全世界をつなぐ反戦運動のうねりでブッシュ政権を追いつめよう
かけはし2005.3.7号 |
イラクの長期占領ねらう米軍
ブッシュ米大統領が開始したイラク侵略戦争から二年がたった。「大量破壊兵器の脅威」とか「国際テロ組織アルカイーダとのつながり」といった、あらゆる虚偽をまきちらし、国際法や国連憲章にも違反して強行されたイラク侵略戦争と植民地主義的占領は、二年経過した現在も、イラク全土を戦乱の渦中にたたき込んでいる。
すでにこの二年間でイラクの人びとの死者は十万人を超えた。米軍兵士の死者も千五百人を突破し、その数字は日々増えつづけている。米英占領軍の戦争と占領の不法性、非人道性は、昨年、二度にわたって行われたファルージャでの無差別の大虐殺、アブグレイブ刑務所でのイラク人に対する身の毛もよだつような拷問・虐待によってあからさまに示された。
今年一月三十日に行われた軍事占領下の「移行国民議会選挙」は、サダム・フセイン独裁体制の下で弾圧されていたシーア派宗教指導者やクルド人指導部の協力を取り付けたが、それは占領軍の銃剣の威圧の中で行われ、かつ人口の約二〇%を占めるスンニ派のほぼ完全なボイコットをあらかじめ想定した全く民主主義的正統性を欠いたものであった。
しかし問題はそれだけではない。イラク民衆の反米・反占領意識が拡大し、「イラクに自由と民主主義をもたらす」というブッシュの宣伝が功を奏しなくなった現実において、「移行国民議会選挙」で圧勝したシーア派勢力もまた、米英を中心とした占領軍の早期撤退を求めざるをえないということである。
しかし米占領軍は、決して早期撤退を認めることはできない。石油資源をはじめとしたイラク経済を軍事占領を背景に支配するとともに、パレスチナを帝国主義の支配秩序に組み込む「中東和平」構想を実現する上で、イラクはブッシュ政権にとって重要な地域拠点なのであって、たやすく兵力を引き上げることはできない。むしろ米占領軍は、イラクに恒久的な軍事基地を建設しようとすらしている。
しかも第二期ブッシュ政権は、イラク侵略を自らの「成果」として押し出し、全世界に「自由と民主主義」を押し広げることを広言した。そして、次の軍事的介入の目標として「最大のテロ支援国家」と名指ししたイランや、「テロリストに活動根拠地を与えている」と批判したシリアを挙げているのである。
アメリカのイラク侵略戦争は、二年たった現在、確実にブッシュにとって進退きわまった泥沼と化している。米占領軍は、不可避的に拡大する反米・反占領の大衆的闘いに対する恐怖にかられた殺人的弾圧を継続せざるをえないだろう。われわれはこうした現実を絶対に認めることはできない。
ポルトアレグレで開催された第5回世界社会フォーラムの反戦会議決議は、三月十九日、二十日を「すべての占領軍はイラクからただちに撤退せよ!」「もう戦争はいらない」の共通スローガンの下で全世界をつなぐグローバルな反戦行動デーとすることを呼びかけた。この呼びかけに応えよう。なによりもわれわれ一人一人が組織者となって、三月十九日にWORLD PEACE NOW実行委員会が呼びかける東京での集会をはじめ、全国各地でイラク反戦・自衛隊の即時撤退を求める大きな行動を作りだそうではないか。
反戦運動の基本課題は何か
三月十九日、二十日の反戦行動を成功させる上で、明確にしておかなければならないことがある。
第一は、この侵略戦争と占領の不法性を明確にし、米英をはじめとする占領軍のイラクからの即時撤退と、侵略・占領による被害の無条件の補償を要求することである。ブッシュ米政権の「単独行動主義」への批判は、決して仏・独など欧州諸国などとの「国際協調主義」や国連主導による「秩序の維持」と「復興」の枠組みを要求する不法な占領の正統化に結びつけてはならない。米ブッシュ政権による「単独軍事占領」から「国際協調主義」の下での占領体制への移行や、占領の枠組みを保持したままの「主権回復」を求めるのではなく、占領体制にただちに終止符を打つことこそがイラクの民主主義と自由、イラク国民の自由な意思に基づく主権回復の前提条件であるという原則をゆるがせにしてはならない。
