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静岡知事選      国交省の強制収用告示を許すな   かけはし2005.7.18号

石川県政打倒の闘いへ

静岡空港反対! 強制収用・強権発動阻止!

国交省と知事のナレアイに抗議しよう


告示二日前の収用認定

 静岡県知事選の公示二日前の七月五日、国土交通省中部地方整備局は、「未買収用地を強制収用できる事業として、土地収用法に基づいて静岡空港建設を認定する告示」を行った。この突然の発表はなにを意味しているのか。
 今年一月、石川知事は「静岡空港の土地収用の認定がなければ四選出馬しない」とことあるごとに発言し続けてきた。それは石川知事にとって静岡空港は自ら延命するための「人質」に他ならないことを雄弁に物語っていた。
 だが国交省は裏金によるユニホームの配給、さらには道路公団や橋梁工事の談合で窮地に追い込まれ、また静岡県が作成した静岡空港の需要予測のいい加減さなどが暴露され、簡単に「土地収用の認定」を出せない状況に立たされた。
 追い込まれた石川知事は知事選の二カ月前の五月になって、「静岡空港の土地収用の認定がおりない」ままに突然四選出馬を宣言した。県民の石川県政に対する不信が増大し、アンケートでは県民の半分以上が、静岡空港問題に疑問を持っているという結果が出ている。追いつめられた石川は「居直り」とも受け取れるどう喝的「四選出馬宣言」を行ったのである。石川は逡巡する国交省とゼネコンに対して、運命共同体的な「道連れ」になることを要求したのである。県民と闘うために。

赤字まみれのハコ物建設

 石川県知事は三期十二年の間に、毎年のように巨大な「ハコ物建設」を行ってきた。国際舞台芸術祭のメインとなる公園づくりに八百億円、愛知・地球博に対抗するための世界演芸博覧会に一千億円、住民が要求していない小笠山公園づくりに八百億円、多くの反対意見を無視して太田川ダム建設に四百億円、文化芸術大学に三百億円、がんセンターに五百億円、そして工事が半分も進んでいない静岡空港建設に一千九百億円も注ぎ込んでいる。いまあげた「ハコ物」だけでも六千億円を超えており、「ハコ物」の維持費は毎年加算され、予算の七割を使っている静岡空港は全く完成の目途すら立っていないのである。
 この結果、石川知事が就任してから三期十二年間で県の借金は三・二倍にも膨れ上がり、その額は二兆千五百億円にも達している。その上、「東海沖地震」などの巨大地震に備え長い期間を通して蓄えた基金も一千七百億円もあったものが今やわずか百五十億円に減ってしまっている。ゼネコンは官僚あがりの知事を押し立て、県財政を食い物とし、返す刀で国と道路公団に対して静岡県財政が支出した六千億円をはるかに超える工事費の「第二東名」をやらせようとしているのである。
 国と道路公団、そしてゼネコンに対して「静岡空港建設」に対する全面協力がなければ「第二東名」などができないというどう喝こそ、突然の四選出馬宣言であったのである。
 この結果、県は事業認定を受け入れ、九月にも土地・物件調書作成のために立ち入り調査を行い、県収用委員会に裁決を要求し、来年秋には強制収用に踏み切るための手段を手に入れたのである。空港建設をめぐる攻防は来年秋の強制収用に向かって一気呵成に進む局面に突入した。

収用を阻止する地権者


 しかしこの強制収用の対象となる島田市と榛原町にまたがる牧之原大地の八・五ヘクタールの土地には反対派の地権者ががんばっており、今なお空港反対闘争の最先端を担っている。さらに約三百五十人が未買収地の共有地権者となっており、約一千八百人が立ち木の所有者となっている。また一昨年から昨年にかけて超党派の国会議員約百五十人が反対署名を行い、その名簿を国に提出している。
 七月五日、空港はいらない県民の会や空港に反対する地権者など八団体が緊急記者会見を行った。その席で県民の会は、「知事選の二日前に事業認定が出たことに、政治的な裏があると判断せざるを得ない」と指摘し、「静岡空港は公益上の必要はない」という抗議声明(別掲)を発表した。
 さらに記者会見に臨んだ八団体に「静岡空港・建設の中止の会」が加わって七月十二日には北側一雄国土交通相を相手取り、事業認定取り消しを求める行政訴訟を静岡地裁に起こすことも合わせて発表した。
 石川は旧来通り、「何らかの機会、方法で四軒の地権者の方と虚心坦懐に話し合いをする機会が得られれば必ず受け止めてもらえると期待している」とコメントする一方で、工事完成予定日を発表し、強制収用にむけた準備の指示を出した旨が明らかになっている。石川は知事選前に「事業認定」を取り、それを「御旗」に知事選を乗り切り、年内にも収用委員会に裁決を求め、来年中の強制収用、二〇〇九年の完成をめざす突破口を知事選で手にしようとしているのである。一切は知事と国交省の「官僚的ナレアイ」なのである。

