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「『従軍慰安婦』という言葉は当時なかった」だって?   かけはし2005.6.27号

歴史歪曲を強制する確信犯中山文科相の暴言を許すな


靖国参拝の正当化と一体

 中山成彬文科相は、六月十一日、静岡市で行われた教育改革タウンミーティングで「そもそも『従軍慰安婦』という言葉は当時なかった。なかった言葉が教科書に出ていた。間違った記述がなくなったのはよかった」と発言した。すでに昨年十一月に、「極めて自虐的で、やっと最近、いわゆる従軍慰安婦とか強制連行とかいった言葉が減ってきたのは本当に良かった」などと居直り発言を行っている。
 中山の反動発言の繰り返しは、日本軍「慰安婦」に対する冒涜であり、犯罪的な歴史歪曲だ。静岡での発言は、明らかに天皇制と侵略戦争を賛美し、加害責任を否定する「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書を八月に採択させるための意図的な発言である。われわれは中山発言を断固糾弾し、文科大臣を辞めさせなければならない。
 小泉政権が派兵大国化に向けた改憲・教基法改悪、新自由主義と新国家主義を押し進めているなかで、この中山発言が繰り返されていることを警戒しなければならない。新たなナショナリズムの形成をにらんだ小泉靖国参拝の正当化と一体なのだ。

極右政治家中山の来歴

 そもそも中山は、自民党国会議員による「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(一九九七年十一月発足、代表・中川昭一、事務局長・安倍晋三)の副代表から座長まで担ってきた。また、「新しい歴史教科書を作る会」、日本を守る国民会議(現在の日本会議)などの天皇主義右翼潮流とも連係プレーをとりながら中学校の歴史教科書の日本軍「慰安婦」に関する記述削除運動を先頭で取り組んできた人物だ。
 すでにこの時点で中山は、『歴史教科書への疑問』(若手議員の会編)において「自虐史観に貫かれた今の歴史教科書を一日も早く改定することが国家百年の計として必要だ」、「いわゆる『従軍慰安婦』が、今年から中学校の教科書に載り、いたたまれない気持ち」だとストレートに敵意を現していた。
 歴史教育を自虐史観と称して歴史歪曲の押しつけを策動してきた中山は、同時に新自由主義的教育改革の推進者でもある。自民党森派の清和政策研究会政策委員長につき、「憲法改正も視野に入れた教育基本法改正論議を」と掲げ、「情報化、グローバル化」時代を勝ち抜くための派兵国家化への飛躍、「日の丸・君が代」と「愛国心」に貫かれた「日本人」育成などの「提言」をまとめあげている。

「教育勅語」まで賛美


 中山の天皇制賛美ぶりは、○二年四月の清和会主催の「教育問題全国タウンミーティングin大阪」における発言によく現れている。「教育勅語を読み返してみましたが、『古めかしい』『天皇の』ということでこれまで遠ざけてきましたが、本当にすばらしいことが書かれています。……このことを子どもたちがわかればすばらしい社会ができるのではないかと思います」と「時代錯誤」もはなはだしいのだが、中山自身はこのことを「心のノート」、「愛国心教育」の強化によって実践しようとしているのだ。
 さらに、中山は文科相になってからは、右翼潮流との接近を露骨に展開している。例えば、日本会議と日本会議国会議員懇談会による教基法改悪要望書に対して「賛同」表明したり、○四年十一月の「教育基本法改正を求める中央国民大会」には、政府代表として教基法改悪推進発言をした。
 以上のように中山発言は、単なる暴言ではなく、天皇制と侵略戦争を賛美し、扇動する役割を自覚した確信犯なのである。即刻辞職させなければならない。そして、このような反動中山を文科相に就任させた小泉政権を打ち倒していこう。       (Y)



声明
中山文科大臣発言に抗議し即刻、文科大臣を辞任(解任)することを求めます!
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク

