| 1047人の解雇撤回!鉄建公団訴訟勝利 かけはし2005.6.20号 |
解雇の違法性を徹底追及し「時効」への逃げ込みを斬る
六月九日、エデュカス東京で「不当労働行為責任を問い 時効論を斬る!6・9鉄建公団訴訟シンポジウム」が鉄建公団訴訟原告団・国鉄闘争共闘会議の主催で行われた。
最初に、「JR西日本尼崎事故」(ビデオプレス制作)が上映された。まだ完成していなかったが、元運転手(国労組合員だった)へのインタビューで今回の事故の原因とその責任がどこにあるのか、よく理解できるもので、完成が期待される。
続いて、国鉄闘争共闘会議議長の二瓶久勝さんが「9・15に勝利判決を勝ち取るために、大衆行動を積み上げていこう」とあいさつした後、シンポジウムに入った。
「不当労働行為性を問う」について、労働法が専門の西谷敏さん(大阪市立大学法学部教授)が基調報告を行った(要旨別掲)。続いて、清水建夫弁護士が「解雇無効」となる論理について以下のように述べた。
「負うべき責任は何か。不当労働行為の結果として解雇があった。組合差別は二つあった。一九八七年のJRにいくかいかないか、そして不採用のふりわけ差別。一九九〇年に解雇している。国鉄改革法で、余剰人員がいるから清算事業団に送り、期限を定めず再就職をするものだと規定している。解雇しなければならないとは法律には書いていないにもかかわらず、三年たって法律がなくなるから解雇された。就業規則違反などの整理解雇要件にはあてはまらない」
「不当労働行為は中曽根内閣によって進められた。そのことを中曽根やJR東海の葛西会長自らが認めている。こうした公然たる違法行為を裁判所が認めてしまうようになっている。鉄建公団訴訟は、司法を変える闘いでもある」。
使用者側には雇
用の義務がある
加藤晋介弁護士が「再就職特別措置法」について以下のように述べた。
「再就職特別措置法は三年の時限立法で、三年経てばなくなってしまう。なぜ、職員の再就職をあっせんしなければならないのか。民間会社は雇用保険がある。公務員・準公務員は雇用保険がない。使用者側には雇用義務があるということだ。職を奪って知らないとはならない。憲法29条の財産権を奪うことになった」
「ひとりも路頭に迷わすことはしない。解雇の規定がない。首は切らない――と言ったではないか。正当に選別した人に、代わりの職をあっせんして初めてこのことが認められる。JRに再就職しなかった人は雇用は認めない。これは自らえん罪をつくって、死刑を行うようなものだ」。
佐藤昭夫弁護士は「労働委員会で職場を復帰させろと救済命令が出された。救済命令は争いが確定していなくても直ちに従わなければないないとの政府答弁がある。労働委員会は会社側も含めて三者が出ているので罰則規定がない。今回の国鉄解雇事件は地労委命令の段階で、職場に戻すべきだったが、それをしなかった。命令に従わないことが違法だ」と指摘した。
団結権の破壊は
絶対に許されない
続いて、「時効論を斬る」で、松本克美さん(立命館大大学院法学部教授)は次のように基調提起した。
「通常、時効は損害及び加害者を知った時から三年である。私が関わったじん肺訴訟で、時間が経てば経つほど病気が悪化する。このような場合、三年の時効にはあたらないとなった。国鉄の解雇問題の場合はどうか。期間が経過しているのか。起算点はいつなのか。雇用の義務違反。継続的な不法行為が続いている。そして、それは日々進行している。現在も被害を被っているのにそれを認めないのはおかしい。さらに、時間がかかったのは被告側がそうした仕組みをつくったからだ。それで時効を主張するのはおかしい」。
