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『日の丸・君が代』強制反対闘争総括集会         かけはし2005.5.16号

教育基本法の改悪を許すな強制反対・処分撤回の闘いを


都教委の大量処
分をはね返そう

 四月二十三日、石原・横山都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットワークは、東京・文京区民センターで「今年の卒業式で何が起こったか−もはや戦時下−総括と展望を語る集会」を開催し、百五十人が参加者した。
 石原都知事と都教委は、小泉政権の派兵国家化にむけた憲法改悪と教育基本法改悪を先取りする攻撃として、二○○三年十月二十三日に「日の丸・君が代」強制にむけた通達と卒業・入学式実施方針を打ち出した。それは校長に「職務命令」を出させ、「日の丸・君が代」に反対して、斉唱せず、起立しない教職員を処分するというものだった。教育労働者二百四十八人は、○四年時の卒・入学式に不起立などによって抗議の意思表示を行った。都教委は、驚きあわて、その報復として懲戒処分や嘱託解雇など大量処分を強行したのである。
 ○五年卒・入学式においても教育労働者は、生徒、保護者、地域市民とともに強制反対の闘いを果敢に展開した。またしても都教委は、卒業式での「君が代」斉唱時不起立を理由に五十三人に戒告・減給処分を強行した。また、四月の入学式での闘いで九人を処分しようとしている。都教委ネットは、教育基本法改悪が策動されているなかで、今春の闘いの成果と課題を集約するものとして集会を行った。
 主催者から開催あいさつが行われ、「都教委は、昨年に引き続き大量処分を行ってきた。昨年度からの処分者は三百人を超えており、このような暴挙を絶対に許すことはできない。強制反対・処分撤回のための闘いを、あらゆる手段を駆使して拡大していこう」と決意表明した。
 さらに、「○五年の攻撃は、生徒に対して『君が代』を何回も練習させたり、町田市教委のように声量指導まで強制してくるようになった。まさに生徒の内心の自由まで介入するという事態になっている。これらは、明らかに憲法・教基法違反だ。さらに今回の特徴として、都教委は権力を動員して抗議する仲間たちを監視し、不当逮捕し、弾圧をエスカレートしてきた。地域の仲間たちの抗議によって釈放をかちとり、社会的に問題となった。このような攻撃をはねかえしていくために教職員・生徒・保護者・市民のネットワークをひろげていこう」と訴えた。
地域の仲間とと
もに共同闘争を

 次に、被処分者、教員、生徒、保護者、市民などから各学校・地域の「日の丸・君が代」強制反対の取り組みを力強く、かつ怒りを込めて、次々と報告が行われた。
 弁護団は、不起立者のサポート、学校校門前のビラ撒き弾圧監視行動の報告と弾圧の性格を整理した。そして、「卒業式の際、学校正門前、公道においてビラ配布者に対して校長が『やめてください』と何回か通告し、その後、権力が来るというパターンがいくつかあった。不当逮捕されたケースも発生した。いくつかの学校では、すでに公安が監視体制に入っていた。つまり、都教委・校長・警視庁公安部・所轄警察署が一体となって弾圧してきた。このような局面に入ってしまったことに抗議しつつ、弾圧をはねかえしていく団結、共同行動を強化していこう」と強調した。
 大内裕和さん(教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会)は、「総括と展望」というテーマで「不起立闘争は、教基法改悪と真っ向から対決する闘いである。だからこそ都教委は、処分連発、『服務事故再発防止研修』による転向強要などによって対応せざるをえないのだ。今年の闘いでは、昨年の闘いを土台に、教員・生徒・保護者・市民が共同した闘いを各地で実現している。とりわけ学校長に対する申し入れ行動などを行いながら効果的に『日の丸・君が代』強制反対をアピールすることができた。私たちの闘いによって教基法改悪法案が国会に上程されていないことを成果として確認しつつ、『日の丸・君が代』強制反対の闘いと結びつけながら大きなうねりを作り出していこう」と提起した。
 最後に、参加者全体で集会アピール、5・7教基法改悪反対全国集会(代々木公園)への参加、人事委員会闘争、不当処分撤回裁判闘争の取り組みなどを確認した。(Y)