反対候補が一本化した

 七月七日から始まった知事選は、静岡空港建設をめぐる大きな節目に浮上し、石川は知事選を強制収用の突破口として選択した。
 空港はいらない県民の会は、知事選に向かっていずれも無所属で立候補表明していた共産党系の小沢氏と民主党系の吉田氏に呼びかけ候補者の一本化に乗り出した。だが政策協定を結んで一本化を求める小沢氏と政策協定を結ばず超党派でいきたいという吉田市側と意見が一致せず、五月二十三日に開始された第一回の交渉は六月二十六日の段階では物別れに終わった。
 だが石川知事と国交省中部地方整備局の「ナレアイ」が明らかになると、県民の会を始めとする多くの市民団体から候補者の一本化を要求する声が広がり、吉田候補は「静岡空港の土地の強制収用は行いません」「四選阻止!官僚知事主導の県政を生きた県政に再生します」などを中心とする六項目に及ぶ政策協定を受け入れを了承した。小沢氏も立候補を取り下げ一本化を受け入れたのである。これは共産党も含めた空港反対闘争の新しい闘いの局面を示すものであり、知事選は強制収用阻止にむけてより広範な戦線を築いていく第一歩となり始めたことを示している。
 すでに「吉田としあき」選挙事務所が、本部を静岡市に、東部事務所を沼津市に、西部事務所を浜松市において闘いを開始し始めている。また七月十二日には民主党の静岡県連に選挙での協力を申し入れを行う予定になっている。旧来民主党県連は「石川の知事四選に反対」の立場をとってきた。しかし知事選になると沈黙し、空港に対しても民主党県連の一部だけが吉田氏の支持を表明しても、多数は依然として「空港建設賛成」の立場を維持している。民主党は自民党と公明党とともに「石川静岡県政」の与党体制の一角を担うことをこの知事選を通じてやめるべきである。吉田氏の立候補はその契機になるに十分である。
 今回の知事選は、静岡空港建設をめぐる重大な攻防であると同時に、ゼネコンと官僚のゆ着によって成立し続けてきた静岡県政との対決でもある。
 「石川知事にNO! ――――― 静岡空港反対! 強制収用・強権発動阻止!」が闘う側の共通のスローガンである。全国から全面的支援を!
(D・S)




抗議声明
またもやったか「ナレアイ処分」


 静岡空港事業は、設置許可や事業再評価を、法や制度の趣旨を歪曲する県と国の官僚同士のナレアイと談合をもって押し切ってきた。その上に今回、国交省はまたもナレアイをもって、不当な土地収用に道を開く事業認定の処分を行った。
 この空港の設置許可は、「用地取得の確実性」の許可要件(航空法39条1項5号)の充足を、「誠心誠意の交渉による全用地取得」を約する知事『確約書』を重要な根拠として、強引に認定したものである。この「確約」は全用地の【任意取得】を約するものであり、土地の強制取得がこれに反することはいうまでもない。もしこのような行政上の重大な約束違反が容認されるならば、法規範の意義はないに等しいというべきである。知事『確約書』を起業者自身が踏みにじることを認めたこの事業認定は、それだけでも違法性を断定するに十分である。
 この空港事業は、仮装の「用地取得の確実性」とともに、甚だしく過大な旅客需要予測の上に成り立っている。たとえこの空港が開港してみても、ろくな路線も便数も見込めないことは、県が航空会社との協定において搭乗率保証・運航赤字補填を約束せざるを得ない事実を見るだけでも明らかにである。こんな空港に未来はなく「公益上の必要性」(土地収用法20条4号)などあるはずがない。
 強制力をもって個人の財産権を奪うには、ただ公益性があるだけではなく、用地を取得して事業を完成させない限り著しく公共の利益が損なわれるという【高度の公益性】がなければならない。これが、事業認定について土地収用法20条各号が定める諸要件の意味するところである。これら全要件への該当を求めた法に違反するこの事業認定は、明らかに正義に反する違法且つ不当なものである。
 われわれは、またも繰り返されたこの官僚ナレアイの処分を契機として、さらに新しい闘争段階に入る。われわれは断じてこの無法と非道に屈しない。われわれは、政官業が結託した血税浪費に憤る広範な国民の良識と県下・全国の世論に深く依拠し、最後の勝利を確信して徹底的に抵抗し戦い抜く固い決意である。
 2005年7月5日
 空港はいらない静岡県民の会/空港に反対する榛原オオタカの森トラストの会/「空港ノー」吉田町民の会/空港に反対する地権者・住民の会/空港に反対する地権者・自治体議員の会/空港をかんがえる周辺住民の会/空港予定地の自然を守る会/空港用地共有地権者会

