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「つくる会」教科書を採択させるな!           かけはし2005.8.1号

「君が代」不起立処分に反撃を

「服務事故再発防止研修」に抗議

「反省すべきは都教委だ」と被処分者が厳しく糾弾

今年の卒入学式で
六三人が不当処分

 七月二十一日、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は、東京都教育委員会が今年度の卒・入学式で「君が代」斉唱時に不起立・ピアノ不伴奏等で処分した教職員に対する報復攻撃である「服務事故再発防止研修」実施強行に抗議する集会と行動を行い、二百人近くの教育労働者、市民が集まった。
 都教委は、小泉政権の戦争ができる国家作りと連動して、憲法改悪・教基法改悪を先取りした「十・二三通達」(二○○三年十月二十三日に各学校の卒業式・入学式等で「日の丸・君が代」の強制、式のやり方などの「実施指針」)を出し、教職員に対して「職務命令」を行った。このような不当な強制に対して、周年行事、○四年三月・四月の卒業・入学式では二百四十八人が不起立を貫き、不服従を表した。○五年三月の卒業式では五十三人、入学式で十人が不服従を貫き、不当処分された。とりわけ被処分者の一人は、停職一カ月という重弾圧だった。
 都教委の「再発防止研修」は、被処分者に対して「日の丸・君が代」強制反対の意思を「反省・転向」を強要するものであり、著しい人権侵害だ。そもそもこの研修制度は、教職員のセクハラ・飲酒運転などの再発防止を図るために設けられたものだ。「日の丸・君が代」強制反対を主張する教職員を同じレベルで適用するところに都教委の「いじめ」として位置づけて強行していることは明白だ。
 このような人権侵害研修について東京地裁は、被処分者たちの研修処分執行停止を求める申立を却下したが、その東京地裁でさえ「研修や研修命令は合理的に許容される範囲を越えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性がある」(○四年七月二三日)、「教職員の権利を不当に侵害するものと判断される余地はある」(○五年七月一五日)と指摘し、批判せざるをえない内容なのだ。石原都知事、横山副知事、中村教育長らによる新自由主義的教育改革の一環である闘う教育労働者への差別・排除攻撃を許してはならない。

石原都知事と横山
副知事は辞任しろ

 この日の行動は、東京・全水道会館の被処分者支援・再発防止研修抗議決起集会から始まった。弁護団は、「都教委に研修中止申し入れや東京地裁に研修処分の執行停止を求める申し立てを行った。執行停止決定は出なかったが、『緊急の必要があると認めることはできない』と述べ、研修の適法性を認めたものではない。それにもかかわらず都教委は、被処分者への研修実施を強行しようとしている。弁護団は、研修の不当性を前面に掲げて都教委を追及していく」と力強くアピールした。
 被処分者の会からは、行動提起とともに「毅然として会場に入り、研修の不当性など批判し続けていく。憲法違反、教育基本法違反、人格権・人権侵害の研修を許さない!反省すべきは都教委だ。私たちは一人も反省しない!」と決意表明した。
 会場を出て、被処分者と弁護団を先頭に隊列を作り、研修会場の総合技術センターに行く。正門には、ガードマンを前面に配置し、都教委職員たちが立ち並んでいる。弁護団と被処分者たちは、到着するや、ただちに都教委官僚への追及に入った。「なんのために研修をするんだ」「思想・信条の自由を認めないのか」「憲法・教基法違反じゃないか」と厳しく質問攻めにするが、官僚は、へらへらとするだけで、「答えられない」と繰り返すだけだ。参加者全体で抗議のシュプレヒコールを行い、「不当処分を許さない!研修をやめろ!」と書いたゼッケンを着けたり、「強制反対!」のTシャツを着た被処分者を送り出していった。
 研修内容は、昨年と同じで、地方公務員法、公務員の服務事例・事故の読み上げだ。「恫喝」として「職員の身分保障・処分と服務事故の影響」、「服務事故防止と服務規律の遵守」を突きつけてきた。被処分者たちは、最初から質問とヤジの連続攻勢で都教委を圧倒し続けた。官僚は、動揺しながら「質問には答えません」「発言をやめてください」「発言した人は記録させてもらいます」などを繰り返すだけだった。研修抗議闘争終了後、報告集会に入り、参加者全体で抗議声明を採択していった。
 石原・横山・中村都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットワークは、七月二十九日、「『日の丸・君が代』強制・処分を撤回せよ! 七・二一再発防止研修の強行に抗議する! 『つくる会』教科書を採択させるな! 石原都知事、横山副知事は辞任せよ! 都教委包囲デモ」(午後三時半、柏木講演・新宿)と講演集会(午後六時、千駄ヶ谷区民会館)への結集を呼びかけている。都教委を許さない取り組みを広げていこう。 (Y)       




被処分者を支援する共同の闘いへ
「日の丸・君が代」強制反対裁判をすすめる会が結成総会

 七月二十三日、東京・星陵会館で「東京『日の丸・君が代』強制反対裁判をすすめる会」の結成総会が行われ、二百三十人が参加した。この会は、石原都政を許さない様々な市民運動、教育労働者が石原都知事と都教委による教育破壊の強行に抗して、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会、「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会、「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会などの裁判闘争が闘われていることに対して連帯し、支援していこうと呼びかけてスタートした。
 集会は、共同代表の一人である槙枝元文さん(元日教組委員長)の開催あいさつで始まり、「かつての日教組運動から比べると、『日の丸・君が代』を業務命令で強制することなどは信じがたいことだ。私たちの力不足、運動の後退を反省しつつ、この会を全国的に広げていこう」と訴えた。
 すすめる会からは、経過報告などを行い、「三つの会と緊密に連携・共同し、『日の丸・君が代』強制反対裁判の取り組みを、ひろく市民が三かする全国的な運動としてすすめていきます。この運動は、裁判の勝利、不当処分・不当解雇撤回、10・23通達の廃止を実現することを通じて、公立学校に自由と自治をとりもどし、憲法・教育基本法にもとづく学校教育をめざします」と発言した。
 弁護団を代表して加藤文也弁護士は、三つの裁判の審理状況を報告し、「裁判闘争に勝利するためには、運動の広がりによって裁判所に影響力を浸透させていかなければならない。この闘いは、東京都だけの問題ではなく、全国的な問題として進めていこう」とアピールした。
 続いて、予防訴訟をすすめる会、被処分者の会、被解雇者の会などから決意表明が行われた。さらに、市川須美子さん(獨協大)、弁護団、子どもと教科書全国ネット21、学校に自由の風を!、戸山高校関係者から取り組み報告と連帯アピール。
 記念講演が共同代表の大田堯さん(東大名誉教授)から行われ、「教育とは何かを問い続けて」というテーマから内心の自由、意見の違いの存在と相互承認、協同的発展をいかに作り出していくのかについて問題提起した。
 最後に、結成総会アピールが提起され、参加者全体で「学校で、裁判で、あらゆる場所で自らの信念を貫いて行動している教職員を、私たちは精一杯応援」していくことを誓い合った。       (Y)


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