加藤晋介弁護士は「『一九八七年に悪いことをしたのは国鉄だ。一九九〇年、悪いのはJRであると責任追及してきた』――原告側が追及の相手を間違ったのだと鉄建公団は主張している。しかし、清算事業団は三年で消えた。清算事業団では救済できない。JRしかなかった。消滅時効をいったが入れられなかった。公労委は『責任主体はJRしかないと判断を示した』。裁判所は「責任は旧国鉄・清算事業団である。JRに責任はないという。国鉄改革法が責任をあいまいにさせ、責任を追及されないようにした。鉄建公団は、不採用の個々の証拠を十年経って捨てたから出せないという。こんなひどいことがあっていいのだろうか」と鉄建公団を批判した。
清水建夫弁護士は「法律は公平・公正が基本だ。一九八七年のふりわけ差別の時、採用名簿が載っていない。国労は団交を要求したが設立委員(JR)は拒否した。地労委で負けて、JRは相手が違うと言い出した。職権で呼んでも出頭を拒否した。団結権の破壊は不法だ。強い焦点をあてるべきだ」と提起した。
シンポは提起者からのまとめを終えて、今後の日程の確認をし、団結がんばろうで闘いの団結を固めた。(M)
◎集会予定◎
b西部講演会
6月21日(火)18:30〜エデュカス東京(地下鉄麹町駅下車)
b7・2シンポジウムJR尼崎脱線事故
7月2日(土)13:30〜在日本韓国YMCAアジア青少年センター(水道橋駅下車徒歩10分)
b上京家族を励ます夕べ
7月14日(木)18:30〜港区役所レストランポート(11階食堂)(地下鉄三田線大門駅、芝公園駅)、参加費2500円
b国鉄労働者1047名の解雇撤回!原告団・闘争団・争議団を励ます7・15全国集会
7月15日(金)午後6時30分 日比谷野外音楽堂(地下鉄霞ケ関駅下車)
bリストラ時代に人らしくフェスティバル
8月28日(日)12:30開場 開演13:30〜すみだリバーサイドホテル(墨田区役所隣り)
都営浅草線本所吾妻橋駅A1出口徒歩5分、銀座線浅草駅4番出口徒歩5分
前売り1000円、当日1300円
歌 趙博、矢野敏広(中山千夏)、生田卍、廬佳世、田中哲朗、マーク・グレゴリー
トーク 「リストラも事故もイヤだ!今JR民営化を問う」 鎌田慧、立山学、中山千夏
西谷敏さんの基調報告から
労組の役割を再確認させたJR西日本の事故
国鉄分割民営化
と改革法の性格
中曽根首相は「国労を解体して総評を崩壊させる」と国鉄民営分割化の目的を、民営化の後に語っている。これは団結権を否定するもので、違法なものであった。国鉄改革法によって、国鉄をなくして清算事業団に移して、それからJRに再雇用するという特異な構造を作った。それは国労組合員を排除するためだった。国鉄とJRは一体のものであることは明らかだ。
JRの責任を追及
する闘争の拡大を
地労委・中労委では、JRの責任を認めたが、一転してその後の裁判所はJRの責任を認めなかった。二〇〇三年の最高裁判決は三対二でJRの責任を認めないというもので、確定してしまった。法的にはJRの責任を追及できなくなった。まず結論ありきの政治的判決だ。
憲法二十八条の団結権を尊重する。このことが全然感じられない判決だ。さらに、当時の橋本龍太郎運輸大臣が「国鉄は新会社を助けるもので、JRが責任を負う」と答弁している。これに対して、多数意見はこの答弁は単なる説明の便宜だと切り捨てている。これを少数意見は批判している。この判決は国会軽視もはなはだしい。
鉄建公団の責任
を追及する意義
組合によって差別をしてはいけないという団結権思想が重要だ。不当労働行為があって、責任をとるものがないということはありえない。責任をとるのは国鉄・国鉄清算事業団と確定したのだから、それを引き継いだ鉄建公団に責任をとらせる。
最高裁判決の少数意見が大切だ。三対二に意見が分かれたのは後の下級審裁判に影響を与える。少数意見があるから、逆転判決がありうる。
JR西日本の事故で民営化によって安全が軽視されたことが明らかになり、労働組合の重要な役割が再認識された。労働組合を差別するのはとんでもないという世論が重要だ。(発言要旨、文責編集部)
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