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共産党主催集会でのブサンスノーの発言          かけはし2005.6.20号

「ノン」への投票は左翼の勝利統一戦線的な反資本主義闘争を


 この文章は四月十四日、パリで共産党主催のEU憲法条約反対の集会で、フランスLCR(革命的共産主義者同盟)のオリビエ・ブザンスノー(二〇〇二年大統領選挙の候補者)がゲストの一人として発言したものである。六月九日の毎日新聞のパリ発の記事によると、フランスではシラク大統領の支持率が24〜26%と就任以来最低レベルを記録し、一方憲法に反対した社会党のファビウス元首相が29%、右派「フランスのための運動」のドビリエ党首が22%、そしてブザンスノーが30%と最高レベルの支持率に達している。この支持率は、憲法条約に対する国民投票を反映したものであり、「ノン」運動の広がりを端的に表現している。また同時にこの数字は一部マスメディアが述べているように、憲法の拒否が右翼の力によって実現されたものでないことも明らかにしている。

ともに闘えることに感動

 同志たち。私は、私の党の名においてだけでなく、私自身の名においても、私が今どれほど感動し、興奮しているかを話したい。共産党とその活動家の皆さんが私を招待してくれたことに感謝します。私が感動したのは、私たちはずいぶん長い間、こういうことが本当に実現しなければならない、いつか私たちは共に闘うだろうと言い続けてきたからです。
 長年にわたって、私たちはさまざまな戦闘的な闘争の場で出会ってきました。だから私たちはどこかの地点で、統一した政治的闘争のために結集しなければならなかったのです。そして現在のEU憲法に対する反資本主義の立場からの闘争は、逃してはならないチャンスでした。なぜなら、この国民投票で問われていることは決定的に重要だからです。それは私たちがどのような社会に向かっているのかを知るということです。
 民主主義の観点や社会的観点だけでなく、軍事的観点から見ても、この憲法は現在のグローバリゼーションに対する防壁にはなりません。その反対に、それは企業の世界的な活動を熱心に擁護するものです。
 したがって、彼らが建設しようとしているヨーロッパは、いかなる意味でもアメリカ合衆国に対抗したり、それと別のモデルとなるものではありません。ヨーロッパはアメリカ合衆国のライバルであり、競争相手ですが、それは自身の領域、すなわち資本主義の領域でのことです。国王よりも頑迷な王政主義者であるヨーロッパは、アメリカ合衆国の主導権に対抗しようとしますが、それはグローバリゼーションの枠組みの中でのことです。
 だから、問われていることは決定的に重要なのです。しかし、私たちは気分が高揚するもっともな理由が二つあります。二つというのは、「ノン」の勝利が可能であるだけでなく、もし「ノン」が勝利するなら、それは左翼の働きによるものであり、左翼の陣営の中で変化が起きる可能性があるからです。そして、このすべてがこの戦闘的な統一戦線によるキャンペーンの成果なのです。私たちはこのキャンペーンを、最初から、共産党とLCR、そして緑の党や社会党の反対派(多数派の路線に反対している人たち)、そして何よりも、社会運動のあらゆる活動家の共同で進めてきました。

