| WORLD PEACE NOWが上映会&講演会 かけはし2005.4.4号 |
三月二十日、前日の集会・ピースパレードに続いてWORLD PEACE NOW実行委員会は「『107+1〜天国はつくるもの〜』上映&講演会・イラクからの声」を行った。会場の東京・日本教育会館会議室には百五十人が集まった。企画も参加者も二十代の若者が中心だった。
映画「107+1〜天国はつくるもの〜」(総指揮/監督 軌保博光改めてんつくマン)は、カネも経験もない若者たちが沖縄を舞台に「放置ゴミ一掃」、「サバニで糸満から鹿児島まで航海」、「アフガニスタン難民キャンプの子どもたちに長さ1キロの虹色マフラーを織って届ける」という企画をたて、それを実行に移すプロセスを描いた映画だ。この中で、環境問題や平和の問題を自覚していった若者たちが、目の前の困難にぶつかりながら、「まずやってみること」という無謀ともいえるチャレンジ精神を発揮して、それを克服していく姿は、率直に感動的なものだった。
続いて、バグダッドからWORLD PEACE NOW実行委員会が招いたアル・バハードゥリさんの米軍占領下のイラクの現状と占領の即時終了を求める講演と質疑応答が行われた(要旨別掲)。アンケートでは、バハードゥリさんの話に「メディアの報道ではまったくわからない事実を知って、とても良かった」という感想が多く寄せられた。
(K)
アル・バハードゥリさんの報告から
イスラムは市民の殺害も外国の占領も承認しない
以前イラクは繁栄と平和を享受し、あらゆるものに恵まれていた。教育費、医療費は無料で、第三世界の中では珍しいことに非識字率もゼロに近かった。しかし経済制裁の開始以後、すべてが変化した。
制裁によって子どもたちや老人たちなど、何十万人もの人びとの生命が奪われた。経済制裁の後にやってきたのが軍事占領だった。「大量破壊兵器の保有」、「9・11攻撃との関連」などの占領者の口実はすべて真実ではなかった。
占領者は経済的略奪だけではなく、占領初期にはイラクの歴史遺産や文化遺産を破壊した。彼らは高度の文明を侵略して、国立歴史博物館を略奪したのだ。それは記録に残っている一三世紀のモンゴルによる略奪よりもさらに徹底したものだった。そうしたことが民主主義の名において行われたのだ。今では「民主主義」が暴力を意味するようになっている。
イラクは昔から占領者に対する抵抗を続けてきた。占領者が国民になんの恩恵も施せないことは明らかになっている。われわれは占領が最後の日を迎えるまで、抵抗闘争を続ける。現在のイラクではテロ行為が行われているが、それはイラクの内部から発生しているわけではない。われわれはテロ行為が間違いであることを知っている。それは内乱を導き出す誤りだ。
私は昨日、WORLD PEACE NOWの集会に参加した。そこではさまざまな方向から平和への取り組みが行われている。イラク国内でも、さまざまな方向を持った運動が作りだされている。そこでは過激なイスラム主義からそうでないものまで含まれている。イスラムは平和と友愛の宗教であり、無辜の民の殺害を決して認めるものではないが、外国の占領を認めることもできない。
私たちはいかなる形での占領にも反対している。いくつかの国は、象徴的な形で占領に協力しているが、たとえ象徴的なものであったとしても占領は占領だ。そうした占領に参加する国を友人と見なすことはできない。友好を破壊するものだ。私たちは、イラク占領に反対している人びとの行動にあらためて感謝を表明したい。
質疑応答
自由がないかぎり平和はありえない
――イラクで起こっていることは宗教・宗派の違いによる勢力争いだと報じられているが。
イラク人内部には、そうした宗教上の対立はない。シーア派とスンニ派の対立を強調している人びとは占領を長引かそうという意図を持っている。両者の協力関係は強く、それを分断することなどできない。一例を挙げれば、私はシーア派だが妻はスンニ派だ。占領以前は、そうした対立を意識することなどなかった。
――自衛隊はイラクでどういう役割を果たしているか。
日本の軍隊は日本国民の一部だ。日本国民はイラク国民の友人であり、イラク国民は好意を抱いている。しかし自衛隊は占領のための軍隊であり、私たちは占領終結を望んでいる。いま自衛隊がなんらかの貢献をしているとは考えられない。本当に復興を望んでいるならば、企業を導入すべきだ。それなしに復興と言われても理解できない。
――劣化ウラン弾被害については?