内閣総理大臣 小泉純一郎様
文部科学大臣 中山成彬様

 去る六月十一日、中山文科大臣は静岡市で行われた教育改革タウンミーティングで「そもそも『従軍慰安婦』という言葉は、その当時なかった。間違ったことが教科書に載った。それが無くなってよかったと評価した」と発言し、十三日の記者会見では「そういう仕事というか、そういうところに身を貶めなければならなかった方々がいたことは、本当に大変だったろうが、これは日本の女性がほとんどだった」と述べました。私たちはこの発言を許すことはできません。この発言には重大な問題があります。
 まず第一に、言葉を否定することにより事実と認識を否定するという姿勢です。細田官房長官が述べているように、すでに日本政府は日本軍の関与と「慰安婦」の強制性を認め、その上で「謝罪と反省」を表明し、なおかつ「このような歴史の事実を回避することなく直視していく」「歴史研究、歴史教育を通じてこのような問題を永く記憶にとどめていく」と、公的に表明(河野洋平内閣官房長官談話93年8月4日)しています。教科書に記述されてきた「慰安婦」問題は「間違ったこと」ではなく、閣僚が日本政府の認識を否定しているのです。
 第二に、この官房長官談話は日本政府の「慰安婦」問題に対する公約であり、被害者に対する誓いです。これが現在の日本政府の見解であることは、小泉首相自らバンドン会議や国会答弁などで明らかにしています。それにも関わらず小泉首相は中山文科大臣発言について「問題にならない」(6・13記者会見)と述べました。韓国や中国など隣国から日本の歴史認識に対して抗議が激化し、重大な事態に直面している今、中山文科相の誤った歴史認識を正さず、その問題発言の責任を問わずに野放しにしている姿勢は、日本の政治リーダーとしては失格です。こうした日本政府のダブルスタンダードが、盧武鉉大統領に「侵略と加害の過去を栄光と考える人たちと生きるのは、全世界にとって大きな不幸だ」と言わしめ、胡錦涛国家主席に「言葉ではなく実行を」と言わしめたのです。
 第三に、このような歴史認識が欠如した閣僚の暴言が相次ぐのは、「慰安婦」問題に対する調査が不十分であること、また十数年来、国連人権委員会やILO専門家委員会、女性差別撤廃委員会など国際社会が日本政府に対して適切な措置を取るよう繰り返し勧告してきたにも関わらず日本政府が無視を続けてきたからです。真実と責任に真摯に向き合わない「心からの反省」とは一体、何なのでしょうか。
 「慰安婦」問題が戦後補償問題として浮上してから十五年の歳月が流れます。この間、被害女性たちは何度も何度も日本に来て自分が受けた体験を語り、真の反省と謝罪を求めてきました。女性たちは戦後も重いPTSDに苦しみ、「生きているうちに尊厳を回復したい」と訴え続けてきました。中山大臣発言などが繰り返されることにより、被害者は更に傷を深め、苦しみを増大しているのです。加害は今も繰り返されているのです。
 小泉首相、中山文科大臣、あなたたちは一度でも被害者の声に耳を傾けたことがありますか? 一度でもその加害に心を痛めたことがありますか? 女性たちが受けた被害に目をつむり加害責任から逃げ続ける姿勢が、国際社会の信頼と信用を得ることであると考えているのでしょうか。
 教科書に「慰安婦」問題を記述して後世にこの問題を教えていくことは、日本の過去に対する責任であり、「反省」が真実であることの証です。歴史を歪曲する「つくる会」の教科書(扶桑社)が検定を通過したことで、これほど隣国との関係が悪化している状況は、歴史認識を正しく持つことがアジアの国々と信頼ある関係を構築し、東北アジアの平和と安定の基盤であることを指し示しています。
 小泉首相、中山文科大臣、被害者の痛みと叫びに耳を傾けてください! 歴史の事実を直視してください!
 私たちは、以下について即刻実現されるよう、強く求めます。
 一、中山成彬文科相は発言が誤っていたことを認め、直ちに辞任すること。
 二、小泉首相は閣僚・政治家の暴言に対して毅然とした態度を示し、その発言を正し、中山大臣の解任を即刻行い、暴言を野放しにしてきた自らの責任を明らかにすること。
 三、小泉首相は九三年官房長官談話を政治姿勢に反映させ、二度とこのような暴言が繰り返されないよう明確な姿勢を打ち出すこと。
 四、国連勧告などに耳を傾け、「慰安婦」問題解決のため、早急に「慰安婦」立法など具体的な措置を講じること。
 二〇〇五年六月十七日
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)
アジア女性資料センター

b連絡先
戦争と女性への暴力日本ネットワーク(VAWW-NET Japan)
112-0003 東京都文京区文京春日郵便局局留
TEL/FAX 03-3818-5903
E-mail
vaww-net-japan@jca.apc.org
http://www.jca.apc.org/vaww-net-japan/


