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東京、愛媛などで強まる採択の動き           かけはし2005.7.11号

各地域から「つくる会」教科書採択を阻止する闘いを!

未来を切り開くために

子どもたちに渡すな!このあぶない教科書を

 【大阪】「子どもたちに渡すな!あぶない教科書」6・25大阪集会が、大阪市中央区民センターで開かれた。主催者を代表して上杉聰さんがあいさつをし、二〇〇一年の採択時の扶桑社の採択率は〇・〇九%だったが今回は状況が異なると語った。つくる会内部情報によると、東京都の半分、愛媛県の全体で採択が見込まれるとのこと。東京都教委は、扶桑社教科書の採択に有利な採択基準を示している。つくる会は、検定前の配布は禁止されているにもかかわらず、白表紙本(出版社名を印刷していない)を大量に配布し、昨年の七月から営業活動をしていた。文部科学省はただの注意ですませている。
 上杉さんは今回来日の安秉佑さんと、白表紙本が送られた和歌山県の田辺市・有田市におもむいて要請をした。和歌山県議会では、海外の圧力に屈するなという議会決議が行われているが、河野官房長官の談話、小渕首相・金大中大統領共同声明に沿った立場で申し入れを行ったと語った。また上杉さんによれば、新潟では拉致被害者家族の横田滋さんたちが「拉致問題に詳しい教科書を採択」してほしい旨の要請をしているという。結局この拉致被害者家族会の運動は、拉致問題にとどまらず、全体として右翼ナショナリズムの方向に進んでいることが、ますますはっきりしてきているように思える。

戦争を賛美し人権
を嫌悪する記述

 続いて、実行委員会から扶桑社教科書の詳しい批判が、スクリーンに映し出される教科書の画像を使って行われた。歴史教科書は、「戦争する国」の教科書だ。皇国史観を復活させ、神話を史実のように扱っている。日本が過去に朝鮮を支配していたという根拠のない任那日本府説を復活させている。武家政権の力を小さく記述している。侵略戦争を植民からの解放戦争とのべ、後に半日抵抗闘争が起きたことにはふれていない。日本海海戦・真珠湾攻撃で「日本はよく戦った」と好戦的な記述している。南京虐殺・沖縄戦・原爆では、被害者を少なく記述している、などなど。
 公民教科書は、天皇と自衛隊がてんこ盛り。世界で活躍する日本人としてトップに自衛隊を載せ、二ページをさいて、憲法改正を積極的に主張している。自衛隊の規模をくわしくのせ、国防の義務・集団的自衛権をのせて、平和は軍隊によってしか守れないという考えを押しだしている。竹島は日本固有の領土だとし、韓国が不当に占拠していると思わせるための写真をのせている。ジェンダーフリーを否定し、弱者や福祉政策を軽視する新自由主義の立場で述べている。これがディベートだ!というコラムでは、永住外国人の参政権・PKO協力法・少年法改正など複雑な問題を扱っている。一方、世界人権宣言・子どもの権利条約・女性差別撤廃条約・男女雇用均等法はのせていない、など。

日韓中共同歴史
研究の大きな意義

 安秉佑さん(アン・ビョンウさん、韓神大教授、「アジアの平和と歴史連帯【教科書運動本部】」共同運営委員長)が韓国の報告をした。北海道の人が韓国にきて歴史教科書問題で要請があった。民主化闘争の時に日本から受けた支援のお返しをすべきだと考え受け入れた。韓国では四月八日、大統領直属の「正しい歴史教科書対策チーム」がつくられた。また、四十六の学術団体が結集して韓国歴史研究団体協議会がつくられた。四月十一日にはシンポジュームを開き、日本の四つの教科書(扶桑社含む)を検討し、扶桑社教科書は民族優越主義だと評価した。扶桑社教科書は二〇〇一年度版より改悪されている。国会でも教科書を展示し、国会議員も参加して抗議集会を開いた。日韓首脳会談で歴史共同研究が合意されが、六月三日に、六十七項目に及ぶ修正要求を出した。韓国の十四の市では姉妹都市の関係にある日本の市に扶桑社教科書を採択しない旨の要請を行っている。
 日本・中国・韓国共同研究による「未来を開く歴史 東アジア三国の近代史」(高文研)、日韓共通歴史教材制作チームによる「朝鮮通信使 豊臣秀吉の朝鮮から友好へ」(明石書店)は、大きな意義がある。友好は歴史認識の共有からしか実現しない。安さんは「日本の政界は右傾化しているが、市民の力で止めよう。自分の政治目的のために歴史を歪曲することは許されない。垣根を低くし、一国史観から抜け出よう」と訴えた。

