| 地域に根ざした公共サービスを防衛しよう かけはし2005.6.27号 |
三日連続の国会行動のスタート
明確な民営化賛成世論はますます減っている
六月十四日午前十一時から、国会前で郵政民営化反対の座り込みを行った。郵政ユニオンとともに、国労稚内闘争団、鉄建公団訴訟原告団、松戸市議の吉野信次さんを支援する仲間、ATTACジャパン、ATTACこうとう(準)、全労協中岡事務局長などもともに座り込んだ。
郵政ユニオン松岡本部書記長は総括的な提起をした。
「NHKなどの世論調査が発表された。民営化に反対ないし、審議をつくせなどの意見が六〇%を超えるようになっている。賛成の意見の多くが@行政改革に役立つAサービスの向上を上げていた。しかし、この間、行革とは関係ない、サービスがよくなるというのはごまかしだということが理解されるようになり、賛成が下がっている。郵政民営化法案をつぶせるチャンスが広がっている」。
「この間の審議で明らかになったことは、@二万四千局ある郵便局で守れるのは七千局A郵貯・簡易保険は廃止する――これでは利便性を守れない。さらに、隠れ負担が減るといってきたが、公社を維持するほうが収益が大きい。もし民営化されれば六千〜七千億円新たに負担が必要となることが明らかになった。外資から三百五十兆円の預貯金を守るのか。これについては民営化後の経営者にまかせるとしか答弁がなく、明らかになっていない」。
そして、最後に松岡さんは「明日、明後日とがんばり民営化を阻止しよう」と提起し、集会を終え、国会議員オルグに入った。(M)
郵産労の議面集会でも発言
電通労組の仲間たちも民営化阻止で連帯発言
六月十五日、会期末を目前に控え、国会では小泉首相が「いま、郵政民営化反対か賛成かをやったら、必ず賛成が多数であることを確信している。郵貯と保険は民間にまかせたほうがいい商品をつくる」などと、何の根拠も示さず自画自賛の中間総括の答弁を行った。
そんな国会をにらみながら、朝から激しい雨の降るなか、郵政労働者ユニオンを中心に座り込み決起集会を開催した。全労協議長の藤崎さん、東水労(全水道)の仲間が激励のあいさつをした。
いったん集会を終えて、議員オルグに向かう時、この日、東京地裁で反リストラ裁判の公判の休み時間を利用して、電通労組の仲間や支援三十人が激励にかけつけた。
電通労組首都圏支部委員長の日野さんは「電電公社の民営化が企業間の激しい競争を生みだし、労働者の大量リストラを作り出した。郵政民営化もNTTと同じ道を歩もうとしている」と警鐘を鳴らし、民営化反対の闘いをともにすすめる決意表明をした。
電電公社を職業病差別によって解雇された木下さんは「私は一九八一年六月十九日に解雇された日の悔しい思いを、今でも覚えている。今年の二月二十五日には、支援共闘会議を結成することができた。電電公社の民営化で首を切りやすくなった。解雇撤回までがんばる」とあいさつした。
全体で団結ガンバロウをして、次の議員オルグに入った。なお、衆院議員面会所で郵産労が集会を行い、そこに郵政労働者ユニオン内田委員長があいさつをしてエールの交換をした。(M)
民営化監視市民ネットこうとう集会
「人殺し社会」を「まっとうな社会」に作りかえよう
【東京東部】六月十二日、江東区森下文化センターで「『郵政民営化』って何だろう?―郵政民営化を監視する市民ネットワークこうとう集会」が郵政民営化を監視する市民ネットワークこうとうの主催で開かれた。市民ネットは、郵政労働者ユニオン東部支部とATTACこうとう(準)が組織したものだ。
郵政ユニオンの福田秋彦さんが開会のあいさつをした。
「郵政民営化法案はひょっとすると廃案に追い込めるかもしれない。郵政ユニオンは阻止闘争本部を立ち上げて、国会前座り込みや議員オルグなどを行った。六月十四〜十六日も闘争を予定している。今日は『民営化されたらどうなってしまうか、身近な所から考える』ということで企画した」。
続いて、池田実さん(郵政ジャーナリスト)が郵政民営化法案の中味を詳しく説明し、いかに公共サービスを破壊するものであるかを明らかにする講演を行った(要旨別掲)。講演の後、多くの質問・意見が出され、活発な討論が行われた。