「勝利」を新しい始まりの契機に

 私たちは、当初から右翼からの「ノン」がそのすべての支持層を結集していたことを知っています。それは極右の有権者であり、ルペンやド・ヴィリエに代表されています。こういう人たちは置き去りにしましょう。彼らはまだ中世に生きています。一方、左翼の中で変化が起こりうるとすれば、それは社会的な条件が変化したためです。一月以来、多くの社会的動員が次から次へと起こっています。公共サービスをめぐって、賃金をめぐって、解雇をめぐって、そして高校生の運動などです。
 これらの闘争はすべて、即座に反響を呼びました。それが「ノン」の声の高まりです。この国において、レイシズム(人種差別主義)や排外主義やトルコ人排斥のための「ノン」ではなく、社会連帯のヨーロッパを求める、反自由主義の「ノン」です。だからこそ今夜、私たちは「ノン」の勝利を恐れる理由が何もないと自信を持って、明確に言うことができるのです。「ノン」の勝利は新しい始まりの希望となるでしょう。それは大きな社会的、政治的影響をもたらすでしょう。
 社会的観点から言えば、何よりも、フランスとヨーロッパで、各国政府だけでなく現在のEUの機構に対する新しい力関係を確立するような社会運動が再び、力強く始まる可能性があります。それは、金融や経済ではなく、社会的連帯と民主主義を基礎にした新しい統一の基準を確立することによって、もう一つのヨーロッパの建設のための道標を刻むかも知れません。
 私たちは各国の法律のもっとも良い部分を採用し、すべての人々がそれを享受できるようにするべきです。私たちが貧困だけを共有するべきだと考える理由はありません。私たちの計画は、ボルケスタインが提案した計画[サービスの規制緩和に関するEU指令(案)]とすべての点で正反対です。ちなみに、ボルケスタインは電力公社の労働者によって電気を止められました。それは大変いいことです。今度は郵便労働者が彼の郵便受けに何かをするかもしれません。
 社会的反響は、今から五月二十九日までの間にも、ますます広がるでしょう。
 政府は、闘争が広がれば広がるほど、世論調査で「ノン」への支持が高まるということを十分に理解しています。それが私たちの力です。たとえば、現在、ウィットマンデー(精霊降臨祭翌日の月曜日、今年は五月十六日)に関する政府の指示に従わないという動きが広がっています。フランスの多くの人々が、この祝日に働きたくないと思っています。おそらく、ウィットマンデーをめぐって世代を超えた連帯が生まれるでしょう。

各層が運動に参加・結集


 私たちの要求を掲げた公共セクターと民間セクターの全国的な一日ストが行われました。最後に、新しい開始との関連での政治的反響について触れておきます。この国民投票では、左翼の陣営においても状況を変えなければなりません。私たちは左翼の陣営において、もう一つの政治的方向を選択する可能性を前にしています。一〇〇%左翼の結集です。
 それは流行の考え方にとらわれず、資本主義は超えることができない地平線であり、従って私たちにできることは周辺的ないくつかの改良だけであるという考え方に同調しない左翼である。そうです。一つの反資本主義的左翼、最後まで闘うことができ、富を平等に分配することによってすべての人々の所得を三〇〇ユーロ引き上げることができる左翼です。
 それは民営化に反対するだけでなく、水などの分野における公共サービスを拡大するために闘う左翼です。大量の解雇、とりわけ利益を上げている企業におけるそれと闘争する左翼です。そして、時には、単に法律を適用させるためにも、たとえば空き家の占有を許可する法律の適用のために闘う左翼です。
 この希望は広がっています。この希望は強靭です。政府がハンマーで叩き潰そうとしても、決して鎮めることはできないでしょう。ハンマーによる一撃も、信頼につけこんだだまし討ちも成功しないでしょう。今この瞬間、ジャック・シラクはテレビに出演して、各層を代表していると想定されている(実際には都合よく選別された)聴衆の前で、若い人たちに語りかけているはずです(注、この集会と同じ時間に、TF1チャンネルで、シラク大統領が八十人の若者と筋書きの決まった「論争」をしている)。
 みなさん。実際に各層を代表する聴衆が集まっているのは、今夜、この場所です。今夜TF1に出ている若い人たちの中から一人でも、シラクに対して、もし五月二十九日に「ノン」が勝利したら、翌日の朝には彼は従者のラファランを連れて立ち去るべきだと提案する人がいることを期待したい。

資本主義でないヨーロッパを

 私たちの希望は、右翼の攻撃を恐れないだけでなく、社会自由主義的左翼の権力欲も恐れません。社会自由主義的左翼は、彼らがもはや左翼全体の中での主導権を持っていないことを理解するべき時です。彼らは、EU憲法に対する私たちの反資本主義的な「ノン」と、極右勢力の「ノン」を混同するという恥ずべき態度によって根本的な政治的問題を解決できないことを理解するべきです。社会自由主義的左翼は、将来彼らが政権に就いたとしても、私たちがこの共同の反資本主義的闘争の中で公然と主張していることを覆さすことはないことを理解するべき時です。要するに、彼らは、この統一戦線的な反資本主義的闘争が、明日、自由主義的政権ができたとしても決して消滅しないことを理解するべきなのです。そのような自由主義的政権は実際にはEU憲法を導入するでしょう。「ノン」が勝利した場合には、それは少し修正されたバージョンになるかも知れませんが。
 最後に一言。一部の人々は私たちに対して、この国民投票に寄生する態度を取っていると批判しています。私たちがもう一つの社会の選択が可能であると言えば、この人々は私たちを空想的だと批判します。私はそれが侮辱のつもりだということを知りませんでした。私は、資本主義とは違うもう一つの世界は依然として可能であるといい続けている人々――このキャンペーンに参加している人々を含めてですが――の中にいることを誇りに思っています。
(「IVP」電子版・05年5月号より)。


