鎌田慧さんが経営と労組の姿勢を厳しく批判
【大阪】七月四日、「国鉄闘争に共闘し、闘争団を支える」大阪の会の総会がエルおおさかで開かれ、共同代表の前田裕晤さんがあいさつした。
電電公社が民営化されたときは、職員は全員雇用されたが、国鉄の場合はその点が違う。また鉄道は確かに便利になった点もあるが、その裏でたくさんの小売店がつぶれた。社会的な労働がどのような形であり得るのか考えながら、社会の中にあってよかったといえるところまで闘っていきたいと述べた。その後総会を行い、最後にルポライターの鎌田慧さんが講演した。要旨は以下の通りである。
末期症状を露呈し
ている資本主義
JR尼崎事故のことで、マスコミが報道していないことがある、それは労働者の安全のことだ。「抵抗なくして安全なし」は三井三池労組のスローガンだった。三池労組の職場支配が切り崩されて負けていなければ、五百数十人が死に、後遺症に苦しむ多くの労働者がでた三池炭坑の大爆発は起きなかっただろう。国鉄の民営化がなければJR事故は起きなかったと断言できる。民営化が事故を起こすと十五年前に鎌田慧が言っていたと、金子勝氏が紹介してくれたが、言っただけでは何にもならない。この事故を本当に総括しないとまた同じ事故が起きる。
五月末にJR西日本は安全性向上計画を出した。これは生産性向上計画のひっくり返しで、安全性の思想はない。民営化以来、誰も反対するものがいないことをいいことにして、効率化の浸透をどんどんやってきた。五月二十六日、朝日新聞は二面にわたって井出会長の談話をのせ、弁明の機会をつくっている。彼は、事故は自分の責任だといい、国鉄改革が徹底しなかったことが問題だったといった。この理屈は説教強盗と同じだ。
運転台の労働者は、安全無視の経営の犠牲者だ。経営と対決してこなかったことでは、労働組合も共犯者になる。最近、労災事故での死亡数は減ってきたが、重大事故は増えている。地方から出稼ぎにきた下請労働者は労災で死んでも労災扱いされず、十万円程度の見舞金でかたづけられている。コスト削減の問題を追及するのは労働組合の責任だが、JR西では労組はこれをしていない。緊張関係の中で経営に突きつけない限り安全はない、特に大量輸送の場合は。羽田沖に日航機が追突した事故の後、管理職であった機長たちは機長組合をつくった。それからは事故は起きていない。
マスコミ、編集プロダクションやデザイン関係の企業の、特にその下請け会社の実態はすさまじい。一カ月も家に帰らず、残業手当もない、一週間ぐらいは徹夜労働。スポンサーから入る金は減っているが、親会社は下にはあまり渡さない。労働現場は二重三重の構造になっている。資本主義の末期的な状態だ。いつ体をこわし倒れるかわからない劣悪な環境で働く労働者によって全体が支えられているが、経営は劣化している。
JR西の安全性向上計画のなかでは、安全性を剥奪してきたから経営が安定してきたというのが事実なのに、経営が安定してきたから安全性意識が消えていったといっている。下からの提案がないと安全性はない。日勤教育は、人材活用センター以来ずっとJRがとってきた人間性無視のやり方だ。
ある教師から学校教育に対する批判がないとの指摘もあったが、企業の労務管理のやり方が教育に持ち込まれ、その成果が企業に環流されるというように、行ったりきたりしながら、管理が強化されている。日本の社会全体、企業も労組もマスコミも生産性向上のためにやってきたのだから根は深い。井出会長がやめればそれで問題がかたずく訳ではない。
JR解雇のこと、労災のこと、労働者をどう守るか、未組織のこと、地域の共闘関係をどうするか、この事故を「チャンス」として共通するところで安全のための共闘を検討してほしい。
鎌田さんはこのように問題提起をして講演を終えた。
JR西日本株主総
会での発言と答弁
この後、株主市民の会の樋口さんからJR西日本の株主総会の様子が報告された。