その後、第五回世界社会フォーラム会場(ブラジル・ポルトアレグレ)で参加した世界の人々に公共サービスの民営化によって、人々の生活がどうように変わったのかについてインタビューしたビデオを放映をした。民営化問題が日本だけでなく、世界の共通の問題であること、民営化を阻止した国があることが紹介され勇気づけられた。
これではまるで
真っ暗サービス
次に、参加した仲間たちが報告した。最初に、一〇四七人の解雇撤回のために鉄建公団訴訟を行っている岩崎松男さんは次のように報告した。
「郵政も黒字なのに民営化しようとしている。国鉄も当時赤字攻撃をされたが、民営化の前年は単年度的には三百五十億円の黒字だった。国鉄の大幅な赤字は東京オリンピックに向けた東海道新幹線の莫大な建設費用だ。この費用に財政投融資を使わされ、年利七%の高い金利を払わなければならかったからだ。こうした民営化のからくりを見ておかなければならない」。
さらに岩崎さんはJR福知山線の事故の原因を説明し、「JR西日本だけの責任ではなく、国土交通省が鉄道経営を市場原理にゆだねたからだ」と批判し、「電気を止められて死んでしまう人が増えている。NTTはもうからないと公衆電話しか頼れない人がいる所でも公衆電話の撤去を行っている。郵政も民営化すれば、過労死が増えるだろう。人殺し社会をまっとうな社会に変えるためにも郵政民営化を阻止しよう」と訴えた。
深川郵便局の山内信広さんが職場の状況を報告した。
「現在の公社で、すでに民営化の先取りがやられている。公社の経営ビジョンのなかに、@真っ向サービスがある。それをわたしたちは真っ暗サービスと呼んでいる。この間一万人もの職員が減らされているが、仕事量は増えている。新聞の夕刊よりも遅く配達せざるをえないこともある。接遇態度を『おそれいりますが』を使うように改めろと指導されている。接遇態度が優秀となれば、星バッチを胸章につけて増やしていくことになる。しかし、郵便屋さんは普段の言葉で地域の皆さんと話をして信頼をかちとってきたのだ」。
「次にA健全な経営基盤がある。トヨタ方式のJPSを導入し、効率化をはかる試みが行われ、全国展開しようとしている。廊下にテープを引いてその上を通れ、その上に物を置くなという。こんなことは、何十年も現場で働くわれわれの方がどうしたら効率的に仕事ができるかよっぽど知っている。下からの意見を無視してはうまくいかない」。
「B働きがいのある公社となっている。しかし、ここ数年ベースアップはしていない。若い人にとって将来性がない。ピラミッドの上の人にとっての展望しかない。以前は郵便配達は一日二回していた。今は一回で、配達の半分を非常勤がやっている。誤配・遅配、届かないなどの苦情電話がなりっぱなしだ。郵便番号7ケタ制によって機械が導入された。番号を間違って読み取ると、北海道や四国にいってしまうこともある。今、全国どこでも翌日配達を目標にしているので、誤配されたものを管理職が新幹線を使って届けることもある。配達だけでなく、営業も強制される。お客様に利用したくないものでも無理に買わせなくてはならない。営業できないと自分で買うしかない。これを『自爆』と言っている。そこで利益をあげるのがファミリー企業だ。こんな郵政公社を変えなくてはならないし、民営化されたらもっとこうしたことがひどくなるだろう」。
保育園の民営化
にも反対しよう
続いて、江東区で進められようとしている保育園民営化の反対運動に取り組む区民が「市場にはなじまない分野がある。郵政民営化だけでなく、他の公共部門の民営化にも反対していこう」と訴えた。
電通労組の日野さんは「NTTは一九八五年に民営化した。事業部制を行い、もうける部門とそうでない部門を別けた。104は有料化し、お客さんが使いづらくして、その部門を子会社化し委託していった。アウトソーシングといって子会社を作り、そこに本社員を出向させた。五十歳でいったん退職するかどうか迫り、それを拒否すると広域配転などの悪質ないじめを行っている。私も拒否したので、宮城県から東京に強制配転させられた。いま、裁判で闘っている。6月15日会社側の配転責任者への尋問、7月15日原告側の尋問に入る。ぜひ支援をしてほしい」と訴えた。
最後に、福田さんが国会延長をめぐる攻防での行動への参加を訴えて集会を終えた。 (M)
池田実さんの講演から
郵便局を新しい地域づくりのセンターに
民営化法案の問
題点とはなにか