連帯労組(SUD系労組)連合の声明
憲法反対での勝利を新しい統一的な大衆動員の実現へ

 SUDとは連帯・統一・民主労組のことで、フランス第二位のナショナルセンターのCFDTの官僚化と新自由主義への屈服に抗して一九九〇年代に登場した新しい組合で、ATTACの中心的構成団体であり、今回のヨーロッパ憲法条約反対キャンペーンの中でも中心的役割を果たしました。

多くの障害を
はね返し結集

 これはわれわれの勝利であり、始まりにすぎない!
 憲法条約に対して社会的で左翼的な反対(ノン)の意見を持つ者を中傷しようとするかつてない攻撃にかかわらず、投票結果はまったく明白なものである。誰もこの攻撃にだまされはしなかったし、憲法反対の勝利のためのキャンペーンに参加した大衆的な戦闘的勢力は、数多くの障害に直面し、その持てる手段に実に乏しかったにもかかわらず、このことを成し遂げたのである。
 SUD連合は、最初から積極的にこのキャンペーンに参加して続けてきた。このキャンペーンは、NONを主張する組合を非難したした上で労働組合運動はいっせいに憲法を承認しているなどと臆面もなく宣言した連中に反対するものであった。
 反対を主張することによって、われわれはこの間の大衆動員の連続性を堅持したのである。この大衆動員とは、公共サービスの破壊に反対し、大規模公営企業が雇用を破壊する多国籍企業に変質することに反対し、労働法の規制緩和に反対し、社会的ダンピングにも反対するものであり、ヨーロッパの民衆と労働者の権利を支持し、とりわけ、何度も何度も繰り返しわれわれとともに街頭に登場してきた「権利を奪われた人々」の権利を支持するものであった。
 それは、社会の変化に直面する労働者と民衆層の大衆的な願望から生まれてきた連帯的な「反対」の勝利である。

ヨーロッパの
政策を変えよう

 bヨーロッパの政策は変えるべきである。連中がわれわれに賛成(ウィ)と言わせるものが出て来るまでわれわれは再投票しないだろう。憲法には反対である。われわれはEUの指令の撤廃を、とりわけ労働時間に関するその指令の撤廃を望んでいる。
 bわれわれが希求し呼びかけている社会的ヨーロッパというのは、今後建設されるべきものである。
 それは、ヨーロッパ規模の公共サービスの実現ならびに住民が自分たちの要求を表明できるような民主的制度の実施を伴わなければならない。
 それは現在よりもより高い水準に支えられた社会的既得権を集約した社会的法規を伴わなければならない。
 それは大企業に対する労働者と地方議会議員による統制を実施しなければならない。
 それはヨーロッパのすべての住民にとっての死活の権利――移動の権利、女性の権利、雇用の権利、住宅の権利、しかるべき収入を得られる権利――を承認しなければならない。

決定的第一歩
を踏み出した

 bフランスにおいても政策は変えるべきである。賃金ならびに当面の雇用に関する職種横断的な交渉の道を切り開かなければならない。われわれは、現在と将来の政治指導者に、定年退職に関する法律、そしてまた社会保障や全国教育や国内治安や社会の近代化や社会的結束に関する法律、さらには郵便法、の撤廃を要求する。
 われわれは決定的な第一段階を画した。欧州憲法と欧州政策に対するすべての反対勢力や批判勢力は、新たな勝利を可能にするために思考と行動において団結しなければならない。
 社会的レベルでは、日程にのぼっているのはこの冬の偉大なストライキの日々の教訓にもとづく統一的な大衆動員である。


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