軍が上陸してくるかもしれない。そうしたことを想定して、米軍も自衛隊も部隊を配置している。自衛隊が中国軍と激突する。住民の避難などが作戦行動として作られている。
 米軍の世界的再編は在日米軍がなくなることではなく、日本の自衛隊が米軍と一体化していくことだ。アメリカは横田基地のある司令部をグアムに持っていこうとしている。横田基地は当面使わないが、いざという時は必要だとしている。そこで、日本の航空自衛隊の司令部を横田に置き、ミサイル防衛システムの拠点にする。米軍の機能と自衛隊が一体化する。キャンプ座間に第一米軍司令部を配置して、ミニペンタゴンにしようとしている。それはアジア、インド洋、ペルシャ湾をにらんだ戦略だ。これは日米安保条約に明確に違反している。日米安保は極東条項を設けている。それはフィリピン以北の朝鮮半島までの範囲をさしている。
 そこで、自衛隊は八百人規模の自由に動ける部隊をつくり、米軍と一体化した作戦ができるようにしている。空母キティホークは七隻の護衛艦を引き連れている。自衛艦はその護衛艦と一体となって機能する役割を果たしている。旧来の枠組みを超え、米軍との共同作戦のために政府はガイドライン、周辺事態法、有事法を作ってきた。
 日米で基地の共同使用を行っている。それはいざという時に、使える状態に維持しておくことだ。管理運営は自衛隊、いざという時は米軍が使う。別の軍隊ではなく、ひとつのものにしていく。そのためには、日本国憲法を変えなければならない。自民党は十一月の結党五十年で、憲法改正案を出す。戦争をする国に作り変えていく。日米軍事同盟の本質は、アメリカの戦争にカネを使うこと、兵隊を支給すること、弾薬を補給することだ。テロ特措法はアフガン戦争から始まった。インド洋で自衛艦は燃料補給をずっとやっている。戦争をやっているところに出て行ったのがイラクだ。
 イギリスのようなパートナーシップ関係を作るために憲法改正をしようとしている。特別国会で憲法調査特別委員会を作った。いつ国民投票法が出てくるのか。来年の通常国会で常設委員会にする。憲法調査会の結論は出ているので、二〇一三年の衆参同時選挙に、憲法改正の国民投票が行われる可能性がある。

日本の選択がいま
こそ問われている

 米軍基地再編では、横田はほぼ同意、キャンプ座間は中味が詰まった。厚木基地の空母艦載機訓練を岩国に移す。横須賀は原子力空母母港化だ。そこで、沖縄でどう突破するかだ。辺野古基地問題は、日米・沖縄県と三つどもえで、ねじれている。来年二月に名護市長選挙がある。岸本市長は出るといっている。今回衆院選では、基地反対派が善戦している。候補者を一本化すれば勝てる。南部の伊良部町では自衛隊受け入れを議会は決めたが町民が怒り、誘致を断わる反対の決議を町議会が決議した。嘉手納基地撤去の要求も強まっている。
 一九九五年、私が沖縄県副知事だった時、アクションプランをつくった。@二〇一五年までに、米軍基地をゼロにする。基地の跡地に国際都市をつくるA沖縄が東アジアの中心だ。東アジア共同体・経済圏の中心に沖縄をする――というものだ。
 アメリカに対抗して、EUは独自の軍隊・憲法を作ろうとしている。アフリカはAUを作っている。ASEAN二〇一〇年に経済圏を作り、二〇二〇年に集団的安全保障・共同体を作ろうとしている。中国は北京五輪、万博でさらに経済成長しようとしている。これにインドが追いつこうとしている。日米同盟に対して、中国・韓国・シンガポールは反発している。日米同盟で行くのか、アジア経済圏で行くのか、日本の選択が問われている。(発言要旨、文責編集部)


もどる

Back