郵政民営化法案の何が問題なのか。法案は印刷したら、千ページを超えるような膨大なものだ。全部で六つの関連法案があり、百五十八の法改正が必要だ。
まず基本方針として@郵政民営化法案だ。公社業務を五つの会社と一つの独立行政法人に承継する。公社職員の雇用は承継会社において確保する。ただし、配属通知は二週間前。それまでどこに行かされるか分からない。政府が保有する株式は常時三分の一超。郵貯・郵便保険株式は十年間で全部処分する。民営化委員会を設けて十年間監視・監督する。
業務の特例として準備期間中に公社子会社による国際貨物運送業務を行う。
「貯金」ではなく、民間銀行と同じように「預金」と呼ぶ。預金は政府保障もなくなり、投資に使われる。簡易保険は医師の診断がいらない。福祉のために役立てるとなっていたが、これが廃止される。
職員は公務員ではないということでスト権が与えられる。しかし、郵便事業は見なし公務員となり、ストの新規規制もありうる。
細かいことは政令で決める。
次にA日本郵政株式会社法案で、郵政事業株式会社と郵便局株式会社の基本方針の策定と株式保有B郵便事業株式会社法案C郵便局株式会社法案で、窓口会社。代理店の手数料で運営する。全国にあまねく設置D独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案E郵政民営化法などの施行に伴う関係法律の整備などに関する法律案で、改正されるもの。郵便法―認可制から届け出制(第3種・4種は認可制)。郵便物の種類「通常郵便物」「小包郵便物」から小包削除。郵便私書箱、速達、年賀特別郵便も削除。「郵便認証司」設置―これは特定郵便局長の権益を残すためのものである。
民営化特別委員
会での主要争点
bそもそも論 「なぜ公社を民営化する必要があるのか」→今は黒字でも将来を考えれば今民営が必要。
b手続き論 中央省庁改革基本法で「今後民営化議論はしない」→公社化までの話。
b設置基準 「郵便局がなくなるのでは」→過疎地「現行水準維持を旨とする」都市部「利便性に支障のないよう配慮」。
b社会・地域貢献基金 「ユニバーサルサービス維持は可能か」→「安定的代理店契約を結び担保」。
b郵貯銀行・郵便保険会社の将来性 完全民営化で六百億円赤字(骨格経営試算)」→新規ビジネスで活路。経営の自由度・民業圧迫(ビジネスモデル)。
b一体的経営 「完全民営化後の株買い取り・持ち合いは規制される」→自立経営で発展。
b情報システム費用 「膨大なシステム費用がかかる」分割費用二千億円から三千億円。維持費用年三千億円。
b国家公務員共済 「民営化なのにまず国家公務員、当分の間とは」→JR、NTTも十年以上残った。
まだ入口論だ。これから各論(郵便法、特定局制度、身分任用、非常勤・短時間職員、郵貯・保険サービス、支社・支店、関連企業・財団など)の問題に入る。
「民営化で活性化」というデタラメ
金融で、日本経済活性化というが、三百四十兆円の行方によっては、新たな金融不安を招き、国債が暴落し、郵貯も破綻するかもしれない。
郵便で、サービス拡大・国際市場進出というが、サービスの格差が出る。料金の値上げ、国際物流の餌食になるかもしれない。
窓口で、ワントップコンビニエンスというが、金融業、コンビニの餌食にされる。自治体の出先化を担わされる。結局の公共サービスが失われ、過疎化が進行する。
労働者で、賃金・労働基本権が前進するというが、四社に分断され、出向・転籍・解雇の嵐がくる。
どのような郵政を
目指すべきなのか
「郵便局を守れ」運動からの脱皮が必要だ。国鉄や電電公社の民営化反対運動の教訓から学ばなければならない。情報開示し、地域にどう広げるかだ。公共サービスや国のあり方をどうするか。地域のための拠点として、福祉のため、コミュニティのための新しい郵便局。郵貯をNGOを支えるための融資をする郵便局に変えていかなければならない。(発言要旨、文責編集部)
郵政民営化反対行動日誌
05・6・11〜6・17
55日の会期延長を許すな
6月11日(土)b「勝負は本会議」と語っていた自民反対派に対して、自民党の久間総務会長は、郵政民営化法案を検討する党内組織の総務会で、反対派を含めて法案に対する確認を行うという党議拘束を明確にして、反対派の本会議での造反を押さえ込む方針を示す。b静岡市でATTACしずおか(準)などが主催した郵政民営化を考える討論会。浜松や東京からも参加があり、労働運動と市民運動の課題を出し合った。