今年の株主総会では多くの人に発言の機会がつくられたが、企業側の答弁は安全性向上計画のなかの文章を読むだけで、基本的には発言に耳を傾けてはいなかったという。また、安全投資に回すなら配当を増やせと主張する株主も少なからずいたとのことだ。国鉄時代にあった五項目の綱領のうち二つ(安全のため全員が一致協力する。疑わしきはもっとも安全な判断をとらねばならない)はJRになってから削除されたそうだが、左遷されていてこのたび役員(副社長?)に返り咲いた人物がこの二項目の必要性を主張していたので、今後注目したいとのことであった。
最後に、イギリス鉄道海運労組を招いて七月十三日に開かれるノーモア尼崎事故「民営化を問う」関西の集い、七月二十八日のJR宝塚線事故は警告する7・28尼崎集会、鉄建公団争議団を励ます7・15全国集会への参加呼びかけがあった。 (T・T)
注入される天皇制国家主義
「つくる会」教科書で模擬授業をやってみた
【東京東部】六月二十六日、江東文化センターで「なんちゃって模擬授業『つくる会』教科書で『歴史』を学ぼう」が江東・教科書採択を考える実行委主催で開かれた。
主催者を代表して、中村まさ子区議が「区議会文教委員会と教育委員会に対して、扶桑社版の教科書を採択しないようにとする陳情が二件出ている。四年前のように、採択要求の陳情は出てない。『つくる会』教科書を使った授業はどんなものかを実際に知ることは重要だ。勉強していきたいと」と話した。
模擬授業に入る前に、東京都教育委員会が検討資料として「歴史」「公民」で各教科書が次のような点でどのような扱いをしているのかを調査して、結果を明らかにしている。このことは市区町村での採択にあたって、大きな影響を与えるだろうと、危惧する報告があった。
都教委が出した
「検討資料」の中身
都教委の「歴史」教科書では以下のようになっている。
イ 具体的な調査研究項目
@ 具体的な調査研究の対象とした事項
歴史の人物、我が国の文化遺産及び国際関係や文化交流についての取り上げ方
A 調査対象事項を設定した理由・比較上の工夫及び留意点
我が国の歴史に対する関心を高めたり、理解及び愛情をより深めたり、あるいは国民としての自覚を育てたりするために、歴史的分野の学習においては、歴史上の人物、文化遺産、我が国の歴史に見られる国際関係や文化交流について、目標の(1)(2)(3)(4)により取り上げていることが多い。したがって、これらの事項について記述されている箇所数を調査するとともに、各時代の人物や歴史的事象(事項)の内容を調査し、比較することとした。
また、東京都教育委員会の教育目標の基本方針1「人権尊重の精神と社会貢献の精神の育成」により、人権尊重の理念を正しく理解できるようにするため、北朝鮮による拉致問題の扱いについて、その扱いの有無、扱い方、取り上げている項目、記述の概要を調査した。
そして、学習指導要領の内容の取扱いにより、考古学などの成果を活用するとともに、神話・伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰やものの見方などに気付かせるように留意するため、神話や伝承を知り、日本の文化や伝統に関心をもたせる資料について、その扱いの有無や取り上げられている資料名、記述の概要を調査した。
扶養社版採用に
向けた強い圧力
「公民」教科書の調査については、北朝鮮拉致問題の他に以下のものが追加されている。
我が国の領域をめぐる問題の扱いについて
学習指導要領の内容の取扱い「世界平和の実現については、領土(領海、領空を含む。)、国家主権、主権の相互尊重、国際連合の動きなど基本的な事項を踏まえて理解させるように留意すること」から、我が国の領域をめぐる問題について正しく理解できるようにするため、その扱いの有無、扱い方、取り上げている項目、記述の概要を調査する。
この都教委の調査なるものは、明確に「つくる会」教科書を採択せよといっているようなものとなっている。都教委のこうした介入を絶対に許すわけにはいかない。
国家への忠誠
を強制する授業
