| 民営化監視市民ネットが集会 かけはし2005.8.8号 |
七月二十九日、東京・社会文化会館で「さよなら郵政民営化!さよなら小泉内閣! 郵政民営化法案を廃案に! 市民集会」が郵政民営化を監視する市民ネットワークの主催で開催され、百人が参加した。
主催者を代表して、秋本陽子さんが「自民党内で反対派議員が何人出るかということが、毎日話題になっているが、肝心の民営化法案そのものの論議が深まっていない。監視ネットは毎週ニュースを作り、議員に配布要請行動、座り込み宣伝行動を行ってきた。こうした運動が小泉政権を追い込み、政局問題を作り上げている。郵政民営化法案を廃案に追い込もう」と訴えた。
続いて、福島みずほ社民党党首が「国会情勢と民営化法案の問題点について」講演を行った。福島さんは「がんばれば変わることができる。光が見えている」と檄を飛ばした(講演要旨別掲)。
講演の後は参加者によるリレートーク。最初に、横須賀原子力空母の母港化を考える会の山城さんが「今まで反対署名三十二万筆を提出してきた。横須賀市長の交替で、市ははじめて「空母を入れないこと」を防衛庁と外務省に文書で申し入れした。アンケートによると母港化反対四〇%、わからない四〇%、賛成五%だ。わからないを反対にもっていく努力を今後もしていきたい。運動団体としては、全国に発送する郵便物がたくさんあり、第3、4種郵便の値上げが民営化によっていずれはありうる。運動つぶしの民営化に反対していきたい」と報告した。
続いて、ATTACジャパンが「星くず町の惨劇」と題するコンピューターで作った紙芝居を披露した。民営化十年後の田舎町の姿を描いたものだ。論より証拠で、民営化が何をもたらすのか、わかりやすいものであった。
第3・4種郵便の廃止を許さない障害者団体定期刊行物協会のアピールが紹介された。
戦争のできる国家
づくりを止めよう
ジャーナリストの安田浩一さんがリレートークを続けた。
「民営化推進勢力はどういう社会を作ろうとしているのかはっきり示さない。市場化テストということで、ハローワークの一部民間委託、民間保険会社に労災をまかせるなどが行われようとしている。郵政でもすでに、民営化の先取りが行われており、今の郵政公社も労働者・市民のための改革をしていかなくてはならない」。
日消連の富山洋子さんは「共謀罪の成立を阻止ししよう」と訴えた。許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さんは「明日の憲法集会は団体動員ではなく、ひとりひとりが自らの意思で参加する方式をとり、一万人の定員が札止めになっている。なんとしても憲法改悪を阻止する」と語った。
ATTACジャパンの安藤丈将さんは「ATTACは新自由主義の弱者を切り捨てる原理そのものに反対して運動を作ってきている。郵政民営化は公共サービス解体のシンボルだ。公共サービスの破壊は、国会前での座り込みで、横で障害者団体が座り込みをしていたが、同じ問題が問われている。そして、公共サービスの破壊は国境を超えて進んでいる。ともに廃案までがんばりたい」と訴えた。がくろう神奈川の京極紀子さんは「小泉の三位一体の改革で教育費国庫負担制度が廃止されようとしている。これは教育の民営化の動きだ。教職員や事務員が削減されていく。そして、一%のエリートを育て、残りを兵隊化していくような、戦争のできる国づくりが進められている。こうした小泉構造改革をつぶしていこう」とアピールした。
最後に、棣棠浄郵政労働者ユニオン副委員長が「郵政民営化を阻止するために、全国単一の労働組合を作ってこれまで闘ってきた。労働組合の役割は、労働現場をどうするかが重要な課題である。@雇用の破壊A賃金破壊B健康破壊の三つの課題との闘いも進めている。国労や電通労組の闘いによって、民営化のためにさらに決定的に職場環境が破壊されることが明らかになっている。なんとしても民営化法案を廃案にするために全力で闘う。八月三日から三日間の国会前座り込み、採決時は、午後六時三十分から、参議院議員会館前で、集会を行う」と決意表明した。郵政民営化を阻止するために全力をつくそう。 (M)
福島みずほ社民党党首の発言から
郵政民営化阻止は地域と生活を守る闘い
八月十三日が国会の会期末だが、採決がどうなるかはふたを開けてみないと分からない。衆院では五票差だった。小泉首相の求心力がなくなっている。自民党の瓦解が始まっている。総理や派閥の締め付けができなくなっている。ポスト小泉の動きが激しくなっている。
民営化はどこの国
でも失敗している
第一に、郵政を公社化した時、改革することで民営化しないと明文化されている。もし民営化するというなら、元の法律を改正してからやるべきだ。
第二に、地域から郵便局がなくなる。郵便局をどういう配置にするのかを一切書いてない。小泉は答弁で、東京都下からも郵便局がなくなると答えている。民営化はカネもうけのためにやるわけだから、地方が赤字になっていくのは当然であり、そうなれば、地方の郵便局がなくなっていく。コンビニでやればいいとも言うが、コンビニはフランチャイズ方式だから、上納金が払えなければつぶれていく。細かいことは政省令で定められることなっているが、何の担保もない。国鉄民営・分割の時、一人の失業者を出さないと中曽根首相は答えたが、それはまったく反故にされ、大量の首切りが行われた。