6月12日(日)b東京・江東区で郵政労働者ユニオン東京東部支部とATTACこうとう(準)などによる郵政民営化を考える集会。4・28免職者の池田実さんが郵政民営化関連法案を解説。地域の郵便局ではたらく労働者からの報告や江東ですすむ保育園の民営化の問題に取り組む区民、鉄建公団訴訟原告からはJR福知山線の事故は民営化の問題だという提起、広域配転攻撃を跳ね返したたかう電通労組も参加。地域での取り組みや14日から16日までの国会行動への参加を呼びかける。
6月13日(月)b郵政民営化を監視する市民ネットワークが衆参全国会議員にむけてニュースを配布。b自民党の青木幹雄、公明党の草川昭三の両参院議員会長が会談、衆院での採決を七月五日までに行うことで認識一致。b東京、立川市内で行われた多摩地域の自民党支持団体を集めた総決起集会で都議会自民党政調会長の野村有信都議は「都議会自民党は郵政民営化に反対」を明言。
6月14日(火)b郵政労働者ユニオンやATTACジャパンなどによる国会前座り込みアクション第2波が行われる。b全国特定郵便局長会夫人会(高田千代会長)ら3千人が「郵政民営化断固反対」で集会と請願デモ。綿貫議員、野田聖子議員、亀井静香議員などが要請行動を出迎え。これまでのなかで国会周辺では唯一の民営化反対のデモ。街頭を抵抗勢力から社会運動に取り戻そう。b読売新聞の世論調査で郵政民営化を最優先課題とする小泉内閣の姿勢に「納得できない」とする回答が65%にのぼる。郵政民営化法案の成立については「慎重に審議すべき」が61%と、「今の国会で成立させるべき」の16%を大きく上回る。優先してほしい課題では「景気対策」60%とトップ。b自民党郵政族でつくる郵政事業懇話会(会長・綿貫民輔前衆院議長)は役員会を開き会期延長の容認を決める。反対派結束を維持し、法案修正に持ち込むための引き伸ばし策とみられる。
6月15日(水)b国会前座り込みアクション第二波の2日目。郵政ユニオンは全国動員体制で臨む。全労連傘下の郵産労などが全力動員で座り込み。ユニオンが連帯のアピール。強制配転無効の公判に全国動員で参加していた電通労組が昼休みに座り込みを激励。b衆院の郵政民営化特別委員会で民主党の海江田万里、辻恵両議員が、郵政民営化推進の政府広報の契約1億5千万円が随意契約で行われていたことを指摘。竹中平蔵郵政民営化担当相の政務担当秘書官の知人が経営する会社が受注していた。b同委員会で、小泉首相は首相後継者について「指名する気持ちはないが、私が実現してきた改革路線を軌道に乗せる方になってほしい」と答弁し、自民反対派を牽制。
6月16日(木)b国会前座り込みアクション第2波の3日目。断続的に降り続く雨の中、座り込み、院内集会、国会前集会をやりぬく(報告別掲)。b特別委員会は第2回目の参考人質疑。自民、公明両党の推薦の田中直樹氏、北城格太郎氏(経済同友会代表幹事)、民主推薦の田尻嗣夫氏(東京国際大学経済学部長)、菰田義憲氏(JPU委員長)が出席。賛成派の前二者は金融、物流事業は市場経済下におくべき、と主張。反対派の後二者は市場メカニズム絶対論の欠点、現状の公社形態で改革を進めるべき、と主張。b郵政公社が10月から全国575の郵便局の窓口で販売を開始する投資信託商品の概要を発表。取り扱う商品は投資信託委託会社から公募し3種類を選ぶ。今年度の販売残高を約8百億円と見込んでおり、5年後には約1兆5千億円を目指す。官民一体のマネーゲーム推進事業。b自民、公明両党は衆参議長に国会会期延長を申し入れ。55日。
6月17日(金)b衆院本会議で、民主、社民両党は川崎二郎議院運営委員長の解任決議を提出、与党の反対で否決。8月13日までの会期延長が提案され、民主、共産、社民の反対を押し切って延長が決まる。自民反対派の綿貫、亀井静香、野呂田芳成議員は欠席のパフォーマンス。水面下では修正協議にむけて動く。都議選投票日(7月3日)明けすぐにでも衆院で採決を予定していることから、都議選期間中に北海道、新潟、長崎で公聴会を開く予定。小さな政府=大きな負担、自己責任=無責任の新自由主義社会を拡大する郵政民営化反対の闘争を全国で!