扶桑社版「歴史」教科書を使った模擬授業が行われた。
忠君愛国で、戦前の授業を受けているような気分にさせられてしまい、いやなものだった。模擬授業では、三浦朱門、西尾力、西尾幹二らの参考資料も使われた。「つくる会」教科書とこうした資料が使われると、その右翼排外主義・天皇主義は相乗され、きわめて危ないものだと理解できた。
授業の後、教科書が展示してある教育センターに行き、教科書を手に取り中味を確認していった。「つくる会」が何をねらっているのかがよくわかる学習会だった。「つくる会」教科書採択を許すな! (M)
資料
服務事故再発防止研修処分取消等請求訴訟および執行停止申立にあたっての声明
`日の丸・君が代a不当処分撤回を求める被処分者の会
7月21日、都教委は今年の卒入学式の「君が代」斉唱時の不起立を理由に処分を発令した教職員に対して「服務事故再発防止研修」という名で、「反省・転向」を強要しようとしている。午前・午後の二回に分けて行われるこの「研修」に対して被処分者の会は声明を発して、当日の集会・行動を呼びかけている(全水道会館)。
東京都教育委員会(都教委)が2003年10月23日に出した異常な通達(10・23通達)に端を発する、卒業式、入学式、そして周年行事(創立記念行事)における「君が代」斉唱不起立・不伴奏等を理由とした大量処分の延べ人数は、311名に達しており、この異常な弾圧に全国からの注目と批判が集まっています。
たとえば本年6月に朝日新聞社が実施した、都民への世論調査によると、「君が代」不起立に対する処分に対して「反対」の意見を持つ人の割合は61%となっており、多くの都民が都教委による「日の丸・君が代」に対して批判的なまなざしを持っていることがわかります。
また、4月26日に福岡地裁は、「君が代」不起立を理由に北九州市の教員に対して出された減給処分を取り消す命令を出しました。
以上のように、思想・良心の自由や、個人の人格権にまで踏み込む「日の丸・君が代」強制に、世論も法による審判も、「行き過ぎ」であると判断している状況にあるのです。
しかしながら都教委は、6月8日付で、今春の卒業式・入学式に係る処分を受けた51名の教職員に対し、「服務事故再発防止研修」の受講を命じました。
昨年8月および本年1月に強行された「研修」のうち、「基本研修」は、民間警備員までを導入し、異常な監視下にある空間に被処分者を閉じ込め、無意味な講義の受講と報告書の作成を命じたもので、およそ「研修」の名に値しない実質的な懲罰行為、すなわち被処分者に対する二重の処分行為であったことが明らかになっています。
また、減給処分者を対象とする「専門研修」は、密室において1名の被処分者を5名の都教委職員および校長が取り囲んで、繰り返し指導する、JR西日本の「日勤教育」と比すべき不当な内容のものでした(これらの行政処分に対しては、現在損害賠償を求める行政訴訟を行っています)。
本日私たちは、東京地裁において、都教委ならびに区市教委によって再度発令された不当な研修命令に対し、執行停止を求める申立を行いました(都立学校25名、小中学校5名の計30名が申立て)。昨年7月に同様の申立を行った際には、東京地裁はその決定において「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」という鋭い警告を発しましたが、いわば「実際に研修をやってみないと(実施の是非は)わからない」という立場から、執行停止命令は出しませんでした。
しかし現在では、その異常な研修の実態は明白になっていますし、新行政訴訟法にいうところの「重大な損害」が発生する見込みは明らかです。よって、私たちは、必ずや執行停止命令が下されるものと確信して、この訴訟を闘っていく決意です。
2005年7月7日
`日の丸・君が代a不当処分撤回を求める被処分者の会
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