教委申し入れ行
動などに全力を

 最後に、「子どもとともに平和教育を考える城東の会」、在日コリアン青年連合、教科書採択を見守る堺の会、民団大阪地本、大阪ユニオンネットワーク、在日韓国民主女性会からアピールがあり、最後に実行委員会より、この一カ月が山場だ、教科書展示場に足を運ぼう、教育委員会に申し入れをしよう、との行動提起をみんなで確認した。
 全国各地の闘いと連携し、この極右国家主義教科書の採択を阻止するために広範な運動を!(T・T)


普天間閉鎖と辺野古撤回を求めて
懐柔策を突破し基地のない沖縄を実現しよう

 六月二十三日、東京・南大塚ホールで「沖縄慰霊の日に普天間閉鎖と辺野古新基地撤回を求める」集会が開かれた。大田昌秀参院議員(社民党)は沖縄戦とその戦後の経過を踏まえ、憲法改悪を許してはならないと訴えた。「私は『復帰』には賛成した。それは日本国憲法によって、沖縄民衆の基本的人権が保障されるようにとの思いからだ」と述べた。そして、三十度線による分断政策、マッカーサー発言、キャラウエイの離日政策、天皇メッセージ、吉田茂が指示した「バミューダ方式(米に対する離島群の99カ年租借)」などを解説しながら、日本国家に利用されてきた沖縄を語るのだった。
 「沖縄の問題について『本土』と『沖縄』の温度差だといわれることは心外だ。問題は日本による沖縄の切り離し方、基地の押し付け方なのだ。当時の鈴木貫太郎首相が沖縄戦の最中に『沖縄の軍官民と一体となって特攻する』といった発言の真意は、沖縄に対する決別の辞に思えた。ちょうどその時期、東京・明治神宮では奉納相撲などという行事が行われていたのだ。米国の研究者は、日本は二〇一〇年までに憲法改正は終わり、二〇一五年までに核兵器を所有するだろうといっている。憲法が変われば徴兵制もしかれる」。最後に永井隆さんの「いとし子よ」から引用して朗読した。
 平和センターの山城博治さんは、県内移設阻止を打ち出した5・15普天間包囲行動の成果が、辺野古での施設局交渉に反映され、普天間撤去の市民合意形成につながったと強調した。「だが復帰のとき、SACO合意のとき、日米政府によって沖縄民衆のたたかいの芽は刈り取られてきた。米軍再編協議による沖縄の海兵隊削減を示唆したキャンベル元国防次官補代理が今になって、再編に期待してはいけないと発言している」と述べ、懐柔を乗り切り基地撤去のたたかいを自力で勝ち取ろう、と訴えた。
 演説の後、軍人節が流され、5・15行動の感想がワールド・ピース・ナウの参加者と全水道労働組合の方から提起された。辺野古への海上基地建設とボーリング調査を許さない実行委から要請された会場カンパは七万円以上集まり、辺野古へ向けて届けられる。参加者数は主催者発表で二百人となっている。  (海田)