市場競争原理に反対し公共サービスの再生へ
新自由主義に対決する労働運動を
NTT反リストラ裁判
電通労組が不当配転取り消し求め当局を追及
「去るも地獄残る
も地獄」の攻撃
六月十五日、東京地裁の民事十一部で「NTT反リストラ裁判・不当配転取り消し訴訟」があった。この裁判は二〇〇三年十月十七日に開始された。電通労組の大内委員長以下九人が原告団を形成し、うち七人が東北各県から「不当配転」され、東京・埼玉・千葉などの首都圏に単身赴任し、家族と別れて独身寮での生活を強制されている組合員である。原告団長は、電通労組首都圏支部の横沢仁志さん。
今年の三月までは、原告・被告人の代理人と当事者、さらに裁判官による争点を整理する弁論準備であったが、今回の裁判より立証段階に入った。
NTTは、二〇〇二年より「構造改革」の名のもとに十一万人をリストラ攻撃を行ってきた。攻撃の中心は「五十歳退職・再雇用」である。それも退職・再雇用に応じたところで、新会社での採用であり、賃金も一律一五%〜三〇%にカットされるという惨たんたるものである。また逆に退職・再雇用に応じなかった場合には、今回の原告団に明らかなように報復としての広域配転、首都圏への強制配転である。さらに今まで職場ではしたことのない仕事につかせ、勤務評価を最低ランクの「D評価」として一挙に二〜三割の賃金カットを行うというしろものである。まさに「去るも地獄、残るも地獄」の攻撃である。
原告側がNTT
のねらいを暴露
今回の第一回証人尋問は、このリストラを企画・立案・実行した当時のNTT東日本企画業務運営改革PT担当課長であった島越某、NTT東日本人事部企画部門制度担当課長であった土井某の二人であった。この裁判で電通労組の原告団が鮮明にしようとした争点は次の点にあった。@リストラの必然性Aリストラの合理性B五十歳定年制の背景C首都圏への配転の必要性など。
二人の証人への尋問で明らかになったのは、二人はリストラの直接的担い手であったが、巨大企業NTTの上からの命令で動くだけの「歯車」に過ぎないことであった。だが証人二人の対応は全く正反対であった。前者は質問や尋問が核心にふれるとあらゆる責任をリストラを推進するワーキンググループのせいにして逃げる。後者は弁護士との打ち合せ通りに「立て板に水」のごとく話すが、すべてを業務と業務命令のせいにして「減らず口」ともいうべき居直りであった。
「逃げ・居直り」
と「減らず口」
しかし原告と代理人である弁護士が次のように反論し、NTTのねらいを暴露した。
@、二〇〇二年経常された九百五億円の赤字は、計画的にリストラの口実のためにつくられたものであった。実際は一兆四千億円の海外投資の失敗分を〇二年に意識的に一括処理し、六千七百億円はリストラ費用の前倒しした分に過ぎず、意識的に二兆円を投入して赤字をつくり出したのである。そのことは翌年に税引前の利益が一兆数千億円に達し、キャッシュフローでは世界二位になっていることからも明らかである。
A、唯一、退職・再雇用の正当的合理性に上げた理由は、九七%の人が応じたという事実だけであった。新会社で採用、三〇%の賃金を削られても目の前で「東京への転勤」ということを見せつけられては退職・再雇用に応じざるをえなかったのである。そのために電通労組の首都圏への「みせしめ」はなんとしても必要であったのである。