第二は、占領体制に対するイラク民衆の抵抗闘争の権利を無条件に防衛しつつ、一般市民に対する無差別テロや、「拉致・殺害」といったテロリズムを批判する立場を明確にすることである。
「ザルカウィー派」を名乗る一部の原理主義的「反米武装勢力」のテロリズムは、いまだ萌芽的段階だとはいえ可能な「希望」への道、すなわちイラク民衆の宗派、民族、部族の枠組みを超えた民主主義的主権回復をめざす反占領の大衆的抵抗運動の枠組み(本紙前号に掲載した、アル・リカービさんとのインタビュー参照)に対する敵対である。そうした無差別テロリズムは、反米抵抗闘争を分断し、多くの民衆を抵抗運動から遠ざけ、外国軍占領体制への追認と協力に追いやる結果をもたらさざるをえない。「反米武装抵抗闘争断固支持」という名目で、反動的・人権抑圧的な勢力にエールを送る傾向を、きっぱりと批判することが必要である。
自衛隊はただちに撤退を
第三は、今年に入ってからもポルトガル、スペインなどイラクに軍隊を送っていた諸国が相次いで兵を引き上げているにもかかわらず、あくまでも「人道復興支援」であるとか、「ここで撤退するのは国際的な信頼を損ねる」という口実を並べ立て、自衛隊派兵に固執する小泉政権との闘いをさらに強めていくことである。
昨年十二月、「イラク派兵特措法」にもとづく自衛隊イラク派兵がさらに一年間延長された。二月には名古屋市の守山駐屯地の陸自第10師団を主力とする第5次派兵部隊がイラクに派兵された。さらに五月には兵庫県の伊丹駐屯地部隊などを中心にした第6次派兵が計画されている。
第5次派兵部隊の構成で特徴的なことは、自衛隊が駐屯するサマワに派兵されていたオランダ軍が撤退する対策として、警備部隊を三十人増強する一方、「人道的復興支援」の看板だった給水部隊を五十人から二十人に大幅に減らしたことである。今後、自衛隊の給水活動は、陸自部隊の内部向けの飲料水などに限定される。防衛庁は、「ODA(途上国開発援助)による浄水装置の供与で住民への飲料水は十分に提供できる」と言い訳している。しかしそんなことは、当初からJVC(日本国際ボランティアセンター)などのNGOによって明らかにされていたことである。
こうして陸自の活動は「人道的復興支援」のキャッチフレーズがますます色あせ、アメリカ主導の軍事占領の一角を担うその本質をいっそう鮮明にしていくことになる。しかし現在の「イラク特措法」は、自衛隊が本格的な軍事戦闘任務に従事することをいまだに困難にしている。そこで小泉政権は苦しまぎれに、オーストラリアのハワード保守党政権に四百五十人の追加派兵をサマワに配備することを要請せざるをえなかった。
それは、日本政府・支配階級に対して、こうした軍事上の制約を突破する衝動を駆り立てている。そのゴールが憲法9条の明文改悪と「集団的自衛権」発動の承認であることは言うまでもない。
反基地闘争との連帯を
われわれはあらためて訴える。イラク反戦と自衛隊の即時撤退を求める行動を、広範な人びとの間に再度押し広げ、戦争政治家ブッシュとその追随者・小泉政権を追い詰めるグローバルな闘いの一角を担おう。
この闘いは、米軍の「トランスフォーメーション」(変革・再編)戦略の下で、日米両支配者が追求する侵略的軍事同盟の本格化に対して、沖縄・辺野古住民が最先頭で切り開いている米軍基地再編・強化に対する運動とつながろうとするものである。そして同時にグローバル戦争と新自由主義的グローバリゼーションがもたらす貧困と雇用破壊に対する抵抗を社会のすみずみから創造する主体を形成していく闘いでもある。
WORLD PEACE NOW 3・19(東京・日比谷野外音楽堂、午後12時半開場)への大結集を! 全国各地で計画されている3・19〜20行動の成功を!
(2月27日 純)
|