陸自練馬基地に抗議行動
対テロ市街戦訓練反対イラクから即時撤退を

 【東京北部】七月三日、自衛隊はイラクから撤退しろ!朝霞基地での市街戦訓練反対!練馬自衛隊基地撤去集会とデモが行われた。
 東武練馬・徳丸第二公園で一時より行われた集会では、まず、実行委員会の仲間が基調を提起した。
 米軍のトランスフォーション(大再編)による日米安保・日米共同作戦体制の再編強化とそれに伴う在日米軍基地の再編強化を許さず、キャンプ座間への米陸 軍第一軍団司令部の移転、横田基地の米軍と自衛隊の共同軍事使用に反対すること、そして沖縄の普天間基地の即時無条件返還、名護・辺野古でのボーリング調 査即時中止を訴えた。
 さらに北朝鮮ミサイル脅威論をテコとした自衛隊法改悪の動き、朝霞基地で行われている市街戦訓練に反対し、自衛隊解体に向け闘おうと提起した。これまで 矢臼別演習場で行われてきた「北方機動特別演習」を今年より「共同転地演習」と改め、北部方面隊が首都圏でテロや大規模災害を想定した訓練を六月から七月 にかけて行っている。北海道から北部方面隊第十一師団、第五旅団の千数百人の部隊が移動し第一師団(総監部・練馬駐屯地)の演習場(朝霞基地)で市街戦 訓練や災害救助訓練を行っているのだ。
 続いて、東京北部地域を中心に結集した諸団体の発言。板橋・あるこう会、戦争協力をしない!させない!練馬アクション、戦争協力はイヤだの声を地域から 南西部実行委、東水労北二支部、東京都国民ホゴ条例を問う会、北部労働者共闘の仲間が発言。
 デモ隊は東武練馬駅前を通り、練馬駐屯地へ。駐屯地正門ではイラクからの自衛隊の撤退、朝霞基地での市街戦訓練の中止、などを訴える申入書を手渡し、練馬駐屯地撤去!第一師団解体!のシュプレヒコールをあげ、解散地まで力強くデモを貫徹した。  (板)

申し入れ書
防衛庁長官殿
陸上自衛隊練馬駐屯地指令殿
 イラク戦争はいよいよ泥沼の様相を呈してきています。政権委譲後も戦闘は止むことなく、米軍の死者は五月だけでも八十人を数えています。
 昨年十一月には宿営地にロケット砲を打ち込まれた自衛隊派遣部隊は今度は移動中に爆発物によって襲撃されるなどきわめて危険な状態におかれています。ま た民間の戦争請け負い会社の日本人傭兵も連れ去られた後、その行方、生死とも不明のままです。
 「自衛隊のいるところが非戦闘地域」などという小泉首相の発言がいかにデタラメなものか改めて感じずにはおれません。
 その小泉首相は中国、韓国など、かつて日本から侵略を受けた近隣諸国の多くの反対の声を無視して、靖国神社参拝を今年も強行する構えです。海外派兵の常 態化の中で、「新たな英霊」を作ろうとしていると考えるのは穿った見方でしょうか。
 陸上自衛隊は現在、朝霞基地で「共同転地演習」を行っています。北部方面隊・第十一師団や第五旅団など北海道から初めて大規模な部隊が本土に移動して、 市街地を想定しての対テロ訓練を行っているということですが、このような訓練は「対テロ」「災害救助」を名目にしつつも、労働者・市民に銃口を向ける「治 安出動」に道を開くものと言わざるをえません。
 私たちはこのような戦争国家化を進めようとする動きに地域から反対していくことを表明するとともに、以下の申し入れを行います。
 1.陸上自衛隊練馬駐屯地を撤去すること。
 1.朝霞基地で行われている「転地演習」を直ちに中止すること。また来年以降行わないこと。
 1.自衛隊はイラクから直ちに撤退すること。
 1.八月に予定されている「大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)」の多国間合同訓練に自衛隊は参加しないこと。
 1.人殺しの道具である兵器を子供たちに公開する駐屯地祭を来年以降中止すること。
以上
有事立法・治安弾圧をゆるすな!北部集会実行委員会/反安保・反自衛隊・反基地闘争を闘う北部実行委員会/7・3練馬自衛隊基地撤去集会・デモ参加者一同


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