「改憲・天皇制の責任を問う」集会
新国家主義の中心として天皇制が前面に


派兵大国化と憲
法改悪は一対だ

 四月二十九日、東京・千駄ヶ谷区民会館で「改憲と天皇制の責任を問う4・29集会」(主催・実行委員会)が行われ、百二十人が参加した。
 小泉政権は、自衛隊のイラク派兵を通して派兵大国化を押し進めつつ、憲法改悪をめざしている。同時に「構造改革」と称する新自由主義政策は、資本のグローバル化と弱肉強食競争によって社会分裂を拡大させる。このプロセスにおける統合力の脆弱性に対して天皇制を柱とした新国家主義を前面に登場させてきた。それは「日の丸・君が代」の強制に反対する教職員に対する処分・排除、教育基本法の改悪、侵略戦争と天皇制賛美の教科書作り、そして、四月二十九日の「みどりの日」を「昭和の日」と改めて戦犯ヒロヒトの誕生日と元号を「祝う日」として強要する攻撃として現れている。
 ねばり強く反天皇闘争を取り組んできた仲間たちは、四月二十九日を「昭和の日」とする祝日法改「正」案の参院成立反対(衆院は四月五日可決)を掲げ、さらにヒロヒト賛美の立川・「昭和記念公園」内の「昭和天皇記念館」建設を許さない取り組みの一環として集会・デモを行った。
 開催にあたって主催者は、中国、韓国などの「反日デモ」が日本が侵略の歴史を反省することなく、歴史を改ざんし、派兵国家を強めていることに対する怒りであることを明らかにした。また、日本の排外主義的対応に対して批判し、「アジアの人びととともに天皇制の戦争・戦後責任を問い続けていこう」とアピールした。

「女たちの戦争と
平和資料館」を

 西野瑠美子さん(VAW−NETジャパン)は、二○○○年の「女性国際戦犯法廷」を報じた「NHK番組『改変』の経緯」を具体的に追いながら検証し、「法廷は、天皇の戦争を裁くというのが最大のテーマだった。番組は、過去と向き合い、どのように記憶していくのかをメインとした企画だった。だからこそ安倍や中川ら日本会議国会議員懇談会に所属する議員たちが、右翼をも動員しながら圧力を強めていった」と厳しく批判した。
 さらに、NHK裁判の報告を行い、「今回の事件は、表現の自由への弾圧である。また、受け手である視聴者の知る権利も侵害された。小泉政府は、憲法改悪によって諸権利を制限することをねらっている。九条改悪を許さず、非戦国家でなければならない。今夏に『女たちの戦争と平和資料館』をオープンする。加害の記憶の拠点としていきたい」と述べた。

靖国神社参拝訴訟
憲法判断を避ける

 辻子実さん(靖国参拝違憲訴訟の会・東京)は冒頭、東京地裁で四月二十六日に開かれた小泉・石原靖国参拝違憲訴訟の判決について報告した。(判決は)「小泉総理大臣らの靖国神社参拝を過去の侵略戦争を肯定するメッセージとして受け止め、精神的な苦痛を受けた人が多数いることは認められる」と触れたが、明確な憲法判断を避けてたことを糾弾した。そして、「マスコミは『敗訴』と言うが、過去の違憲訴訟判決においても、合憲だと言っていない。司法が憲法判断に踏み込んでいないのであり、私たちは負けたと思っていない。逆にマスコミの論調において、憲法判断をしろという意見が出てきた。裁判闘争の成果を確認したい」と強調した。

天皇制を強化し
ていく皇室外交

 さらに「女帝論」と「天皇の祭祀」問題を政教分離訴訟などの取り組みから批判、天皇の靖国参拝をねらう動きなどについて明らかにした。また、六月後半に天皇、皇后がサイパンを訪問することに触れ、「天皇は、日本人が死んだ所しか行っていない。加害の反省をしているわけではない。『慰霊』と言っているが、これは神道用語だ」と指摘し、皇室外交と天皇制を容認していく土壌について批判した。
 集会の後半は、反天皇制運動全国交流合宿、参戦と天皇制に反対する連続行動のメッセージ、「昭和天皇記念館」建設阻止団、「日の丸・君が代」強制に反対する市民運動ネットワークなどから連帯発言が行われた。最後に集会アピールを採択し、デモに移り、「改憲と天皇制に反対!『日の丸・君が代』強制をやめろ!」などとシュプレヒコールを繰り返した。 (Y)