郵政民営化反対行動日誌(05・6・23〜7・4)
衆院採決阻止へ緊迫した攻防


6月23日(木)●郵政民営化特別委員会で細田官房長官が郵政民営化の政府広報受注問題で政府答弁が二転三転していることについて「今後このような疑惑を招くことのないようにする」と陳謝。●特別委員会に参考人として出席した全国地方銀行協会の瀬谷俊雄会長は「(民営化後の郵便貯金銀行の)資金量は地銀64銀行すべてを足してもかなわない」と民業圧迫もありえると答弁。●この日、郵政民営化特別委員会での審議時間が、民営化関連では過去最長だった国鉄改革関連法案(86年)の76時間に並ぶ。●自民党三役は29日に特別委員会で、7月1日までに本会議で法案を採決すること決める。●自民党内の郵政事業懇話会が、執行部の修正案に反対する方針を確認。
6月24日(金)●東京・三鷹で「郵政首切り物語」上映会。免職者の池田実さんが郵政民営化法案の問題点を提起。●郵政民営化特別委員会の与党理事が「まだ採決時期を議論する時期にない」と批判。民主党の中井洽筆頭理事も抗議。
6月26日(日)●鹿児島市内で、県議会郵政事業懇話会が2千5百人の反対集会開催。
6月27日(月)●国際決済銀行(BIS)年次総会。日本の郵政民営化について、金融機関の競争力向上へのステップになるが、「国債引き受け見直しなど、効率的な資産運用ができるかは不透明」と。●衆院郵政民営化特別委員会のメンバーが翌日の地方公聴会に先立ち、札幌市豊平区の豊平郵便局、佐賀県唐津市の離島にある馬渡島郵便局を視察。馬渡島郵便局の浦丸政延局長「島には、金融機関は漁協と郵便局しかない」。地方公聴会の唐津市派遣委員団長を務める自民党の山崎拓筆頭理事らは欠席。
6月28日(火)●札幌市、佐賀県唐津市、新潟県上越市で公聴会開催。上越市での公聴会では豪雨をついて郵政労働者ユニオン新潟支部などが郵政民営化反対のチラシまき。東京からも郵政労働者ユニオン、ATTACジャパンなどが参加。公聴会傍聴も。北海道でもATTAC北海道のメンバーなどがチラシまき。郵産労やJPUなども宣伝活動を展開。各地の公聴会では民営化に伴う公共サービス縮小を懸念する声が続出。●市民監視ネットが国会議員全員に傍聴会でも配布したニュースを配布。●自民党執行部、郵政民営化法案の修正について政府と合意。2017年の完全民営化後の株式持ち合いは、「連続的保有」を認める規定を法案に明記。窓口会社の業務として「貯金・保険」を例示、過疎地などの赤字を補てんする社会・地域貢献基金は2兆円まで積み増す、「3年ごとの検証」を「3年ごとの見直し」に変更することも法案に盛り込む。修正案はは夕方開かれた党総務会に提示、全会一致が慣例となっていたが多数決で了承。反対派は反発。小泉首相は「決まってよかった」と。これまでの「修正は受け入れない」との立場を一転。
6月29日(水)●小泉首相、都議選明けの4日に特別委員会通過を目指す。●自民・公明両党、衆院郵政民営化特別委員会の理事会で、郵政民営化関連法案の修正案を提出。●日本郵政公社の生田正治総裁、法案の修正案については「経営の自由度が増す方向でとりまとめが進んでおり結構なことだと思う」と評価。●特定郵便局長OBらでつくる自民党の有力支持団体「大樹」全国会議、「支援協力していく」という旨の文書を自民党に提出。●連合の笹森清会長ら、郵政民営化法案の国会提出は憲法違反だとして、国に対し違憲確認と損害賠償計600万円を求める訴訟を東京地裁に提訴。
6月30日(木)●衆院郵政民営化特別委員会で与党提出の修正案が事実上審議入り。●公明党の冬柴鉄三幹事長が、法案の衆院採決が東京都議選後に先送りされたことについて「自民党が屈服した」と。●山崎拓自民、中井洽民主の特別委員会筆頭理事が、4日午後に採決することで合意。●自民党代議士会で、多数決で了承した28日の総務会の運営について執行部を批判続出。
7月1日(金)●自民党、衆院郵政特別委の同党委員22人のうち、委員会採決で反対する可能性のある8人を他の議員に差し替える「委員異動届」を提出。それまでの審議、地方公聴会などを軽視する暴挙。●衆院郵政特別委、小泉首相と関係閣僚が出席し、締めくくり質疑。小泉首相、都市部の郵便局について「全部今のままだとは考えていない。統廃合でサービスが低下する場合も一部であるかもしれない」。●公明党は、自民党議員が採決に反対した場合、次期国政選挙での「推薦は難しくなる」と。●3回目の参考人質疑。松原聡・東洋大教授は、郵政3事業はいずれも民間と競合しており、民業を圧迫している、民営化は必要で事業分割を行うことが不可欠、と。エコノミストの紺谷典子氏は、改革は国民のためでなければならず、権力者の個人的な好みで変わっていいとは思わない、と民営化に反対。山崎清・郵政産業労組委員長は3事業一体で成り立たせてきた郵便局ネットワークをズタズタにする民営化は認められない、民営化反対。全国銀行協会の前田晃伸会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は、民営化に伴い発足する郵便貯金銀行について、10兆円規模への縮小が望ましいと、業界のねらいをあけすけに語る。●自民党の自見庄三郎元郵政相、反対を表明。●日本郵政公社、投資信託の販売業者として6月に証券取引法上の登録金融機関になったことを受け、日本証券業協会に加入。10月3日、全国575郵便局で3本の投信を発売する。「銀行の窓口販売と合わせ投信市場を活性化し、全体のパイを大きくすることにつながる」と生田総裁。
7月4日(月)●郵政労働者ユニオン、郵産労など全労連が国会前で委員会採決に反対して、座り込み決起集会。JPU(旧全逓)も国会前行動。夕方衆院郵政特別委員会で民営化法案を可決。

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