占領軍はあらゆる種類の兵器を使った。生物兵器や化学兵器も使用した。かつて知られていない病気に苦しむ人も増えているが、それは兵器使用のためだ。あなたたちにお願いしたいことは、アメリカのウソを暴くことだ。
――一般のイラク人の生活はどうなっているのか。
衛生状況は悪化しており、病院には薬品もなく医療も壊滅状況だ。悪いところがさらに悪くなっており、暗い出口のない状態だ。バグダッド周辺では、米兵が絶え間なく監視を続け、バグダッドでも午後八時を過ぎると人っこ一人いなくなる。外出禁止令が出されているのは午後十一時以後なのだが。以前は若者たちで賑わっていたクラブや集いの場も破壊され、娯楽の場はない。若者にとってのさらに深刻な問題は失業だ。
食糧については、経済封鎖が続いていた時は配給券が支給されていた。いまでも配給券が使われている。食糧市場もあるが無監督状態で、腐った食べ物さえ売られている。
すべてが破壊され
たファルージャ
――移行国民議会選挙は成功したと言えるのですか。
占領下で自由な選挙は可能なのか。レバノン情勢について、米高官が五月の選挙を見据えて「シリア軍の撤退がなければ自由な選挙はありえない」と言明している。そうであるとしたらイラクで「米軍占領下の自由な選挙」が行われたというのはおかしい。ましてレバノンのシリア軍は同じアラブの国ではないか。
――ファルージャでの虐殺について、現実はどうだったか。
ファルージャ虐殺の前にナジャフでの虐殺があった。イマム・アリ廟周囲の旧市街がすべて破壊された。ファルージャでは跡形もないほど家屋が破壊され、住民は全員町から追い出された。いま市民たちは家に戻ろうとしているが、戻るためには二日間も待つような長い列を作らなければならない。町に着いても、どこが自分の家だったか分からない。だからファルージャを棄てて、親戚の家に身を寄せるしかないのだ。
――日本人拘束事件についてどう考えるか。
日本国民は私たちの友人であり、日本国民に起こったあらゆる事件を残念に思う。一般のイラク人は、拉致などは米軍の協力者に対して行われていることだと思っている。それを避けるためには、ぜひ日本政府に圧力をかけて自衛隊を撤退させるようお願いしたい。
――イラク民主的国民潮流(CONDI)は、どういう活動をしていますか。
私自身はCONDIの友人であって、組織を代表するわけではない。CONDIは他の民主的な潮流とともに占領を終わらせ、イラク人の主権を確立して未来を作りだす活動を展開している。いま私が日本にいるという事実が、私たちの活動を表現するものだ。
――「平和」とはなんだと思いますか。
平和は世界中で一つしかない。平和を望まない人はいないだろう。平和とは自由と民主主義のことであり、人間が自由に思いどおり行動できるということだ。占領という現実があるかぎり平和とはいえない。
(報告・質疑要旨:文責・編集部)
口頭弁論と全国集会の一日行動
最高裁でも勝訴し、もんじゅ廃炉を実現しよう
福井の青年労働者
先頭に宣伝活動
三月十七日、「もんじゅを廃炉に!最高裁でも勝利を!全国行動」が行われた。同日午後、もんじゅに対する国の設置許可の無効確認を求めた行政訴訟の口頭弁論が最高裁で開かれるのを機に、霞ヶ関や丸の内の官庁街での街宣行動、国会議員への要請行動や全国集会などの行動が繰り広げられた。
また前日夕、「『もんじゅ』最高裁勝利を求める県民集会」が福井市内で開かれ、勝訴へ向けた労働者と住民の団結と連帯をあらためて確認するとともに、貸し切りバスで東京に徹夜で向かう代表団の結団式と出発式が行われた。
十七日は朝八時半から福井の代表団と全国の市民による霞ヶ関官庁街での宣伝活動が行われた。代表団は空色のゼッケンをつけ、二十代の青年労働者を先頭に熱気あふれるチラシまきを行った。福井県内では、二十年前にはじまったもんじゅ訴訟を知らない世代向けに学習会を重ね、最高裁への要請ハガキが刷り込まれたチラシを十二万枚配布してきた。福井の代表としてこのチラシ行動が住民勝訴へとつながるという信念が青年労働者たちから伝わってきた。