NHK番組改ざん控訴審報告集会
新事実にも「介入・圧力」はなかったの一点張り

四十二ページの
準備書面を提出

 四月二十五日、東京・池袋の東京芸術劇場で、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン)主催で「NHK裁判控訴審 第3回口頭弁論報告集会」が行われた。
 この日は、二〇〇一年一月三十日に放映された女性国際戦犯法廷のNHK番組改ざん問題を訴えた控訴審の第三回公判にあたっていた。最初にNHK裁判弁護団の大沼和子弁護士が当日の法廷を報告した。
 大沼さんは、NHK番組改ざんにあたって政治家(安倍晋三、中川昭一)の介入・圧力、長沼チーフディレクターの内部告発によって作りだされた新しい情勢の中で、準備書面を全面的に書き換え、四十二ページにわたる詳細な準備書面を作成したことを報告した。この日提出された準備書面は、番組改変の動き―右翼の抗議行動―NHK幹部と自民党政治家の会談―いっそうの改変を事実にもとづいて追い、自民党幹部の圧力によって番組がズタズタに改ざんされていったことを明らかにしている。
 それに対してNHK側が提出した書面は、わずか八ページの薄っぺらなもので「政治的介入などなかった。圧力は受けていない。1月12日の朝日新聞の記事と長井氏の告発は事実ではなく、信用に値しない」として、もっぱら「編集権」を振りかざすだけであり、「新しい事実などないのだから『介入・圧力』などの主張に反論する必要はない」と述べるものだった。大沼弁護士は、こうしたNHKの態度そのものが、自ら「編集の自由、報道の自由」を放棄するものだ、と厳しく批判した。

「若手議員の会」と
「日本会議」は一体

 次にVAWW−NETジャパン共同代表の西野瑠美子さんが「歴史認識と番組改変」と題して報告した。西野さんは、一月二十九日にNHKの松尾武放送総局長、野島直樹総合企画室担当局長、伊藤律子番組制作局長が安倍晋三官房副長官と会ったのは「予算の説明」とされているが、そもそもNHK側の三人は予算担当ではなく、また番組放映以前にNHK側が面会したことが判明している四人の自民党政治家(安倍晋三、下村博文、古屋圭司、平沢勝栄)はいずれも「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(一九九七年結成、教科書から「慰安婦」記述の削除を求めるなどの活動をしていた)の中心メンバーであるが、彼らもすべて予算委員会の関係者ではない、と語った。
 西野さんは、「一月二十六日の右翼の『日本会議』が片山虎之助総務相に対して『NHKが公共放送としてふさわしい公正な報道を行うよう申し入れ』を行ったが、日本会議はすでにその以前からNHKの番組内容を『事前に察知』して抗議活動を展開した、と自らの機関紙『日本の息吹』01年3月号で述べている。中川昭一は『日本会議国会議員懇談会』の会長代理であり、安倍晋三はプロジェクトの座長であり、『若手議員の会』のほとんどのメンバーも同懇談会と重なっている。『慰安婦』の教科書からの削除を求めてきた『若手議員の会』と『日本会議』はまさに一体の存在であり、今回の政治的介入もそうした文脈の中で捉えられる」と語った。

権力のメディア
規制との対決を

 「日本会議」が片山総務相に「申し入れ」を行った一月二十六日の翌日、二十七日には、「維新政党新風」や大日本愛国党がNHKに押しかけ、乱入して「放送中止」を威嚇する行動を行っている。まさにこうした一連の流れの中で、安倍、中川らによるNHKへの圧力が行われたのだ。
 次に桂敬一さん(立正大学教員)が「政治とメディアのいま――NHK・ライブドア・持ち株制限違反」と題して講演した。桂さんは「NHK対朝日」という構図で問題を捉える報道の根本的な問題性を指摘し、ライブドアを通じて焦点化された「外資」の規制だけではメディアの独立を実現することはできないこと、グローバリズムが席巻する中で、改憲に向けた権力のメディア規制と対決し、メディアの中で告発を開始した勇気あるジャーナリストと市民の協力が必要であることを強調した。 (K)


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