B、五十歳定年、退職制をとると、NTTは毎年三百億円の利益が出るのである。NTTには五十一〜五十九歳の労働者が二万六千人いて、毎年三千人近くが退職するが、賃金を三〇%下げるとその利益は四百億円を超すのである。
C、NTTは「余人を持って代えがたい」というが、この間無人局であったところを再開して無理矢理職場をつくったが、仕事らしい仕事が全くなく、完全に「見せしめ」配転だということが歴然としている。
次回の裁判は七月十五日で、電通労組の大内委員長が証人として出席する。今回の裁判の傍聴人は三十人を超え、宮城県や東京・神奈川の地域の仲間が集まった。さらにリストラの不当性を明るみに出し、リストラそのものが全く必要がなかったことを立証するために東京地裁を傍聴し、支援の輪を広げよう。 (D)
b次回公判
7月15日(金)11時から17時、東京地裁710号法廷
鉄建公団訴訟勝利北部集会
もぎ取ろう勝利判決!7・15全国集会成功を
【東京北部】六月十五日、池袋の豊島勤労福祉会館で「もぎ取ろう勝利判決!鉄建公団訴訟勝利北部集会」が国鉄闘争連帯!北部連絡会主催、北部労協、練馬全労協賛同で開かれ約百人の労働者、市民が参加した。
集会は「鉄建公団訴訟の歩み」のビデオ上映からはじまり、まず福知山線事故の犠牲者に一分間の黙祷を行った。北部連絡会の平田代表が「松田、葛西、そして井出は国鉄改革三人衆と言われた。井出はJR西の社長に就任した。職場の人権をないがしろにした人間が人命をもないがしろにしたのが今回の事故だ」「今こそ、一〇四七人のベテラン鉄道マンを職場に戻すべき」「難波裁判長におかしな判決を出させない世論を北部の職場、地域からともに巻き起こして行こう」と主催あいさつ。
国労の小池さんは「四月に北部の九人の仲間が北海道の三闘争団の現地激励行動にはいった。有意義なツアーとなった。それとともに北部の国鉄闘争の強化に繋がった」と報告した。
次いで、原告団から清野紋別闘争団団長が「今後の帰趨を決する重要な判決を闘争団、家族を大挙動員して闘う」「また、判決は新たなはじまりだ、今後も支援をお願いしたい」と訴えた。東京闘争団の佐久間さんは元運転手の経験から福知山事故を分析し「国鉄時代の体質と言うがそれは違う。国鉄の『安全綱領』こそJRは大事にすべきだ」と熱弁をふるった。
連帯あいさつとして北部労協の議長であり国鉄闘争共闘会議の議長の二瓶さんは「7・15全国集会にはいままで国労本部との関係で鉄建公団訴訟支援に参加してこなかった組合も参加の意向をしめしている」「勝利判決をかちとり労働運動の再生を」と述べた。南波練馬全労協議長も「国鉄闘争をともにになって行きたい」とあいさつ。全動労渡部副団長は「最も重要な集会」として7・15全国集会の参加を呼びかけた。
次いで、この集会に国労の大先輩である菅原宗一さん(元都議会副議長)が参加していることが壇上から照会された。会場カンパは原告団酒井団長に渡された。清掃労組豊島の島根支部長の閉会のあいさつと団結頑張ろうの三唱で集会を終えた。
今後、九月判決まで連続した行動を全力で取り組もう。 (北部・K)
国鉄労働者一〇四七名の解雇撤回!原告団・闘争団・争議団を励ます7・15全国集会/ふたたび大惨事をゆるすな!かちとろう鉄建公団・鉄道運輸機構訴訟勝利判決を!/7月15日(金)午後6時/日比谷野音
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