十時から社会文化会館で学習会が行われた。原子力資料情報室の伴さんを講師に、原子力長計の策定会議でもんじゅをどのように審議しているかについて報告が行われた。敦賀市在住の原告である吉村清さんからは、口頭弁論で住民側が主張するポイントと決意が述べられた。
また、山口県から参加した三浦さんと山本さんから、上関原発建設問題をめぐる緊張した現地状況が伝えられた。県による詳細調査の同意があり、中国電力によるボーリング調査開始が秒読み段階に入り、予定地対岸の祝島ではボーリング調査を身体を張って阻止しようと漁民は決意しているという。
学習会と併行しながら、代表団による原子力委員会と文部科学省への申し入れが行われた。雨が降り始めるなか、正午過ぎからは口頭弁論の傍聴券取得行動を行った。最高裁南門前には二十五枚の傍聴券に対し、推進側や報道関係者も合わせ百九十八名が並び、住民側は約十枚を取得、全国からの代表者を傍聴席に送った。
第一小法廷での口頭弁論と傍聴行動と併行し、国会議員への要請行動と改築のため丸の内に移っている文科省前での宣伝行動が行われた。議員会館では今国会で審議が開始されている原子力二法案に対して廃案に向けた活動をしている市民とともに、福井からの代表団が議員への要請行動を行った。代表団はあらかじめ地元選出議員をリストアップし、ねばり強い要請を行い、一部与党事務所からはクレームもでたという。文科省前では全労協の春闘統一行動と合流し、およそ四百名でシュプレヒコールを丸の内にこだまさせた。
「住民側勝訴」を
確信した陳述
午後三時過ぎから衆議院第一議員会館で傍聴と口頭弁論の報告会が行われた。報告会は四時開始の予定だったが、口頭弁論では国側の発言がわずか三分程度であったことから繰り上げての報告会となった。
口頭弁論での住民側の発言は約一時間、原告団の小木曽美和子・事務局長を中心に、代理人の海渡雄一弁護士ら計七名が陳述を行った。報告会で弁護団の吉村悟弁護士は、「国は主張を短時間で切り上げることでかえって上告申し立てと今回の弁論が矛盾した」と指摘し、「国の上告棄却か、改造工事を含めて審理するよう求めて差し戻すかのどちらか」という最高裁判断を予測、「国の逆転勝訴はないと確信した」と報告した。
この報告会には福島瑞穂参議院議員と金田誠一衆議院議員が参加、福島さんは司法修習生時代にさかのぼってもんじゅ裁判との関りについて語り、原告団・弁護団のこれまでの活動をねぎらった。
一枚でも多くの
ハガキを最高裁へ
夕方六時半からは会場を総評会館に移し全国集会が行われた。福井県原発反対県民会議の代表委員の宮下さんの行動報告、主催者を代表した原水禁国民会議の福山さんのあいさつ、原告団の一員である小浜市の中島哲演さんの発言に続き、研究者として住民を支えてきた元京大原子炉研の小林圭二さんによるもんじゅの危険性についての講演や弁護団による裁判報告が行われた。
小木曽さんと京都・反原発めだかの学校の佐伯さんからは、今後の重要な運動展開として、最高裁への要請ハガキが刷り込まれたチラシの配布を継続し、一枚でも多くのハガキを最高裁に送ろうとの訴えが行われた。
また、昨年十二月に核燃サイクル機構(旧動燃)を相手に約一億四千八百万円の損害賠償を求める訴訟を起こした西村トシ子さんが連帯のあいさつを行った。西村さんは九六年一月に、当時動燃の総務部次長として「ビデオ隠し問題」の内部調査をしていたパートナーを失い、その死の真相を知るために訴訟をはじめた。トシ子さん自身、結婚まで動燃に勤務していたが、「自分の訴訟により、もんじゅ裁判で有利になる証拠も提出させたい」と語り、原告はじめ集会に参加した二百七十人からの強い拍手ではげまされた。
もんじゅ裁判は開始から二十年。三十二人の原告のうち、六人が亡くなっている。一方、今回の行動に示されたように、地元福井では多くの青年たちがもんじゅ廃炉に向けた闘いを担いはじめている。最高裁の判断は通常、口頭弁論からおよそ二〜三ヶ月後に示されるという。ハガキ行動をはじめ裁判勝利に向けた闘いを強めていこう! (斉藤)
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