第三に、郵貯・保険の三百五十兆円がどこに行くのか分からない。郵政民営化準備室は十七回もアメリカと交渉している。アメリカの生命保険会社は七回も民営化すべきだと声明を出している。だれのための何のための民営化なのか。みんなの預金が外資系の食い物になる。
郵便局は地域の中でネットワークがある。銀行では高齢者の相談など、きめ細かいサービスができない。地域の銀行や農協がつぶれていくなかで、郵便局が唯一の存在になっている。
諸外国ではどうか。民営化が成功しているところはどこもない。当のアメリカは民営化などしていない。民営化したニュージーランドでは、高齢者が身近な場所で年金を受け取れないことになり、見直しが始まっている。
トコトンがんばっ
て政治を変えよう
小泉は三つの口ぐせがある。「民営化できるものは民営化。郵政民営化は構造改革の本丸。備えあれば憂いなし」。
この小泉構造改革が何をもたらしたのか、考えてみなければならない。
国鉄の民営化が何をもたらしたのか。利潤追求で安全をないがしろにしてきた。スピードアップと保安要員を削った。その結果百七人もの犠牲者が出るJR尼崎事故が起きた。
この問題は普遍的な問題だ。横浜のある保育園がいっきょに民営化された。保育園の施設はそのままで、職員が民間人にされた。給料は時給八百円で三分の一になった。子どもたちは不安定になった。
公務員の世界がねらいうちされている。図書館の司書が公務員の時は、時給千八百円だったが、民営化されて八百円にまでなってしまった。仕事内容は同じだ。公立と私立では、人件費が月で十万円格差があり、年齢で十歳若いという。若い人の使い捨てが進んでいる。障害をもつ子どもが私立保育園に行っている割合が低い。私立は利潤追求だから、障害のある子どもをいれたがらない。労災病院や公立の病院、保育園がなくなっていっている。そして過酷な労働現場で、自殺、過労死が増えている。郵便局でも非正規職が増やされ、深夜勤の問題がある。
郵政民営化を阻止することは、地域と生活を守ることだ。今後は大増税と憲法改悪との闘いだ。がんばれば変えられる。光が見えてきている。トコトンがんばっていきましょう。(文責編集部、発言要旨)
傍聴制限を厳しく追及
京都地方公聴会で民営化反対を訴える
【大阪】七月二十八日、京都駅構内にあるホテル・グランビアで参議院郵政特別委員会の京都地方公聴会が開かれた。
同日朝八時から、郵政ユニオンの組合員を中心に、「郵政民営化に異議あり! 行動京都実行委員会」、ATTACの仲間を含め、約二十人が駅前で、大詰めを迎えた郵政民営化法案をめぐる攻防の中で、労働者・市民の立場からこの法案を否決させようと訴えた。
公聴会は午前九時から十一時、四人の公述人の発言が行われた。賛成意見を述べた村上晨一郎・ジーエス・ユアサ会長(自民党推薦)は、自分の会社で六百人のリストラを進めており、吉田和男・京都大教授は「新しい歴史教科書を作る会」の賛同人。反対意見を述べたのは、草木慶冶・府農業共済組合連合会会長と山岡景一郎・白川書院代表取締役。駅前での宣伝行動に参加した仲間たちは、同ホテル三階の会場前で傍聴制限に抗議して、「なぜ現場で働く者を排除するのか」と激しく追及した。
十一時過ぎに、公聴会を傍聴した郵政ユニオンの松岡書記長から報告を受けた。「草木氏は過疎地のライフラインとしての郵便局の役割について、山岡氏は阪神大震災での郵便局の状況を語り、賛成派の観念的な発言に対して、現実の郵便局の大切さから出発したよい発言だった」。最後に、京都で八月八日に予定していた集会・デモを同四日に繰り上げること、最後まで闘い抜くことを意志一致した。 (K・H)
公共サービス防衛を訴え
郵政民営化反対!大阪で労働者集会
【大阪】七月二十九日、郵政民営化法案の参議院での採決が迫る中、「郵政民営化法案を廃案へ! 七・二九大阪集会」がエルおおさかで開催され、百五十人が参加した。
郵政ユニオン近畿地本からの主催者挨拶の後、郵政ユニオン書記長の松岡幹雄さんが民営化法案をめぐる状況について報告した。法案の否決の可能性が高まっているが、自民党内での反対派の切り崩しがすさまじいこと、労働者や市民の立場からの反対運動も広がっていること、郵政ユニオンとして、民営化反対だけでなく、公共サービスの観点からの改革を提案していることを報告した。
大阪全労協の山下恒夫副議長(教育合同労組)は、郵政ユニオンのパンフレットに掲げられている「〈官から民へ〉でなく、〈官から公(パブリック)へ〉」という主張は、運動の新しい可能性を提起していると指摘し、教育合同で取り組んできた「作る会」教科書採用反対の闘いにも重ねながら、地域での闘いを広げることを訴えた。
おおさかユニオンネットの加来洋八郎代表(全港湾)は、民営化反対でここまで政府が追い詰められたのは、これまでなかったことだ、郵政民営化はアメリカの意向に沿ったものだ、民営化反対のために最後まで連帯して闘おうと発言した。
集会の後、プラカードや提灯などを掲げてデモ。力のこもったシュプレヒコールで、公共サービス・郵便局のネットワークを守ることを訴えた。 (K・H)
|