9条改憲反対の声をもっと大きく
「九条の会」が7・30有明講演会への参加呼びかけ

 昨年六月十日に発足した「九条の会」は、九条をターゲットにした憲法改悪に対する多くの人びとの危機感の中で、全国各地で反響を呼び起こしている。すでに各地で二千に達する「九条の会」が作られた。「九条の会」が主催する講演会は、すでに全国八カ所で、合わせて二万七千四百人の人びとが参加して開催され、いずれも会場に入りきれずに、第二会場、第三会場まで埋め尽くすような多くの人びとが詰めかけている。
 きたる七月三十日(日)には、東京の有明コロシアムを会場に「『九条の会』有明講演会」(正午開場、午後1時半開会)が行われる。六月十八日の朝日、毎日、東京各紙には、同講演会への参加を呼びかける7段意見広告が掲載された。
 七月三十日の講演会は、参加希望者が一人1枚、返信用封筒を同封の上申し込み、先着一万人で締め切るという方式をとっている。ぜひ、参加しよう。(K)

b申し込み先:101-0065 東京都千代田区西神田2-5-7 神田中央ビル303 「九条の会」・有明講演会係 TEL03-5213-8530         


 こらむ                                     やればできる―熱い思いが湧き出た

 私は郵政民営化阻止のための国会前座り込みや各種集会に参加した。そんな中で、「やればできる」という熱い労働者の闘いを感じた。
 郵政民営化阻止の闘いは、郵政労働者ユニオンが組織を結成して以来の最大の闘いである。国会前の連日の座り込み、地域での集会や宣伝活動の取り組みなどを通して文字どおり全国政治の最前線に踊り出た。
 職場ではJPU(旧全逓)や全郵政(東京で多数を占めたという)が当局と一体となり、労使協調で民営化されていない現段階でも利潤追求のための経営を押しつけている。民営化されたらどうなるかという労働者たちの不安や不満を取り上げる水路がなく、あきらめムードが漂うという。
 こうした職場での困難を乗り越えて、郵政ユニオンの労働者たちが決起した。国会前での取り組みの報告や決意表明のなかで、郵政ユニオンの労働者たちは「郵政ユニオンを作ってよかった。今回の闘いで組合の重要性をこれほど感じたことはない」と何人も語っていた。
 さらに、ATTACジャパンが積極的に運動に参加したことにより、郵政労使の間だけの労働組合運動にきり縮められることなく、郵政民営化問題を、公共サービスの破壊に反対する普遍的な課題に押し上げることができたことだ。
 そして、民営化問題が日本だけの問題ではなく、他の諸外国でも進められる公共サービスの破壊阻止の闘いと一体であり、阻止した国、抵抗している人々がいることを知らしめ、運動に勝つ可能性を与えていることだ。
 もうひとつ素晴らしいことがあった。JR福知山線の事故によって、国鉄民営化が問われるているように、過去に進められた民営化がどのようなものであり、いまどうなっているのかに関心が集まっている。電電公社や国鉄の民営化問題だ。これと闘い抜いている電通労組や鉄建公団訴訟原告団との共闘が運動的に作りだされつつあることだ。
 国会前座り込みや地域での集会に、電通労組や国労の仲間が積極的に参加し、共通の課題として実感させる訴えを行ったことである。これまでになく郵政労働者、NTT労働者、JR労働者の闘う連帯が強められた。小さい力でもその力を結集し、きりのように穴を開ける力を発揮すれば、敵の弱点を打ち、何倍もの力となり勝利することさえ可能であることを示してくれた。さらに運動を進めよう。   (滝)


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